本コラムでは、国内MBAに価値はあるか？という点を説明します。

まずは、国内MBAの価値を、転職の際に価値を持つか？すなわち国内MBAを持っていると、転職（キャリアチェンジやキャリアアップ）が有利になるか？という点から説明します。

さらに、終身雇用が崩れ、副業が解禁になっている現在において、個として会社に依存することなく自立して生きるための学びの場として国内MBAが価値があるかどうかを説明しようと思います。

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アガルートアカデミー国内MBA講座の飯野一講師が、国内MBAを取得する価値について解説します。

国内MBAを修了すると転職先で価値が上がるのか？

まず国内MBAを取得していると転職の際に有利になるか？ですが、これは転職先の企業によります。

伝統的な日本企業ではほとんど評価されることはありません。

伝統的な日本企業は生え抜きにこだわっており、国内MBAを持っていたとしても転職の際に考慮されることはほとんどないと思います。

日本企業では国内MBAよりも、組織内でどれだけ上層部から良い印象を持たれているかが重要で、あまりMBAや実績はキャリアアップには有効でないと思います。

一方で、外資系企業は国内MBAを評価している企業が多いです。

アガルートから全日制の国内MBAに進学して、外資系のコンサルティングファームや投資銀行、マイクロソフト、グーグル、アップルなどのIT企業に転職した方がある程度の数おりますので、外資系企業では比較的評価してもらえるように感じています。

ただ、アガルートから国内MBAに進学した人の修了後の状況をお聞きする限りでは、キャリアチェンジ目的の転職は国内MBAを修了時点で30歳未満の方がうまくいっています。

キャリアアップという点では、前職での実績等が考慮されますので、30歳を過ぎていても転職は可能で、この場合も国内MBAを持っているとある程度は有利になっているような状況が観察されます。

以上、転職の際に、国内MBAに価値があるかどうかを判断するには、自分が所属している（将来所属したい）企業、年齢、職歴などをベースに考えるといいと思います。

日本的な年功序列による上を見ながら仕事をすることに嫌気がさしている方が、外資系など成果を重視する企業への転職をお考えの方には、国内MBAは非常に価値を持つと思います。

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国内MBAでの学びの価値は「自律」した生き方ができること

先に説明した通り、転職という点では、国内MBAが価値を持つ人もいれば、価値のない人もいます。

ただ、転職という狭い視点ではなく、今後ビジネスマンとして自律して生きていくため、すなわち会社に依存しない生き方を実現するためには、国内MBAはすべての人に価値をもたらすと思います。

IT革命、AI、グローバル化の進展などにより今後経営環境の変化のスピードはますます速くなっていきます。

このような環境変化は、日本に根付いてきた終身雇用や大企業志向といった従来の考え方を陳腐化させてしまう可能性が高まります。

要するに会社に依存していては生きていけなくなるのです。

個人で実力を付けて、個人で稼いでいく力を備える必要が、すべてのビジネスマンに求められているのです。

その証拠に、長年、大企業で副業は禁止されてきましたが、近年になって副業解禁の企業が多く出てきています。

会社が従業員を一生守れなくなっているのです。

自分で稼げる人は、自分で稼いでください、というメッセージが副業解禁には含まれているのです。

これからの時代は、会社に依存しない生き方を実現することがすべてのビジネスマンに求められるのです。

個人で実力を付けて、個人で稼いでいく力を身に付けるための学びの場として、国内MBAは非常に価値があります。

国内MBAでは、経営戦略、マーケティング、組織論、組織行動学、アカウンティング、ファイナンス、オペレーションマネジメント、生産管理、情報マネジメント、経済学、統計学など、企業経営をしていく上で必要となるすべての知識を学びます。

経営学全般に関する実践的な知識やスキルが身に付くのです。

同時に、国内MBA特有の役立つスキルとして統計的な分析スキル、すなわち多変量解析のスキルが身に付くのです。

日本で経営全般に関する知識やスキルを持つビジネスマンは多くありませんし、多変量解析ができるビジネスマンはほぼいません。

この2つのスキルを持った人材というのは稀少性が高く模倣困難性が高いため、労働市場でも高い価値を持ちます。

そのために、会社に依存しなくても個人の力で生きていくことができるのです。