衛生管理者は、常時50人以上を使用する事業所に専属で選任が義務付けられている免許。必要に迫られ、受験を検討する人も多いことでしょう。

しかし、「どれくらい勉強すれば合格できるのかわからない」と、不安になるのではないでしょうか。 

そこで、この記事では衛生管理者試験に合格するために必要な勉強時間について解説していきます。

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衛生管理者試験に合格するために必要な勉強時間

第一種 衛生管理者合格に必要な勉強時間

第一種衛生管理者試験の合格に必要な勉強時間の目安は約100時間と言われています。

この時間を確保するためには、知識が全くない場合、4〜6ヶ月程度の期間で毎日継続して学習することが推奨されます。

ただし、関連業務の経験がある場合は、50〜80時間で習得できるケースもあります。効率的に学習するためには、過去問を繰り返し解いて出題形式に慣れ、自分に合った学習計画を立てることが重要です。

第二種 衛生管理者合格に必要な勉強時間

一方、第二種衛生管理者の合格に必要な勉強時間は、おおよそ60時間、勉強期間の目安は2ヶ月程度と言われています。1日1時間の勉強を2ヶ月間続けるイメージです。

受験をされる方によって予備知識の程度や経験はちがいますので、あくまで目安として考えてください。

 衛生管理者試験の出題範囲と配点は、次のようになっています。

【第一種衛生管理者試験】

試験範囲出題数配点
労働衛生・有害業務に関して10問80点
労働衛生・有害業務以外7問70点
関係法令・有害業務に関して10問80点
関係法令・有害業務以外7問70点
労働生理10問100点

【第二種衛生管理者試験】

試験範囲出題数配点
労働衛生・有害業務以外10問100点
関係法令・有害業務以外10問100点
労働生理10問100点

このように、試験範囲(科目)が決まっており、過去の出題傾向も分かっていますので、比較的対策は立てやすいといえるでしょう。

合格基準は、各教科40%以上の正答率があり、かつ合計点が60%以上となっています。

衛生管理者試験の勉強時間は、この試験範囲を合格点数に達するレベルになるまでしっかりと学習するのに必要な時間の目安となります。 

しかし、一口で「労働衛生・有害業務に関して」などといっても大変範囲が広く、覚えなければならない内容も細かくて多く、なおかつ出題パターンも多種多様です。

知識を頭に入れて、何度もいろいろなパターンの過去問を解く中で、合格圏内に達する自信がつくまでやりこなす。

そうなると、すべての時間を丸々新しい知識の習得に費やすわけにはいかないでしょう。

知識の習得が7割、過去問を解く練習が3割くらいで考えたほうがいいと思います。

衛生管理者試験合格に向けた勉強時間のスケジュール

繰り返しますが、必要な勉強時間の目安は第一種が100時間、第二種が60時間です。

つまり1日1時間勉強するものとすれば、第一種で約3か月、第二種で約2か月となります。

すなわち試験日の2~3か月前から試験勉強を始めればよいというわけです。 

それでは、生成管理者試験を「3か月」「2か月」「1ヶ月」で合格を目指すスケジュールもご紹介します。

引用:アガルート

3か月で衛生管理者合格を目指す場合

比較的ゆとりを持って学習を進められるプランです。基礎から着実に知識を積み上げていきたい方におすすめです。

  • 1日の学習時間目安:1〜1.5時間
時期学習内容
試験3か月前インプット学習(基礎固め)
まずは試験の共通科目である「関係法令」「労働衛生」「労働生理」の3分野について、テキストなどを通して基本的な知識をインプットします。
試験2か月前過去問演習 + インプット学習(応用)
・3か月前に学習した共通科目の過去問を解き始めます。
・並行して、第一種衛生管理者試験で追加される「関係法令」と「労働衛生」の範囲のインプット学習を進めます。
試験1か月前過去問演習 + 総まとめ
・第一種衛生管理者試験の範囲を含めた過去問演習を本格的に行います。
・この時期から、テキストや過去問演習を2周目に入り、知識の総まとめと定着を図ります。
試験2週間前アウトプット学習(実践力養成)
・模擬試験を受けて、本番さながらの時間配分や解答ペースを体感します。
・一問一答問題集などを活用し、知識の最終確認と苦手分野の克服に努めます。

