MBAは知名度が高く、「すごい」というイメージをもつ方も多いです。

MBAは権威ある学位であり、取得によってさまざまなメリットが得られます。

一方で、学習にかかる時間や学費などのコストも発生するため、費用対効果を考慮して検討することが重要です。

MBAの取得を目指すなら、実際の難易度や、どのようにキャリアに貢献してくれるのかを把握しておきたいですよね。

本コラムでは、MBAの難易度や、期待できる年収などを紹介します。

MBAの取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

MBAとは？

MBAとは「Master of Business Administration」を略した言葉で、日本語では「経営学修士号」または「経営管理修士号」と呼ばれます。

MBAは資格ではなく学位の名称であり、MBAプログラムを設けている大学院での経営学修士課程の修了によって授与されます。

そのため、MBAを得るには、海外または国内の大学院へ進学し、一定の単位を取得しなければなりません。

MBA大学院での学習内容は、経営学を中心に、組織行動・経営戦略・ファイナンス・生産管理など多岐にわたります。

また、カリキュラムや修了要件はMBA大学院によっても異なり、修士論文の提出が求められる場合もあるでしょう。

MBAでは経営学に関する実務的なスキルを学べるため、キャリアアップを目指す社会人だけでなく、経営の知識を深めたい実業家からも注目を集めています。

MBAって何がすごいの？

MBAがすごいと言われる理由はさまざまですが、そのうちのひとつに、取得による年収の向上が挙げられます。

ここでは、MBA取得者の平均年収や、取得によってどれくらい年収の向上が期待できるかについて解説します。

MBA取得者の平均年収

MBA取得者は平均年収が高いことで知られています。

QS Global Employer Survey 2022によると、日本におけるMBA取得者の年収は80,227ドルであり、1ドルあたり130円として日本円に換算すると約1043万円となります。

令和5年における日本の正社員の平均年収である460万円と比較すると、大きな差があることがわかります。

取得にかかる学費を考慮しても、収入面で得られるメリットは大きいといえるでしょう。

また、MBA取得者の平均年収は国によっても異なり、欧米諸国ではさらなる高収入が見込めます。

QS Global Employer Survey 2022によると、世界で最もMBA取得者の平均年収が高い国はアメリカであり、平均年収は159,914ドルです。

海外での活躍を目指す方は、MBAの取得によって年収1,500万円以上も期待できるでしょう。

参考：令和5年分民間給与実態統計調査

MBAを取得することによって年収がどのくらい上がる？

MBAを取得する前の収入によっても異なりますが、ほとんどのケースでMBAの取得による年収の向上が期待できます。

ただし、どれくらいの向上率を得られるかは、卒業するMBA大学院によって差があります。

Business school rankingsによると、2022年において卒業前給与と卒業3年後給与の増加率が最も高かったMBA大学院は、インドのIndian School of Businessです。

この大学院の給与増加率は184%・加重平均給与は158,749ドルとなっており、卒業前後では給与が2.8倍以上になっていることがわかります。

日本ではインドのMBA大学院へ進学する方は少数ですが、アメリカのMBA大学院を選択し、国際的な活躍を目指す方も多くおられます。

以下に、アメリカのMBA大学院における卒業前給与と卒業3年後給与の増加率の例を記載するので、参考にしてみてください。

ビジネススクール	年収上昇率	加重平均給与（USD）
Wharton	115%	237,530
Columbia	125%	218,542
Harvard	104%	207,180
Kellogg	117%	201,455

MBAの受験難易度

MBAの受験難易度は、どの大学院を選ぶかによって異なります。

また、国内・海外のどちらで学ぶかによっても、必要な条件が変わってきます。

例えば、海外のMBA大学院に入学する場合は、高い英語力が必要です。

また、GMATと呼ばれる入学適性テストが実施されるため、英語力に加え、数学力や作文力なども求められます。

対して、国内のMBA大学院では、論文などの筆記試験および面接が行われます。

入試科目に英語が含まれる場合もありますが、欧米のMBAと比較すれば、英語力のハードルは低いといえるでしょう。

加えて、国内のMBA大学院は、受験倍率によっておおよその難易度を判断することができます。

実施しているプログラムやコースによっても倍率が異なるため、自分に合った難易度のコースを選びましょう。

関連コラム：国内MBAの倍率から見た難易度は？人気の国内MBAに合格するには

MBA卒業は大変？

MBAは、通常の大学院と同様に、定められた年数で卒業する方が大半です。

しかし、全員がストレートで卒業できるとは限らず、留年してしまう方も存在します。

授業のレベルは大学院によって異なるため、卒業がどの程度大変であるかを明確に示すことはできません。

また、学習に専念できる環境の方と、働きながらMBAの取得を目指す社会人の方とでは、卒業までの難易度は大きく異なるでしょう。

ただし、どのMBA大学院にも共通することは、ただ授業を受ければ卒業できるわけではなく、学習した知識を定着させ、課題の提出をこなす必要があるという点です。

また、修士論文の提出を修了要件に定めている大学院の場合は、論文作成に多くの時間を要するケースが見受けられます。

確実な卒業を目指すには、自分が希望するMBA大学院の卒業条件を把握し、十分な計画を立てておくのがおすすめです。

まとめ

本コラムでは、MBAの難易度や、取得によって得られるメリットについて紹介しました。

MBAの取得によって、経営に関する専門的な知識やスキルを身につけることができます。

また、収入アップやキャリアの構築にもプラスの効果をもたらします。

MBA大学院受験や卒業には一定の努力が必要ですが、取得によるメリットは大きいでしょう。

本コラムを参考にMBAに対する知識を深め、学位の取得に役立ててみてください。