本コラムでは、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)の面接の概要や特徴を紹介します。

具体的には、面接ではどんなことが質問されているのか、面接官の数は何人か、圧迫面接ってどんな感じなのか、という点の説明をします。

その上で、KBSの面接を受けるに当たって、何を準備すればいいのかを説明します。

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慶應義塾大学MBAの面接の特徴

KBSは、以下の「一般的な質問項目」が聞かれるだけで、研究に関する専門的なことは質問されていません。

会社のこと、業界のことなど、自分の仕事のことが質問の中心です。

ですから特別な準備は必要ありません。

事前に提出したエッセイと以下の「一般的な質問項目」をご自身で整理しておけば問題ありません。

なお、面接官は3名です。

まれに圧迫面接をされる場合もありますが、特に専門的な知識が必要となる圧迫面接をされることはありません。

「なぜKBSなのか」「入学後に何を学びたいか」という点を執拗に突っ込んでくるような圧迫面接が多いです。

以下で、事例を紹介しますので、参考にしてください。

一般的な質問項目

1.なぜ、MBAに進学するのか?(志望動機)

2.その中でなぜ、慶應義塾大学のMBAを志望するのか?

3.将来のキャリア形成において慶應義塾大学のMBAへの進学はどんな意義があるのか?

4.志望動機とキャリア計画に関して面接を担当する教授によっては、2~5分間で述べてください。というように要求してくる先生もいるので、自分の志望動機とキャリア計画に関して志願者調書に書いたことをもとに、2~5分間程度で述べられるようにしておきましょう。

5.修了後はどのようなキャリアを考えているのか?それはなぜか?

6.自分が現在所属している会社、業界について

7.自分について(5年後、10年後、20年後に自分はどうなっているか?)

8.英語に関して(英語力は?英語を仕事で使っているか?など)

9.慶應義塾大学に入学した場合に、授業やゼミ活動にあなたが貢献できる点は何?

10.転職経験がある人は、どうして転職したのか?

圧迫面接の事例

【面接官】MBAを目指したきっかけとその中でなぜKBSなのか、卒業後のキャリアプランを教えてください。

【受験者】経営の知識、英語力をつけたいです。

【面接官】KBSでは英語力は身につきませんが。

【受験者】留学のプログラムを利用して身につけたいです。

【面接官】あれは既に英語ができる人が行くのであって英語を身につけに行くものではないよ。

【受験者】入学までに勉強、短期留学をして英語力を身につける予定です。

【面接官】あと半年しかないのに英語が身につくわけないよ。

【受験者】入学後もなんとか時間を見つけて勉強します。

【面接官】そんな時間はない。あったとしてもケースをやったほうがいい。英語力を身につけたいなら海外のMBAに行ったほうがいいと思うが。

【受験者】起業はまず日本でと考えているので、日本のMBAでケースを学んでいくほうがいいと思っています。

※受験者のコメント
上記のように何を言っても反論されたが、なんとか応戦しました。
途中、「君の話はロジカルじゃない」などと言われていたが笑ってごまかした。
あまり神経質にならずに、受け流すように対応するのがいいと思いました。

という形で、何かを答えると、それに対して否定的な反応をされるような圧迫面接を仕掛けられるのです。

その受験者のKBSへの本気度を見るために、繰り返し、「なぜKBSなの?」という点を質問してくるのです。

粘り強く答えてください。

ただKBSでは、近年はあまり圧迫面接をされることがなくなっています。

もし圧迫面接を受けても、上記の受験生のように、あまり神経質にならずに、受け流すように対応するのがいいと思います。

関連コラム:慶應義塾大学ビジネススクール(KBS)【入試対策】

KBS面接の心構え

KBSの面接の質問は、提出した志願者調書、そして仕事のことをもとにしたものがほとんどです。

ですから、志願者調書に書いたことはしっかり答えられるよう準備しておきましょう。

仕事に関することは、3C分析(自社、競合企業、市場)のフレームワークを使って分析しておきます。

この作業で、質問される点は、ほぼ網羅できます。

圧迫面接の乗り切り方

なお、圧迫面接への対応ですが、圧迫面接では、正解を答える必要はありませんし、しっかり答えられなくてもかまいません。

この点は、上記の圧迫面接の事例を見ていただければおわかりいただけると思います。

圧迫面接では、「思考意欲」「思考体力」が見られているのです。

「思考意欲」とは、何かあれば本気で考え、自分なりの見解、解決策を考えだそうという意欲のことです。

「思考体力」とは、考え続けることができる体力のことです。

この思考意欲、思考体力を見るために、圧迫面接をおこなうのです。

面接において、受験者が暗記していて知っている事柄を回答することは当然の対策です。

しかし、これでは面接官は受験者の思考意欲や思考体力を試すことができません。

そこで、圧迫面接では、受験者が知っている事柄以外に関して「なぜ」「どうして」を繰り返した質問をしてくるのです。

これらの質問に粘り強く回答し続けることが「思考意欲」「思考体力」が高いことを証明する手段です。

その場で考える意欲や考え続ける体力があるかどうかを見ているのです。

ですから、圧迫面接において、暗記していることを回答して、正確な回答ができたとしても、それは高い評価にはつながらないわけです。

回答が正確か?ということよりも、粘り強く回答し続けることができるかがポイントです。

なので、正解を答える、ではなく、その場で考えて答える思考力、が必要となるのです。

これは日ごろから、自分で考える習慣を付けておかないと、いきなり面接前にできるようになるわけではありません。

日ごろから考え続ける習慣を付けておきましょう。

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この記事の著者 飯野 一 講師

飯野 一 講師

ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。

国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。

国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。

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