IELTSとは?試験の種類や違いは?失敗しない選び方
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海外留学や就職で求められることがある「IELTS」。
国際的な英語力判定試験として多くの国で認められており、日本国内でも着実に受験者を増やしています。
一方で、「今後留学でIELTSの受験が必要だけど、IELTSの試験内容や他の試験との違いが分からない」という人もいるのではないでしょうか。
この記事では、そんなIELTS受験を検討している人に向けて、試験の種類や難易度、ペーパー受験とコンピューター受験の違いなどについて紹介します。
目次
IELTSとは
IELTS(アイエルツ)とは、「International English Language Testing System」の略称です。
IELTSは海外大学進学や移住ビザ申請のための英語能力判定として広く世界で認知されている試験です。
世界140か国、10,000以上の機関で認定されている試験になります。
英語圏の中でも特にイギリスやオーストラリア、ニュージーランド、カナダにおいてはほぼすべての大学や大学院で英語力の証明としてIELTSが求められます。
IELTSの試験の内容はリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの主要4技能で構成されます。そのため、英単語や文法を知っているだけという偏った英語力では高得点取得は難しく、受験者の総合的な英語力を図るテストと言えるでしょう。
IELTSの種類
IELTSの種類 | 受験料 | 試験内容 | 試験目的 |
IELTSアカデミック | 25,380円~ | 4技能全て | 留学・大学進学 |
IELTSジェネラル | 25,380円~ | 4技能全て | 移住・永住ビザ申請 |
IELTS for UKVI | 29,400円 | 4技能全て | イギリスのビザ申請 |
IELTS Life Skills | 20,500円 | リスニングとスピーキングのみ | イギリスのビザ申請 |
IELTSには種類がいくつかあり、大きく分けると
●アカデミック・モジュール(以下アカデミック)
●ジェネラル・モジュール(以下ジェネラル)
の2種類があります。
大学進学や留学のために受験する場合はアカデミック、移住申請にはジェネラルが必要になります。
アカデミックとジェネラルの試験内容の違いについては、後で詳しく解説をしていきます。
ほとんどの日本人が受験するIELTSはアカデミックかジェネラルですが、他にも「IELTS for UKVI」や「IELTS Life Skills」といった試験があります。
IELTS for UKVI
「IELTS for UKVI」は、英国ビザ取得用のIELTSです。通常のIELTSと同じくアカデミックとジェネラルがあり、難易度も変わりません。
通常のIELTSよりもセキュリティ面が厳しく、成績証明書に英国内務省が認可したテストセンターで受験したことが記載されます。そのため日本では東京と大阪の2都市に受験会場が限られます。
提出先の機関がIELTS for UKVIと指定されない限り受験する必要はありません。IELTS for UKVIは値段が高いので、損をしないように気をつけましょう。
IELTS for Life Skills
「IELTS for Life Skills」は、イギリスで生活に必要な英語力を証明するための試験です。
英語で情報を処理し伝達する能力を試す目的なので、テスト内容はリスニングとスピーキングのみになります。
試験にはA1とB1があり、A1はイギリスに定住するための配偶者ビザ申請、B1は永住権の申請に利用できます。
IELTSのスコアについて
IELTSのスコアは、4技能それぞれ0〜9.0点の0.5点刻みで評価されます。
