本コラムでは、国MBAの中で、特に人気がある関東のMBA、慶應義塾大学、筑波大学、東京都立大学、一橋大学、早稲田大学の5つのMBAについて特徴を説明します。

その上で、ご自身が志望校を決める上での、この5校の比較基準を提示します。

本コラムを読むことで、人気の国内MBAはどんな特徴があるのか、そして、自分の目的に合うMBAはどこか、といったことが把握できます。

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アガルートアカデミー国内MBA試験の飯野一講師が、関東の人気MBAについて動画で解説しています。

動画では、慶應義塾大学、筑波大学、東京都立大学、一橋大学、早稲田大学の5校を紹介しています。

入試時期や受験回数、難易度、学費など、さまざまな側面から比較しているため、ぜひ参考にしてみてください。

関東の人気MBAの基本情報と特徴について

国内MBAの中で、特に人気がある早稲田大学、慶應義塾大学、筑波大学、東京都立大学、一橋大学の5つのMBAについて特徴を説明します。

早稲田大学の基本情報と特徴

MBAの名前早稲田ビジネススクール
公式URLhttps://www.waseda.jp/fcom/wbs/
全日・夜間全日・夜間(コースによる)
特徴社会からの多様なニーズに応えるために、豊富なプログラム体系が用意されています。働いている人が通いやすい夜間のコース、集中して学びやすい全日コースなど、幅広いコースが魅力です。世界各国からの留学生、多種多様な業種からの現役ビジネスパーソンが同じ教室に机を並べ、議論を戦わすことができます。
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コースの種類・全日制グローバル・1年制総合(全日制)・ 夜間主総合・夜間主プロフェッショナル(マネジメント専修)・夜間主プロフェッショナル(ファイナンス専修) ・MSc in Finance・早稲田-ナンヤンダブルMBAプログラム
キャンパスの所在地〒169-8050東京都新宿区西早稲田1-6-1早稲田大学大学院経営管理研究科(早稲田キャンパス11号館3階)
学費全日:1年次総額 1,843,000夜間:1年次総額 1,663,000※コースによって異なるので公式サイトを参照
修了期間1年〜2年(コースによる)

には全日制と夜間のMBAコースがあります。全日制は「1年制」と「2年制」があり、夜間は「夜間主総合」と「夜間主プロフェッショナル」があり、多様化する学生のニーズに応えることができる体制ができています。

早稲田MBAの特徴は、経験豊富な実務家教員と、第一線の研究者教員が揃っている点です。MBAと言っても大学院ですから、多くのMBAが研究者教員が中心ですが、早稲田MBAには実務家として実績のある教員が揃っています。

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長やボストン・コンサルティング・グループ(BCG)日本代表など著名実務家から直接指導を受けることができます。

二つ目の特徴としては、英語で全教育をおこなうプログラムがある点です。

これは全日制のプログラムになりますが、すべて英語だけの科目履修で修了できます。

英語力を高めたいから、半分英語の授業を履修し、半分は日本語で履修するということも可能です。

このようなフレキシブルな体制が整っている国内MBAは早稲田だけだと思います。

慶應義塾大学の基本情報と特徴

MBAの名前慶應義塾大学ビジネス・スクール
公式URLhttp://www.kbs.keio.ac.jp/
全日・夜間全日・夜間(コースによる)
特徴受身の姿勢で知識を身につけるのではなく、自らの考えを積極的に説明し討論する双方向型の授業方法を経験することで、実践的な経営能力を身につけることを目指したプログラムとなっていることが特徴です。学生や受講者が、ケースを事前に読み込んだうえ、各人の分析結果あるいは意思決定の内容やその理由を教員のリードの下で発表し、議論するという特徴的な授業形式を採用しています。
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コースの種類・フルタイムMBAプログラム(修士課程)
・エグゼクティブMBAプログラム(修士課程)
キャンパスの所在地〒223-8526横浜市港北区日吉4-1-1慶應義塾大学日吉キャンパス内 協生館
学費1年次総額:2,217,600 円
修了期間2年間

