国内MBA入試!試験のスケジュールと受験科目&勉強を始めるタイミング
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本コラムでは、国内MBA入試は毎年何月頃に行われ、入学時期はいつになるのか、入試科目はどんな科目が課されているのか、について説明します。
大学受験は一般的に2月ごろに行われ、4月に入学するという形ですが、国内MBAはどうなっているのか?
国内MBA入試で課せられている入試科目はどうなっているのか?
入試に向けて勉強を開始する場合、いつから(試験の何か月前くらいから)受験勉強を開始すればいいのか?
といった点を以下に詳しく説明します。
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国内MBA入試の流れ
国内MBA受験は、以下の流れで行います。
- 志望校を決める
- 試験科目を確認して受験対策をする
- 願書を提出する
- 1次試験を受ける
- 2次試験を受ける
志望校を決める
国内MBAの志望校を決めるには、次の2つのプロセスを経ます。
最初は、国内MBAには、仕事を辞めて(休職して)進学する全日制MBAと会社で働きながら通う夜間MBAの2種類がありますが、このどちらを志望するのかを決めます。
次に、国内MBAにはアカデミックな研究を重視するアカデミック型と企業経営者育成を目的としたゼネラリスト型の2種類があります。どちらのタイプを志望するかを決めます。
試験科目を確認して受験対策をする
上記の2つのプロセスを経て志望校が決まりましたら、志望校の入試要項を確認します。
入試要項には、受験資格、入試科目、入試日程などが書かれています。それを確認して、実際に入試対策を開始します。
願書を提出する
国内MBA入試では、願書を出願すると同時に、志望理由書や研究計画書の添付が必要になります。
この志望理由書や研究計画書の作成が必要になりますが、この書類が合否を決める重要な要素となります。
そのため、志望理由書や研究計画書は時間をかけて作成する必要があります。
これら書類の作成については、後述します。志望理由書や研究計画書が完成したら、受験の願書と一緒に提出します。
1次試験を受ける
出願書類を提出すると、1次試験として小論文の筆記試験があります(小論文が課せられていない大学院は、1次試験はなく、いきなり2次試験に進みます)。
一部の大学院では、小論文だけでなく、英語の筆記試験が課せられています。
志望理由書や研究計画書などの出願書類と1次試験の結果を総合して、1次の合格者が決まります。1次の合格者のみ2次試験に進むことができます。
2次試験を受ける
国内MBAの2次試験は面接です。面接では事前に提出した志望理由書や研究計画書に書いたことについて質問がなされます。
また、受験生の人柄や協調性などのコンピテンシーも見られます。
この2次試験に合格すると最終合格となり、入学資格が与えられることになります。
MBA入試の日程とスケジュール
入試には秋入試と、冬入試の2パターンがあります。
秋入試とは?
国内MBAの秋入試とは、10月ごろに出願時期がある入試のことです。(9月に出願する大学院もあります)
入試の流れとしては、9月~10月に出願し、10月に1次試験があり、11月に2次試験の面接が実施されます。
秋入試を実施している大学院は、
・青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科
・関西学院大学大学院 経営戦略研究科
・九州大学大学院 経済学府産業マネジメント専攻
・京都大学経営管理大学院
・慶應義塾大学大学院 経営管理研究科
・中央大学大学院 戦略経営研究科
・東京都立大学大学院 経営学研究科
・筑波大学大学院 ビジネス科学研究群経営学学位プログラム
・筑波大学大学院 国際経営プロフェッショナル専攻
・同志社大学大学院 ビジネス研究科
・一橋大学大学院 経営管理研究科
・兵庫県立大学大学院 社会科学研究科経営専門職専攻
・法政大学大学院 経営学研究科&イノベーションマネジメント研究科
・明治大学大学院 グローバルビジネス研究科
・横浜国立大学大学院 国際社会科学府経営学専攻
・立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科
・立命館大学大学院 経営管理研究科
・早稲田大学大学院 経営管理研究科
などがあります。
冬入試とは?
