「TOEFL®を受けたいけれど、どのような勉強をすればいいの?」

「今まであまり英語の勉強をしてこなかった人でも、高得点を目指せるのだろうか」

TOEFL®の受験を検討している方の多くが、こうした疑問を抱えているのではないでしょうか。

TOEFL®の試験内容は、TOEIC®と違い「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」4技能全てを測定します。そのため、各セクションに合わせた勉強が必要不可欠です。

そこで本コラムでは、TOEFL®初心者向けの基礎学習と4技能それぞれの勉強法について解説します。

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TOEFL®とは?

TOEFL®とは、Test of English as a Foreign Languageの略で英語を母国語としない人の英語運用力を試す試験。アメリカの非営利テスト機関・ETSによって作成されています。

「ノンネイティブスピーカーが、英語圏の大学や大学院などアカデミックな場面で必要な英語力を測定する」という留学生向けの内容です。取得したTOEFL®スコアは、海外留学の際に各大学の入学基準に使用されます。

ちなみに、ETSは、公平性・妥当性・信頼性の3点において、非常に数値の高いテストを作成できる世界最大の民間教育テスト組織です。

在籍する心理学者や統計分析、調査研究といった多くの専門家監修のもと、さまざまなテストを開発しています。

関連コラム:TOEFL®︎とは?受験するメリットやTOEIC®︎・IELTSとの違いも解説

TOEFL®とTOEIC®の違いは?

TOEIC®とは、日常生活やビジネスにおける英語でのコミュニケーション力を測定する世界共通の試験。TOEFL®と同じく、ETSによって作成されています。

TOEFL®とTOEIC®の大きな違いは、試験内容。TOEFL®が「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」4技能で構成されているのに対し、TOEIC®の場合は「リーディング」と「リスニング」の2セクションのみです。

TOEFL®は主に海外の大学や大学院に入学したい人向け、TOEIC®はビジネスや就職・転職向けとなっています。

TOEFL®は2種類ある

TOEFL®には、TOEFL iBT®(Internet-based Test)と、TOEFL ITP®(Institutional Testing Program)の2種類あります。

TOEFL iBT®は、公式なスコアとして認定されるオンラインの試験で、4つのセクション(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)から構成されています。試験時間は約4時間と長丁場です。

一方のTOEFL ITP®は、団体向けの筆記試験(マークシート形式)。リスニング・文法・リーディングの3セクション構成となっています。

TOEFL ITP®はあくまで英語力を測定するツールのひとつであるため、留学時の入学要件にTOEFL®が設定されている場合にはTOEFLiBT®の受験が必須です。

目標のスコアの決め方は?

TOEFL iBT®は、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング各30点ずつの配点で合計120点満点です。

目標スコアは、初心者であれば61点を目標にしましょう。アメリカの大学では、スコア61点以上を基準としているところが多いからです。

80点以上であれば難関大学、100点以上であれば超難関大学というように、基準スコアは各教育機関によって異なります。たとえば、ハーバード大学やスタンフォード大学になるとTOEFL iBT®スコアは100点以上が必要です。

関連コラム:TOEFL iBT®で100点は難しい?必要な勉強時間とセクション別勉強法

筑波大学や青山学院大学は81点以上明治大学や法政大学では61点以上を取得していれば、受験時の加点対象となるというように、国内の大学でもTOEFL®のスコアを持っていると優遇されケースもあります。

高校生の大学受験にTOEFL®は必要?国内・海外の出願資格に必要なスコアや優遇制度

TOEFL®の難易度は?初心者でも高得点を取れる?

ETSが発表したデータ「TOEFL iBT Test and Score Data Summary 2019」によると、iBT受験者全体の平均スコアは83点で日本人の平均は72点でした。

日本人の平均点は初心者の目標点数61点を超えていることから、簡単なことように感じるかもしれません。

しかし、これはあくまで平均点であり海外留学に向けてハードに勉強している方も分析対象に含まれているでしょう。実際は勉強せずに目標スコア61点以上を取るのは至難の業です。

