衛生管理者の受験資格は?実務経験の内容や高卒・中卒の資格要件の違いを解説!
本ページにはプロモーションが
含まれていることがあります
衛生管理者資格は、職場の健康・安全・衛生環境を守る上で非常に大切な存在です。
業種や企業規模によっては必ず衛生管理者資格を保有している社員を置かなければいけないこともあり、毎年多くの人が資格取得に向けて勉強しています。
ただ、最終学歴が大卒・高卒・中卒それぞれで衛生管理者試験の受験資格が変わりますので注意が必要です。
そこで本コラムでは、衛生管理者の受験資格について詳しく解説します。
中卒・高卒など最終学歴ごとの違いなどにも触れますので、自分がどの要件を満たせば衛生管理者試験の受験資格を得られるのか確認してみましょう。
衛生管理者試験の合格を
目指している方へ
- 自分に合う教材を見つけたい
- 無料で試験勉強をはじめてみたい
アガルートの衛生管理者試験講座を
無料体験してみませんか?
約50分の労働生理講義が20日間見放題!
実際に勉強できる!衛生管理者試験対策のフルカラーテキスト
1分で簡単!無料
▶資料請求して特典を受け取る目次
衛生管理者とは
衛生管理者とは、「労働安全衛生法において定められている、労働条件、労働環境の衛生的改善と疾病の予防処置等を担当し、事業場の衛生全般の管理をする者」のことを指します。
▼衛星管理者の仕事内容
- 健康に異常がある者の発見や処置
- 労働者に対する衛生教育や健康相談
- 労働者の業務に起因する病気・死亡などに関する統計の作成
- 作業環境が衛生的かどうかの調査・改善
- 労働衛生保護具や救急用具の点検・整備
- 有害物・環境などで生じる危険性や有害性の調査・措置
- 労働衛生計画の作成・実施・評価・改善
上記などが仕事であり、安全な職場環境を整え、事故・病気・怪我・感染症などのトラブルが発生しないよう対策する重要な役割を担います。
衛生管理者資格は、第一種資格と第二種資格に分かれます。
第一種は、全業種に対応できる資格です。
特に農林水産業・鉱業・建設業・製造業・電気ガス水道業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業・清掃業などでは、第一種衛生管理者の設置が義務づけられています。
第二種は、上記以外の業種に対応できる資格です。
有害業務とほぼ関連することのない情報通信ネットワーク・金融保険業・卸売小売業・サービス業などの場合、第二種資格の取得でも問題ありません。
自社がどちらの資格を必要としているか確認し、受験するのがポイントです。
衛生管理者試験の受験資格は?
学歴や年齢の条件はある?
衛生管理者試験は、年齢に関係なく受験可能です。
また、学歴についても「大卒以上」というような条件もなく基本的に誰でも受験可能です。
ただし、最終学歴に応じて必要な実務経験年数が異なるので注意しておきましょう。
公益社団法人 安全衛生技術試験協会で公開されている代表的な「受験資格」はこちらです。
引用:公益社団法人 安全衛生技術試験協会
学校教育法による大学(短期大学を含む。)又は高等専門学校(専修学校・各種学校等除く)を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの 大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者又は専門職大学前期課程を修了した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの 省庁大学校(防衛大学校・防衛医科大学校・水産大学校・海上保安大学校・気象大学校等)を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの 専修学校の専門課程(2年以上・1700時間以上)の修了者(大学入学の有資格者に限る。)などで、その後大学等において大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与されるのに必要な所定の単位を修得した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの 指定を受けた専修学校の専門課程(4年以上)を一定日以後に修了した者など(学校教育法施行規則第155条第1項該当者)で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの 学校教育法による高等学校又は中高一貫教育学校を卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの 10年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
