本コラムでは、国内MBA入試の面接について、どんなことを聞かれるのか、面接官は何人くらいで、時間はどのくらいなのか?といった形式的な点を最初に説明します。

その上で、国内MBAの面接で試験官がチェックしているポイントについて説明します。最後に、国内MBAの面接で質問されることの詳細とその質問に対する対策法を説明します。

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国内MBA入試の面接スタイル

国内MBAの面接はだいたい1人につき15分~20分くらいで行われるのが一般的です。

面接官はMBAの教授が担当し、2~3名が面接官となって面接が行われます。

質問されることは、事前に提出している研究計画書、志望理由書に書いたことが中心です。

研究計画書、志望理由書に記載することは、「これまでの職務経歴(大学生の場合は学習経歴)」「MBAの志望動機」「数あるMBAの中で、その大学院を選んだ理由」「入学後の研究テーマ」「MBA修了後のキャリア計画」などです。

国内MBA面接でよく聞かれる質問

よって、面接で聞かれることも、これらに関連することばかりです。一例を挙げますと、以下のような質問です。

・どうして●●大学のMBAを選んだのですか?

・どうして、この研究テーマに興味を持ったのですか?


・この研究テーマを研究することが、あなたの業務にどう活かされるのですか?


・現在●●社にお勤めですが、どうして●●社を選んだのですか?


・現在の業務においてライバルである●●社と比較して、あなたの会社の強みは何ですか?


・あなたの会社の10年後はどうなっていると思いますか?


・修了後のキャリア計画を話してください。

圧迫面接の質問例

また、国内MBAの面接では就職活動の面接同様に圧迫面接をされることも稀にあります。

例えば、上記の「どうして●●大学のMBAを選んだのですか?」という質問に対する圧迫面接の例を紹介してみます。


【面接官】どうして●●大学のMBAを選んだのですか?

【受験者】●●大学のMBAは長い歴史があり、最も実績がある大学院だからです。

【面接官】最も実績があるって言ったけど、実績って具体的にどういうこと?

【受験者】卒業生の多くが知名度のある会社で活躍しているという点で評価しました。

【面接官】だったら、別のA大学院の方が、卒業生も多く知名度のある会社で活躍している卒業生が多いと思うよ。A大学院にあなたは行った方がいいと思うよ。

【受験者】知名度のある会社で活躍しているという点だけでなく、私の研究テーマに合致する指導教授が貴大学院にはいるのです。

【面接官】あなたの研究テーマに合致する教授はたしかにいるけど、B大学の●●教授の方が、よりあなたの研究テーマには近いと思うよ。B大学のMBAに行った方がいいんじゃないの?


という形で、何かを答えると、それに対して否定的な反応をされるような圧迫面接を仕掛けられる可能性もあります。

ただ圧迫面接をされる可能性はそんなに高くはないです。

多くのMBAが、研究計画書、志望理由書に書いたことを確認するための面接になっています。

面接で見られる4つのポイント

国内MBAの面接は、前述の通り、研究計画書、志望理由書に書いたことを確認するための面接である場合が多いです。

では、国内MBAの面接では受験生の何を見ているのでしょうか?

受験生の「人柄・性格」「許容度」

1つ目は、受験生の「人柄・性格」「許容度」です。

国内MBAの授業はケースディスカッションが中心でして、成果を出すには多様な意見を受け入れる姿勢が大切です。

よって、人柄、許容度など日本的な和を尊ぶ精神は合否上かなり重要な要因なのです。

和を乱しそうな人は不合格になるのです。

受験生の学校との「相性」

2つ目は、学校との「相性」です。

教授が一緒に学びたいと思うか?
既存の学生と一緒にうまくやっていけるか?

などの「相性」はかなり重要な要因です。

受験生のMBA志望の「本気度」

3つ目は、MBA志望の「本気度」です。

志望動機、キャリア計画、研究テーマなど受験生がMBAに対して本気で考えているかを見極めるために面接を行っているのです。

先に圧迫面接の例として、「なぜ●●大学か?」をしつこく聞いてくる事例を紹介しましたが、これは受験生の本気度を測るために意図的に行っているのです。

受験生の「思考意欲」「思考体力」

4つ目は、「思考意欲」「思考体力」です。

「思考意欲」とは、何かあれば本気で考え、自分なりの見解、解決策を考えだそうという意欲のことであり、「思考体力」とは、考え続けることができる体力のことです。

この思考意欲、思考体力を見極めるために、先に紹介した圧迫面接をおこない、「なぜ」「なぜ」を繰り返した質問をしてくるのです。

これらに粘り強く回答し続けることが「思考意欲」「思考体力」が高いことを証明する手段なのです。

国内MBA面接の対策法

最後に、国内MBAの面接でよく質問される質問内容とその対策法を説明します。

以下がよく質問される内容です。

1.なぜ、MBAに進学するのか?(志望動機)

2.その中でなぜ、●●大学のMBAを志望するのか?

3.研究テーマと志望動機に関しては、2~3分、または5分間で述べてください、とプレゼンを要求される場合が多い

4.修了後はどのようなキャリアを考えているのか?それはなぜか?

5.自分が現在所属している会社、業界についての現状や将来性

6.●●大学のMBAに入学した場合に、授業やゼミ活動にあなたが貢献できる点は何?

以上の6点が国内MBAの面接でよく質問される点です。

これらはいずれも研究計画書や志望理由書に書いている内容ですので、研究計画書や志望理由書を自分で真剣に考えて書くことによって対応が可能になります。

研究計画書や志望理由書を自分で真剣に考えると申し上げたのは、研究計画書や志望理由書を書く際に、合格者の実例をそのままマネして書く人が多いためです。

このように自分で考えずに書いていては、面接でそのことがバレて不合格になります。

なので、研究計画書や志望理由書を自分で真剣に考えて書いてください。

それによって、面接でもその真剣度合いが面接官に伝わり合格することができるのです。

関連コラム:【国内MBA初受験】社会人が仕事と両立して合格するための入試対策

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この記事の著者 飯野 一 講師

飯野 一 講師

ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。

国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出している国内MBA受験に関する人気作家としての側面も持つ。

国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績を持つ。

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