TOEFL iBT®の4つのセクションのうち1問あたりの得点が最も大きいのがライティング。

苦手意識を持つ人も多いのですが、練習を積めば最も得点アップをしやすいセクションだとも言われています。

このコラムでは、ライティングセクションの得点アップのコツを詳しく解説しています。

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TOEFLライティングの概要

ライティングが課されないTOEIC®は何度も受験したことはあるけれど、TOEFL iBT®を受けたことはないという人も多いと思います。

一体TOEFL iBT®のライティングセクションはどのような形式なのでしょう?

所要時間

ライティングセクションの所要時間は50分です。

20分間のIntegrated writing task(統合的タスク)と30分間のIndependent writing task(独立型タスク)の2つの課題が課されます。

でも「統合」や「独立」は何を意味するのかよく分かりませんよね?

Integrated writing task(統合的タスク)とは、はじめにリーティングとリスニングを行った上でその内容を要約する課題。

書くだけではなく、読んだり聞いたりする技能も必要なので「Integrated(統合的)」と呼ばれます。

反対にIndependent writing task(独立型タスク)は、与えられたテーマに対して作文を行うというライティングの技能に特化した課題です。書く技能だけが求められるので「Independent(独立型)」なのです。

3時間に及ぶTOEFL iBT®テストの一番最後のセクションなので、ここまで集中力を維持し続けることも重要ですね。

セクション時間
リーディング54-72分
リスニング41-57分
休憩10分
スピーキング17分
ライティング50分

採点方式とスコア

Integrated writing task(統合的タスク)とIndependent writing task(独立型タスク)には異なる時間が与えられていますが、配点にも違いがあるのでしょうか?

実はどちらも同じ5点満点で採点され、その平均点が30点満点に換算されます。

下の採点基準表に基づき、コンピュータによる自動採点と人間の採点者による手動の採点の両方を用いてスコアが付けられるシステムです。

5論理的に文章が構成されており説得力がある文法や単語のミスがほとんど無い
4部分的に不完全なところがあるものの、全体的に説得力のある文章である文法や単語のミスはあるが、文章の意味を損なうほどではない
3設問に回答しているが、関連が曖昧になるところもある文法や単語のミスにより、意味がよく分からないところもある。
2設問に回答できている部分もある文法や語彙に間違いが多い
1設問に回答していない文章の構成が出来ていない
0設問に全く関係がない無回答

(上の表は、TOEFL iBT®ライティングセクションの採点基準表を分かりやすくまとめたものです。正確な情報を知りたい人は公式サイトが発表しているWriting Rubricsを参照して下さい。)

関連コラム:【換算表付き】TOEFL®︎のスコア平均ってどれくらい?スコア別の英語レベルも詳しく解説

ライティングの得点の目安と平均点

採点基準表を見て頂いたら分かる通り、何かしらの意味がある英文を書きさえすれば0点を取ることはありません。

しかし多くの大学などの教育機関が留学の最低基準に設定しているスコア80に到達するためには、ライティングの2つのタスクそれぞれで「3以上」、30点満点換算で「20以上」を目指す必要があります。

ちなみに2021年に発表された公式データによると、日本語を母語とする受験者の平均得点は30点満点換算で18点です。

目安となる20点にわずかに届かずといったところでしょうか。

もちろん難関大学や大学院への留学や進学のためには、より高いスコアが必要です。

それぞれのタスクで「4以上」、30点満点換算で「25以上」を目指しましょう。

日本人がライティングを難しく感じる理由

多くの日本人受験者がライティングセクションを「難しい」と感じているようです。

その要因の一つは「日本語と英語の構造の違い」です。

皆さんも子どもの時、国語の時間に「起承転結」で文章を書く練習をしましたよね?

