国内の大学院入試におけるTOEFL®の必要スコアはどのくらいなのでしょうか?

英語圏の大学院へ留学するとき、ほとんどの場合英語力の証明としてTOEFL®のス​​コアを提出しなければなりません。

また最近は教育の国際化の流れを受け、日本でも大学院入試の際に提出を求められることが増えてきました。

このコラムでは海外大学院への留学や、国内大学院入試で必要となるTOEFL®ス​コアの目安や他の英語テストとの比較、国内の大学院入試におけるTOEFL®活用の状況などを詳しく解説します。

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大学院留学に必要なTOEFL®のスコアの目安

大学院によって求めるスコアが違うので一概には言えませんが、一般的にはTOEFL iBT®80〜100点程度が最低基準のの目安になります。

これはTOEIC®に換算すると730〜880点程度、英検だと準1級〜1級合格程度の英語力に相当します。(参考資料:文部科学省 各資格・検定試験とCEFRとの対照表, 首都大学東京 英語テストのスコア換算表

決して低くはないレベルですが、努力すれば取得は不可能ではありません。

ただしTOEFL iBT®のテスト形式はTOEIC®や英検とは大きく異なるので、 TOEIC®880点の実力があればTOEFL iBT®で100点が取れるというわけではありません。

TOEFL iBT®の試験形式については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみて下さい。

関連コラム:TOEFL®︎とは?受験するメリットやTOEIC®︎・IELTSとの違いも解説

関連コラム:【換算表付き】TOEFL®︎のスコア平均ってどれくらい?スコア別の英語レベルも詳しく解説

大学院の留学先別TOEFL®の必要スコア

ここからは英語圏の留学先として人気の高いアメリカとイギリスに絞り、留学に必要なスコアを具体的に紹介していきます。

アメリカの大学院

詳細は各大学の募集要項を確認する必要がありますが、TOEFL iBT®スコア80程度を応募の最低基準にしている大学院が多いです。

しかしトップレベルの有名大学院では、一般的にスコア100以上が目安とされています。

TOEFL iBT®の運営団体はアメリカの非営利団体であるETS。

そのためTOEFL iBT®のシェア率はほぼ100%であり、アメリカに留学したいのなら必須のテストです。

アメリカには日本の3倍以上にもなる約1800校の大学院があり、それぞれが独自にTOEFL iBT®スコアの基準を設けているのです。

TOEFL iBT®スコア最低基準アメリカの大学院(学部)
100-110マサチューセッツ工科大学・物理学部 スタンフォード大学・文系学部イェール大学・法科大学院ハワイ大学マノア校・第二言語学部コロンビア大学
90-100ブラウン大学
80-90カリフォルニア大学ロサンゼルス校スタンフォード大学・工学部
70-80  コーネル大学

関連コラム:TOEFL iBT®で100点は難しい?必要な勉強時間とセクション別勉強法

イギリスの大学院

イギリスの大学院留学の最低基準のおおよその目安はIELTS6.0で、TOEFL iBT®だとおよそスコア83になります。

アメリカと同様、有名な大学の基準は高くなりIELTS7.0以上、TOEFL iBT®95以上が必要です。

イギリスの大学や大学院の留学の際にはアメリカの英語テストであるTOEFL iBT®よりもIELTSが広く用いられています。

IELTSはケンブリッジ大学やブリティッシュ・カウンシルなど、イギリスの教育団体によって共同運営されている英語テスト。

イギリスへのビザ申請にも用いられており、イギリスでのシェアはTOEFL iBT®をはるかに凌ぎます。

しかし多くの大学院は、TOEFL iBT®を用いて出願することも可能です。

TOEFL iBT®スコア最低基準イギリスの大学院(学部)
110-120ケンブリッジ大学・考古学科ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス
100-110オックスフォード大学ケンブリッジ大学・物理学科
90-100ラフバラー大学
80-90インペリアル・カレッジ・ロンドン

大学留学との違い

大学留学と大学院留学では、必要なTOEFL iBT®スコアは20点ほどの差があります

大学院留学の目安はTOEFL iBT®80〜100程度、アメリカの大学へ留学するための最低基準がTOEFL iBT®60〜80程度だと言われています。

関連コラム:高校生の大学受験にTOEFL®は必要?国内・海外の出願資格に必要なスコアや優遇制度

条件付き合格制度とは

条件付き合格制度とは英語力が基準に達していなくても、それ以外の条件が満たされている場合は「仮合格」にしてもらえる制度。

入学までに英語力が基準に達することが条件になります。

イギリスやオーストラリアの大学院では広く導入されている制度ですが、アメリカの大学院で行なっているところはほとんどありません。(大学で取り入れているところは多いです)

また「仮合格」となったとしても短期間のうちに英語力を上げ、求められるスコアを得ないと正式な合格とはならないので、まずは応募締切までにしっかりと基準スコアを取得できるよう努力するべきだと言えます。

大学院留学はIELTS、TOEFL®のどっち?

