留学するために必要なIELTSのスコアは国ごとに違います。

留学する際に必須となるのが英語の試験です。

留学を実現したいけど、IELTSについて知識がなく、困っている人もいるかもしれません。

そこで、留学するために必要なIELTSのスコアを国ごとに紹介します。

記事の最後には、留学が間近に迫っているのにスコアが足りない人のためのおすすめの勉強方法も紹介しています。

ぜひ参考にしてみてください。

留学目的ならIELTSかTOEFL®のどちらかを受験

留学用の試験といえばIELTSかTOEFL®です。

語学学校や大学・大学院の入学基準には「IELTS◯点以上」「TOEFL®◯点以上」と定められていることがほとんどで、基準を満たした証明書を願書と一緒に提出します。

求められる試験の種類やスコアは各教育機関によって異なるので、出願先が定める試験を受験するようにしましょう。

留学でIELTSを使う場合は「アカデミック」を受験

IELTSには主にアカデミックモジュール(以下アカデミック)とジェネラルモジュール(以下ジェネラル)があります。

ほとんどの大学や大学院はIELTSアカデミックを基準として定めています。

アカデミックは英語圏の大学や大学院への出願に使われる試験で、ジェネラルは主に移住や就職目的で用いられます。

そのため、ジェネラルのスコアは使えないことがほとんどです。

また、上で紹介した通常のIELTSの他に、「IELTS for UKVI」があります。

IELTS for UKVIはイギリスのビザ申請のために受験する試験で、特別に認定されたテストセンターにて受験する必要があります。

イギリス留学の場合はIELTS for UKVIと指定される可能性があるので、出願先の確認を忘れないように注意しましょう。

特別に指定されていなければ、通常のIELTSを受験すれば大丈夫です。

IELTSが重視される国

IELTSが重視される国は、アメリカ以外の主な英語圏の国です。

代表的な例には、イギリス、カナダ、オーストラリアといった国々が挙げられます。

実際に、これらの国々ではほとんどの教育機関でIELTSを認定しています。

なぜアメリカ以外なのかと言うと、アメリカの教育機関ではTOEFL®が重視されがちだからです。

TOEFL®は元々アメリカで生まれた英語の試験で、留学生の英語力を判定する目的で導入されました。

そのためアメリカではTOEFL®への馴染みが強く、他の国ではIELTSが重視されやすいのです。

留学に必要なIELTSの点数の目安

それでは実際に、留学に必要となるスコアを解説します。

ここでは実例を元に紹介しますが、各教育機関によって定めている基準は異なるので、必ず受験前に出願先の公式ページで確認をするようにしましょう。

交換留学

日本の学校に在籍しながら、その学校と協定を結んでいる海外の学校で一定期間勉強をする交換留学に必要なスコアは、IELTS5.5〜7.0と幅広いです。

以下に交換留学を行っている日本の教育機関が定めるIELTSの基準の例を紹介します。

京都大学 国際高等教育院棟

派遣先教育機関必要なIELTSのスコア(OA)
香港中文大学香港6.0
ヘルシンキ大学フィンランド6.0
ニューキャッスル大学オーストラリア6.5
ロチェスター大学アメリカ7.0

立命館大学 国際教育センター夏交

派遣先教育機関必要なIELTSのスコア(OA)
オカナガンカレッジカナダ5.5
ブリティッシュコロンビア大学カナダ6.5
カリフォルニア州立大学アメリカ6.0
ロンドン大学イギリス6.0

交換留学では、大学を選ばなければIELTS5.5から留学ができ、よりレベルの高い大学に留学したければある程度の英語力が求められます。

大学進学

海外大学進学では、一般的に IELTS6.0〜7.0程度のスコアの提出が求められます。

各国の教育機関が定めるスコアは後ほど紹介しますが、IELTSを使用して英語力を証明する場合のある程度の基準は下の通りです。

  • 6.0 ー 英語圏の一般大学/マレーシアやシンガポールの一流大学
  • 6.5 ー 英語圏の優良大学
  • 7.0 ー 英語圏の一流大学(ケンブリッジなど超一流大学を含む)

