衛生管理者試験は過去問だけ勉強すれば合格できる?注意点も併せて解説
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衛生管理者試験の王道の勉強方法である、”過去問をとにかく解く”。
試験に合格するには、本当にこれだけで安心できるのでしょうか?
最近の試験傾向もご紹介しながら解説しますので、今から試験勉強をされる方は参考にしてください。
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衛生管理者試験の勉強は過去問だけでOK?
衛生管理者試験の勉強をはじめるにあたって、勉強方法を調べていると、”過去問だけで合格可能”という内容をサイトなどでよくみかけると思います。
結論としては、過去問だけで合格をねらうのは不可能ではないですが、不十分になる可能性もあります。
なぜそういえるのか、理由を解説していきます。
試験では過去問と同じパターンの問題が多く出題される
衛生管理者の試験勉強として、過去問を解くことは確かに重要です。
過去問題集を解いていくうちに、「この問題見たことある」「似たような問題が前にもあった」ということが増えていきます。
理由は、過去問と同じパターンの試験問題が多く出題されているからです。
過去問が多用される理由として、次のことが考えられます。
重要なポイントとして出題されやすい
衛生管理者試験の試験範囲は広いですが、その範囲の中でも特に重要な点をしっかり押さえるためだと考えられます。衛生管理者になるにあたって、特に身につけておくべき内容ということです。
年間の試験回数が多い
衛生管理者試験は全国7か所で毎月1回〜多いところでは3回以上実施されます。
年間にすると全国で100回以上におよぶ試験問題を、全ての問題を新しくすることは大変な労力になるからと考えられます。
試験の合格率は高めである
衛生管理者試験の合格率は、令和4年度は第一種で45.8%、第二種で51.4%となっており、受験者の約半数が合格しています。
国家資格のなかでは比較的低い難易度であるため、取得しやすい資格だといえます。
過去問だけで合格できる確率が高い人とは?
以下の経験がある人は、衛生管理者試験を過去問だけで合格できる可能性が高いでしょう。
- 衛生管理に関しての知識、経験がある
- 企業の総務などで勤務していて、日頃から関連した業務をしている
- 第二種衛生管理者をすでに取得している(第一種を受験する人)
- 資格取得の勉強に慣れている
試験問題の出題内容や合格率から見ると、過去問だけの勉強方法で合格をねらうのは不可能ではないといえます。
とくに、もともと専門的な知識があって試験を受ける人、第二種をすでに取得している人はより高いと考えられます。
しかし、ここで注意すべきは、過去問だけでは不十分になる可能性もあるということです。
合格率は比較的高い試験ですが、半数近くは不合格となっているのです。なぜ過去問だけでは不十分になるのか、次の章で詳しく解説いたします。
試験に過去問だけで挑む場合の注意点
よく「過去問だけで合格した」という紹介記事などありますが、過去問とは別にテキストは必要になります。
過去問を解いて、理解できないところはテキストを見て理解をすることが大切だからです。
他にも過去問だけで挑む場合の注意点をご紹介します。
合格率は高いが、半数を下回っている
衛生管理者試験の合格率は高い傾向ではあるが、約半数は不合格となっています。
▼第一種衛生管理者の合格率
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 61,500人 | 28,003人 | 45.5% |
2017年 | 65,821人 | 29,636人 | 45.0% |
2018年 | 67,080人 | 29,631人 | 44.2% |
2019年 | 68,498人 | 32,026人 | 46.8% |
2020年 | 43,157人 | 18,916人 | 43.8% |
2021年 | 68,210人 | 29,113人 | 42.7% |
2022年 | 68,066人 | 31,207人 | 45.8% |
2023年 | 67,572人 | 31,108人 | 46.0% |
第一種衛生管理者の合格率は、2019年に一旦上がったものの、その後2016年から2021年の間では下がってきているのが分かります。
2021年では近年で最も低い合格率42.7%となり、10人に約4人しか合格できていません。半数以上が不合格となっている状況からすると、今後もずっと同じ勉強方法では、だんだんと合格が狙いづらくなるといえます。
出題傾向が変わることがある
2016年頃から衛生管理者試験の出題傾向が変わってきており、過去にはなかった問題が増えています。
- メンタルヘルス、ストレスチェックに関する問題
- 法律改正にともなう問題
- 社会情勢を考慮した問題
上記のような新たな傾向の問題が出題されるので、過去問だけの反復学習では、今後も不十分になる可能性があります。
衛生管理者に必要とされる情報や知識をしっかりと学ぶ必要があると言えます。
過去問だけでは不十分になる可能性の高い人とは?
過去問だけの勉強では不十分になる可能性の高い人は以下のような人です。
- 衛生管理の分野の勉強が初めての人
- 勉強時間が確保できない人
- 理解を深めずに、慣れた問題の解答だけに満足している人
このように、過去問だけで試験に挑むには様々なリスクがあります。
近年の合格率や、試験問題の傾向を見ると過去問だけで試験対策をするには注意が必要となるでしょう。
過去問だけで一発合格を目指せる?
衛生管理者試験に過去問だけで合格することは不可能ではありません。
さらに、試験は毎月数回実施されている地域も多く、仮に一回不合格になっても容易に再試験を受けることが可能です。
しかし、試験は受けるたびに費用がかかってしまいます。
受験費用は一回で8,800円かかりますし※、指定の試験会場に行くための交通費はもちろん実費です。
※試験手数料は受験申請の受付開始が令和5年4月1日以降の試験は6,800円⇒8,800円に改定されました。 出典:試験手数料 公益財団法人 安全衛生技術試験協会
そして試験は基本的に平日に行われることが多く、受験するときに仕事を有給などで休む必要があります。
受験のたびに会社を休むとなると、職場にも迷惑をかけることになりかねません。
このような事情を考慮すると、なるべく一発合格を目指すのが得策といえるでしょう。
一発合格を狙うために、下記のような基本事項を取り入れて勉強することをおすすめします。
- 過去問だけでなくテキストを用意して、過去問との併用で解答の理解を深めること
- 過去問を勉強する場合は反復回数を増やす、さかのぼる年数の範囲を広げる
- 通信講座を利用する
できる限り多くの問題に触れて解く力をつけると、より良いです。
また、一発合格の可能性を高めるには「通信講座」もオススメです。
衛生管理者試験を受ける人は、時間がなく忙しい社会人の方々がほとんどです。
通信講座を利用して、効率よく合格を目指すのもよいでしょう。
まとめ
今回の記事では、衛生管理者試験は過去問だけで合格は可能なのか、というお悩みについて解説しました。
何回も試験を受けることが苦にならない人などは、過去問だけで挑んでみるのもよいでしょう。
一発合格を目指す場合は、過去門以外の勉強もしておくことをおすすめします。
「衛生管理試験は過去問だけで合格可能?」のまとめ
- 衛生管理者試験では過去問の勉強が重要なのは本当
- 過去問だけで合格は不可能ではないけれど、不十分の可能性も
- 試験に過去問だけで挑む場合は注意が必要
- 一発合格するためには通信講座もオススメ
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食品衛生、食品製造、調理、労働衛生に関する業務など、多岐にわたる分野の業務を経験。
第一種衛生管理者資格を保有し、労務管理、労働衛生に関する専門分野、ビジネスに関するものなど、さまざまな記事を執筆中。