IELTSに過去問はない?問題に慣れるための公式問題集の活用法
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この記事では、IELTSの過去問題集を探している受験者のために、IELTSの教材について解説します。
TOEIC®や英検を受けたことがある人は、過去問題集で勉強をした経験があるはずです。
問題に慣れることができる過去問題集は、試験対策に重宝します。
目次
IELTSの過去問はある?
結論から言うと、IELTSには公式の過去問題集がありません。
過去に試験で出された内容は公式に公開されることがなく、対策には主に問題集やサンプルテストを使うことになります。
受験者としては過去の問題を解いて対策をしたい思いは山々ですよね。
そこで、この記事では過去問題集の代わりになる「ケンブリッジ出版公式問題集」について解説します。
IELTSの過去問の代わりに『ケンブリッジ出版公式問題集』
「ケンブリッジ出版公式問題集(以下公式問題集)」は、オフィシャルから出版されている唯一の問題集です。
問題集の内容は、IELTSの模擬テスト4回分と答え、また良いライティングの例(スコア7〜8)と悪いライティングの例(スコア5以下)が掲載されています。
なぜ公式問題集が過去問の代わりになるのか?
公式問題集には、模擬テスト4回分が収録されています。
本番の問題形式と同様のものを練習できるので、テスト直前の力試しに活用できます。
TOEIC®や英検では過去問題集が出版されていますが、IELTSでは全く同じ問題が本番に出ることはありません。
そのため、本番の試験を前提に作られた公式問題集の模擬テストを解くことで、過去問を解くのと同じ効果が期待できます。
公式問題集についてもっと詳しく
ケンブリッジ公式問題集は、IELTSの設問を作成する団体「Cambridge English Assessment」と「ケンブリッジ大学出版局」による問題集です。
実際に試験の設問を作成する団体が関わっているので、本番にかなり近い模擬テストが収録されています。
最新の公式問題集と入手方法は?
公式問題集は、大きな書店やAmazonといった通販サイトで購入が可能です。
公式問題集はバージョン1から始まり、2022年6月現在では「バージョン16」まで販売されています。
新しい問題集を購入するのがおすすめですが、値段が下がっている古い公式問題で学習することも可能です。
購入する時の注意事項
公式問題集を購入する時には、下の3つの点に気をつけましょう。
モジュール
公式問題集は、バージョン11からアカデミックとジェネラルに分けられているので、目的に合わせて選ぶことができます。
アカデミックとジェネラルではリーディングとライティングの内容が大きく異なるので、必ず受験をする方の問題集を購入するようにしましょう。
音声付き、テキストのみ
過去の公式問題集では、音声データのCDやダウンロードコードが付属していない版が発売されていたので注意しましょう。
その場合は商品情報に必ず”wihtout Audio”と書いてあります。
最新バージョンの16は、音声付きのみ販売されています。
中古の購入時は特に注意
音声付きの公式問題集の中には、シリアルコードが付与されており、コードを使って音声をダウンロードする場合があります。
シリアルコードは1度しか使えないので、すでに使われていると音声ダウンロードができない可能性があります。
中古で購入する場合は、必ず販売者に事前に確認をしましょう。
公式問題集はスコアどのくらいを目指す人が買うべきか?
公式問題集は、スコア5〜6を目指す人は最新の物を1冊、スコア6以上を目指す人は最新バージョンから遡って2〜3冊は購入するのをおすすめします。
公式問題集は次の章で解説するように使いづらい部分もありますが、他の英語試験でいう過去問題集の代わりになります。
そのため、英語力に自信がない受験者も1冊は購入し、試験前の本番対策に役立てましょう。
ハイスコアを目指す受験者は、4回の本番練習では物足りなくなるので、数冊は用意するのをおすすめします。
公式問題集は最新のものだけで十分?
