ドイツ語技能検定試験4級の合格を目指している、あるいは受験を考えていらっしゃいませんか。

受験に向けて学習を進めるにあたり、「どこまで学べばよいのか」「今の勉強方法で十分なのか」など、疑問をお持ちになる方が多いようです

本稿ではドイツ語技能検定試験4級の試験概要やレベル、勉強方法について解説します。

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ドイツ語技能検定試験4級とは?

ドイツ語技能検定試験4級とは、公益財団法人ドイツ語学文学振興会主催のドイツ語技能検定試験5級~1級の中の一つです。

4級に合格するための能力基準は以下の通りとなっています。

  • 基礎的なドイツ語を理解し、初歩的な文法規則を使って日常生活に必要な表現や文が運用できる。
  • 家族、学校、職業、買い物など身近な話題に関する会話ができる。
  • 簡単な手紙や短い文章の内容が理解できる。
  • 比較的簡単な文章の内容を聞き、質問に答え、重要な語句や数字を書き取ることができる。
  • 対象は、ドイツ語の授業を約60時間(90分授業で40回)以上受講しているか、これと同じ程度の学習経験のある人。
  • 語彙1000語。

※参考:各級のレベルと内容 | 独検について | ドイツ語技能検定試験 Diplom Deutsch in Japan

4級では、語順や動詞や冠詞類の活用変化など、初歩的な文法の理解が求められます。

ドイツ語技能検定試験4級の合格率

ここで、過去の合格率について見てみましょう。

  夏期試験 冬期試験
受験者(人) 合格者(人) 合格率(%) 受験者(人) 合格者(人) 合格率(%)
2019 1222 963 78.81 2140 1628 76.07
2020 中止 970 730 75.26
2021 810 612 75.56 1351 893 66.10
2022 839 608 72.47 1180 796 67.46
2023 786 544 69.21 1,194 642 53.77
2024 872 606 69.50

2024年ドイツ語技能検定試験4級の夏期試験は、受験者数872人に対し合格者数606人で、合格率は69.50%という結果でした。

2018年から2024年の過去6年間の実績を振り返って見ると、ドイツ語技能検定試験4級の合格率はおおむね70%であり比較的合格しやすいことがわかります。

受験者の試験の点数、および配点や合格点は公開されていませんが、一般的におよそ6割が合格の目安といわれています。

なお、4級の受験者は、3級の併願が可能です。

4級の合格に自信がある場合は、併願により3級にチャレンジしてもよいでしょう

※参考:年度別結果比較 | 独検について | ドイツ語技能検定試験 Diplom Deutsch in Japan

ドイツ語検定試験4級の出題傾向と対策方法

ここでは、ドイツ語技能検定試験4級の出題傾向や対策について解説します。

筆記試験の出題傾向と対策

ドイツ語技能検定試験4級の筆記試験は、選択問題のみです。
過去問題のサンプルから傾向と対策を見ていきましょう。

問題1:単語のアクセント、発音の問題

単語の正しいアクセントや発音、および簡単な文章において強調する箇所が問われます。

正しい単語のアクセントや発音の習得に向けて、新しい語句に出会う度に、耳で確認し、発音する習慣をつけましょう。

また、電子辞書の発音機能や発音の手引きを活用するとよいでしょう。

分離動詞は前綴りに、複合名詞は前の語句にアクセントがあるなど、アクセントの基本的なルールを覚えておくと、発音したことのない単語が出題されても慌てることはなくなります

問題2~3:動詞の人称変化、冠詞などの格変化の問題

動詞や助動詞、冠詞、代名詞などの正しい変化形を選択する問題です。

助動詞、冠詞、人称代名詞の変化形を、しっかりマスターすると難しくはありません。
また、出題される単語の数も多くはないため、少なくとも問題集に出てくるような動詞は覚えておきましょう

問題4~5:単語の挿入、語順の問題

単語を挿入する位置や、()カッコに入る正しい単語を選択します。

文章は短く、かつ問題は枠構造や動詞の位置などの初歩的な文法に限られています。
問題集一冊分をしっかり解いて覚えるだけで十分です。

問題6:簡単な日常会話の問題

副詞や短いフレーズなど、用意された4つの選択肢からひとつを選びます。

質問の核となる動詞を理解していないと、解答が難しくなります。
問題集に出てくるような動詞はマスターしておきましょう。

なお、問題で問われる日常会話のフレーズは初歩的なものが中心です。

問題7、8、9:文章の読解問題

メールなどの文章を読み、内容に合う絵を選択します。
また、会話形式の文章は、選択肢の中から正しい質問や返事を選び出します。
最後には長文の文章問題が出題され、複数の選択肢の中から内容に合う番号を選びます。

読解の問題は、単語量と正確に読める能力が問われます。

対策としては、10分程でよいので毎日ドイツ語の文章を読んで練習を行いましょう

聞き取り試験の出題傾向と対策

聞き取り試験の内容は、大きく三つに分かれています。

第1部:会話の内容に関する問題

日常会話における質問に対し、4つの返事が用意されており、これらの中から正しい返事を選択します。

第2部:重要な数字や語句の聞き取り問題

およそ30秒文章が読み上げられ、文章中にある重要な語句や数字を記入する問題です。

第3部:簡単な文章の内容を答える問題

自己紹介や、日用品などの説明文が約20秒読み上げられ、4つのイラストの中から文章の内容に適したものを選択します。

聞き取り試験の対策は、とにかく速度に慣れることが大切です。

YouTubeなどで初心者向けあるいは子供向けの番組の視聴をおすすめします。
また、数字に慣れるために日頃からドイツ語で数える習慣をつけましょう

ドイツ語技能検定試験4級の学習方法

それでは最後に、ドイツ語技能検定試験4級の学習方法について見ていきます。

おおよその勉強時間

公益財団法人ドイツ語学文学振興会が示した能力基準の中に、ドイツ語技能検定試験4級はドイツ語の授業を約60時間受講とあります。

大学や語学学校に通う場合、授業がひとつの目安となります。

大学において半期(15週)でドイツ語を2単位取得する場合、標準学修時間は90時間です。
1週間あたりでは6時間となります。

この時間を目安に独学するならば、毎日1時間くらいドイツ語を学習する時間が必要です。

独学での勉強方法

4級の場合、出題される単語や語句が限られており、かつ複雑な文法の理解は要求されていないため、問題集を1冊買って何度も繰り返すことが合格への近道です

そして、同じ問題集を2回か3回繰り返したあとに予想問題を解いて、その時点における自分の能力と合格点とのギャップや苦手な問題を把握します。

そのあとは、苦手な部分の解消に力点を置きながら、また同じ問題集を繰り返すとよいでしょう。

通信講座を利用した勉強方法

ドイツ語の通信講座を利用する場合は、講座のカリキュラムに沿って学習を進めます

冠詞や動詞の活用の習得には、通信講座で学んだことの反復練習が必須です。

勉強方法としては、予習よりも復習に力を入れます。

通信講座を一通り終えた時点で予想問題を解いて、その時点における自分の能力と合格点とのギャップや苦手な問題を把握しましょう。

以降は、苦手な部分の解消に力点を置きながら、講座で学んだ内容を復習します

まとめ

ドイツ語技能検定試験4級は、合格率がおよそ70%であることを踏まえると決して難しい試験ではありません。

4級合格を目指す場合は、新たなことを始めるのではなく、今まで学んできたことをきっちり復習し基礎的なことをマスターすることが近道です。

とはいえ、学習している中で、試験のことや学習方法などに対する疑問や不安が湧いてくる方もいらっしゃるでしょう

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