本コラムでは、国内MBA入試で課せられている研究計画書について、以下の3点について説明します。

最初に、研究計画書とは何を書くのかについて説明します。

その上で、2番目に研究計画書を書く際のポイント、すなわち試験官がどんな点をチェックしているのかについて説明します。

最後に、研究計画書の書き方について説明します。

研究計画書は国内MBA入試において、志望理由書と並んで、合否を決する上で最も重要な書類です。

研究計画書の出来で合否が決まると言っても過言ではありません。

これから国内MBA受験を検討しようという方は、本コラムを読んで、自身が受験する際の研究計画書のイメージをつかんでいただければと思います。

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目次

【飯野一講師が動画で解説!】

アガルートアカデミー国内MBA講座の飯野一講師が、国内MBA入試における研究計画書とはどんなものか、提出を求められる理由、そして書き方について解説します。

国内MBAにおける研究計画書とは?わかりやすく解説

国内MBA入試における研究計画書とは、MBA入学後に研究したいテーマや内容について、自身の考えを書く書類です。

MBAでの研究活動は、自分の実務経験をもとに研究テーマを設定して、そのテーマについて、

先行研究の調査→仮説を設定→データを収集→分析→論文執筆

の流れでおこないます。

この研究をするにあたって、入学前の時点での自分の研究に対する計画を提示するのが研究計画書です。

研究テーマの設定例

アガルートの受講生の研究テーマ、内容の例を紹介してみます。

研究テーマは「長期性の高いプロモーション手法の研究」です。

この方は折込チラシを扱う広告代理店に勤める営業マンでした。

その方の問題意識は、「折込チラシの特性は即効性であり、プロモーションの長期的視点が欠けていると感じており、即日的効果のみに特化した現状では顧客へ本質的な貢献が出来ていない」という点でした。

短期効果を前提としつつ実施後も長期性のあるプロモーション手法の必要性を感じているため、「長期性の高いプロモーション手法の研究」というテーマを設定したのです。

テーマ設定が終わったら、この研究テーマに関する先行研究をある程度は読んで、自身のテーマが現在においてはどの程度まで研究されているのかを知っておきます。

最後は、自分の研究テーマをどのような方法で研究するのか、を現時点での知識で整理します。

この「研究テーマ」「テーマ設定の実務的な背景」「先行研究の調査」「研究方法の決定」の一連の流れを研究計画書にまとめて完成になります。

このように自分の実務的な疑問点や問題意識から研究テーマを設定するのが、MBAの研究計画書なのです。

研究計画書が求められる2つの理由

そもそもなぜ研究計画書が求められるかというと、理由は2つあります。

理由1 受験者の問題意識を知るため

国内MBA入試で研究計画書が求められる理由の一つ目は、受験者の問題意識を知るためです。

先に説明した通り、MBAの研究計画書は実務経験から導き出します。

しっかりした実務経験と、それに根差した深い問題意識がなければテーマ設定ができないのです。

実務経験に根差した問題意識をチェックするには、研究計画書を見るのが手っ取り早い手段なのです。

そのために国内MBA入試では研究計画書が課せられているのです。

理由2 受験生のポテンシャルチェック

二つ目の理由は、研究をするにあたってのポテンシャルがあるかどうかをチェックするためです。

研究計画書には、研究テーマ、先行研究の調査、研究方法などを書く必要がありますので、研究計画書を読めば大学教授には、その受験生がどのくらい研究におけるポテンシャルがあるのかが把握できます。

ポテンシャルが高い受験生は当然合格しますので、ポテンシャルをチェックするための書類としての役割は大きいと思います。

関連コラム:【国内MBA初受験】社会人が仕事と両立して合格するための勉強スケジュール

研究計画書の書き方

最後に、研究計画書を書く際の流れを説明します。

第1ステップ 実務経験から自身が研究したいテーマを見つける

先にアガルートの受講生の事例を説明しましたが、第1ステップとしては、実務経験から自身が研究したいテーマを見つけることです。

先の例では、折込チラシを扱う広告代理店に勤める営業マンとして、折込チラシの特性は即効性であり、プロモーションの長期的視点が欠けていると感じている、という問題意識があり、そこから「長期性の高いプロモーション手法の研究」というテーマを導き出したのです。