国内MBAの冬入試とは、1月ごろに出願時期がある入試のことです。
入試の流れとしては、1月初旬に出願し、1月下旬に1次試験があり、2月に2次試験の面接が実施さます。
冬入試を実施している大学院は、
・青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科
・関西学院大学大学院 経営戦略研究科
・慶應義塾大学大学院 経営管理研究科
・神戸大学大学院 経営学研究科
・中央大学大学院 戦略経営研究科
・東京都立大学大学院 経営学研究科
・同志社大学大学院 ビジネス研究科
・一橋大学大学院 経営管理研究科
・兵庫県立大学大学院 社会科学研究科経営専門職専攻
・法政大学大学院 経営学研究科&イノベーションマネジメント研究科
・明治大学大学院 グローバルビジネス研究科
・立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科
・立教大学大学院 経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース
・立命館大学大学院 経営管理研究科
・早稲田大学大学院 経営管理研究科
などがあります。
なお、国内MBAは年2回入試があるところが多いですが、大学院によっては年1回しか入試がない大学院や年3回以上入試をおこなっている大学院、春・夏に募集がある大学院もあります。
・グロービス経営大学院(5月・9月・1月入試)
・SBI大学院大学(5月・7月入試)
冬入試は秋入試より高倍率になる傾向
冬入試の特徴は、秋入試と比較して受験倍率が高くなる傾向があるということです。
秋入試で不合格になった方が再度挑戦する場合に、冬入試で不合格になると後がなくなるということで、冬入試は複数の大学院を受験する方が増えます。
そうすると、秋入試では1校しか受験しなかった方が、冬入試は複数の大学院を受験するようになり、結局、受験倍率が上がってしまう傾向があるのです。
このような傾向がみられますので、秋入試で1発で決めてしまう覚悟で受験することをお勧めします。
秋入試と冬入試、どちらを受験するかの判断基準
判断基準1 出願までの期間
秋入試と冬入試のどちらを受験するかに関してですが、ひとつ目の判断基準は、出願までの期間です。
受験を思い立った時に、あまりにも出願までの期間が短い場合は、十分な勉強時間が確保できませんので、次の受験機会に受験した方がいいと思います。
例えば、受験を思い立ったのが、8月末だったとします。
この場合、秋入試を受験するとしたら、出願までの時間が1か月ちょっとしかありません。
この短い期間でしっかり準備できるかというと難しいです。
よって、秋入試は見送り、冬入試を受験することになります。
関連コラム:3~6ヶ月間の準備期間で合格できる国内MBAと勉強法・スケジュール
判断基準2 受験倍率
ふたつ目の判断基準は、受験倍率です。
基本的に国内MBA入試は、秋入試の方が倍率が低く、冬入試の方が倍率が高い傾向があります。
この傾向がある場合は、秋入試に受験した方が合格の可能性が高まるので、秋入試を選択すべきということになります。
この傾向がある大学院は、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科です。
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科は、年に3回入試がおこなわれています。
9月出願、11月出願、1月出願です。この3回の入試のうち、一番倍率が低い入試が9月出願で、一番倍率が高いのが1月出願です。
ですから、青山学院大学大学マネジメント研究科を目指す場合は、9月出願で受験するのが合格するには最も有利になります。
その他、慶應義塾大学大学院経営管理研究科、一橋大学大学院経営管理研究科、早稲田大学大学院経営管理研究科なども青山学院同様に秋入試よりも冬入試の倍率が高くなります。
関連コラム:国内MBAの倍率から見る難易度と人気大学院合格に必要な勉強期間
国内MBAの入試科目
次に国内MBAの入試科目について説明します。
国内MBA入試の科目は、大学院によって異なりますが、大きく分けて2つのパターンに分けられます。
1つ目のパターンは、筆記試験が課せられる大学院です。
2つ目のパターンは、筆記試験はなく書類選考と面接だけの大学院です。
筆記試験が課せられている大学院の入試科目
まず、筆記試験が課せられている大学院の入試科目から説明します。
筆記試験とは小論文の試験です。
そして、この小論文以外に、志望理由書や研究計画書といった出願書類、そして面接の計3つが課せられています。
このパターンに該当する大学院は、関西学院大学、京都大学(一般選抜)、慶應義塾大学、神戸大学、筑波大学(ビジネス科学研究群)、東京都立大学、東京工業大、一橋大学(経営分析&経営管理プログラム)、法政大学(経営学研究科)、兵庫県立大学、横浜国立大学、立教大学(リーダーシップ開発コース)、立命館大学などです。
筆記試験がない大学院の入試科目
次が筆記試験がない大学院です。
こちらは志望理由書や研究計画書といった出願書類、そして面接の計2つが課せられています。
このパターンに該当する大学院は、青山学院大学、九州大学、中央大学、筑波大学(国際経営プロフェッショナル専攻)、同志社大学、一橋大学(金融財務プログラム)、法政大学(イノベーションマネジメント研究科)、明治大学、立教大学(ビジネス科学研究科)、早稲田大学などです。
国内MBA入試はいつから準備すればいい?