最後に結論を持ってくるあの構造をそのまま英文に適用すると、非常に説得力のない文章になってしまいます。

英文ライティングの鉄則はまず結論。

その後、その結論をパックアップする根拠や説明を付け加えていきます。

そして最後にもう一度結論を述べて文章を締めくくる。

単語や文法を身につけるだけではなく「思考の順序」も英語式にすることで、説得力のある英文が書けるようになってきます。

他にも日本人がライティングを難しく感じるのには日本の教育ではリーディングとリスニングを重視していることも考えられます。

TOEFL iBT®ライティングセクション問題形式ごとの傾向と対策

ライティングセクションの概要は掴んで頂けましたか?

ここからは2つのタスクそれぞれの傾向と、対策を解説していきます。

Integrated task

リーディングとリスニングの能力も活用するIntegrated taskでは、まずはじめに3分間であるテーマについての英文を読んだあと、同じテーマについての大学での講義を聞きます。

この英文は何度でも読み返せるのですが、講義は一度しか流れません。

従って要点をしっかりとメモすることが重要です。

そしてその講義の内容を要約することがタスクになります。

与えられた時間は20分

長いようでかなり短いので、文章を推敲しているヒマはありません。

説得力のある構成の型=テンプレートに重要な点をはめ込んでいく方式が最もスムーズです。

講義ではリーディングの英文の内容に対する反論が述べられることが多いので、下のような構成で文章を組み立てましょう。

導入文The lecturer explained why ○○○ is ○○○ by listing several counterpoints over the article.
論点①First, the lecturer claimed that ○○○ is ○○○ even though the article appealed ○○○ is ○○○.
論点②Next, ○○○ is not ○○○, but ○○○. This is because …
論点③Last but not the least, ○○○ is ○○○ as ….
締め文Based on the reasons above, ○○○ must be ○○○.

もちろんこれはあくまで一つの例に過ぎませんので、自分が良いと思うものをいくつも試してみてオリジナルのテンプレートを自分の引き出しの中に何パターンか持っておくことが大切です。

Independent task

Independent taskはリーディングなどが課されないので取り組みやすい反面、要約ではなく100%自分で文章を生み出すという難題に立ち向かわなくてはなりません。

また子どもの頃から日本語で書いてきたような文章ではなく、英語として自然な構成の説得力のある文章である必要があります。

与えられた時間は30分

ここで重要なのは、TOEFL iBT®はあくまで英語の試験であるため文章に用いる情報やデータは必ずしも正確なもので無くても良いということ。

Agree or disagree? : ○○○ is beneficial for ○○○.(○○○にとって○○○は有用であるという意見に同意するかしないか)のように自分の考えを聞かれる課題が出されるので、自分の考えをクリアに示した上で、バックアップとなる根拠を客観的な情報を元に列挙します。

その際に使う情報は、確実とは言い切れなくても断言して構いません。

もちろん実際に大学や大学院でライティングの課題が出されたときには、信頼しうる参考文献を正確に引用しなければなりません。

しかしTOEFL®試験中にはそんなことはできませんよね?

「もし大学に入ったらちゃんと引用を引いて高度な英文を書けますよ」ということがアピールできればいいのです。

テンプレートは下のようなものが考えられます。

結論I strongly agree with ○○○ based on the following three reasons.
論拠①First of all, ○○○ is ○○○. It is believed that ○○○ is ○○○ but ○○○ is not always ○○○. …
論拠②Secondly, ○○○ is ○○○. According to scientific research, ○○○ is ○○○. …
論拠③Lastly, ○○○ is ○○○ if not ○○○. When I went to ○○○, many ○○○ was ○○○ …
結論These are the reasons why I agree with ○○○.

スコアアップにつながる!ライティング本番で点数を伸ばすコツ

この章では時間内で論理的な英文を作るためのコツをご紹介します。

文章の骨組みを作ってから肉を付ける

文章を前から順番に書いていくと、徐々に論点がぶれて最終的な着地点とスタート地点があっていない状態になりがちです。

絵を描くときにはまず鉛筆で薄く下書きをするように、最初に文章全体を貫く論理の「骨組み」を書きましょう。

その後に徐々に肉付けをしていくことで、一本筋の通った文章になります。

メモは文章ではなく情報のビジュアル化を意識

Integrated taskのリスニングはたった一度しか流れないので、要点をメモすることが大切です。

しかし大切なのは「メモは文章でなくて良い」ということ。

英語学習に真剣に取り組んできた人ほど、リスニングの内容を英語の文章としてまとめようとしてしまうのですが、メモは採点されません!

