TOEFL ITP®︎の受験を考えている方の多くが、「TOEFL iBT®︎と何がどう違うのか」「将来、どんな場面で役立つのか」「平均スコアはどれくらいか」といったさまざまな疑問を抱えているのではないでしょうか。

スコアアップを目指すうえで大切なのが、TOEFL ITP®︎のテスト形式や出題内容、勉強法を正しく知ること。

とはいえ、価値ある情報を自分で取捨選択するのは難しいものです。

そこで今回は、TOEFL ITP®︎スコアを持つ筆者が試験概要や日本人の平均スコア、目標スコアの目安などを詳しく解説します。

スコアアップにおすすめの勉強法も併せて紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

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TOEFL ITP®︎とは

TOEFL ITP®︎とは、アメリカ・ニュージャージー州に拠点を置く非営利テスト開発機関「ETS(Educational Testing Service)」が開発した団体向けのテストプログラム。年間約22万人が受験している英語試験です。

日本国内では、一般企業や教育機関を含めた500以上の団体において、クラス分けや入試、留学希望者の選考などに活用されています。

TOEFL ITP®の受験方法は、以下の2種類です。

(1)ペーパー版・・・マークシートを使って筆記で受験
(2)デジタル版・・・インターネットを通じてパソコン上で受験

TOEFL ITP®︎で出題されるトピックは、自然科学や社会科学、芸術などアカデミックな内容が中心です。

難易度によって、過去のTOEFL PBTの問題をそのまま出題する「レベル1」、TOEFL PBT®︎の内容が再構成された「レベル2」に分かれています。

ちなみに、TOEFL PBT®︎は、日本では2007年11月に廃止されました。

TOEFL ITPと iBT®︎との違い

TOEFL ITP®とTOEFL iBT®︎の大きな違いは、受験対象。TOEFL ITP®は団体向けテストのため、個人で申し込みできません。TOEFL iBT®であれば、個人で受験可能です。

TOEFL ITP®とTOEFL iBT®はいずれも英語能力を測定・証明するテストではありますが、試験内容やスコア(配点)などさまざまな違いがあります。

種類TOEFL ITP®︎TOEFL iBT®︎
対象団体個人
テスト形式ペーパーもしくはパソコンパソコン
試験内容・リスニング
・リーディング
・文法
・リスニング
・ライティング
・リーディング
・スピーキング
スコアレベル1:677点満点
レベル2:500点満点
各30点(合計120点満点)
試験時間レベル1:約1時間55分
レベル2:約1時間10分
約3時間30分
会場大学・企業各都道府県の指定会場
受験料約6,000円(受験者数によって変動)US$235(約25,000円)
目的英語力測定海外留学

関連コラム:TOEFL®︎とは?受験するメリットやTOEIC®︎・IELTSとの違いも解説

TOEFL ITP®︎の試験概要

試験形式

TOEFL ITP®は、リスニング・リーディング・文法の3セクションで構成されています。

各セクションの出題形式は以下の通りです。

リスニング(計50問)・短い会話または短文:30問
・会話2つ:各4問
・短めの話3つ:各4問
文法(計40問)・空所補充問題:15問
・誤文訂正問題:25問
リーディング(計50問)・長文5つ:各10問

試験内容

TOEFL ITP®で出題される、各セクションの試験内容は以下の通りとなっています。

リスニング

リスニングは、北米で話されている英語を聴いて内容を理解し、質問に対する解答を4つのなかから選びます。

レベル1レベル2
PartA:二人の話し手の会話
PartB:Part Aより少し長めの会話
PartC:短めの話
PartA:短文
PartB:二人の話し手の会話
PartC:短めの話

リーディング

リーディングでは、250~350語近い英単語で構成された5つの英文を読みます。その後、英文の内容に関する問題各10問(合計50問)の質問に答えていくというものです。

トピックは、大学の授業で取り上げられるような学術的な内容がほとんど。歴史や生物、美術に関する専門的な知識は必要ありません。

文法

文法では、正しい語句を補って文章を完成させたり、文法の誤りを見つけたりする能力が問われます。

TOEFL ITP®で扱われる文法問題の多くは、中学・高校で学ぶ内容です。

簡単だと思うかもしれませんが、一文が非常に長く馴染みのない単語が多いため、理解するのに時間がかかります。

試験時間

TOEFL ITP®の試験時間はレベル1が約2時間、レベル2が約1時間10分となっています。

セクション解答時間(レベル1)解答時間(レベル2)
リスニング約35分約22分
文法約25分約17分
リーディング約55分約31分
合計約2時間約1時間10分

スコア配分

TOEFL ITP®のスコアは、レベル1が677満点、レベル2が500点満点となっています。各セクションの点数配分は下記の通りです。

レベル1のスコア配分

セクション問題数スコアの範囲
リスニング50問31~68点
文法40問31~68点
リーディング50問31~67点
合計140問310~677点

レベル2のスコア配分

セクション問題数スコアの範囲
リスニング30問20~50点
文法25問20~50点
リーディング40問20~50点
合計95問200~500点

TOEFL ITP®の合計スコアは、3セクションのスコア合計(リスニングス・文法・リーディング)を10倍。合計スコアを3で割り、四捨五入したものが得点となります。