IDPの公式サイトに掲載されている9段階評価の内容は、以下の通りです。
ちなみに海外大学進学におけるIELTSの基準は、各大学によって異なりますが、一般的に総合評価6.0〜6.5を基準とするケースが多いです。
例えば日本人留学生に人気のオーストラリアのクイーンズランド大学の場合、ほとんどの学部の入学基準がIELTSアカデミック総合評価6.5、各科目で6.0以上となっています。
2019年の日本人の総合評価の平均は5.8なので、海外大学進学を目指す場合、日本人の平均点数を上回る必要がありますね。
IELTSのスコアの有効期限は、2年です。なので、留学や進学を目指す際には高校1年生から始めるのではなく2年生から始めるなど有効期限には気をつけなければいけません。
関連コラム:IELTSの目標別スコアの目安と必要な勉強時間
TOEIC®、TOEFL ®とIELTSの違い
日本で英語の試験といえば、TOEIC®やTOEFL ®をイメージする人も多いでしょう。
TOEIC®、TOEFL ®とIELTSは、それぞれ受験目的とテスト内容が下のように異なります。
試験名 | 発祥の国 | 目的 | 試験内容 |
TOEIC® | 日本 | 国内就職・昇進 | リスニングとリーディング |
TOEFL ® | アメリカ | アメリカ留学・進学 | 4技能全て |
IELTS | イギリス | 英語圏への進学・移住 | 4技能全て |
TOEIC®は、日本の就職活動で最も使われる試験です。
日本でTOEIC®プログラムを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が2019年に行った調査によると、新卒採用においてTOEIC®を要件としている企業は49.1%、英語を使用する部署の中途採用においては53.8%にのぼります。
また、社内での昇進や海外転勤などの条件にも適応している企業もあります。
TOEIC®のテスト内容はリスニングとリーディングのみです。IELTSとは違ってライティングやスピーキングに関する能力を測ることはできません。
TOEFL ®は主に、アメリカの留学や大学進学で必要になります。進学目的で用いられる試験なので、リスニングには講義室や学内での会話が登場します。
試験内容が4技能という点はIELTSと同じです。
TOEFL ®のスピーキングはコンピューター受験のみとなっています。IELTSのスピーキングは面接官と対面で行われますが、TOEFL ®ではマイクに向かって話す録音形式です。
関連コラム:TOEFL®︎とは?受験するメリットやTOEIC®︎・IELTSとの違いも解説
IELTSは、アメリカ以外の留学や進学、移住目的に用いられます。
イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アイルランドでは、ほぼ全ての高等教育機関で認定されています。
アメリカでも徐々に使える学校が増えており、約3,000の高等教育機関・プログラムにて認定されていますが、未だアメリカではTOEFL ®の方が主流と言って間違いないでしょう。
IELTSのテスト内容はTOEFL ®と同じく4技能全てですが、ペーパー受験とコンピューター受験の2つから選ぶことが可能です。
関連コラム:【受験団体別】IELTSの日程と申込み手順まとめ
IELTSの試験問題の特徴
IELTSはイギリス発祥の試験の為、リスニング問題はイギリス英語を基本としています。
なのでアメリカ英語との発音が少し違います。
日本の英語教育はアメリカ寄りの発音を基本としているので、アメリカ英語を主とするTOEFL ®の方が点数が取りやすいと感じるかもしれません。
ただしIELTSとTOEFL ®はそれぞれ用途が異なる試験なので、提出先がIELTSでもTOEFL ®でもいいのか調べた上で受験しましょう。
関連コラム:IELTSの結果はいつわかる?何ヶ月前に受験したら良いの?