効率化のため記号や絵文字も活用し、文章というよりは情報を図や表でまとめることを意識しましょう。

また全て英語で書く必要もありません。

カタカナでもいいので、一番早く情報を記録できる方法を研究してみて下さい。

文語表現を使う

日本語も英語も、話し言葉と書き言葉は異なります。

一般的にライティングには、スピーキングに使うよりも堅い文語表現を用いるべきだとされています。

具体的には「〜なので」と言いたいときは ”so” よりも ”therefore” や ”hence” を、 「しかし」と言いたいときは ”but” よりも “however” や “on the other hand” を用いるようにして下さい。

この技術は実際に海外の大学などで論文を書くときにも、重要になってくるのでぜひ身につけておきましょう。

繰り返しを避ける

英語は繰り返し表現を避ける言語だと言われています。

一度使った接続詞などは連続して使わず、言い換えるようにして下さい。

例えば一度 “even though” を使ったら、2回目以降は “despite” や “albeit” を使いましょう。

こうすることで文章が陳腐になることを避け、洗練した印象を与えることができます。

レベル別ライティングのおすすめ勉強法

参考書等で独学することが容易なリーディングやリスニングに比べると、ライティングの対策はなかなか難しいですよね?

しかし、昨今の技術革新によって独学に有効なツールも続々と登場してきています。

上手に活用して得点アップに繋げましょう!

この章では、ライティング対策のおすすめ勉強法とテンプレートの作り方をレベル別にご紹介します。

関連コラム:TOEFL®初心者が自力でハイスコアを取るための勉強法を経験者が伝授!

初めてTOEFL iBT®を受験する人向けの勉強法

TOEFL iBT®スコア70点に満たない初心者の方におすすめなのは、自動でスペリングや文法をチェックしてくれるアプリ「Grammarly」です。

本番のテストもコンピュータによる採点技術を利用していることを考えると、まずこのアプリで文法ミスや単語ミスを指摘されないように練習することが非常に有用であることが分かります。

Grammarlyに直接入力するのではなく、文章のオートコレクション機能のない「メモパッド」などのアプリケーションでしっかり時間を計ってライティングを行い、その後にGrammarlyでチェックするようにしましょう。

初心者の方にオススメのテンプレートの作り方は、使い慣れていない表現を使わず、シンプルかつ説得力のある文章を目指すこと。

難しい英単語を使ったというだけでは、得点は上がりません。

むしろ使い慣れた表現を使い、下の流れを意識して読みやすい文章を組み立ててみましょう。

主張→理由①→理由②→理由③→主張

何度かテストを受けているけれど点数が伸び悩んでいる人向けの勉強法

TOEFL iBT®スコア80点以上を目指す中級者になってくると、アプリによる添削に加え、生身の人間による論理性の確認が「伸び悩み」を解消するために必要です。

オンライン家庭教師などを雇って読んでもらうのが一番ですが、予算や時間的に厳しい場合は自分自身で行いましょう!

使うツールはオンライン自動翻訳ソフト「Deep L」。

論理的で分かりやすい英文であれば、自動翻訳ソフトの翻訳もスムーズにできます。

もし不自然な訳や意図したものと違う表現が出てきたら、自分の書いた文章をもう一度見直してみましょう。

また母語である日本語に直して、文章が論理的な構成になっているのかをチェックできるのもいいですね!

