【国内MBA比較】早稲田大学(WBS)と慶應義塾大学(KBS)編
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本コラムでは、日本を代表する国内MBAである慶應義塾大学経営管理研究科と早稲田大学大学院経営管理研究科の特徴を説明します。
その上で、多くの受験生が興味を持つ点(例えば、ケースメソッドの授業の比率は?)をピックアップして、それらの視点で両校を比較し、受験生の皆さんが、どちらに進学すべきかを判断する際の材料を提供します。
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早稲田MBAの基本情報
早稲田大学大学院経営管理研究科(以下、WBS)には全日制と夜間のMBAコースがあります。
全日制は1年制と2年制があり、夜間は2年制の「夜間主総合」と「夜間主プロフェッショナル」があります。
WBSの特徴は、ケースメソッドと講義スタイルのバランスが取れている点です。
KBSは、授業の3分の2がケースメソッドですが、WBSは大雑把に言うならば、ケース50%、レクチャー50%という印象です。
講義が多いと言うと、問題解決能力、意思決定能力を養うことができないのではないかと思われる方もいると思いますが、そんなことはありません。
アカウンティングやファイナンスなどの原理原則を知らないと、いきなりケースを与えられても何もできない科目があります。
こういった科目は講義形式で学んだ上でケーススタディに移行する方が学習効果は高まるのです。
慶應MBAの基本情報
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(以下、KBS)には2つのMBAコースがあります。
1つ目は2年制で全日制のフルタイムMBA,もうひとつが基本的に土曜日だけの通学で済むEMBA(エグゼクティブMBA)です。
KBSの特徴は、ケースメソッドを採用している点です。
授業の3分の2がケースメソッドによっておこなわれています。
ケースメソッドとは、実際に起きた経営上の事例を教材として、その問題を分析し、討議しながら解決策を導いていくことを通じて、実践的な問題解決・意思決定能力を高めていく教育手法です。
KBSのケースメソッド授業の流れは、「事前個人研究」→「グループディスカッション」→「クラスディスカッション」となっています。
事前個人研究とは予習のことで、各自がケースの当事者の立場に立って、ケースを分析・検討し、ディスカッションでの具体的な提案を準備します。
グループディスカッションでは、10名くらいの学生でグループを作り、事前個人研究の成果を参加者が持寄りディスカッションをおこなって各自の問題意識を発展させます。
そして、クラスディスカッションでは、教員のリードにより、多数の参加者の意見を通じて、参加者全員がディスカッションを重ねます。
このケースメソッドは、知識をインプットするだけの学習ではなく、「あなたならどうするか」を問われるアウトプット学習のため、主体的な問題解決能力、意思決定能力を養うことができるのです。
早稲田MBAと慶應MBAを比較して
ここでは、KBSとWBSを比較して、皆さんがどちらのMBAに進学するかの意思決定の参考になる情報を提供しようと思います。
比較1 ケースメソッドの比率
1つ目は、ケースメソッドの比率です。
先に説明した通り、KBSはケースメソッドの比率が3分の2と高くなっています。
WBSはケース50%、レクチャー50%です。
よって、米国のMBAの代表であるハーバード・ビジネス・スクールのようなケースメソッドでの授業を希望する方はKBSに進学することをお勧めします。
比較2 社会人でも働きながら通える夜間コースがあるか
2つ目は、キャリアを中断せずに社会人が働きながら通えるコースがあるか、という点です。
20~30代前半であれば、WBSの夜間コース一択です。
WBSには平日夜と土曜日の通学で働きながらでも修了できる夜間コースがあります。
KBSは、EMBA(エグゼクティブMBA)と言って、土曜日だけの通学で済むコースがあります。
しかし、EMBAプログラムは在籍先の企業・団体等における職務に精通した方々を対象とすることから、入学年度の4月1日の時点で15年相当以上の職務経験があることを出願の要件としています。
よって、20代、30代前半の方の進学は不可能です。
よって、キャリアを中断せずに働きながら通えるという点では、WBSが人気があります。
KBSにはEMBA以外に全日制のMBAがあります。こちらは出願資格に社会人経験がないので、新卒でも入学することができます。
退職中、休職中だったり大学からの進学や実務経験のない方にはKBSがおすすめです。
比較3 実務家教員と研究者教員のバランス
3つ目は、実務家教員と研究者教員のバランスです。
KBSは経営の各分野において第一線で活躍している研究者教員が中心です。
WBSでは、経験豊富な経営幹部や超一流のコンサルタントであった実務家教員と、経営の各分野において第一線で活躍している研究者教員がバランスよく在籍しています。
そのために、WBSでは机上の空論ではなく、かつこれまでの経営経験の単なる伝承でもない、実践的な知を生み出すことができます。
比較4 キャリアに応じた学習
4つ目は、キャリアに応じた学びの内容についてです。
大企業の経営幹部向けの教育はどちらのMBAに進学しても受けることができます。
ベンチャー企業を創業しようという場合や大企業でもコーポレートベンチャーを立ち上げようという場合は、WBSの方が起業系の授業が多く開講されていますのでいいかもしれません。
また、修了後に外資系のコンサルティングファームや金融機関に就職を希望する方は、過去の実績を見ると、KBSの方が実績は多くなっています。
実績が多くあるということは、OB訪問の機会も多くなり就職時に有利に働くことも考えられますので、外資系コンサルや金融機関に就職を希望する方は、KBSに進学することをお勧めします。
関連コラム:MBAを日本で取得するには?国内MBAとは?おすすめの大学院や選び方も解説
早稲田MBAと慶應MBAの難易度比較
早稲田大学と慶應義塾大学における全日制MBAの倍率を比較すると、早稲田大学のほうが難易度が高いです。早稲田大学MBAの全日制プログラムにおける倍率は、2024年が3.95倍となっています。
対して慶應MBAの全日制プログラムにおける倍率は、2024年が3.72倍です。
どちらも倍率は2倍を超えており難易度が高いですが、早稲田大学の方が若干難しいと言えるでしょう。
参考:早稲田大学ビジネススクール(早稲田大学MBA)の入試対策! 学費や難易度、倍率、社会人向けコースについても解説
参考:慶應MBA(慶應義塾大学ビジネススクール)の入試対策!難易度・倍率や学費、評判、社会人でも通えるのか解説
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ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。
国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。
国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。
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