慶應MBAの特徴は、「ケースメソッド」による授業がおこなわれていることです。

授業の3分の2以上でケースメソッドが用いられています。

ケースメソッドでは、まず個人で与えられたケースの内容を読み、分析する形で予習をおこない、その後約10名のグループによるディスカッションを実施します。

最後に、クラス全体で講師によってリードされるクラスディスカッションをおこないます。

この個人→グループ→クラスの一連の流れでの学習を通して、意思決定をおこなうトレーニングがおこなわれています。

筑波大学の基本情報と特徴

MBAの名前経営学学位プログラム(博士前期課程)
公式URLhttps://www.gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp/
全日・夜間全日
特徴「経営」、「マーケティング」、「会計」、「ファイナンス」、それぞれの領域のディシプリンに基づくアプローチだけではなく、「数理科学」、「統計科学」、「情報科学」といった今日的科学技術に基づくアプローチを融合的に用い、高度ビジネスプロフェッショナルを育成する教育・指導を行っている。他の大学院にはあまりないデータサイエンス科目が特に強い大学院です。
入試科目・試験対策筆記試験・面接
詳細はこちら
コースの種類経営学学位プログラム(博士前期課程)のみ
キャンパスの所在地〒112‐0012 東京都文京区大塚3丁目29-1
学費1年次総額: 817,800円
修了期間2年間

筑波MBAには、アカデミックな研究をおこなう「経営システム科学専攻」と、すべて英語で授業がおこなわれる「国際プロフェッショナル専攻」の2つがあります。

経営システム科学専攻の特徴

経営システム科学専攻の特徴は、慶應MBAのようなケースメソッドではなく、アカデミックな研究をおこなうことが中心となっている点です。

1学年30名の少人数体制のため、学生1名に対して教員3名という贅沢な教育・指導環境があります。

その環境下で、アカデミックな理論や研究のアプローチを学び、学会発表レベルの修士論文を書き上げるのです。

国際プロフェッショナル専攻の特徴

国際プロフェッショナル専攻は、経営システム科学専攻ほどはアカデミックな研究には力を入れていません。

慶應MBAのような経営のゼネラリストを育成する教育がおこなわれていますが、すべて英語で授業やディスカッションがおこなわれているというのが大きな特徴です。

東京都立大学 の基本情報と特徴

MBAの名前東京都立大学大学院経営学研究科経営学専攻
経営学プログラム
公式URLhttps://www.biz.tmu.ac.jp/
全日・夜間夜間(土は昼間)
特徴徹底した少人数教育が魅力の大学院です。東京駅至近のキャンパスで平日の夜間と土曜日を中心に学べます。経営者とディスカッションできるビジネスイノベーション演習、実務家を講師に招いた経営学演習など多彩なプログラムで実践につながる学習が魅力となっています。
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コースの種類・経営学プログラム・経済学プログラム・ファイナンスプログラム
キャンパスの所在地東京都千代田区丸の内 1-4-1丸の内永楽ビルディング 18 階
学費1年次総額: 802,800円
修了期間2年間

東京都立大学MBAの特徴は、筑波大学同様に、第一線の研究者でもある専任教員を中心にした高度な少人数教育によってアカデミックな論文指導がおこなわれている点です。

MBAというと慶應MBAが採用するケースメソッドによるケースディスカッションが中心でアカデミックな論文指導はおこなうイメージはありませんが、都立大学ではケーススタディによるゼネラリスト養成だけでなく、アカデミックな論文指導もおこなわれています。

筑波との違いは、筑波はアカデミックな論文指導にかなりの力を入れていますが、都立大学は慶應MBAのようなゼネラリスト教育もおこなわれており、ケースメソッドによるゼネラリスト教育とアカデミックな論文指導とのバランスが取れているMBAだと思います。

一橋大学 の基本情報と特徴

MBAの名前一橋ビジネススクール
公式URLhttps://www.hub.hit-u.ac.jp/
全日・夜間全日・夜間(コースによる)
特徴日本語プログラムの経営管理専攻(School of Business Administration:SBA)と、英語プログラムの国際企業戦略専攻(School of International Corporate Strategy:ICS)という2つのスクールで構成されています。英語だけで学べるスクール(コース)ときちんと分けられているのが特徴です。SBAスクールのプログラムは、経営分析・経営管理・金融戦略・経営財務とプログラムが分かれており、自分のニーズに合った学習ができるのが魅力です。
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コースの種類・General MBA・Global MBA・EMBA(Executive MBA)・Specialized MBA
キャンパスの所在地〒186-8601 東京都国立市中2-1
学費1年次総額: 924,960
修了期間2年間

