今後のキャリア形成のためにMBAを検討しているけど、「どのくらい年収が上がるのか」「時間とお金を投資する価値はあるのか知りたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。

日本のMBA取得者の平均年収は約1,043万円です。

令和5年分民間給与実態統計調査によると、日本の正社員の平均年収は460万円ですので、日本の平均よりも高い水準にあるといえるでしょう。

MBAは、取得することによって多くの効果を得ることができますが、中でも年収アップは大きなメリットのひとつです。

このコラムでは、MBA取得者の平均年収や、MBAを取得することで年収はどのくらい上がるのかを解説します。

また、MBA取得後のキャリアの変化についても触れていますので、転職やキャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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日本人のMBA取得者の平均年収

日本のMBA取得者の平均年収は約1,043万円です。

令和5年分民間給与実態統計調査によると、日本の正社員の平均年収は460万円ですので、日本の平均年収よりも高い水準となっています。

QS Global Employer Survey 2022によると、日本のMBA取得者の平均年収は80,227ドル(うち給与61,314ドル・賞与18,913ドル)です。

この金額を1ドルあたり130円のレートで日本円に換算すると、約1,043万円(うち給与約797万円・賞与約246万円)となります。

これは、世界で12番目に高い水準です。

MBAを取得したら年収は上がるのか?

MBAの取得によって、年収が上がると言われています。

ここでは、MBA取得後の転職による年収や、キャリアの変化について解説します。

国内MBAを取得後に転職することで年収はどのくらい上がる?

ポストMBAのキャリアに関するアンケート調査報告によると、国内MBA取得後の転職によって年収が500万円以上増加した方の割合は、37.9%です。

また、300万円以上増加した方を含めた割合は57.1%・100万円以上を含めた割合は80.2%にのぼり、多くの方が100万円以上の年収アップを実現させています。

国内MBA取得後の転職は、年収の向上に効果をもたらす可能性が高いといえるでしょう。

以下は、キャリアインキュベーション株式会社が国内外のMBA取得者を対象に実施した調査の結果です。

・MBA取得後の初回転職による年収の変化

年収増加額割合(%)
500万円以上37.9
400~500万円7.3
300~400万円11.9
200~300万円14.1
100~200万円9.0
50~100万円7.9
0~50万円6.2
下がった5.1
無回答0.6
調査実施期間:2020年12月23日~2021年1月31日
調査対象者数:234名
※出典:ポストMBAのキャリアに関するアンケート調査報告

海外MBAを取得して転職することで年収はどのくらい上がる?

海外MBAと国内MBAは、取得後の年収の上げ幅が異なると言われています。

ここでは、海外MBAの取得によって、どれくらい年収が上がるのかについて解説します。

以下は、慶應義塾大学学術情報リポジトリによるMBA卒業後の賃金上昇額の平均値です。

(単位:万円)

プログラムMBA卒業前賃金MBA卒業後賃金賃金上昇額
海外MBA701.521247.78546.25
国内MBA799.66888.4688.80
全体724.391178.69436.58
※出典:慶應義塾大学学術情報リポジトリ「海外MBAと国内MBAの比較 : 個人の投資収益率とコスト・ベネフィットの推計から」清水隆介

海外MBA卒業後の賃金上昇額は約546万円であり、卒業前と比較した賃金の増加率は77.8%です。

海外MBAの取得によって、年収が大幅に向上することがわかります。

対して、この調査によると、国内MBAの賃金上昇額は約89万円です。

賃金の上昇は見られるものの、増加率は11.1%に留まります。

国内MBAは卒業前賃金が比較的高い水準にあることも結果に影響していますが、海外MBAの方が年収の上げ幅は大きいといえるでしょう。

MBA取得後はどの業界に転職する人が多い?

MBA取得後の転職先業界は、コンサルティング・士業が最も多く、36.2%を占めています。

次いで金融が20.3%、製造業が11.3%、ITが6.8%と続きます。

MBAの取得によって、専門的なスキルが必要とされるコンサルティングや士業への転職が可能になることが伺えるでしょう。

・MBA取得後の転職先業界

業界割合(%)
コンサルティング・士業36.2
金融20.3
製造業11.3
IT6.8
メディカル5.6
小売・流通5.6
Sler2.3
商社2.3
サービス2.3
メディア1.7
通信1.1
エネルギー0.6
その他4.0
調査実施期間:2020年12月23日~2021年1月31日
調査対象者数:234名
※出典:ポストMBAのキャリアに関するアンケート調査報告

MBAを取得したら自分のキャリアを実現できる?