筆者は過去に古い公式問題集(6,7バージョン)を購入したことがありますが、問題がやや易しくなっているように感じました。
もちろん対策のためにサンプル問題の数をこなすという意味では活用できますが、本番の試験を難しく感じてしまうかもしれません。
できれば最新のものを優先して購入することをおすすめします。
公式問題集の注意事項
ここでは公式問題集の注意事項を紹介します。
注意事項を知った上で、公式問題集では足りないと感じる部分は他の教材で補うようにしましょう。
日本語で書かれていない
公式問題集は、日本語での解説がありません。
全て英語で記載されているため、ある程度英語力がないと使いづらいと感じるかもしれません。
現時点で英語に苦手意識のある受験者は、公式問題集だけだと学習を進めづらくなってしまいます。
テスト問題に対する解説がない
公式問題集はあくまで問題集なので、参考書のような詳細な解説がありません。
ライティングに関しては良い例と悪い例が記載されていますが、リスニング・リーディングは答えのみ載っています。
また、スピーキングに関しては問題のみでモデルアンサーは載っていません。
ライティングやスピーキングは自己採点しづらい
ライティングやスピーキングは答えが一つでない分、自分採点することが困難です。
一方で、リスニングとリーディングは、答え合わせをすることで自分が今どのスコアレベルにいるのかを判断することができます。
ライティングやスピーキングは、添削サービスやIELTSレッスンを受けられればベストですが、そうでなければ音声を録音したり工夫をしながら評価基準を参考に採点しましょう。
日本語解説が欲しいなら旺文社のIELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集がおすすめ
旺文社の「IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集」は、日本で初めてブリティッシュカウンシルから公認されたIELTS問題集です。
解説が日本語でされているので使いやすく、英語力に自信がない受験者でもスムーズに対策を進められます。
問題集の内容は3つのパートに分かれています。
- IELTSの公式情報
IELTSの試験形式や申し込み方法を確認できます。IELTSを始めて受験する人はここから始めると理解しやすいです。
- 完全対策
ここでは4技能全ての対策ができるよう、出題形式やテストの流れ、評価基準、攻略法が掲載されています。問題量も豊富なので、ここで問題に慣れることができます。
- 模擬試験
最後に本番形式の模擬試験を解くことができます。模擬試験の結果から、今のレベルでどのくらいのスコアが取れるかを確認できます。
まずは日本語でIELTSのことを学びたい受験者にはピッタリの1冊です。公認問題集から始めて試験前にケンブリッジの公式問題集を活用するという方法もおすすめです。
【無料】jsafの公式問題
問題集の他に、各IELTS運営団体がオンラインで提供している問題もおすすめです。
リスニングからスピーキングまで全ての技能のサンプル問題が全て無料で利用可能。
自己採点が難しいライティングの部分は、ロースコアの例とハイスコアの例が掲載されています。
採点者のコメントも載っているので、どのように書けばスコアが上がるのかを理解するのに役立ちます。
無料の公式問題はこちらで確認できます。
【無料】IDPの公式問題
IDPもjsaf同様に、オンラインでサンプル問題を提供しています。
ライティングやスピーキングは、良い解答例が載っているので参考にすると良いでしょう。
また、スピーキングに関してはスクリプトだけでなく解答例の音声を聞くことができるので、シャドーイングの練習をするのにも便利です。
公式問題集を使ったIELTS対策と学習方法
公式問題集の強みは、本番に限りなく近い問題が、本番と同じような形態で掲載されている点です。
その強みを生かすためにも、公式問題集を使うときは、本番同様に4技能を連続して解いてみましょう。
本番同様の解き方というのは、
- 試験当日と同じ時間に起きて、試験時間を測りながら解く
- 時間途中で投げ出したり、携帯を触ったりしない
- 全てのセクションが終わったら、採点
本番を見据えた方法で解き採点をすることで、大体の自分の時間配分と、どの部分が苦手なのかが明確になります。
さらに細かく、公式問題集を採点した後の学習方法について紹介します。
リスニング
リスニングは、まず間違えた部分を聞き直し、正しい答えを探します。
2回以上聞いてもなぜ間違えたのかが分からなければ、スクリプトを見て確認しましょう。
そうすることで、ただ音声を聞き取れていないのか、知らない単語が入っているから分からなかったのかが明確になります。
間違えた部分を理解した後は、もう一度音声を流し、シャドーイングやディクテーションで復習するとリスニング力の向上に繋がります。
関連コラム:IELTSのリスニング対策と目標スコア別勉強法
リーディング
リーディングは、間違えた部分や読めなかった部分の単語を調べて学習しましょう。
単語をただ日本語に訳すだけだと頭に入りにくいので、文章全体を訳すのがおすすめです。
また、時間がなくて最後まで解けなかった場合、解けなかった部分を解いてみましょう。
関連コラム:IELTSのリーディングの本番対策とレベル別勉強法
スピーキング
スピーキングは最も対策方法に悩む部分ではないでしょうか。
公式問題集にはスピーキング試験のパート2と3の問題しか掲載されていません。
なので実質公式問題集だけでの対策は難しいです。それでも活用できる方法はあります。
パート2の部分は、1分間で問題を作り2分間のスピーチを行う練習に使いましょう。
スピーチはレコーダーを使い録音をすることで、後から聞き直すことができます。
発音の確認、文法の間違い、悪い癖など自分のスピーキングを分析することが重要です。
関連コラム:IELTSのスピーキング対策と目標スコア別勉強法
ライティング
問題を解いた後に、解答例のページを確認しましょう。
解答例はもちろん勉強になりますが、最も重要なのは解答例の下に記載されているコメントです。
どの部分が良くてどの部分に改善が必要なのかが記載されています。それを参考に、より良い文章を書けるように努めていきましょう。
関連コラム:IELTSライティング対策と目標スコア別勉強法
公式問題集は何回解けばいい?
