MBAにおけるファイナンスとは?目的やおすすめの本、大学院も紹介
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MBA取得にあたり、ファイナンスを勉強したいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このコラムでは、MBAのファイナンスで学べる内容や、専攻に向いている人、おすすめの書籍などを紹介しています。
また、ファイナンスに強いMBAも紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
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MBAのファイナンスの科目ではどんなことが学べるのか?目的は?
MBAのファイナンス科目は、ビジネスに必要な「ヒト・モノ・カネ」の3つの資源のうち、「カネ」に特化した科目です。
企業経営においては、企業の財務戦略を理解し、適切な意思決定を行うスキルが不可欠です。
そのため、ファイナンスの科目では、企業価値の評価や、事業投資の判断などに役立つ実践的なカリキュラムが用意されています。
MBAのファイナンス科目では、財務・金融に関するさまざまな知識を学べるでしょう。
しかし、進学するMBAによって、一部の学習内容が異なる場合もあります。
例えば、「意思決定に必要な知識の一貫としてファイナンスを学ぶ」という位置付けのものや、財務のスペシャリストとして活躍することを目的としたプログラムなどがあります。
各MBAにおけるファイナンス科目の内容を理解し、自分に合ったものを選びましょう。
マネジメント専修とファイナンス専修のプログラムの違いは?
マネジメント専修とファイナンス専修のプログラムには違いがあります。
ここでは、早稲田大学大学院と一橋大学大学院のプログラムを例に挙げ、両者の違いについて解説します。
以下は、早稲田大学ビジネススクールの各専修プログラムにおける科目の例です。
ファイナンス専修 | |
必修コア科目 | ファイナンスモジュール科目 (以下より3科目の履修を推奨) |
マーケティング 財務会計 ファイナンス 人材・組織 経営戦略 総合経営 グローバル経営 |
コーポレート・ファイナンス エクイティ・インベストメント 企業データ分析 債券インベストメント デリバティブ |
マネジメント専修 | |
モジュール | モジュール専門科目 |
人材と組織 | 組織と人事の理論と実践 |
ミッションとリーダーシップ | |
グローバル人材マネジメント | |
戦略的人材組織マネジメント(隔年) | |
ビジネス・リーダーシップ(隔年) など | |
アントレプレナーと事業創造 | スタートアップファクトリー |
事例で学ぶベンチャー・新規事業の創造 | |
ファミリービジネスと国際化 | |
ベンチャーファイナンス など | |
グローバル経営と戦略 | 持続成長戦略論 |
グローバル人材マネジメント | |
実践コーポレート戦略 | |
企業価値創造型経営 など | |
技術・生産マネジメント | マーケティングと新市場創造 |
技術と戦略 | |
生産・開発マネジメント(1)・(2) など | |
スポーツビジネス | スポーツビジネスマーケティング特論 |
Theory and Practice of Global Sport Management | |
マーケティングと新市場創造 | |
事例で学ぶベンチャー・新規事業の創造 など |
上記のように、両者は科目の内容が異なります。
ファイナンス専修プログラムの目的は、財務・金融のスペシャリストとして活躍するための実務的なスキルの習得です。
そのため、理論や技法の習得に加え、財務に関するより深い知識が得られるプログラムとなっています。
対して、マネジメント専修プログラムでは、経営幹部に求められるマネジメントの知識を学びます。
マネジメントの分野ごとに希望するモジュールを選択できるため、特定の分野に関する専門性を高めたい方にも適しているでしょう。
また、一橋大学ビジネススクールの各プログラムにおける学習領域の例は以下の通りです。
- 金融戦略・経営財務プログラム
・金融の経済学
・統計・数理モデル
・企業財務・企業経営
- 経営管理プログラム
・会計
・経営学
・マーケティング
・ファイナンス
※参考:カリキュラム|金融戦略・経営財務プログラム|一橋ビジネススクール
※参考:経営管理プログラム概要|経営管理プログラム 経営管理研究科|一橋ビジネススクール
「金融戦略・経営財務プログラム」では、ファイナンスの領域に応じた科目を選択できるほか、入門科目の履修によって、数学や統計学の知識を効率的に習得することが可能です。
対して、「経営管理プログラム」では、経営、会計、ファイナンス、マーケティングを中心とする領域を幅広く学んだ上で、深く考えるプロセスを繰り返すことで、本質的な解決力を身に着けられる内容となっています。
ファイナンスを学ぶのにおすすめな人は?どんな人?