IELTSOA6.0を取得できれば、大学進学の選択肢は大きく広がります。

注意点としては大学によってOAスコアだけでなく、各セクションの最低スコアを定めていることがあります。

その場合は英語の総合力を伸ばして各セクションで高スコアを目指す必要があります。

大学院進学

大学院進学では、IELTS6.0〜7.5程度のスコアが必要です。基本的に大学進学で必要となるスコアより、0.5ほど高い点数が必要と考えれば間違いありません。

例えばケンブリッジ大学の進学に必要なスコアは7.0ですが、ケンブリッジの大学院に進む場合は7.5が必要になります。

留学先の国別ieltsの必要スコア

大学と大学院進学に必要なスコアを国別に紹介していきます。

国別に大学や大学院が定めるIELTSのスコアを見ると、イギリスとアメリカの基準がやや高く、オーストラリアとカナダは易しくなっています。

英語力に自信がなければ、オーストラリアやカナダへの留学を視野に入れると良いかもしれません。

オーストラリアやカナダは世界各国からの留学生が多く、留学生サポートが充実しているのも大きな特徴です。

逆に英語力に自信がありIELTSで十分なスコアを取得できるのならば、イギリスやアメリカ留学に挑戦するのもおすすめと言えます。

イギリス

ここではイギリスの代表的な大学・大学院進学に必要なIELTSのスコアを紹介します。

イギリスは英語の発祥の地として留学生に人気があります。

現地の大学や大学院は国際的にも優れた評価を受けており、世界大学ランキングでも毎年イギリスの大学がトップに並びます。

そのため入学基準に定められるIETLSのスコアも、他の英語圏の国に比べてやや高くなる傾向にあります。

教育機関名大学進学に必要なスコア大学院進学に必要なスコア
オックスフォード大学7.07.5
ケンブリッジ大学7.07.0
マンチェスター大学6.07.5
インペリアル・カレッジ・ロンドン7.07.0
イギリスの大学・大学院に必要なスコア

オーストラリア

豊かな自然環境や治安の良さを理由に留学先に選ばれやすいオーストラリア。

メルボルンが世界一住みやすい街と言われるように、生活がしやすく留学後に移住を考える人も決して少なくありません。

オーストラリアには、37校の公立大学、2校の私立大学があり、そのほとんどが大学院を有しています。

必要なIELTSスコアは以下の通りです。

教育機関名大学進学に必要なスコア大学院進学に必要なスコア
メルボルン大学7.07.0
オーストラリア国立大学6.57.0
シドニー大学6.56.5
アデレード大学6.56.5
オーストラリアの大学・大学院に必要なスコア

カナダ

英語圏の中でも治安が良く、移民も多いため留学生が馴染みやすい国と言われるカナダは、留学やワーキングホリデー先として多くの日本人が訪れています。

カナダでは英語以外にも公用語としてフランス語が使われており、2言語を学べるのも大きな特徴です。

カナダの大学・大学院が定めるIELTSのスコアは、オーストラリアの教育機関とほぼ同等レベルです。

教育機関名大学進学に必要なスコア大学院進学に必要なスコア
トロント大学6.57.0
ブリティッシュコロンビア大学6.56.5
マギル大学6.56.5
アルバータ大学6.56.5
カナダの大学・大学院に必要なスコア

アメリカ

アメリカは、オーストラリアやカナダの教育機関と比べて、ややスコア基準が高くなっています。

留学を考えている人は、一度はアメリカ留学を視野に入れたことがあるでしょう。

アメリカは最先端のテクノロジーやエンターテイメント、文化的な多様性が留学生を魅了する国です。

ここでは、IELTSを英語力の証明として受け入れている大学と基準となるスコアを紹介します。

教育機関名大学進学に必要なスコア大学院進学に必要なスコア
マサチューセッツ工科大学7.07.0
シカゴ大学7.07.0
コロンビア大学7.07.0
ミシガン州立大学6.56.5
アメリカの大学・大学院に必要なスコア

留学するどのくらい前にIELTSの試験を受けておく必要がある?

実際に大学に進学した筆者は、遅くても出願期限の2ヶ月前にはIELTSのスコアを取得するのをおすすめします。

このように、留学を視野に入れている場合、留学する先の教育機関が定める出願期限に間に合うように受験しましょう。

IELTSペーパー試験の場合は試験結果が届くまでに2週間ほどかかるので、万が一目標スコアに届かず再受験する必要があることも視野に入れて考える必要があります。

また、IELTSのスコアは2年間のみ有効なので注意が必要です。

「昔受けたIELTSを使おうと思っていたら、有効期限が切れていた!」なんてことが起こらないように気をつけましょう。

関連コラム:IELTSの結果はいつわかる?何ヶ月前に受験したら良いの?

IELTSのスコアアップのために語学留学するのは有効か?