TOEFL ITP®日本人の平均スコア

Test and Score Data Summary for the TOEFL ITP® Test」によると、2019年にTOEFL ITP®を受験した日本人の平均スコアは465点となっています。

公表されているCEFR(ヨーロッパ共通参照枠)における、TOEFL ITP®とTOEFL iBT®もスコア換算を参考にしてみてください。

TOEFL ITP®TOEFL iBT®CEFRのレベル
627~677点73~95点C1(Proficient User)
543~626点43~72点B2(Independent User-Vantage)
460~542点42~71点B1(Independent User-Threshold)
337~459点A2(Basic User)

関連コラム:【換算表付き】TOEFL®︎のスコア平均ってどれくらい?スコア別の英語レベルも詳しく解説

ちなみに、CEFRの英語レベルは以下の通りとなっています。

C1(熟練した言語使用者)

専門的かつ高度な長文を理解でき、複雑な話題についてもしっかりとした構成の文章を作成できるレベル。

また、自己表現ができビジネスシーンでも活躍できます。

B2(自立した言語使用者)

幅広い話題について、ネイティブとも流暢かつ自然なコミュニケーションが取れるレベルです。自分の専門分野に関しては、具体的な話題だけでなく抽象的なで複雑な内容も理解できます。

B1(自立した言語使用者)

仕事や学校、娯楽など身近なトピックについて、簡単な文章を作成できるレベルです。

A2(基礎段階の言語使用者)

自分の名前や趣味、家族など深い関わりのある事柄について、よく使われる表現や文章を理解できるレベル。日常レベルの内容であれば、問題なくコミュニケーションをとれます。

TOEFL ITP®の目標スコアは?

TOEFL ITP®のスコア450~530点を取得できれば、日本企業において貴重な人材として重宝されるでしょう。

英語圏の大学や海外留学を希望する場合は、最低でも500点以上、大学院を目指すのであればスコア550点以上が目安となります。

ただし。各大学や大学院によって必要とされるTOEFL iBT®スコアが異なるため、希望の留学先の出願条件を確認しておきましょう。

TOEFL ITP®︎のスコアをアップするための勉強法

単語は徹底的に覚える

繰り返しになりますが、TOEFL ITP®︎で出題されるトピックは大学の講義で扱われるアカデミックな内容が大半です。文法はわからなくても、単語の意味を理解できていれば問題を解けるようになります。

語彙力は、問題を解くうえで必要不可欠です。TOEFL®︎試験対策に役立つ単語帳を持ち歩き、スキマ時間を使って暗記するようにしましょう。

参考コラム:TOEFL®︎の対策におすすめな単語帳・アプリを紹介!アカデミックな単語はどうやって暗記する?

リスニングは一文ずつスクリプトを熟読する

リスニング問題のトレーニングは、解説に付いているスクリプトを理解できるまで繰り返し読みましょう。

一文ずつじっくり読み、聴き取れなかった部分や聴き取りづらかった部分も正しく理解することが、リスニング力を強化する近道です。

全文を理解できるようになったら、スクリプトを見ずに音声を聞いてシャドーイングも取り入れてみてください。ネイティブに近い正しい発音ができるようになります。

文法はアウトプットに時間をかける

TOEFL ITP®︎の文法スコアをアップするには、過去問を解いてアウトプットに時間をかけること。

問題に慣れるのはもちろん、問題の出題パターンや自分の苦手分野を把握できるようになります。

間違えた問題や分からない部分は、参考書を見直して理解できるまで解説を読み込むのがおすすめです。

時間を計る

TOEFL ITP®︎は、試験時間が約2時間と長丁場。セクションごとの休憩時間はありません。

リスニング問題では音声を聴けるチャンスは一度しかないため、集中力の低下は聞き逃しの原因となります。

そのため、過去問や模試を解く際は時間を設定し本番に近い環境で勉強するようにしましょう。

まとめ

TOEFL ITP®︎の勉強に取りかかる前に、テスト形式や出題内容、平均スコアなどをしっかり確認しておきましょう。

ただ闇雲に学習を進めるよりも、試験の概要を把握したうえで目標を立てた方が効率的です。

TOEFL ITP®︎では、TOEFL PBT®︎で過去に出題された問題がそのまま使用されているため、過去問を繰り返し解くことでスコアアップを狙える可能性が高くなります。

関連コラム:初心者必見!TOEFL ITP®で500点以上を取る勉強法と対策

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