IELTS アカデミックとジェネラルの違いについて
アカデミックとジェネラルは、両者とも主要4技能の試験で構成され、試験時間も約3時間と同一です。
アカデミックとジェネラルでは利用目的、一部試験内容、難易度が異なります。
アカデミックとジェネラルの利用目的の違いについて
利用目的の違いに関してですが、留学目的ならアカデミック、移民申請ならジェネラルだと覚えるとわかりやすいかと思います。
アカデミックは語学学校や海外大学進学の際に提出する英語証明です。
そのため試験内容も、大学の講義や学術論文といった学術的な課題が含まれています。
ジェネラルは、移住目的で用いられる英語証明です。
イギリスやカナダといった英語圏での就職や永住ビザの申請に必要です。
2019年の受験者の割合は、アカデミックが77%、ジェネラルが23%だったので、多くの受験者が留学や進学目的にIELTSを受験していることが分かります。
間違った試験を受けてしまうと、どんなに点数が良くても必要な申請に使えない可能性があるので、事前に目的に合った試験を選ぶようにしましょう。
試験内容の違い
IELTSの試験はリスニング、ライティング、リーディング、スピーキングの4つのセッションでできています。
アカデミックとジェネラルの試験内容はリーディングのセクション1と2、ライティングのタスク1が異なります。
リスニングとライティングは全く同じ試験内容・採点方法で、リーディングとライティングも、上に記載した部分以外は同一です。
リーディングのセクション1と2
アカデミックのリーディングのセクション1と2は、ジェネラルと比較し長文で、学術的な内容が多くなります。
一方でジェネラルのリーディングセクション1と2は、仕事の契約内容や商品の広告など、海外の生活の中で登場しそうな内容で構成されています。
関連コラム:IELTSのリーディングの本番対策とレベル別勉強法
ライティングのタスク1
アカデミックのライティングのタスク1は、グラフやデータを解析し文章にするという内容です。
グラフには棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなど様々な形が出てきます。
一方でジェネラルでは指定された内容でメールや手紙を作成するという内容です。
大きく分けるとフォーマルかインフォーマルが登場します。どちらも形式さえ把握すれば高得点を狙いやすい部分となっています。
試験の利用目的からも分かるように、ジェネラルは移民申請に使われ、英語圏で生活をしたり働いたりすることが前提なので、学術的なものは最低限で良いという考えから試験問題に違いが出ます。
試験の利用目的からも分かるように、ジェネラルは移民申請に使われ、英語圏で生活をしたり働いたりすることが前提なので、学術的なものは最低限で良いという考えから試験問題に違いが出ます。
関連コラム:IELTSライティング対策と目標スコア別勉強法
難易度
上で紹介したように、リスニングとスピーキングはアカデミックとジェネラルで全く同じ試験を受けるため、難易度も同等です。
リーディング・ライティングに関しては、ジェネラルの場合はアカデミックに比較し、仕事探しや広告関連など日常関連の問題が出されます。
そのため、全体の難易度はジェネラルの方がアカデミックより低い傾向にあります。
しかし、下の図で見られるように、ハイスコアを取るために必要な正答率がジェネラルの方が高く設定されています。
アカデミック
バンドスコア | 6.0 | 6.5 | 7.0 | 7.5 | 8.0 | 8.5 | 9.0 |
正解数 | 23-26 | 27-29 | 30-32 | 33-34 | 35-36 | 37-38 | 39-40 |
ジェネラル
バンドスコア | 6.0 | 6.5 | 7.0 | 7.5 | 8.0 | 8.5 | 9.0 |
正解数 | 30-31 | 32-33 | 34-35 | 36 | 37-38 | 39 | 40 |
例えばアカデミックは、35門正解できればバンドスコア8を取得できます。
一方で、ジェネラルの場合は最低37門正解する必要があり、凡ミスを4つ以上するとバンドスコア8には届かなくなってしまいます。
そのため、実際にアカデミックとジェネラルのどちらの方が点数を取りやすいかというと、受験者の不得意によって異なると言えるでしょう。
関連コラム:IELTSのスコア別難易度と目標スコアをとるためには?
勉強に必要な対象の教材も異なる
リーディングとライティングに関してはアカデミックとジェネラルでは試験内容が若干異なるので、使う教材が異なります。
リスニングやスピーキングに関しては同じ教材を使っても全く問題ありませんが、リーディングとライティングの勉強にはそれぞれ自分の受験するIELTSの種類に特化した教材を選びましょう。
関連コラム:【初心者向け】IELTSおすすめ参考書・問題集12選
私はアカデミックとジェネラルのどっちを受験するべき?