このように実務経験からMBAでの研究にふさわしいテーマ設定をするのが第1ステップです。

第2のステップ 先行研究の調査

第2のステップは、先行研究の調査です。

自分が設定したテーマが、現在の先行研究において、どの程度まで研究されているのかをある程度でいいので明らかにするのです。

すべての先行研究を読むことは無理ですので、ある程度のレベルでいいので、先行研究の調査をします。

関連コラム:【国内MBA入試】研究計画書作成で必要な先行研究文献の探し方

第3のステップ 研究方法の決定

第3のステップは、研究方法の決定です。

自分が設定したテーマをどのような方法で研究するのかを決定するのです。

研究方法は、先行研究において用いられている研究方法を参考にするといいと思います。

先行研究で行われている研究方法を参考にして、自分なりの手法を見つけ出すのです。

これも入学前ですからある程度でかまいませんので、出来る範囲内でおこないます。

そして、上記の内容を研究計画書にまとめて完成です。

独学の研究計画書にありがちな内容

重要な研究計画書ですが、独学で作成すると独りよがりになりがちです。

ここでは独学で書いた研究計画書でよくありがちな内容についてお話しします。

独学の研究計画書には次の3つ点がよく見られます。

  • テーマが漠然としている
  • 志望校について調べられていない
  • 先行研究を見ていない

順に見ていきましょう。

テーマが漠然としている

自分だけで作成している研究計画書は、テーマが漠然としていてわかりにくくなっていることがよく見受けられます。

客観的に見ると何を研究したいかがわかりにくく、伝わりにくい内容になっています。

誰かに見てもらったり、添削をしてもらったりするとすぐ気づけるものですが、自分だけで作成・チェックしているとなかなか気づけません。

なかなか人に見せるのは恥ずかしいかもしれませんが、添削してもらい、修正し、より良い研究計画書に近づけましょう。

志望校について調べられていない

志望校がどのような研究分野に強みがあるのか、MBAとして他校との違いはどこにあるのかを調べていないケースもよく見られます。

そのため自分の研究したい内容がなぜその学校で研究する必要があるのかが明確に伝わりにくくなっています。

研究計画書の研究内容が志望校で研究できる内容なのか、なぜ他のMBAでなくその学校で研究したいのか、しっかり説明できるまで自分に落とし込みましょう。

もし実態とあべこべであれば書類審査通過も難しくなります。しっかり志望校についての情報は調べましょう。

先行研究を見ていない

これも前段と同様の話ですが、研究したい内容がすでに研究され、ある程度の結果が出ている場合、その研究をする意味が薄くなってしまいます。

研究したい内容については先行研究を確認しましょう。

もちろん既存研究の結果には納得できず、自分なりに研究を通して新たな研究結果を導くつもりであれば問題ありません。

ただ、それでも先行研究を見た上でそれを考えていることを、研究計画書内で言及するようにしましょう。

3点について見てきましたが、独りよがりにならず、客観的に説明できることが重要です。

何度も何度もブラッシュアップし、研究計画書について淀みなく説明できるようにしてください。

なぜその研究テーマか、なぜその志望校なのか、研究計画書作成時はもちろん、面接でも明確に答えられる必要があります。

しっかり準備しましょう。

研究計画書が書けないという人へ

ここまでで研究計画書の重要性や書き方、注意するポイントをおわかりいただけたかと思います。

それでも研究計画書って作成するのは難しく感じますよね。

  • どうやって研究テーマを設定しよう…?
  • 何を研究テーマにしたらいいんだろう…?
  • なんとなくこういうテーマにしようと思うけど、大丈夫かな…?
  • 前回独学でチャレンジしたけど、書類選考を通過できなかった…

といった方も多いのではないかと思います。

もし少しでも不安や難しさなど感じているのであればアガルートの「出願書類・研究計画書」の書き方講座研究計画書の研究テーマライブラリーをご活用ください。

研究計画書のテーマ探しから、出願書類、研究計画書の基本の書き方についてレクチャーし、実際に添削をしてもらうことができます。

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関連コラム:【国内MBA】研究計画書でスランプに陥ったあなたへ

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添削回数や研究計画書について合格者の声からご紹介します。

合格者の研究計画書への取り組み方も記載しているので気になる方は合格者の声も合わせて参考にしてみてください。

早稲田大学経営管理研究科(夜間主総合)合格者

最後まで粘り強く研究計画書の内容を自問自答し、修正を加えました。

これにより、当事者意識の高い内容に仕上がったことが合格の決め手になったのかな感じています。

質問を受けることはありませんでしたが、研究計画については逆に聞いてほしいと思えるところまで自分の言葉で書けたことは自信につながりました。

https://www.agaroot.jp/domestic_mba/column/voice-2021-7/

筑波大学 ビジネス科学研究群 経営学学位プログラム合格者

提出した回数:3回

これは、自分で作成した研究計画書を第3者に添削頂ける機会なので、どこがNGでどう改善したらいいのかを指摘いただけることが非常に良いと思った。

https://www.agaroot.jp/domestic_mba/column/voice-2021-9/

一橋大学大学院 経営管理研究科 経営分析プログラム合格者

提出した回数:3回

毎回的確な指摘を得ることができた点が良かった。
また、提出回数に制限がないからこそ、何度も繰り返しフィードバックを得るというような手法が可能になる点が良かった。

https://www.agaroot.jp/domestic_mba/column/voice-2021-3/

一橋大学大学院経営管理研究科 経営学修士コース 経営分析プログラム合格者

提出した回数:2回

最初に提出した志望動機では、なぜ一橋MBAではないといけないのかという肝心な点が欠落しており、添削していただいたことでその点を補強した出願書類に仕上げることができた。