2か月で衛生管理者合格を目指す場合

標準的な学習プランです。インプットとアウトプットを効率よく進めることが重要になります。

  • 1日の学習時間目安:1.5〜2時間
時期学習内容
試験2か月前インプットと過去問演習の並行<br>・共通科目である「関係法令」「労働衛生」「労働生理」のインプット学習と過去問演習を同時に進めます。インプットした知識をすぐに過去問で確認することで、効率的に学習を進めます。
試験1か月前応用範囲の学習<br>・第一種衛生管理者試験で追加される「関係法令」と「労働衛生」のインプット学習と過去問演習に着手します。
試験2週間前総まとめ + アウトプット学習<br>・全範囲のテキストや過去問演習の2周目に入り、総まとめを行います。<br>・模擬試験や一問一答問題集で実践力を高め、最終調整を行います。

1か月で衛生管理者合格を目指す場合

短期間で集中して学習するプランです。まとまった学習時間を確保できる方に向いています。

  • 1日の学習時間目安:3.5時間
時期学習内容
試験1か月前〜3週間前全範囲のインプットと過去問演習<br>・共通科目と第一種衛生管理者試験の範囲、すべてのインプット学習と過去問演習をこの期間で一気に進めます。計画的に、かつスピーディーに進める必要があります。
試験2週間前総まとめ + アウトプット学習<br>・試験までの残り2週間は、全範囲の総まとめ(2周目)と、模擬試験・一問一答問題集による徹底的なアウトプット演習に集中します。弱点を洗い出し、集中的に克服する最後の追い込み期間です。

衛生管理者試験を最短合格するための勉強時間の使い方

試験はできるだけ最短で一発合格を目指したいもの。

必要な勉強時間の目安はご紹介してきましたが、限られた時間で効率良く勉強するにはどのような方法が良いのでしょうか?

独学することを前提に順番に説明していきたいと思います。 

テキストと問題集の選定 

まずは、自分で最もわかりやすいと思うテキストと問題集を選定します。 

選び方としては冒頭で近年の試験の傾向や要点、よく出る分野はなにかがわかるテキストをおすすめします。

問題集は出題分野・過去の年代ごとに過去問の傾向が表になっているものがよいでしょう。隙間時間でも繰り返し回答と答えの確認ができる形式の問題集をおすすめします。 

第一印象の内容のわかりやすさや図表の多さも大事ですが、それよりも試験の傾向を長年にわたり分析していることが大事です。 

スケジュールを立ててテキストで学習する

前半で、「知識の習得が7割、過去問を解く練習が3割」と述べましたが、勉強期間が3か月だとすれば、大まかに次のようなスケジュールで勉強することをおすすめします。 

  • 2か月間 テキスト中心
  • 1か月間 過去問中心

知らないことはテキストを読み、ノートに書いてまとめていくことで覚えていきます。毎年必ず出ることがわかっている分野から順に実施していきます。

繰り返し過去問を解く

最後の1か月、過去問を解くのは隙間時間でも実施できますのでどんどん解いていきましょう。

繰り返し行って、何回やっても全体の6割以上正解できるようになれば完成です。

なお、衛生管理試験は各地域の安全衛生技術センター(全国7ブロックに分けられている)にて、毎月1~5回程度行なわれています。

受験できる試験の日程と会場をあらかじめ確認した上で勉強の計画を立てていきましょう。

試験日程はこちら(安全衛生技術試験協会HP)

スマホアプリでスキマ時間を有効活用する

衛生管理者試験合格には、日々の「スキマ時間」をいかに有効活用するかが鍵を握ります。

スマホアプリを活用すれば通勤や通学、休み時間などのスキマ時間を使って効率的な勉強が可能です。

そこでおすすめしたいのがアガルートアカデミーが提供する公式学習アプリ「AGAROOT Learning」。

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まとめ

衛生管理者に必要な勉強時間とスケジュールの立て方、勉強の仕方を解説してきました。

試験はパターンが決まっており、出題傾向さえわかれば集中して勉強すべき点も事前にわかりますので、合格することはそれほど困難ではありません。 

独学に不安を感じる人はオンライン講座を受けるのもおすすめです。

ぜひ積極的に挑戦していきましょう。

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この記事の監修者

この記事の監修者

鬼尾 宗慶

総務、人事、経理、経営企画など、一般企業の事務系職種のプロとしてさまざまな経験を積むなかで、第一種衛生管理者免許を取得。

現在は医療法人に勤務しながら、人事や労務分野、時事問題などを中心に記事を執筆中。

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