先ほど紹介したように、IELTSの試験は用途別で構成されているので、IELTSを取得する目的に合わせて受験しましょう。
アカデミックを受験
- 留学や海外大学進学
- IELTSを採用している日本の大学、大学院への進学
- 具体的な目的はないけど英語の論文などに強くなりたい
ジェネラルを受験
- 永住権などのビザ申請
- 海外での就職
- 具体的な目的はないけど自分の英語力を試したい
受験をする時は必ずスコアの提出先を確認しよう
厳密には、各大学や企業によって求めるIELTSの種類やスコアは異なるので、IELTSを提出する機関が定めている条件を事前に確認をすることをおすすめします。
大学進学の場合は進学先の公式ウェブサイトや留学生担当課、移民申請の場合は移民弁護士や政府の公式ウェブサイトで確認できます。
移民申請の場合はIELTSの必須スコアが変更になる場合があるので、必ず受験前に確認しましょう。
関連コラム:高校生の大学受験にIELTSは必要?国内・海外の出願資格に必要なスコアや優遇制度
自分の英語力を知りたい方はジェネラルがおすすめ
具体的な目的はないけど、英語力を試す為に受験をする場合、日常で使う英語が出てくるジェネラルから挑戦すると良いでしょう。一方でアカデミック受験のために学習を進めると、より語彙力やアカデミックな内容に強くなれます。
IELTSを受験する際には有効期限にも気をつけよう
IELTSは英検のように一度取得したらずっと使えるわけではなく、取得日から2年間有効とされています。
そのため、ビザの申請に使う際には、早く取得しすぎて期限が切れてしまうことがないように、受験するタイミングにも注意が必要です。
IELTSの申込先がたくさんあって分かりづらい!運営団体で何が違うのか
日本でIELTS受験をするときに迷うのが、どの運営団体主催のIELTSを受けるかですよね。まずIELTSの運営団体について調べたときに出てくる機関は、
の5つの団体です。しかもこの4つはそれぞれ申し込み先のURLが違います。
5つも運営団体があると混乱してしまいがちですが、実際はブリティッシュ・カウンシルと英検協会、バークレーハウスが共同運営し、IDP管轄のもとjsafが主催しています。
なので今回は分かりやすいように、英検協会とIDPに分けて違いを紹介します。
受験団体によって試験は異なるのか?
受験する団体の違いは、試験内容とは一切関係ありません。問題は全て同じで、採点基準も統一されています。
そのため、試験の内容を心配して団体を選ぶ必要はありません。
IELTS for UKVIの受験を考えている方は注意が必要です。
IELTS for UKVIを受験できるのはブリティッシュ・カウンシル運営の試験しかないので、IELTS for UKVIを受験する場合は英検主催かブリティッシュ・カウンシル主催の試験を受験しなくはいけません。
受験料、キャンセル料、リマーク料の違い
*値段はペーパー受験で()内の値段はコンピューター受験
英検協会が実施するIELTSの受験料は、ペーパー受験とコンピューター受験共に25,380円です。
一方でIDPが主催するIELTSは、コンピューター受験だと26,400円と若干割高となっています。
また、英検協会は申込締切までキャンセルを受け付けており、キャンセル料6,300円です。
IDPはテスト受験日5日前の正午までキャンセルを受け付け、手数料6,050円を引いた額を返金しています。
また、各団体が「リマーク料」を設けている点も覚えておきましょう。
リマークとは「再採点」のことで、IELTSの結果を受け取った後に不服がある場合、一定の手数料がかかりますが採点の見直しをしてもらうことができるシステムのことです。
リマークの結果、スコアが変更した場合は費用が返金されます。
関連コラム:【受験団体別】IELTSの受験料はいくら?表を使ってわかりやすく解説
日程の違い
英検協会では、リスニング・リーディング・ライティングを1日目に行い、スピーキングは2日目と分かれていることがあります。
一方でIDPが開催するIELTSでは4項目全ての試験を1日で終わらせます。
日程に余裕を持って受験したいのか、早く終わらせたいのかで受験団体を選ぶといいでしょう。
関連コラム:【受験団体別】IELTSの日程と申込み手順まとめ
予約申し込み締め切りは何日前まで?