実際に筆者が進学したオーストラリアの大学でも、語学留学を経由して進学した留学生が多くいました。

IELTSのスコアアップのために語学留学を検討する人も少なくありません。

特にIELTSに特化したコースを提供している語学学校を選択すれば、効率良くスコアを上げることができるでしょう。

IELTSのスコアアップのために語学留学はどのくらい有効?

IELTSのスコアアップのために語学留学を経験するのは効果的だと言えます。

特にIELTS試験でライティングやスピーキングを苦手とする受験生は多く、プロの講師に指導してもらうのは近道です。

また、日本を離れて英語圏で毎日英語を聞いて話す環境に身を置くだけでも、英語力は伸びていきます。

しかし、IELTSに特化したコースのない語学学校に進学してしまうと、英語力は伸びてもIELTSに対応した練習ができない可能性があるので、必ずIELTSに対応している学校を選ぶようにしましょう。

IELTSのスコアアップのための語学留学をするならどこがいい?

IELTSのスコアアップのための語学留学の選び方は2種類あります。

1つ目は、IELTSに特化したイギリスやオーストラリアといった国から学校を選ぶ方法。

2つ目は、費用を抑えるためにフィリピンやフィジーといった国から学校を選ぶ方法です。

後者の場合は、イギリスやオーストラリアと比較すると費用が抑えられ、安くIELTSのスコアアップを目指すことが可能です。

一方で英語の訛りが強いといった特徴もあるので、予算と相談しながら語学留学の国を選ぶようにしましょう。

短期留学でスコアアップは期待できる?

短期留学でコアアップができるのか、というのは人によって大きく変わります。

  • 現在の英語力はどのくらいか
  • 学校でどのくらい集中して授業を受けるか
  • 優秀な先生に当たるかどうか
  • 語学習得が早い方か、苦手な方か
  • 1日何時間、IELTSの勉強に費やすか

などなど、本人の努力と、身を置く環境によって英語力の伸び方は大きく変わります。

数ヶ月の短期留学と1年留学を比較すると、1年留学の方が英語の総合力は伸びやすいと言えます。

その理由は、英語力は短期間で急に上がるものではなく、楽器の練習と同じで1日10時間の勉強を10日間するより、1日5時間の勉強を20日する方が理想的だからです。

留学までにあまり時間がないのにスコアが足りない、、、どんな勉強をしたらいい?

最後に、留学まで時間がないのにスコアが足らずに焦っている受験者さんに、おすすめの勉強方法を紹介します。

実際に、IELTS5.0から8.0まで上げた筆者の体験を元にしています。

「時間がない場合」は、過去問とレッスンに限る!

「留学まで時間がなく、とりあえず必要なIELTSスコアを取得したい」という場合は、過去問を何度も解いてIELTSの試験に慣れることをおすすめします。

なぜなら、ある程度の英語力があれば、IELTSの試験に慣れることで0.5〜1.0程度はスコアを上げることが可能だからです。

注意したい点は、実際の試験と同じように時間を測って行うという点です。

IELTSでは時間がなくなってしまい最後まで解けなかった、という理由で点数を落としてしまう受験者も多いです。

時間配分を学ぶだけでもスコアアップの可能性は大きく上がるので、しっかりと時間を確認しながら問題を解くようにしましょう。

また、過去問で練習しづらいスピーキングは、オンライン英会話を活用するのがおすすめです。

実際に面接官との会話に慣れることで、ナチュラルに話せるようになりスコアアップが狙えます。

もちろん費用がかかりますが、最後のラストスパートに利用すると良いでしょう。

関連コラム:IELTSの目標別スコアの目安と必要な勉強時間

この記事の著者



 

橋本志保

高校卒業後、オーストラリアのGriffith大学に進学。国際観光学とホスピタリティを学び学位を取得し、卒業。
大学卒業後は外資系旅行会社に勤め、海外からのクライアントとの会話など、ビジネス英語を使う経験をする。
2021年にIELTS8.0を達成。
現在はカナダに移住し、英語学習のコーチング、翻訳や執筆業にも従事。

 

 


この記事の「校正」マーケティング室コンテンツチーム







アガルートでは資格試験に関するコラムを日々投稿しています。

コンテンツチームは主に
①コラム題材の選定
②コラム構成案の作成
③専門家への執筆依頼
④文章の校正・公開

などの作業を担当。
10名程度のメンバーにより、専門家の文章をより分かりやすく適切に皆さんに送り届けています!

アガルートのコンテンツチームについて