最後に、入試に向けた勉強を開始する時期について説明します。
小論文、研究計画書、面接、どれをとっても経営学の基本的な知識が必要になります。
そのため、経営学の基礎的な知識がある方とない方では勉強を開始する時期が異なっています。
関連コラム:MBA(経営学修士)とは
経営学の知識がない場合
まず、経営学の知識がない方がいつから受験勉強を開始すべきかについて説明します。
経営学の知識がない方が、先に説明した筆記試験が課せられる大学院を受験する場合は、出願の6か月前には受験勉強を開始するのが望ましいです。
まずは、経営学の基礎知識をインプットして、それができたら小論文の論述の練習、そして研究計画書の作成という順番で勉強すればいいと思います。
経営学の知識がない方が、先に説明した筆記試験がない大学院を受験する場合は、出願の3か月前に受験勉強を開始するのが望ましいです。
こちらは小論文の試験はありませんので、経営学の知識を暗記する必要はありません。
研究計画書を作成するための経営学に関する知識があればいいので、3か月前に開始すれば十分です。
関連コラム:国内MBA受験生必読!講師がおすすめする入試のための経営学本11冊
経営学の知識がある場合
次に、経営学の知識がある方について説明します。
経営学の知識がある方が、先に説明した筆記試験が課せられる大学院を受験する場合は、出願の3か月前に受験勉強を開始するのが望ましいです。
すでに経営学の知識は持っていますので、インプットに時間を費やす必要はありません。
そのため、いきなり小論文の論述、研究計画書の作成に着手できますので、3か月もあれば十分かと思います。
経営学の知識がある方が、先に説明した筆記試験がない大学院を受験する場合は、出願の2か月前に受験勉強を開始するのが望ましいです。
経営学の知識は持ち合わせていますので、インプットなしで、いきなり研究計画書の作成に着手できますので、2か月もあれば十分かと思います。
関連コラム:3~6ヶ月間の準備期間で合格できる国内MBAと勉強法・スケジュール
国内MBAの試験対策
受験準備の開始時期に関しての説明は終わりましたので、ここからは国内MBA入試に課せられている科目ごとの対策法について説明します。
国内MBAの試験では、以下の対策が必要になります。
- 小論文対策
- 面接対策
- 英語(TOEFL®/IELTS™・TOEIC®)対策
- 推薦状対策
- 研究計画書&志望理由書対策
それぞれの具体的な対策方法をご紹介します。
小論文対策
小論文では、経営学に関する基本的な知識があるか、提示された文章や図表を読み取る能力があるか、論理的に書く力があるかどうか、が見られています。
経営学に関する知識ですが、受験する大学院によって異なりますが、時事的な経営学の知識からアカデミックな経営学の知識まで幅広く求められています。例えば、京都大学や東京都立大学のようにアカデミックな経営学の知識がなければ解答できない問題が出題される大学院もあれば、神戸大学や筑波大学のように時事的な経営学の知識だけで解答できる大学院もあります。
次に、提示された文章や図表を読み取る能力があるかに関してですが、国内MBAの小論文では、長い文章を読んだ上で解答する問題や図表が提示されて図表を読み取り解答する問題が出題されます。慶應義塾大学や一橋大学などがこの傾向にあります。
最後が、論理的に書く力があるかどうかに関してですが、これは論理的思考力や論理的に書く力が試されます。伝えるべき内容を整理し、主張、根拠、結論の流れを明確にして、回答を作成する必要があります。
この3つの視点をもとに、小論文対策を行ってください。
面接対策
面接では、人間性やコミュニケーション能力、MBAを受けるための動機などが評価されます。
想定される質問を徹底的に洗い出して、それぞれの質問に対して明確かつ簡潔な回答ができるように準備しておきましょう。
国内MBAの面接において、よく聞かれる質問は以下の通りです。
- なぜ当大学のMBAを選んだか
- なぜこの研究テーマに興味を持ったか
- 該テーマを研究することが、あなたの業務にどう活きるか
- 現在勤務している会社を選んだ理由
- 同業他社と比較した、自社の強みと弱みは何か
- 10年後の自社はどうなっているか
- MBA修了後のキャリア計画は