上記の受験資格ですと少しわかりづらいので簡単にまとめると、以下の3つの条件に当てはまれば受験資格を満たすと考えましょう。
最終学歴 | 実務経験年数 |
---|---|
中卒 | 10年以上 |
高卒・高認試験合格者 | 3年以上 |
短大・専門学校・大学 | 1年以上 |
短大・専門学校・大学を卒業している人は、実務経験1年以上で受験できます。
高校を卒業している人は、実務経験が3年以上必要です。
それ以外の人は、10年以上の実務経験が必要ということになります。
例えば、すでに看護師資格がある方の受験資格は、大卒や専門学校を卒業しているので、求められる実務経験は1年です。
実務経験とは
衛生管理者試験出願のために必要な「実務経験」には、以下の13種類の業務が含まれます。
① | 健康診断実施に必要な事項又は結果の処理の業務 |
② | 作業環境の測定等作業環境の衛生上の調査の業務 |
③ | 作業条件、施設等の衛生上の改善の業務 |
④ | 労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備の業務 |
⑤ | 衛生教育の企画、実施等に関する業務 |
⑥ | 労働衛生統計の作成に関する業務 |
⑦ | 看護師又は准看護師の業務 |
⑧ | 労働衛生関係の作業主任者(※2に記載する職務に限る。)としての職務 |
⑨ | 労働衛生関係の試験研究機関における労働衛生関係の試験研究に従事 |
⑩ | 自衛隊の衛生担当者、衛生隊員の業務 |
⑪ | 保健衛生に関する業務 |
⑫ | 保健所職員のうち、試験、研究に従事する者等の業務 |
⑬ | 建築物環境衛生管理技術者の業務 |
現在担当している業務が該当するか心配になるかもしれませんが、どれも専門技術なしで取り組めるものばかりですので、あまり身構える必要はないでしょう。
具体的な業務に落とし込むと、下記などが実務経験に当てはまります。
▼衛生管理者試験における「実務経験」例
- 健康診断の実施業務・結果の管理や保管業務
- 洗面所・トイレ・給湯室の衛生保持業務
- 職場の清掃や清掃管理業務
- 衛生教育の企画・実施
- 労働衛生関係のセミナーや勉強会への出席
- 保健所からの指導・管理に関する窓口業務
- 作業関係の測定・危機管理などの業務
一見難しく感じられるかもしれませんが、どの業種でも日常的に行われている安全衛生業務で十分要件を満たします。
例えば、健康診断実施のアナウンスや提携病院との日程調整・予診票とりまとめなども実務経験に含まれます。
掃除当番表を作成したり、トイレ周りの石鹸やアルコールを補充したり、エアコンや空気清浄機を使った温度・湿度の管理をしたりするのも、立派な安全衛生業務です。
ハローワークや保健所が主催している安全衛生セミナーに参加するのも実績に含まれますので、不安な人は地域のセミナーや勉強会を検索してみましょう。
会社の清潔感や従業員の健康管理に紐づく業務を日常的に行っているのであれば、十分要件は満たせるはずです。
もし担当している業務が受験資格に該当するか分からない場合は、労働衛生技術協会に問い合わせて確認しましょう。
事業証明書とは
実務経験年数は、会社発行の「事業者証明書」によりチェックされます。
過去就業していた企業が証明書を発行してくれれば期間の合算も可能なので、1社ごとの勤続年数が必要な実務経験の条件を満たさない人でも問題ありません。
事業者証明書は、会社から発行してもらう書類であり、自分で作成することができないため、期間に余裕を持って発行を依頼しておきましょう。
関連記事:衛生管理者試験に必要な「事業者証明書」とは?入手・作成・提出方法
衛生管理者試験の受験資格を取得する方法
衛生管理者試験の受験資格を解説してきましたが、実際にどのように取得すれば良いのでしょうか。
ここでは、最終学歴ごとに取得方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