また、比較的厳しめの添削だったため、志望動機だけではなく研究計画や修了後の計画に関しても1回目の添削から改善することができ、より具体的な出願書類に仕上げることができたと思う。

https://www.agaroot.jp/domestic_mba/column/voice-2021-1/

青山学院大学国際マネジメント学科デイタイムコース合格者

何から書くべきか、どう書くべきかなど、何もわからない状態でしたので、合格された方の例を参考にできたのは、本当に助かりました。

研究計画書も、テキストにあった合格者の方たちのものをもとにアイデアを出したので、この講座がなかったら合格していなかったと思います。

出願書類の提出間際には、添削指導もお願いしましたが、遅れることもなくお返事をいただけて助かりました。

私の場合は、そんなに大きく訂正するべき箇所もなかったのですが、先生の赤ペンで「よく書けています」というお返事を読んだときには、本当にほっとしたのを覚えています。

このコロナ禍で、御社も閉まっていたので、一人で勉強しているという孤独や不安感は決して小さくなかったのですが、先生の赤ペンで救われました。

https://www.agaroot.jp/domestic_mba/column/voice_14/

早稲田大学大学院経営管理研究科夜間主プロフェッショナルコース合格

間違いなく一番は研究計画書だと思う。僕は研究計画書作成にかなり苦労した。

その理由は、経営の勉強をしたいから早稲田に入りたいが、受験同時期に転職し、現職についての実体験に乏しく、研究したい具体的なテーマがなかったからである。

飯野先生のアドバイスにより、研究したいと思った漠然としたテーマである、ファミリービジネスについての本をたくさん読んでインプットした。

沢山インプットすることでフラストレーションが溜まり、爆発し、アウトプットが出来るようになることを目指した。

そのため、ぎりぎりまでインプットし、期限が1週間くらいに迫った際にアウトプットして書き上げた。

しかし、先生から、「内容が抽象的過ぎて何を研究したいか伝わってこない」と言われた。

期限が差し迫り自分では提出する気満々だったので、愕然とした。

しかし実際本当に研究したいことが分からない状況で書いた文章であったため、自分では気づかなかったが、指摘はその通りであり、本質を突かれた、見抜かれてたと思った。

そこから本当に短期間で再度考えに考え抜き、ここで今までのインプットのフラストレーションが初めて爆発した瞬間を実感した。

ファミリービジネスで働き始め間もない時期であるが、その少ない経験の中で自分が受けた感覚と、書籍による知識との融合が起こり、オリジナリティある研究計画書が書けた。

描き切ったのは提出前日の深夜であった。

飯野先生に「真夜中でも完成したらすぐ送ってください」とおっしゃって頂いていた。

真夜中に送ったが、即返答を貰え、「これなら大丈夫です。よい研究テーマだと思います」と言って頂いたことが、もしかしたら合格時より嬉しかった瞬間かもしれない。

自分一人では到達できなかったであろう、合格できる研究計画書が書けた。

https://www.agaroot.jp/domestic_mba/column/voice_02/

アガルートでは研究計画書、出願書類の添削が無制限!

アガルートでは研究計画書、出願書類の添削指導を無制限に受けられます。

研究計画書や志望理由書は独学だと独りよがりになりがちです。

あくまで客観的な視点で明確に説明できる必要があります。

出願書類・研究計画書の書き方講座には無制限の添削指導がついてくるので、客観的に、明確に説明できる研究計画書を作成することができます。

アガルートでは過去の合格者の研究計画書などをもとにした、独自の合格基準を設けています

アガルートでは研究計画書や出願書類には独自の合格基準を設けています。

研究計画書をしっかりと自分事化することができ、他者に明瞭に説明できるようになっている頃には、面接でもある程度のことを聞かれても答えられるようになります。

志望校ごとに過去の合格者を参考にした研究計画書の例文を用意しているので、どのレベルまで研究計画書が書けるようになればいいのかがわかりやすくなっています。

無制限添削を通し、研究計画書をブラッシュアップしていくことで頭の中もどんどんクリアになっていくはずです。

入試対策、講座に関する相談は受講相談まで

国内MBAの入試科目には出願書類や研究計画書の書き方だけなく、面接や小論文もあります。

アガルートでは経営学についての知識がない方や他の入試科目についての対策も行っています。

どんな講座を受けたら良いのかわからない方はぜひ受講相談をご利用下さい。

もちろん具体的に受験を検討する前段階の

  • MBAってどんなところ?
  • MBAに興味はあるけど、忙しいから通えるのか不安…
  • 受験対策って何をすればいいの?

といった相談も受け付けています。

お気軽にご相談下さい。

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この記事の著者 飯野 一 講師

飯野 一 講師

ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。

国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。

国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。

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