前述の通り、イギリスやオーストラリアへの留学の際にはTOEFL iBT®よりもIELTSが広く用いられています。

しかし近年アメリカやカナダなどへの留学にも、IELTSを使う人が増えてきているようです。

一体なぜなのでしょうか?

その理由は「TOEFL iBT®よりIELTSの方が高得点を取りやすい」と考える人が多いから。

もちろん個人の得意・不得意があるので一概には言えませんが、IETLSの方が点が取りやすいとされている理由を紹介します。

IETLSのほうが試験時間が短い

TOEFL iBT®の試験時間が約3時間なのに対し、IELTSは2時間45分。IELTSの方がTOEFL iBT®よりも試験時間が短いのです。

さらに各セクションごとの時間配分を見てみましょう。

TOEFL iBT®IELTS
Reading54-72分60分
Listening41-57分30分
Speaking17分11-14分
Writing50分60分

TOEFL iBT®と比べると、IELTSは日本人の多くが苦手とする「リスニング」と「スピーキング」の時間が短く、比較的得意だが時間のかかる「ライティング」が長くなっています。

当然、苦手なセクションで集中力を維持するのは難しいので、「リスニング」と「スピーキング」に割り当てられた時間が短いIELTSを選択する人が増えているのですね。

IETLSのスピーキングはコンピュータではなく、生身の人間が相手

IELTSのスピーキングテストは、生身の人間が聞き手となってくれます。

一方、TOEFL iBT®のスピーキングテストはコンピュータに向かって英文を話し、録音された音声が後日採点されるというシステム。

実際にやってみればわかりますが、コンピュータ相手に話すというのはなかなか難しいものです。

話を聞いてくれる人がいる方が話しやすいのは、人間の習性なのかもしれません。

イギリス発音の方が(慣れれば)聴きやすい

一般的には、日本人に聞き取りやすいのはイギリス英語だと言われています。

アメリカで作成されるTOEFL iBT®とイギリスで作成されるIELTS。当然、主に使われる英語もそれぞれアメリカ英語とイギリス英語になります。

同じ「英語」なのに綴りも発音も大きく異なるため、英語ネイティブでさえ聞き取れなかったり混乱したりするのだとか。

アメリカ英語の特徴は、発音が変化してしまい綴りとズレが生じること。

例えば「T」の音は、「D」や「R」のように発音されるので「Water」 は「ワーラー」のように発音されることが多いです。イギリス英語の発音では、綴りに忠実な「ウォーター」。

しかしアメリカ英語を聴き慣れた人にとって、イギリス英語はまるで別の言語のように感じられることも。

IELTSを受験するという選択をするのであれば、イギリス英語に十分に慣れておく必要があります。

関連コラム:大学院進学に必要なIELTSのスコアはどのくらい?

国内院試におけるTOEFL®の活用例

冒頭でも述べた通り、近年日本国内でも入試選抜の要件としてTOEFL iBT®を採用する大学院が増えてきました。

このセクションでは、日本を代表する大学である「東京大学」を具体例として用い、国内の大学院入試におけるTOEFL iBT®の活用状況を解説します。

東京大学大学院入試におけるTOEFL iBT®の目安スコア

東京大学大学院の入試では、独自の英語テストは行わずTOEFL iBT®のスコアを英語力の証明として用いています。

具体的に何点が最低基準かは公表されていないのですが、一般的には80点以上が目安だとされています。

しかしこれより低いスコアで合格した人もいるので、様々な要素を総合的に勘案して合否判定を下していると言えますね。

院試のために勉強するのはTOEIC®とTOEFL iBT®どっち?

TOEIC®のスコア提出を院試における英語の試験の代わりに求めたり、TOEIC®スコアが一定以上の水準に達している場合は外国語の試験が免除される大学院も数多くあります。

日本の教育界の全体的な傾向としては、世界標準の英語テストであるTOEFL iBT®のスコアをより重視している流れがあります。

実際に東京大学大学院ではTOEFL iBT®のスコアしか認められません。

希望する大学院がTOEIC®とTOEFL iBT®のどちらも認めている場合は、TOEFL iBT®よりもTOEIC®の方がより短期間で高得点を狙いやすいです。

理由はテストの難易度の違い。学術的な内容についてのスピーキングやライティングがあるTOEFL iBT®は、対策に非常に時間がかかります。

また受験料が高く、結果が出るまでに時間がかかるので提出期限までに繰り返し何度も受験するのが大変です。

TOEIC®は問題集なども充実しており、全国各地で頻繁に実施されているので何度も受験しながら目標点を目指すことが可能です。

留学も検討しているならTOEIC®とTOEFL®どっちがいい?

