【国内MBA比較】パートタイムMBAと全日制MBA編
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本コラムでは、パートタイムMBAと全日制MBA(フルタムMBA)の特徴と違い、そして、それぞれの長所短所を説明します。
その上で、どういう方にはパートタイムMBAが向いているのか。
どういう方には全日制MBAが向いているのか。といった点を筆者なりの考えを提示し説明します。
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パートタイムMBAとは?
パートタイムMBAとは、社会人が勤務を続けながら学ぶことができるように、授業が平日の夜と土曜日に行われているMBAコースのことです。
パートタイムMBAは社会人が対象のため、受験資格として実務経験3年以上という条件を設定している大学院が多くなっています(実務経験がなくても受験できるパートタイムMBAももちろんあります)。
パートタイムMBAの代表的な大学院は、
・青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科
・神戸大学大学院 経営学研究科
・筑波大学大学院 ビジネス科学研究科
・東京都立大学大学院 経営学研究科
・一橋大学大学院 経営管理研究科 経営管理プログラム
・早稲田大学大学院 経営管理研究科
などがあります。
パートタイムのMBAの授業時間ですが、早稲田大学大学院経営管理研究科を例に説明します。
平日は19時~20時30分、20時35分~22時05分までの2コマ開講されています。
土曜日は、1限が9時から開始され、6限の18時15分の開講まで授業が行われています。
学校によって、多少の前後はありますが、開講時間の大まかなイメージは上記の通りです。
通学する日数ですが、アガルートの受講生の状況を見ていると、1年次は平日は週に3回ほど通って、土曜日は朝から午後まで授業を受けている方が多いです。
1年次の卒業に必要な単位をほぼ取得してしまう方が多く、2年次は週に1回開講しているゼミに通うのみとなる方が多いです。
ですから、通学の負荷は1年次だけだとお考えください。
全日制MBA(フルタイムMBA)とは?
全日制MBAとは、会社を辞める、休職する等によって、平日の朝から夕方まで通学が可能な方を対象としたMBAです。
一般的な大学院と同じ時間での開講になりますので、全日制MBAは、社会人経験のない大学生の方が、そのまま進学するというケースも多く見られます。
全日制MBAの代表的な大学院は、
・青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科
・京都大学経営管理大学院
・慶應義塾大学大学院 経営管理研究科
・一橋大学大学院 経営管理研究科 経営分析プログラム
・早稲田大学大学院 経営管理研究科
などがあります。
全日制MBAの授業時間ですが、慶應義塾大学大学院経営管理研究科を例に説明します。
月曜日から金曜日まで毎日授業が行われ、時間は、1限は9時から10時30分、2限は10時45分から12時15分、3限は13時から14時30分、4限は14時45分から16時15分、5限は16時30分から18時となっています。
通学する日数ですが、1年次は、平日はほぼ毎日通学します。
1年次の卒業に必要な単位をほぼ取得してしまう方が多く、2年次は週に1回開講しているゼミに通うのみとなる方が多いです。
ですから、通学の負荷は1年次だけだとお考えください。
パートタイムMBAと全日制MBAの比較
ここではパートタイムMBAと全日制MBAの長所短所を比較します。
パートタイムMBAの長所
パートタイムMBAの長所は、仕事を続けながら学ぶことができますので、会社を辞めたり休職したりするリスクがない点です。
また、仕事をしながら学ぶことになりますので、学んだことをすぐに実践で試してみることが可能です。
MBAで学ぶことは経営学全般です。
例えば、消費者行動の分析手法をマーケティングの授業で学んだ場合、営業職の方であれば、すぐにその分析手法を用いて仕事に応用できます。
また、財務会計の授業で会計分析の手法を学んだ場合、自社の財務分析をすることができます。
自社の安定性はどうなのか?収益性はどうなのか?成長性はどうなのか?など財務的な視点からの分析ができます。
パートタイムMBAの短所
一方、パートタイムの短所は、全日制のように一日中勉強できるわけではありませんので、MBAで学ぶ内容の深さと広さには限界があるという点です。
MBAでは経営学全般を学びます。
具体的には、経営戦略、マーケティング、組織論、組織行動学、アカウンティング、ファイナンス、オペレーションマネジメント、生産管理、情報マネジメント、経済学、統計学など、企業経営をしていく上で必要となるすべての知識を学びます。
アガルートからパートタイムMBAに進学した受講生を見ていると、パートタイムの場合は、学ぶ時間が全日制に比べると少なくなるため、すべての科目をキッチリ勉強できている方は、それほど多くないように見えます。
ファイナンスがまだ勉強が足りなかったとか、情報マネジメントに関する科目は履修できなかった、といった声が聞かれます。
全日制MBAの長所
全日制の長所は、上記パートタイムの短所の逆です。
十分な勉強時間が取れるので、経営学全般に関してまんべんなく知識がキッチリ得られる点です。
筆者は全日制のMBAを修了していますが、入学前はほとんど経営学の知識はありませんでしたが、修了時にはすべての科目に関して、経営者としてやっていくだけの知識とスキルが得られました。
そのため修了後にすぐに会社を設立しました。
MBAでの学びは会社経営には大きく役立ちますし、今後は経営者にはMBAは必須になってくると思います。
全日制MBAの短所
一方、全日制の短所は、パートタイムの長所の逆で、会社を辞めたり休職したりする必要があるので、再就職のリスクがある点です。
日本の場合、まだまだMBAを取得したからといって評価される状況ではありません。
ですから、一度会社を辞めて、MBAに進学することは、2年間の空白期間とみなされてしまう場合もあり、リスクがあるのです。
人物タイプ別おすすめMBA
以上、パートタイムMBA、全日制MBAの長所短所を比較しましたが、最後に、こんな方にはパートタイムがお勧め、全日制がお勧め、というタイプ別にどちらのMBAがお勧めかを説明していきます。
キャリアチェンジ、交換留学、起業、人脈形成、多様性重視なら全日制
キャリアチェンジ目的で修了時の年齢が30歳未満の方は全日制をお勧めします。
キャリアチェンジの場合、年齢が重要です。
30歳未満と若い年齢で修了できるならば、キャリアチェンジは可能ですし、MBAも評価されます。
交換留学を希望する方も全日制をお勧めします。
早稲田や慶應のMBAでは、交換留学の制度があり欧米の著名なMBAに留学が可能です。
その場合、半年以上は海外生活になりますので、当然、全日制でなければ留学はできません。
起業を目指す方も全日制の方がいいと思います。
起業するということは、再就職における年齢的なリスクはありません。
起業家に年齢は関係ないからです。
その場合、しっかり勉強すると同時に、人脈形成の面でも全日制の方が適しています。
全日制は朝から夕方まで毎日、共に学びます。
この濃密な学びによって、濃密な人脈形成が可能になるのです。
留学生が多く多様性の中で学びたいという方も全日制がお勧めです。
全日制には、世界各国からの留学生がおります。
この留学生と共に学び、生活することで、グローバルな多様性を経験できます。
上記以外ならパートタイム
上記に該当しない方は、パートタイムMBAが退職というリスクをとる必要がありませんので適していると思います。
日本では、先にも申し上げましたが、MBAを取得しても、それが評価されるかというと微妙です。
退職にはリスクが伴うのです。
そのため、日本ではパートタイムMBAが適している方が多いと思います。
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ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。
国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。
国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。
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