ファイナンスの習得がおすすめな方について解説します。
- 経営幹部
- 金融系専門職
- 経理・財務担当
- 経営企画・事業企画担当
経営幹部
MBAのファイナンスによって得られる知識は、経営幹部の方に有益です。
経営幹部には戦略的な意思決定が求められる場面が多く、財務に関する知識が不可欠となります。
ファイナンスの専攻により、企業の成長戦略や投資計画に役立つ知識を得られ、意思決定の精度を高める効果が見込めます。
また、企業のリスク管理や資産運用などのスキルを得ることで、さまざまな局面で的確な対処を行えるでしょう。
加えて、財務会計の知識は、事業計画の策定や事業の評価を行う際に役立ちます。
これらのスキルと知識によって、経営幹部としてのキャリアの発展や、企業価値の向上などが期待できます。
金融系専門職
MBAのファイナンスは、金融系専門職に携わる方にもおすすめです。
ファイナンスでは財務や金融に関する専門的な知識を習得できるため、すでに金融系専門職に就いている方はもちろん、これから金融系専門職を目指す方にも役立つでしょう。
また、金融のプロフェッショナルとしての実務的なスキルをアピールできるため、キャリアアップや転職などにも役立ちます。
特に、専門職としてアメリカ系の外資金融機関への転職を目指す場合は、MBAの取得が有利に働くと言われています。
経理・財務担当
MBAのファイナンスは、企業で経理・財務を担当している方のキャリアアップに寄与します。
ファイナンスで学べる知識やスキルは、金融データの分析や、コーポレートファイナンスなど多岐にわたります。
そのため、財務会計を統括するポジションの方や、経営管理のマネジメントに携わっている方のスキルアップに役立つでしょう。
また、ファイナンスの専門家として活躍したい方や、将来的に管理職のポジションを目指したい方にもおすすめです。
経営企画・事業企画担当
企業の成長戦略や新規事業の展開においては、財務の知識が不可欠です。
経営企画や事業企画の担当者がMBAのファイナンスを専攻し、財務会計に関する高度な知識を獲得することで、効果的な戦略策定が実現するでしょう。
また、すでに経営企画や事業企画に携わっている方がファイナンスを学べば、独学で行なっていた業務の抜け・漏れをなくし、キャリアを強化する効果が期待できます。
管理職へのキャリアアップや、外資系企業への転職を目指す方にもおすすめです。
ファイナンスを深く学びたい人におすすめのMBA
一橋大学大学院経営管理研究科
一橋大学大学院経営管理研究科(以下、HUB)では、主に社会人を対象とした金融戦略・経営財務プログラムを実施しています。
進学を希望する際は、企業・官公庁等における原則2年以上の実務経験などの出願資格が設けられているため注意しましょう。
このプログラムの特徴は、ファイナンスに関する幅広い知識やスキルを習得できるという点です。
基礎力を固め、ファイナンスに求められる思考法を習得するための科目群が設定されています。
また、一人ひとりの学習目的に応じて分野を選択し、専門性を高めることが可能です。
※参考:金融戦略・経営財務プログラム|一橋大学大学院 経営管理研究科
京都大学経営管理大学院
京都大学経営管理大学院(以下、京大MBA)では、1年半の「ファイナンス・会計プログラム」を実施しています。
このプログラムの主な対象は、公認会計士をはじめとする会計関連の専門資格を有する方や、すでに会計専門職に従事している社会人です。
そのため、入試においても、ファイナンス・会計分野の専門家としての職業経験が問われます。
京大MBAのファイナンス・会計プログラムは、ファイナンスおよび会計の両分野における専門的なスキルを高めたい方におすすめです。
例えば、専門分野の知識を深めたい公認会計士の方や、会計に特化したスキルを身に付けたいファンド・マネージャー、国際的な活躍を目指すアナリストの方にとっては、非常に有益なプログラムであるといえるでしょう。
早稲田大学大学院経営管理研究科
早稲田大学大学院経営管理研究科(以下、早稲田MBA)では、財務・金融のスペシャリストを目指す方を対象とした、夜間主プロフェッショナルプログラム(ファイナンス専修)を実施しています。
このプログラムの入学試験制度は、一般入試または企業派遣入試です。
早稲田MBAのファイナンス専修では、マーケティング・財務会計・ファイナンスなどの8つの必修コア科目が設けられています。
また、コア科目に加えて、コーポレート・ファイナンス・企業データ分析・デリバティブなど5つの科目の中から3つを選択するファイナンス・モジュール科目を履修します。
このプログラムの特徴は、ファイナンスに関する基礎的な知識を網羅できるほか、実務への応用に特化した指導を受けられる点です。
また、希望する職種や進路に応じて、専門性を高めたい科目を選択できることも、早稲田MBAの強みであるといえます。
ファイナンスを学ぶためにおすすめの本
グロービス経営大学院 『[新版]グロービスMBAファイナンス』
『[新版]グロービスMBAファイナンス』はMBAにおけるファイナンス理論がわかりやすく解説された書籍です。
事例なども紹介されており、決定の意思決定など実践的な場面でも活用できる内容となっています。
マネージャークラスの方にとって有益な内容であり、ファイナンスを初めて学ぶ方にもおすすめです。
まとめ
本コラムでは、MBAのファイナンスについて解説しました。
ポイントは以下の通りです。
- ファイナンスはMBAの主要科目のひとつであり、企業のキャッシュフローを理解するうえで欠かせない科目である
- 経営幹部、金融系専門職、経理・財務担当、経営企画・事業企画担当にとって、ファイナンスの知識は特に役立つ
ファイナンスを深く学ぶことで、企業戦略の立案や意思決定の質の向上をはじめとする、さまざまなメリットが得られるでしょう。
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