キャリアインキュベーション株式会社が行なった調査では、調査対象者の75.2%がMBAの取得によってキャリアを実現できたと回答しました。

MBAの取得後のキャリアパスはさまざまですが、ほとんどの方が希望キャリアを実現していることがわかります。

特に、コンサルティング・士業・金融業界などを目指している方にとっては、MBAの取得が大きなアドバンテージとなるでしょう。

※参考:ポストMBAのキャリアに関するアンケート調査報告

国内MBAと海外MBAにかかる費用

国内MBAと海外MBAは、かかる費用が異なります。

以下に、代表的な国内MBA・海外MBAを取り上げ、それぞれの学費の目安を記載します。

  • 国内MBA
大学名学費時間帯期間
早稲田大学(WBS)3,726,000円全日制2年
3,027,000円全日制1年
3,366,000円夜間2年
青山学院大学(ABS)3,306,000円全日制2年
一橋大学(HUB)1,567,920円全日制2年
924,960円全日制1年
筑波大学大学院ビジネス科学研究科1,353,600円平日夜間+土曜2年
京都大学1,353,600円全日制2年
神戸大学1,085,600円土曜1年半
  • 海外MBA
国・ランク 学費の目安 学費の目安(円換算)
アメリカ トップ $132,594〜$161,810 1763万円〜2152万円
上位 $140,000〜$142,096 1862万円〜1889万円
中堅 $54,000〜$102,907 718万円〜1368万円
フランス €80,000〜€87,000 1080万円〜1170万円
スペイン €72,000〜€85,084 970万円〜1,140万円
イギリス £53,500〜£87,900 860万円〜1,400万円
イタリア €59,000 790万円
※1USD=133円・1EUR=135円・1GPB=161円で計算

国内MBAの費用相場は国公立で約100〜150万円・私立では約300〜370万円です。

学習期間や時間帯によっても異なりますが、国内MBAは、国公立と私立で学費に差があることがわかります。

また、学習期間が1年〜1年半のプログラムは比較的学費が安いのに対し、2年制の場合は約130万円以上が目安です。

学費を抑えたい場合は、学習期間が短い国公立のMBAを選ぶのが良いでしょう。

対して、海外MBAの費用相場は約800万円〜2,000万円です。

アメリカのMBAはランキングによって学費が大きく異なり、高ランクのMBAは日本円にして約2,000万円が目安となります。

しかし、ランクが下がると費用も安くなり、上位校では約1,800万円・中堅校の場合は約700万円から学べるMBAも存在します。

また、ヨーロッパのトップクラスMBAの学費は、約800万円から約1,200万円が目安です。

海外MBAに留学する際は、上記の学費に加えて、渡航費や現地での生活費などが発生します。

海外MBAの費用を抑えたい場合は、修了期間が短いプログラムを選択するか、オンラインMBAを選択するなどの方法を検討してみましょう。

なお、海外MBAの学費は、為替のレートによっても変動する点に注意が必要です。

海外MBAは国内MBAに比べて学費の差が大きいため、どのMBAを選ぶかによって1,000万円以上費用が変わってくることを把握しておきましょう。

費用をかけてまでMBAを取得する価値はあるのか?

MBAの取得には多くの費用がかかります。

しかし、MBA取得者の多くが年収アップに成功しており、取得後の年収額は1,000万円を超えることも少なくありません。

特に、海外MBAは費用が高額ですが、取得後の年収増加率も高く、費用対効果で考えれば決して高すぎることはないといえるでしょう。

また、MBAの取得によって、自分が希望する仕事に就きやすくなるというメリットが得られます。

MBAの取得にかかる費用と期待できるリターンを把握し、自分にとってのMBAの価値を判断しましょう。

まとめ

本コラムでは、MBA取得者の年収や、どれくらいの年収アップが期待できるのかについて解説しました。

ポイントは以下の通りです。

  • 日本のMBA取得者の平均年収は約1,043万円
  • 国内MBA取得後の転職によって年収が500万円以上増加した方の割合は、37.9%。

MBAの取得によって得られる効果はさまざまですが、年収の向上は大きなメリットのひとつです。

特に、海外MBAを卒業した方は、飛躍的な年収アップも不可能ではありません。

一方で、MBAは学費が高額なため、コストを回収できるのか不安に感じる方も多いでしょう。

本コラムを参考に取得後のキャリアや年収をイメージし、自分に合ったMBA選びに役立ててみてください。

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