IELTS for UKVIの試験が受けられる英検協会は試験の19日前が申し込みの締切です。
締め切り直前は予約が埋まってしまうので早めに予約をしましょう。
IDPは試験の予約申し込み締め切りをテストの3日前までに定めています。
留学時期やビザ申請の締切日などが迫った時に、目標スコアに届いていなかった場合は、早急に試験を受けなおす必要があります。
そのため、IDPの予約申し込み締め切り日が短い点は、受験者にとって大きなメリットがあります。
会場の違い
英検協会は、全国15都道府県でペーパー受験を行っています。
地方に住んでいても遠くまで受験地に足を運ばなくて良いのがメリットです。
一方でIDPは全国9都道府県で実施しています。
両者ともコンピューター受験に関しては東京と大阪のみで実施しています。
持ち物の違い
英検協会とIDPの実施するIELTSでは、当日の持ち物が異なります。
IDPの実施する試験では、ロケットペンシルと消しゴムが準備されているので、筆記用具は要りません。
パスポートさえ持っていけば受験が出来るので、当日筆記用具を忘れて焦ってしまうことがありません。
関連コラム:IELTS当日の試験の流れと持ち物は?実力を出し切るために出来ること
英検協会とIDP、どっちを受験すべき?
英検協会とIDPの違いを紹介しましたが、どちらもメリット・デメリットがあり、どの運営団体が実施する試験を受験すべきか迷ってしまうかもしれません。
日程の自由度
上で紹介した日程についてですが、英検協会はスピーキングの日が1dayと2daysに分かれている可能性があります。
また、英検協会は時間指定をすることができないので、3項目のテスト終了後大きく時間が空いてしまう可能性があります。
スキマ時間で勉強をしたい人にとっては理想的ですが、できるだけ早く全てのテストを終わらせたい人にとっては厄介です。
一方でIDPでは、スピーキングテストの時間を予約時に指定することができます。
スピーキングの時間を予約時点で知りたい人は、IDP受験がおすすめです。
受験地域
一方で英検協会で受験をするメリットは、受験地にもあります。
全国のあらゆる場所で開催されているので、都市部に住んでいない人でも気軽に試験を受けに行くことができます。近くにIDP主催の受験会場がない場合、地理的に英検協会の試験を選ぶのがベストでしょう。
次にIELTSの受験方式について紹介します。IELTSには従来のペーパー受験と、比較的新しいコンピューター受験の2種類があり、過去にはインジケーター試験も存在していました。
ペーパー試験とコンピューター試験どっちがおすすめ?
ペーパー試験とコンピューター試験どちらを受けるか迷った受験者には、パソコンが極端に苦手でない限り、コンピューター試験をおすすめします。
両者とも一長一短があるのは事実ですが、特徴を比較するとコンピューター試験の方が長所が多くあります。
コンピューター受験の特徴とメリット・デメリットを解説するので、どちらが自分に合ったテストなのかを確認してみてください。
コンピューター受験の特徴
コンピューター受験の試験内容や採点基準は、従来のペーパー受験のIELTSと全く同じです。
異なる点は、リスニング、リーディング、ライティングをパソコン上で行うという点で、スピーキングはペーパー受験と同様、面接官と1対1で行われます。
パソコンのスクリーン上で長文読解をしたり、ライティングの文字をタイプする必要があるので、パソコンに慣れているかで個人差が発生します。
ペーパー試験と比較した際のコンピューター受験のメリット
コンピューター受験には、様々なメリットがあります。
ヘッドフォンが提供される
コンピューター受験では、各自ヘッドフォンが提供されます。
ペーパー試験では、会場にある大きなスピーカーでリスニングの試験が行われます。
そのため、受験者の鉛筆の音などが気になってしまう人も少なくないはず。
コンピューター受験では、ヘッドフォンを使用し雑音が一切なくなるので集中しやすいです。
また、リーディングやライティングの試験中もヘッドフォンを付けたままにすることができます。
リーディングの効率が上がる
ペーパーベースでは、設問と英文が同じ冊子の中に存在するので、何度もページをめくる作業を行う必要がありました。
