「衛生管理者ってどんな資格?」「一種と二種では何が違うの?」とお悩みではありませんか?

自己啓発や転職のため、受験を検討中の人もいることでしょう。

そこで本コラムでは衛生管理者について、下記を中心にご説明します。

  • 衛生管理者とは何か?
  • 第一種と第二種の違いは?
  • 第一種と第二種はどちらを取得するべき?

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衛生管理者とは

衛生管理者とは、一言でいうと「労働者の健康と安全を守る人」です。

職場での事故の予防、作業環境の改善などを推進する重要な役割を担っています。
労働衛生のエキスパート、とも呼べますね。

「労働者の健康と安全を守る」衛生管理者の業務内容は下記のように多岐にわたります。

  • 週1回、職場の定期巡視
  • 衛生委員会の開催
  • 保健相談の窓口
  • 労働安全衛生の教育、研修 など

労働環境の改善点などがあれば、事業者や管理監督者に対して助言や指導を行う機会も多く、日頃から安全衛生に関する知識、各職場の働き方を洞察する目が求められます。

そして、衛生管理者業務を行うためには、第一種衛生管理者もしくは第二種衛生管理者の資格が必要です。

衛生管理者の第一種と第二種の違い

衛生管理者には第一種と第二種の2種類があります。違いを次の3つのポイントに分けて説明していきます。

  1. 第一種と第二種の免許の違い
  2. 試験科目、学習内容の違い
  3. 難易度、合格率の違い

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

1. 第一種と第二種の免許の違い

第一種と第二種で業務内容は変わりませんが、「選任できる業種」が大きく違います。

第一種は全業種で、第二種は一部の業種のみで選任できます。
なぜなら、第一種のみ「有害業務」を扱えるからです。

有害業務とは労働者の健康に悪影響を及ぼす恐れのある業務で、放射線や化学物質などを含みます

第一種と第二種を選任できる業種は次のとおりです。

免許の種類選任できる業種
第一種建設業、製造業、鉱業、農林畜水産業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業などを含むすべての業種
第二種金融業、サービス業、情報通信業など

たとえば、化学工場(製造業)とIT企業(情報通信業)では、怪我や事故の頻度・重大さに差があります。
そのため、有害業務かどうかを基準に、選任できる業種が区別されているわけですね。

つまり、第一種は有害業務と危険度に関係なく全業種、第二種は有害業務がなく危険度の低い業種のみ、という違いがあります。

2. 試験科目、学習内容の違い

第一種と第二種では、試験科目と学習内容に違いがあります。

衛生管理者試験では「関係法令」「労働衛生」「労働生理」の3分野を学習します。
ただ、第二種は有害業務が出題されないため、第二種の試験を受ける際は有害業務について学習する必要がありません。

試験科目と配点は次のとおりです。

試験科目第一種第二種
関係法令(有害業務)10問(80点)
関係法令(有害業務を除く)7問(70点)10問題(100点)
労働衛生(有害業務)10問(80点)
労働衛生(有害業務を除く)7問(70点)10問題(100点)
労働生理10問(100点)10問(100点)
問題数44問(400点)30問(300点)

(引用元:安全衛生技術試験協会

有害業務を含む分、第一種の方が学習内容・範囲が広く、出題数も多いですね。

つまり、第一種では有害業務を含む5科目、第二種では有害業務を除く3科目を学習しなければなりません。

3. 難易度、合格率の違い

合格率は年々下がっていますが、ここ数年の合格率は第一種が45%弱、第二種が55%弱です。
学習内容に有害業務を含む第一種の方が、少し難易度が高いですね。

また、合格基準はいずれも「科目ごとに40%以上、かつ、全体正答率が60%以上」です。
苦手科目を後回しにすると、科目ごとに40%を満たせず不合格となるため、学習範囲は一通り学習して試験に備えましょう。

ただ、合格率からもわかるように決して取得困難ではなく、学習すれば合格可能な国家資格だといえますね。

関連記事:衛生管理者の難易度・合格率はどれくらい?他の資格6つと比較してみた

衛生管理者の第一種と第二種、どっちを取得すべき?

「第一種と第二種の違いはわかったけど、どちらを取得するべきなの?」という人は、次のポイント2つを踏まえて決めてはいかがでしょうか。

まずは、ご自身の職種で決めましょう。
有害業務を扱う、危険度が高い製造業や建設業であれば第一種を取得、デスクワーク中心の情報通信業などであれば第二種を取得、という決め方です。

次に、転職を考えるなら第一種を取得しましょう
なぜなら、どの業種・職種であっても衛生管理業務に携われるからです。

現在、企業の労働衛生に対する関心は強く、メンタルヘルス対策や健康経営など「労働者の健康と安全」に必要な人材の需要は高まっています

第一種を取得すれば、業種の選択肢が広がりますし、即戦力となれることをアピールできるため、年収アップやキャリアアップにつながります。

まとめ

第一種と第二種は、選任できる業種に違いこそありますが、どちらも「労働者の健康と安全を守る」重要な役割を担っています。

責任は重大ですが、職場を改善できる大きな影響力を持ち、目に見える形で結果を残せるため、大きなやりがいにつながります。

さらに、現在の職場はもちろん、転職やキャリアアップにも活かせる資格です。

資格に興味がある人は、ぜひ受験を検討してはいかがでしょうか。
通信教育講座で効率的に学習できるため、学習範囲が広くても心配ありませんよ。

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監修者情報

この記事の監修者

山浦 寛貴

従業員規模800名企業の総務部門に勤務。
企業内の広報雑誌発行など多岐にわたる業務を遂行しながら第一種衛生管理者免許ほか多数の資格を取得。

(保有資格例)
2015年 第一種衛生管理者(一発合格)
2020年 FP2級
2021年 危険物乙種4類

現在も総務部門に勤務し社員の安心安全の労働環境実現に努めながら、労務や福利厚生、資格取得関連などさまざまな記事を執筆および監修を行い、ビジネスに関連するノウハウを提供している。

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