将来的に留学も考えているのであれば、TOEFL iBT®を受験することを考慮するべきです。

日常生活で使われる英語の能力を測るTOEIC®とは違い、TOEFL iBT®は英語圏の大学や大学院で実際に英語を使ってコミュニケーションが取れるかを判定するテストになります。

さらに、TOEFL iBT®は応募の際の要件であるだけでなく、対策することが留学生活の準備にもなるのです。

TOEFL iBT®の対策にTOEIC®の参考書は使えるか

TOEIC®とTOEFL iBT®は問題文の傾向が違う上に、TOEFL iBT®ではかなり特殊なスタイルの問題が出題されるので、TOEIC®の参考書はほとんど役に立ちません

一方、TOEFL iBT®と同様、アカデミックなテーマが扱われる「英検1級」の問題集は対策に使えます

TOEFL iBT®よりも書籍や問題集が豊富なので、英検を受験したことがある方は英検の参考書を使って勉強をしてみてはいかがでしょうか?。

留学を考えている大学院に合格するために必要なものは?

このセクションでは、大学院留学をするために必要な「TOEFL iBT®以外のもの」について解説します。

海外の大学院の入試システムは日本のものとは大きく異なり、入学試験は課されず書類選考によって人物像を総合的に評価するものがほとんど。

つまり英語を猛勉強し、TOEFL iBT®のスコアを上げるだけでは入学できません

学部時代の成績や、様々な外部テストの結果、ボランティア活動の記録、そしてなにより大学院で何をやりたいかを論理的にまとめたエッセイが必要です。

エッセイ

なによりも重要なのは志望動機を記したエッセイ。当然ですが、英語で作成します。

大学時代に行なってきた研究をどう発展させていきたいのか、将来は学んだことをどう生かしたいのか。

そして「どうしてもその大学院でなければいけない理由」を論理的に説明しましょう。

複数校を志望する場合でも、それぞれの学校に「どうしてもあなたの学校じゃないとダメなんです」と言う風にアピールします。

何十通、何百通の応募書類に目を通す選考員の記憶に残るために、シンプルで分かりやすい文章の構成を心がけましょう。

下書きを書いた後はネイティブスピーカーにチェックしてもらいながら、修正していくのがオススメです。

GPA

GPAとはGrade Point Average、つまり大学生時代の成績の平均値のこと。大学院入学のためのおおよその目安は3.0以上です。

大学での成績を、A(優)は4点、B(良)は3点、C(可)は2点、Dは1点、F(不可)は0点とし、その平均値を大学院に提出します。つまり平均して「良」以上の成績である必要があります。

注意しないといけないのは授業の取り方。

日本の大学には「面白そうだな」と思った授業をとりあえず履修しておいて、イマイチだったら出席するのをやめるという授業の取り方をする人がいます。

様々な分野に興味があるのは素晴らしいことだと思うのですが、このような授業の取り方をしていると、成績表が「不可」だらけになりGPAが3.0以下になってしまうことも。

留学を考えているのなら、大学生時代の授業の取り方や成績の維持にも注意が必要です。

GRE

GREはGraduate Record Examinationの略で、大学院入学に必要な論理的思考力や言語能力、数学能力が備わっているかを測るテストです。

TOEFL iBT®を運営するETSによって実施されている、もちろん英語によるテスト。しかし全ての大学院が提出を求める訳ではありません

かなり特殊なテストなので詳細は割愛しますが、もし志望する大学院がGREスコアの提出を求めている場合は、ETSのサイトなどで教材を手に入れ対策する必要があります。

効率よく英語力を上げるために

英語力を効率よく上げるためには、どうしても必要なのは、英語ネイティブによるチェックが必要です。

ご覧になっていただいた通り、提出書類の中にはTOEFL iBT®以外にも高度な英語力を必要とするものがあります。

限られた時間の中で、英語力を高めていかなくてはなりません。

書いたエッセイやライティング課題を読み、意見を聞かせてくれる人を見つけることは必須です。

重要なのはそれぞれを別々のものと考えず、全体の準備を通して英語力を高めるのだと言う意識を持つこと。

エッセイの下書きはTOEFL iBT®のライティングに繋がっていますし、GREの対策によって語彙力の強化が図れます。

普段から「これって英語でなんて言うのかな」と意識すれば、日常生活の全ての場面を英語力の強化につなげることもできるのです。

もし身の回りに意見を聞かせてくれる人がいなければ、コーチングを利用されることをおすすめします。

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