最終学歴が「短大・専門学校・大学」の場合
最終学歴が「短大・専門学校・大学」の場合、労働衛生の実務に1年間携わり、事業者証明書を発行してもらうことによって、実務経験の条件を満たします。
一見難しく感じられるかもしれませんが、どの業種でも日常的に行われている安全衛生業務で十分要件を満たすので、受験資格を取得するハードルは高くないでしょう。
最終学歴が「高卒・高認試験合格者」の場合
最終学歴が「高卒・高認試験合格者」の場合、労働衛生の実務に3年間携わり、事業者証明書を発行してもらうことによって、実務経験の条件を満たします。
ただし、高等学校のカリキュラムによっては衛生管理について学ばないことも多く、3年間の実務経験を積むときに苦労するかもしれません。
そのため、大学または省庁大学校で専門的な知識を学んだ上で、1年間の実務経験を積み、衛生官営者試験の合格を目指すのもおすすめです。
最終学歴が「中卒」の場合
最終学歴が「中卒」の場合、労働衛生の実務に10年間携わり、事業者証明書を発行してもらうことによって、実務経験の条件を満たします。
ただし、10年間の実務経験はハードルが高いため、一旦、高等学校卒業程度認定試験合格を目指すのもおすすめです。
高等学校卒業程度認定試験に合格すれば、実務経験3年以上で受験資格を満たすことができます。
また、最終学歴が高卒になるため、中卒よりも実務経験を積む上で有利になるでしょう。
衛生管理者試験の疑問Q&A
ここでは、衛生管理者試験に関するよくある質問にお答えしていきます。
気になる項目があれば、事前にチェックしておきましょう。
Q:一種と二種で受験資格は違うの?
A:受験資格の差はありません。
受験資格を満たせば、一種も二種も受験することができます。
また、一種も二種も試験科目は「関係法令」「労働衛生」「労働生理」の3科目であることも同じです。
ただし、「関係法令」と「労働衛生」には『有害業務』と『有害業務以外』があり、一種の試験科目には『有害業務』と『有害業務以外』どちらも含まれ、二種は『有害業務以外』のみが試験科目となります。
問題数も、二種が3時間で30問を解くのに対し、一種は3時間で44問解く必要があります。
このように一種の方が難易度が高くなっているため、十分な勉強時間を確保しておきましょう。
Q:薬剤師は試験なしで資格取得できるって本当?
A:薬剤師や保健師など、一定の資格を有する人には無試験で資格が与えられます。
薬剤師や保健師は、試験を受験しなくても第一種衛生管理者資格の取得ができます。
なぜなら、職場における安全・衛生・危機管理に関する知識を身につけて国家試験に合格しているため、必要な要素が十分に備わっているとみなされるからです。
ただし、住民票のある労働局の安全課もしくは健康課で申請が必要なため、注意が必要です。
薬剤師・保健師の資格を取得すれば自動で衛生管理者資格も付与されるわけではありません。
Q:試験はどれくらい難しいの?
A:ここ数年の合格率は第一種は45%前後、第二種は52%前後です。
最近は合格率が下がってきはいますが、国家資格のなかでは難易度が高くなく、半数近くの人が合格している試験です。
勉強の平均時間は60~100時間程度と言われていますので、十分な時間を確保しながら着実に進めることで合格できる資格だと言えるでしょう。
まとめ
衛生管理者は、企業活動と従業員の健康を支える重要な位置づけにある資格です。
どんな業種・職種でも安全衛生に関する知識は不可欠であり、会社規模によっては衛生管理者の設置を必須としている場合もありますので、取得して損のない資格だと言えるでしょう。
場合によっては、資格手当などをもらえる会社もあるようです。
まずは自分が何年間の実務経験を求められるか確認しながら、少しずつ勉強を始めていきましょう。
衛生管理者試験の合格を
目指している方へ
- 衛生管理者試験に合格できるか不安
- 勉強をどう進めて良いかわからない
- 勉強時間も費用も抑えたい
アガルートの衛生管理者試験講座を
無料体験してみませんか?
最短30日以内で衛生管理者試験に一発合格!
疑問点は講師に直接質問可能
お祝い金贈呈の合格特典付き!
▶衛生管理者試験講座を見る
約50分の労働生理講義が20日間見放題!
実際に勉強できる!衛生管理者試験のフルカラーテキスト
1分で簡単!無料!
▶資料請求して特典を受け取る