また、TOEFL®は、日本人になじみのあるTOEIC®や英検と比べると難易度が高いといえます。難易度が高い理由として挙げられるのは、以下の2つです。

(1)ほかの試験よりもアウトプット型で、スピーキングとライティングの配点が多い
(2)アカデミックな内容で見慣れない単語が多い

TOEFL®に特化した勉強に取り組むことで高得点を狙えるでしょう。

とはいえ、数ヶ月で飛躍的にスコアが伸びるということは極めて稀です。

これまであまり英語に触れてこなかった方にとっては長期戦になることが想定されますが、時間をかけた分だけスコアアップしていくため継続的に学習しましょう。

関連コラム:【換算表付き】TOEFL®︎のスコア平均ってどれくらい?スコア別の英語レベルも詳しく解説

初心者必見!高得点を取るTOEFL®の勉強法

1. 過去問を解く

TOEFL®対策の最初のステップとしては、過去問を解いて出題内容と傾向、自分の実力を知ることが大切です。はじめて問題を解く際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 何点くらい取れるのか
  • 制限時間通りに解答できるか
  • 得意なセクションと苦手なセクションの把握

これらを意識することで、「リスニングが苦手だからまずはリスニングを勉強する」や「スピーキングは捨てて他の3セクションを伸ばそう」など、目標スコアを獲得するための効率的な戦略を立てることができます。

関連コラム:もう迷わない!TOEFL®︎対策ができる過去問(教材)を厳選紹介

2.頻出単語を勉強する

TOEFL®の試験対策として、初心者が最初に取り掛かるべきは単語の勉強です。

いくらリスニング力や文法力があっても、知っている単語の数が少ないとそもそも問題の意味を理解できず問題が解けない可能性があります。

逆に単語さえわかれば、文章の意味を予想して問題の大まかな内容を把握できるということです。

まずは、TOEFL®対策用の単語帳を1冊選び、何度も繰り返し学習して頻出単語をマスターしましょう。

関連コラム:TOEFL®︎の対策におすすめな単語帳・アプリを紹介!アカデミックな単語はどうやって暗記する?

3. 文法力をつける

単語の次に重要なのが文法です。単語力をつけるだけでもスコアアップは期待できますが、文法力を鍛えることでリーディングの読解力やリスニングの理解力がさらに向上します。

初心者は、中学レベルの文法力を身につけることを目標にしましょう。

中学レベルの文法を覚えておくだけでも、リーディングとリスニングの点数アップが期待できます。余裕があれば、高校レベルの文法も覚え直してリーディングを磨きましょう。

また、覚えた語彙や文法をアウトプットすることで、ライティングやスピーキングのスコアもアップし初心者が目指すべき60点以上の大台が見えてくるはずです。

4. 各セクションの対策

中学レベルの文法力を身につけ目標レベルの単語を覚えたら、次はリーディング・リスニング・スピーキング・ライティング各セクションの勉強です。

各セクションの勉強以外にも定期的に公式問題集を解いて、自分の実力がどれくらいレベルアップしているか確認しましょう。セクションそれぞれの詳しい勉強法については、次の章で詳しく解説します。

セクションごとの勉強法

1. リーディングの勉強方法

単語力の強化

リーディングのセクションでは、3〜4つの問題文が出題されます。

問題文のトピックスは、経済や教育、医学、宇宙、化学など、アカデミックな分野から幅広く出題。見慣れない単語が多く最初は戸惑うかもしれません。

リーディングセクションでは単語力が特に重要となるため、TOEFL®に特化した単語帳で学習すると効果的です。

精読と音読

自分のレベルに合った参考書で精読練習を繰り返し行いましょう。精読とは、文の構成や文法、ボキャブラリーなどに細かく着目し、文章の内容を細かく理解するリーディング法です。

精読して文章が理解できるようになったら、次は音読へ移ります。文章を見ながらスラスラ音読できるレベルになるまで練習しましょう。

ポイントは、文章中の意味のまとまりごとに内容を把握しながら音読することです。

意味を考えながら音読することで、英語を語順通りに読む癖がつき英文を読むスピードアップにつながります。

自分の口から正しく発音できるようになるとリスニングスキルの向上にも役立つでしょう。

関連コラム:TOEFL iBT®のリーディング対策!時間が足りない人から満点を目指す人のための勉強法

2. リスニングの学習方法

シャドーイング

シャドーイングとは、聞こえてきた音声の0.5秒ほど後から声に出して復唱するトレーニングです。

シャドーイングポイントは、初心者レベルの簡単な教材を使うことです。

ネイティブが話す英語のリズムや強弱、イントネーション、音声変化に慣れて、「読めば意味はわかるが聞くだけでは理解できない」という人が多いのではないでしょうか。シャドーイングで英文を理解できるようトレーニングします。

