衛生管理者の職務 職場の「巡視」とは?仕事内容と作業のポイント
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衛生管理者の仕事内容を調べていると、「職場の巡視」と記載されています。
巡視とは何か、作業場を見て回るだけでいいのか、具体的な仕事内容がイメージできない方も多いのではないでしょうか。
今回は、衛生管理者の「巡視」に関する仕事内容や、求められている役割について解説します。
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衛生管理者には、職場の安全や従業員の健康を守る役割があります。
そのため、定期的に作業場内を巡視し、安全や健康の妨げになるものがないかチェックしていくことが求められます。
危険な場所・状況があれば速やかに改善し、現場との適切な情報共有をおこないながら再発防止に努めましょう。
特に、巡視の頻度には注意が必要です。
衛生管理者は週1回以上、産業医は月1回以上の巡視が必須とされています。
ただし、2017年の労働安全衛生規則改定により、事業者から産業医に毎月所定の情報提供が行われていること、及び事業者の同意を得られていることを満たしていれば、産業医による巡視は2ヶ月に1回でも可能になりました。
そのため衛生管理者の毎月定例巡視に求められる役割が大きくなり、問題の早期発見・早期解決に向けた動きが必要だと分かります。
巡視する際はチェックリスト使用がおすすめ
巡視の際には、チェックリストの使用がおすすめです。
チェックリストには、下記のような「チェックすべき項目」を記載しておきます。
- 照明の取り付けに問題がないか
- 作業場や作業台の明るさが適切か
- 換気・温度・湿度・空調は適切に管理されているか
- 通路や緊急避難場所が物で塞がれていないか
- 消火器や消火栓が使いやすい状態になっているか
- 避難誘導灯は問題なく機能しているか
- 配線やコンセント周りに危険がないか
- つまづきやすい・すべりやすい場所がないか
- 救急箱の中身はきちんと整っているか(薬剤が使用期限内か)
- 家具や重量物がしっかり固定されているか
- 異臭がないか
- 危険物の取り扱いがマニュアル通りに徹底されているか
- ハンドソープやアルコール消毒液の在庫切れがないか
独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS)からチェックシートをダウンロードしたり、提携産業医から提供されるチェックシートを活用したりするのがよいでしょう。
また、業種・職種によって内容が変わるため、自社にとって必要な項目が抜けていないか、複数人で確認しながらアレンジすることをおすすめします。
巡視は、チェックシートに記載されている内容はもちろん、他に気になることがないかアンテナを張りながらおこないましょう。
「ここで万が一事故が起きるとしたらどんな事故か」をイメージし、最悪の事態をシミュレーションしながら巡視することがポイントです。
職場巡視が終わったら
巡視実施後は、下記のような事後措置をおこないます。
巡視内容の記録・保管
巡視内容は、データで保存したりファイリングしたりして、いつでも見れるようにしておきます。
労働基準監督署による監査があった際に役立つ他、定期的に問題が発生する場所を見つけやすくなるなど、管理上のメリットが生まれます。
問題の早期解決
万が一問題がある項目が見つかった場合、速やかに解決に向けて動きます。
自分でできることはその場ですぐにおこない、複数人で対処しなければいけないことであってもすぐに手を貸してもらいます。
事故が起きてからでは遅いと心得て、後回しにすることなく対処しましょう。
現場へのフィードバック
問題があってもなくても、現場へのフィードバックをおこないます。
定期的に巡視していることを知らせるいいチャンスでもあり、現場も意識を上げる効果も狙えます。
当然ながら、問題があったときには速やかに指摘し、再発防止を心がけましょう。
経営層への報告
巡視の内容は、経営層に報告します。
問題がなければメールや書類で済ませても構いませんが、一見些細なことでもチェックシートから外れる項目があった場合は速やかに報告し、定例会議などでも取り上げます。
直接現場に出向くことの少ない経営層に気づきを与えるきっかけにもなり、リスクヘッジにもなるため、積極的に情報発信していきましょう。
まとめ
衛生管理者による作業場の巡視は、事故を防ぐ大切な要素です。
万が一怠ってしまった場合、衛生管理者としての役割が疑問視されるだけでなく、自社の従業員が怪我や病気をしてしまう恐れもあるため、決められた回数は最低限実行しましょう。
自分ひとりで巡視せず、現場へのフィードバックや経営層への報告も含め、全体への情報発信をすることも大切です。
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ライター兼学習プランナー。
総務人事部にて勤務経験9年。
衛生管理者の資格を取ったうえで安全衛生委員会を取り仕切っている。
現在は総務・労務・経理などバックオフィス系や教育系を中心に多数の記事の執筆・監修業にも従事している。