本コラムでは、年2回(秋入試、冬入試)実施される国内MBA入試で、どちらを受験すると合格しやすいかを、その根拠とともに説明します。

国内MBAは、一度不合格になると、2回目は合格しにくい入試です。

2回目は100%不合格になるわけではありませんが、1回目の挑戦と比較すると、合格の可能性は低くなります。
この点に関して詳しく説明します。

その上で、最後に不合格にならないための対策について説明します。

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国内MBA入試は秋と冬にある

国内MBA入試は年に2回実施されていて、秋入試と冬入試があります。

秋入試とは、10月ごろに出願時期がある入試のことです(9月に出願する大学院もあります)。
入試の流れとしては、10月初旬に出願し、10月中旬から下旬に1次試験があり、11月に2次試験の面接が実施されます。

冬入試とは、1月ごろに出願時期がある入試のことです。
入試の流れとしては、1月初旬に出願し、1月下旬に1次試験があり、2月に2次試験の面接が実施されます。

年に2回入試が実施される場合は、最初に実施される入試である秋入試の方が受験倍率が低くなっています。

冬入試は、秋入試に不合格になった方が受験しますし、さらには新規の受験生も受験します。
国内MBAでも人気校は冬入試の倍率は非常に高くなる傾向があります。

そのため、アガルートでは秋入試の受験を勧めているのです。

国内MBAに落ちるとどうなる?

上記のように1年に2回受験の機会がある国内MBAですが、よく見かけるのが、「とりあえず試しに1回受験して不合格になったら、しっかり受験対策をして2回目に臨もう」という方です。

これはあまり好ましくありません。
なぜなら、国内MBA入試というのは、一度不合格になると、その時に、どんな出願書類(志望理由書、研究計画書)を書いて、小論文がどのくらいできたのか、といった過去の履歴が残ってしまうのです。

何も準備せずに、とりあえず受験だけして、あまりにも悪い出来であれば、その履歴が残ることはいいことではありません。

このような履歴が残らないようにするためにも、受験する場合はしっかり準備してから受験しましょう。

しっかり受験準備する時間がない場合は、目の前の受験の機会は見送り、次の機会に挑戦することをお勧めします。

大学受験の場合に、しっかり準備することなく受験することはないと思います。
同じ考えです。
国内MBAもしっかり受験準備する時間が必要なのです。

とはいっても、大学受験のように1年間というような長期間の受験準備が必要なわけではありません。
半年もあれば十分ですし、2~3か月でも受験準備はできます。

1か月前となると難しくなるので、その場合は、目の前の機会は見送り、次の機会を目指しましょう。

関連コラム:3~6ヶ月間の準備期間で合格できる国内MBAと勉強法・スケジュール

準備不足のままMBAを受験する人が多い理由とは?

国内MBAでは、先に述べたように、特に受験準備もせずに受験する人がけっこうな数います。

どうして、このようなことが起きるのか、原因を考えてみました。
それは、国内MBA入試は筆記試験の出来よりも、出願書類である志望理由書や研究計画書などが合否を決める上で重要だからです。

筆記試験が重要ならば、英語や小論文の勉強をしっかりしなければなりません。
しかし、出願書類である志望理由書や研究計画書が重要ということは、それら書類を書くだけの問題意識や研究の経験がある方は、それほど時間をかけずに仕上げることが可能なのです。

そういった問題意識や研究の経験がある方が、「国内MBA入試は特に準備しなくても合格できるよ」という情報を発信するので、そうでない方までもが、「国内MBAは受験準備は不要である」という認識を持ってしまうのです。
こういったことが起きているのが現状です。

まだ国内MBAへの志望動機が固まっていない方、経営学の基礎知識や研究経験のない方は、しっかり受験準備をしないと合格できない試験、それが国内MBA入試です。

MBAを受験して不合格にならないために

では、不合格にならないための対策を説明します。

小論文

まずは小論文からです。

小論文を書くには、論理的に書くスキルと経営学の基礎知識が必要です。
この2つをしっかり身に付けるようにしましょう。

※関連コラム:国内MBAの小論文とは?講師が基本の書き方を説明します

出願書類(志望理由書・研究計画書)

次に出願書類です。
出願書類は、志望理由書と研究計画書に分けられますが、どちらも国内MBA受験では合否を決める最重な書類です。

志望理由書は、自分がどうしてMBAに進学したいと考えるのか。
この点を大学側に熱意のある形で伝える内容に仕上げる必要があります。

研究計画書は、自分がMBAで何を研究したいのかを、実務経験と先行研究を踏まえて説明する必要があります。

この2つの書類を大学院側が納得できる形に仕上げるのはかなり大変な作業になります。
しっかり対策を講じましょう。

※関連コラム:国内MBAの志望理由書とは?求められる内容と基本の書き方国内MBAの研究計画書とは?基本の書き方とポイント

面接

次が面接です。

面接は志望理由書と研究計画書に書いたことをもとに質問されます
これら書類に書いたことをさらに深堀する形でさまざまな質問がなされ、その受験者の抱える問題意識や将来のキャリアにおけるMBAの有効性などを大学側が判断するのです。

※関連コラム:国内MBA入試の面接では何を聞かれる?よくある質問と対策法

英語

最後が英語です。

英語の筆記試験が課されている大学院は少なく、一橋大学(経営分析プログラム)と神戸大学くらいです。

一橋大学は英語はできた方が合格には近づきますが、神戸大学は英語の出来は合否にはあまり影響しません。
過去にTOEIC500くらいの人でも神戸大学は合格しています。

ですから、英語に関しては、受験という点では、それほど準備をする必要はありません。

※関連コラム:国内MBA入試・受講に必要な英語力と確実に身につけるための勉強法

国内MBA受験は独学だと難しい

上記の中で、出願書類である志望理由書と研究計画書は受験の合否を決める上で最重要科目ですが、自己評価がしにくいという特徴があります。

まわりに国内MBA修了者がいれば、その方にチェックしてもらえばいいと思います。

まわりに国内MBA修了者などがいない方は、自分一人での評価では客観的な判断ができないと思いますので、その場合はアガルートのなどの予備校の利用がお勧めです。

関連コラム:【国内MBA初受験】社会人が仕事と両立して合格するための入試対策

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この記事の著者 飯野 一 講師

飯野 一 講師

ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。

国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。

国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。

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