Grammarlyで文法チェックをした後にDeep Lで論理性を確認する流れがオススメです。

中級者の方は、理由の裏付けとなる「根拠」「データ」「体験」を付け加えられる下のようなテンプレートのパターンをいくつか準備しておくのがいいと思います。

主張→理由①→根拠①→理由②→根拠②→理由③→根拠③→主張

高得点、満点を目指す人のための勉強法

TOEFL iBT®スコア100点以上の高得点を目指す上級者に不可欠なのが、タイピングの練習です。

どんなに英語力があっても、時間内に正確にタイイングできなければ得点に繋げることはできません。

しかも問題なのはTOEFL iBT®で用いられるのはアメリカで一般的なUS配列のキーボードです。

日本で持ちいられているJISキーボードとはキー配列が微妙に異なります。

一番戸惑うのが、アポストロフィ(’)の位置。

The lecturer’s opinionのように所有の表現としてよく使うアポストロフィはJISキーボードでは「shift + 7」なのですが、USキーボードでは「L」の二つ右にあり「shift」を押す必要はありません。

これに慣れていないと、毎回数秒の時間を使って打ち直すハメになります。

限られた時間を有効に使うためにも、外付けのUSキーボードを購入し慣れるまで使うようにしましょう

ライティングセクションの勉強に役立つ参考書・問題集・添削サービス

ライティング力の向上に近道はありません。

毎日毎日ひたすら書くことがじゅうようです。

続けることで確実にスコアは伸びます。

この章では日々のライティングの勉強に役立つ参考書、問題集、添削サービスをご紹介します。

関連コラム:TOEFL iBT®の対策におすすめの参考書・問題集を厳選紹介

ライティングにおすすめの参考書・過去問

TOEFL iBT®対策に使える参考書や過去問について紹介します。

The Official Guide to the TOEFL iBT® Test

TOEFL iBT®対策の基本中の基本は公式の参考書や問題集に取り組むことです。

受験生必読の書はThe Official Guide to the TOEFL iBT® Testです。

実際に出題された過去問に加え、得点を得るためのアドバイスや採点者からのコメントもあるので、何が求められているのかを確認しながら準備を進めることができますよ。

全て英語で書かれているため、この本の説明を読みこむこと自体がかなりの英語力アップにつながります。

紙のバージョンも電子書籍も共に$25です。

ここで差がつく! 英文ライティングの技術—英語は「I」ではじめるな

説得力がありネイティブにとって自然な英文を書くために必要な知識を日本語で得たい人におすすめの参考書は、ここで差がつく! 英文ライティングの技術—英語は「I」ではじめるなです。

主語がなくても成立する日本語の話者が英文を書くときはどうしても「I(私は)」から始まる文章を繰り返してしまいがち。

このジレンマから抜け出すヒントがこの本には詰まっています!Amazonなどで1980円で購入することができます。

TOEFL iBT® Speaking and Writing Practice Test

公式問題集TOEFL iBT® Speaking and Writing Practice Testなら、本番同様ETSの自動採点システムによる採点・添削が受けられるので実際のテストで何点くらいが望めるのかをしっかり把握することができます。

デジタル版の問題集なのでキーボードで打ち込んでいくスタイルなのも、本番の形式に慣れておくために役立ちますね。

スピーキングの練習とセットになって$25.95です。

添削サービス

ライティングをする際には自己採点だけではどうしても限界があります。

おすすめの添削サービスを紹介していきます。

HiNative

世の中には数多くのオンライン添削サービスがありますが、なるべくお金をかけたくない人におすすめなのがHiNativeです。

HiNativeは、世界中の言語学習者がお互いに助け合い学び合う場を提供しているサービスになります。

あなたが英語で書いた文章を英語ネイティブの人が添削してくれる代わりに、世界の日本語学習者の人が書いた日本語の文章を添削してあげましょう。

IDIY

しかし試験まで時間がない時やもっと集中して勉強を行いたい方もいると思います。

そんな時はIDIYなどの有料添削サービスを利用し、集中して添削をしてもらいましょう。

1単語あたり約12円で添削してもらえるので、300単語程度の英文なら約3600円かかります。

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