IELTSを独学で8.0まで上げた筆者は、公式問題集は3回〜4回解くのがおすすめです。
1回目で間違えたところをしっかりと復習し、2回目を解くことで「2回解いても解けない部分」「2回目でも時間が足りない部分」が明確になります。
ここが明確になると、自分オリジナルの戦略を立てることができます。
この戦略を3〜4回目のときに実施することで、IELTSの自分に合った解き方が身につくでしょう。
また、同じ問題を複数回解くことは効率の良い単語力アップにも繋がります。
限られた時間で覚えられる単語は限られているので、1回学んだ単語を複数回復習し、しっかりと身につけていきましょう。
公式問題集以外の問題集・参考書はスコアアップに必要?
公式問題集は、他の問題集や参考書と合わせて活用することをおすすめします。
その理由に、公式問題集は過去問のように使える、あくまで本番対策用の教材であるからです。
IELTSを理解したりスコアを戦略的に上げる方法を知るには、やはり参考書や解説付きの問題集が必要です。
公式問題集+1冊〜2冊の参考書・問題集を併用しましょう。
関連コラム:【初心者向け】IELTSおすすめ参考書・問題集12選
公式問題集以外におすすめの参考書・問題集
公式問題集と、先ほど紹介した旺文社の公認問題集以外におすすめしたい参考書・問題集を紹介します。
公式問題集は英語のみで記載されているので、日本語の参考書と併用すると使いやすいです。
セルフスタディIELTS完全攻略
「セルフスタディIELTS完全攻略」は、IELTSの問題の形式や答え方を学ぶのに活用できます。
日本人がつまづきやすいポイントをまとめているので、なぜ問題で間違えたのかを理解するのに役立ちます。
初めてIELTSを受験する受験者におすすめです。
IELTSスピーキング・ライティング完全攻略
どのようにしたらスコアを効率的に上げられるのかを知るためには、ライティングとスピーキングに特化した教材「IELTSスピーキング・ライティング完全攻略」がおすすめです。
上で紹介したように、公式問題集だけだとライティングとスピーキングの対策が難しいです。
「IELTSスピーキング・ライティング完全攻略」は、パラフレーズの方法や頻出分野を学ぶことができるので、効率よくIELTSを学ぶことができます。
IELTS初心者から上級者まで、ライティングもしくはスピーキングの対策方法に悩んでいる受験生に一度は読んでみて欲しい1冊です。
実践IELTS英単語3500
「実践IELTS英単語3500」は、IELTS試験まで時間がなく、単語をまとめて覚えてしまいたい受験者におすすめします。
文章を読んでいく中で新しい単語を知ることができるので、単語帳はマストではありません。
まとめ
IELTSには公式の過去問題集がありませんが、ケンブリッジの公式問題集で代用が可能です。
模擬テストは本番のIELTS試験と同じ形式で掲載されているので、力試しに使うことができます。
一部デメリットも紹介しましたが、公式問題集がスコアアップに欠かせないことに変わりはありません。
IELTS受験者は、少なくとも1冊は購入することをおすすめします。
IELTSは決して簡単な試験ではありませんが、スコアアップを目指して学習していくうちに、英語力もぐっとアップするのが嬉しいところです。
留学や移住などそれぞれの目標に近づけるよう、公式問題集と他の参考書を上手に活用し、対策を進めていきましょう。
関連コラム:【徹底解説】IELTSの勉強法と本番対策まとめ