しかし、コンピューター受験では、設問と英文が同じスクリーン上に表示されているので、無駄な時間がなくなります。
また、本文の中から単語を抜き出す場合、コピー&ペーストが使えるので、うっかりとスペルミスをする心配もありません。
ライティングで文字カウントをしてくれる
コンピューター受験では、ライティング試験中に画面の上に文字数が表示されます。
ペーパー試験のように何度も文字数を数えて確認する必要がなく、文章の構成やペース配分がしやすいのが特徴です。
また、何度も消しゴムで消す作業がなくなるのも受験者にとって嬉しいポイントです。
結果が早く出る
コンピューター受験のメリットは試験中だけでなく、試験後にもあります。
ペーパー試験では基本的に、結果が届くまで約2週間かかります。
一方でコンピューター受験なら、約1週間で届きます。進学や就職を控え、結果を急いでいる受験者にとっては大きなメリットでしょう。
コンピューター受験のデメリット
コンピューター受験には、メリットが多い一方で、デメリットも存在します。
リスニングの転写時間がない
これはペーパー試験とコンピューター受験の大きな違いのひとつですが、ペーパー試験ではリスニング終了後に10分間の転写時間があります。
コンピューター受験では転写時間がないので、問題を解きながら回答を入力する必要があります。
そのため、コンピューター受験に慣れておらず焦ってしまうと、最後に回答を直す時間が充分になくなってしまう可能性があります。
タイピングが苦手だと不利
コンピューター受験では、3項目全てでタイピングをする必要があります。
リスニングやリーディングではそこまで問題ないかもしれませんが、ライティング項目でタイピングが遅いと不利になってしまいます。
また、試験で用いられる用いられるキーボードはWindows式なので、普段からMacを使用している受験者はタイプミスなどがないように気を付けましょう。
インジケーター(Indicator)試験について
過去に行われた受験方式に、「インジケーター試験」がありました。
インジケーター試験は自宅で受験できるIELTS試験のことで、新型コロナウイルス環境下で開催されるようになりました。
既にインジケーター試験は終了していますが、感染症拡大防止や会場まで足を運ばなくて良いというメリットがありました。
自分にあったIELTSの試験の種類の選び方
この記事では、IELTSの種類や試験方式について紹介しました。
様々な試験や運営団体があり決して安い試験ではないため、自分にあったIELTSの試験を選ぶことが重要です。
試験の選び方は、下を参考にしてみてください。
- 試験の目的は何か
留学目的ならアカデミック、就職や移住目的ならジェネラル、そしてイギリスのビザ申請で指定されているのならばIELTS for UKVIもしくはIELTS Life Skills。
具体的な理由はないけど英語力を試したいのならばジェネラルと、「目的別に」まずはどの試験を受験するかを決めましょう。
- ペーパー試験かコンピューター試験か選ぶ
試験の形式によって、テストの練習をする方法も変わってきます。
予約前に必ずどちらを受けるか決めましょう。
コンピューター試験は比較的メリットが多いので、パソコンが苦手でなければ一度挑戦してみるのがおすすめです。
- 会場を選ぶ
今回、英検協会とIDPの試験について紹介しましたが、結論からいうと近くの会場で予約したい日程で空いている方を選ぶのがベストです。
どちらも予約可能の場合、スピーキングの時間を指定したいか、などを参考に選びましょう。
急いでいるなら日程を決めやすいIDP主催の試験がおすすめです。
IELTSは試験の仕組みや内容をしっかりと把握することで、スコアアップにも繋がります。
ぜひこの記事を参考に、IELTS受験に取り組んでみてくださいね。
この記事の著者
橋本志保
高校卒業後、オーストラリアのGriffith大学に進学。国際観光学とホスピタリティを学び学位を取得し、卒業。
大学卒業後は外資系旅行会社に勤め、海外からのクライアントとの会話など、ビジネス英語を使う経験をする。
2021年にIELTS8.0を達成。
現在はカナダに移住し、英語学習のコーチング、翻訳や執筆業にも従事。
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