これらの質問については、スムーズに回答できるよう入念に準備しておくことが求められます。
また、国内MBAの面接時間は15分〜20分程度であり、2〜3人の面接官との面接が実施されることが一般的です。
英語(TOEFL®/IELTS™・TOEIC®)対策
国内MBAにおいて、英語対策が必要とされる大学は以下の4つです。
- 九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻
- 京都大学大学院経営管理大学院
- 東京工業大学大学院技術経営専門職学位課程
- 一橋大学大学院 経営管理研究科(経営分析プログラム)
一橋大学大学院 経営管理研究科(経営分析プログラム)は、英語の筆記試験があるため、試験日までの英語対策が求められます。
また、九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻、京都大学大学院経営管理大学院、東京工業大学大学院技術経営専門職学位課程については、TOEICのスコアの添付が必須です。
いずれの大学院においても、TOEICのスコアが730点以上は必要と考えられているため、TOEICを始めとした英語試験の対策は必要不可欠です。
上記以外の大学院においては、英語の試験やTOEICのスコア添付の必要はないが、入学後は英語の文献を読んだり、海外フィールドなどで英語のプレゼンテーションをする機会があったりと、なにかと英語力が必要な機会が多いです。そのため、受験勉強という視点ではなく、グローバルに活躍するビジネスパーソンになるという意味で英語の勉強をすることをおすすめします。
推薦状対策
推薦状は、受験者の人間性や能力を第三者から評価するための書面です。
国内MBAにおいて、すべての大学院で推薦状が必須というわけではありませんが、一部の大学院では推薦状の用意が必須となっているケースがあります。
例えば早稲田大学では、「企業派遣入試で受験する方」と「事業承継者入試で受験する方」のいずれかに該当する場合、それぞれ推薦状が必須です。
推薦状のフォーマットについては、当該大学院のホームページから出力できるものや、各自で用意するものなどがあります。また、一橋大学や青山学院大学においては、推薦書が任意となっています。
このように大学院によって推薦状が必要かどうかが異なるため、事前に調べておきましょう。
研究計画書&志望理由書対策
国内MBA入試における研究計画書とは、MBA入学後に研究したいテーマや内容について、自身の考えを書く書類です。
テーマの決め方や書き方にはポイントがありますので、詳しくは、以下のページをご覧ください。
※関連コラム:国内MBAの研究計画書とは?基本の書き方とポイント
志望理由書は、受験するMBAへの志望動機や志望度を伝えるためのものです。
書き方のステップやコツについては、以下のページで解説していますので、確認してみてください。
※関連コラム:国内MBAの志望理由書とは?求められる内容と基本の書き方
国内MBAの倍率は上昇傾向!受験対策は早めに始めよう
一橋大学の経営分析プログラムは2023年2.6倍から2024年2.7倍になっています。
早稲田大学の夜間主総合は2021年が3.21倍から2024年には4.3倍となっています。
人気がある国内MBAの受験生は増え、倍率は上昇傾向にあります。
入試対策のために予備校に通う方も増えています。
どのMBA入試でも共通する「研究計画書」(出願書類)は曖昧な志望動機では合格は難しく、書類選考で落とされてしまいます。
出願書類の「研究計画書」は答えがあるものではないので、他の受験生と差をつけるためには添削が重要になってきます。
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ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。
国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。
国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。
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