一橋MBAには、4つのコースがあります。

1つは全日制の2年制のプログラムである「経営分析プログラム」。

2つ目は夜間開講の2年制プログラムである「経営管理プログラム」。

3つ目は夜間開講の2年制プログラムでアカデミックな研究をおこなうことを目的とした「金融・財務プログラム」。

4つ目は、すべて英語で講義がおこなわれる国際企業戦略専攻。

ここでは「経営分析プログラム」と「経営管理プログラム」の特徴を説明します。

経営分析プログラム・経営管理プログラムの特徴

一橋の教育方針を見ると、「小手先のテクニックではなく、多角的に物事を捉え、論理的に思考する基礎を身に付けることに重点を置く」という点が謳われています。

そのため、単にケースメソッドでディスカッションをおこなう、という形の授業形式ではありません(この点は、日本の国公立のMBAに共通した特徴です)。

ケーススタディだけでなく、レクチャーも充実しています。レクチャーで基礎知識を得た後に、ケーススタディをおこなう形態ですので、経営学の初心者には向いていると思います。

また、他の国公立MBA同様に、修士論文の作成にも力を入れています。授業に、「理論構築の方法」があることからも、経営理論を自ら構築できる人材になるための教育がおこなわれています。

各大学院のケーススタディ授業が占める割合比較

上記で国内MBAで人気のある5校の特徴を説明しました。

上記の説明は、大学の際立った特徴をピックアップして紹介しましたが、上記の説明では、自分がどこの国内MBAが合っているのかは評価しにくいと思います。

その理由は、人気校5校を同一の指標で評価して比較することをしていないからです。

例えば、「ケーススタディの授業がどの程度の割合を占めるか」という指標で5校を比較したら、ケースメソッドで学びたい人には、一目で自分に合致するMBAが見つかります。

そこで、ここでは、「ゼネラリスト型MBA」「アカデミック型MBA」というMBAを評価する際の指標を用いて、上記の5校がどのような特徴があるのかを同一の評価基準で比較しようと思います。

一般的なMBAのカリキュラムは、人的資源管理、組織論、財務会計、ファイナンス、情報・マーケティング、経営戦略、統計学、経済学といった科目をケースメソッドでディスカッションを通して学びます。
この一般的なMBAを「ゼネラリスト型MBAと呼ぶことにします。

一方、ケースメソッドによるディスカッション的な学びはあまりおこなわずに、経営学の一つの領域にフォーカスしたアカデミックな研究をおこなうMBAも日本にはあります。
このアカデミックな研究をするMBAを「アカデミック型MBAと呼ぶことにします。

ケースメソッドでディスカッションを通して経営学全般を学びたい「ゼネラリスト型MBA」を志望される方は、慶應MBA、早稲田MBAがおすすめです。

一方、アカデミックな研究をしたい方は、筑波MBAが最適ということになります。

また、両方とも学びたいという方は、真ん中に位置している都立大MBA、一橋MBAが向いているということになります。

ここでの比較分析で自分が学びたいことと大学院を特定した上で、最初に説明したMBAごとの特徴を参考に志望校選びをしていただければと思います。

関連コラム:MBAを日本で取得するには?国内MBAとは?おすすめの大学院や選び方も解説

関連コラム:【エリア別】国内MBA一覧表 ビジネススクールの科目&所在地

関東のMBAの難易度

関東の人気が高いMBAはどこも倍率が2倍を超えてきます。

早稲田、一橋、慶應のMBAは特に人気で例年3倍ほどの倍率です。

MBAでは2倍の倍率を超えると難易度が高いと言えるので、しっかりと入試対策を行う必要があります。

関連コラム:国内MBAの倍率から見る難易度と人気大学院合格に必要な勉強期間

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この記事の著者 飯野 一 講師

飯野 一 講師

ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。

国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。

国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。

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