最初は文章を見ながら行いますが、慣れてきたら文章を見ずにシャドーイングしましょう。

リーディングパートで説明した音読と同様、ただシャドーイングするのではなく、文章の意味を把握しながら行うと効果がアップします。

ディクテーション

ディクテーションとは、聞き取った音声をそのまま書き取る勉強法です。

聞き取れている単語と聞き取れない単語が明確になり、リスニング力アップに効果が期待できます。

一語一句聞き取るのは集中力が必要となるため長時間の学習は難しいでしょう。シャドーイングをメインで行い、ディクテーションは長くても15分ほどの学習で十分です。

関連コラム:TOEFL iBT®のリスニング対策!レベル別おすすめ勉強法

3. ライティング

基礎学習

ライティングセクションでは、読んで聞いた内容を要約するというパートがあります。問題の内容を理解できないと、そもそもライティングは難しいでしょう。

そのため、ライティングに取り掛かる前に文法や単語の学習を行った方がスコアアップへの近道となります。

間違ったフレーズや語順で書く変な癖がつかないよう、リーディング&リスニング力を身につけておきましょう。

瞬間英作文

瞬間英作文とは、日本語を読んで(もしくは聞いて)それを素早く英語に直す学習方法です。

日本語を1〜2秒で英語に直すトレーニングを行うことで、頭の中で日本語から英語に変換するスピードが上がります。スピーキングの即答力にもつながる練習です。

まずは、中学レベルの文法・文章を瞬間的に作る練習からはじめ、次に高校レベルの長い文章を作ることを目指しましょう。

関連コラム:TOEFL iBT®のライティング対策!レベル別おすすめ勉強法

4. スピーキング

基礎学習

ライティングと同じく、単語力や文法など基礎力を鍛えることに加えて発音の練習も必要です。正しい英語を言えたとしても、発音が正しくなければ点数は取れません。

発音の参考書を一冊読んで基礎を頭に入れた後、リスニングパートで紹介したシャドーイングで音源の真似をすると良いでしょう。

発音はすぐには良くなるものではないため、じっくり時間をかけて学習するのがおすすめです。

アウトプットできる場を作る

スピーキングの強化にはアウトプットが大切ですが、アウトプットできる環境を一人で作るのは非常に難しいでしょう。

そのため、手軽に利用できるオンライン英会話を使って学習することをおすすめします。

発音や文法などフィードバックしてもらえるオンライン英会話は、効率よくスピーキング力を鍛えるのに最適です。

私自身、オンライン英会話を毎日25分続けるだけでも、スピーキングレベルが向上したと実感しています。英語を習慣に取り入れやすいのもメリットです。

関連コラム:TOEFL iBT®のスピーキング対策!レベル別おすすめ勉強法

まとめ

学習初心者の方は、まずTOEFL®がどのような試験なのかを把握することからスタートし、頻出単語と文法の基礎学習を徹底しましょう。

基礎学習→各セクションの学習→定期的に公式問題集を解く

この流れで勉強を積み重ねていくことで確実にスコアアップを目指せます。

TOEFL®を含め英語学習は短期で飛躍的な成長を期待できるわけではありませんが、地道に継続していけば確かな力が身につきます。

諦めずに取り組んでみてください。

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この記事の著者

沢田 匠

受験勉強の中で英語の楽しさに気づき、「英語を話せるようになりたい」という思いから外国語学部に入学。大学卒業後、某総合電機メーカーに入社し法人営業を担当。

その後、外資系教育企業にて通訳翻訳を学び、世界陸上やオリンピックで活躍した金メダリストの講演通訳などを行う。

ビジネスシーンでの英語活用を学び、現在は英語の楽しさを広めたいという思いからオンライン英会話スクールを立ち上げ運営。

保有英語資格
・TOEFL IBT 108点
・TOEIC L&R 980点
・TOEIC S&W 360点
・IELTS Overall 8.5