電験三種は電気系の資格の中でも、社会的ニーズが高い、人気の国家資格ですが、大学生でも取得可能なのでしょうか。

このコラムでは、大学生が電験三種を取得できるか探り、その上で、大学生が電験三種を取得する3つのメリットについて解説します。

さらに、電験三種の難易度が大学のどのレベルに相当するのかも詳しく説明します。

電験三種の受験を考えている大学生や、素の難易度を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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電験三種は大学生でも取得できる?

電験三種は大学生でも取得できる資格です。

電験三種試験には受験資格がなく、年齢・学歴・職歴・保有資格に関係なく、受験料を払えば誰でも受験できます。

下表は、2020年(令和2年)から2022年(令和4年)までの3年間における、電験三種試験の受験申込者の年代別構成をまとめたものです。

10代20代30代40代50代60代以上
2022年(令和4年)7%30%26%17%15%5%
2021年(令和3年)7%31%25%20%12%5%
2020年(令和2年)6%32%25%21%12%4%
参考:電気技術者試験受験者実態調査

電験三種試験の受験申込者の年代分布を見ると、最も割合が高い年代は20代で、その次が30代、次いで40代となっています。

このことから、若い世代がこの試験に積極的に挑戦していることがわかります。

また、キャリアアップや転職を目指す社会人の受験者が多いことも読み取れるでしょう。

なお、例年の受験者割合から見ると、10代や20代の合格者も一定数存在することが推測されます。

従って、大学生でも電験三種試験に合格することは可能と言えます。

関連コラム:電験三種試験には受験資格がある?実務経験なしでも合格できるのか解説!

大学生が電験三種を取得する3つのメリット

大学生が電験三種を取得するメリットは次の3つです。

  • 就活が有利になる
  • 資格の需要が高く将来性が高い
  • 将来独立も目指せる

就活が有利になる

大学生が電験三種を取得することは、就活において有利に働きます。

なぜなら、電気設備の保安監督業務は電験三種の独占業務であるため、未経験でも重宝されるからです。

さらに、電験三種は難関資格であるため、電気系以外の業界でも努力が評価され、電気の知識の証明にもなります。

例え科目合格であっても、書類審査や面接で好印象を与えられるでしょう。

資格の需要が高く将来性が高い

電験三種は、現在の人手不足と再エネ設備の増加により、需要と将来性が高い資格であると言えます。

経済産業表が公表した電気保安人材の現状分析と 取組の方向性についてによると、毎年約4,000人の新規免状取得者が存在しますが、全てが外部委託協会への入職ではなく、さらに高齢化による退職者数も多い状況です。

その結果、入職者と退職者の数はおおむね均衡しています。

さらに、エネルギー基本計画に基づく試算によれば、再エネ設備の監督に電験三種資格取得者が必要とされる件数は、今後約2,000件/年のペースで増加する見込みです。

現在は既存の外部委託従事者によって必要な監督が行われていますが、将来的には電験三種取得者の不足が懸念されます。

以上の情報から、電験三種の需要は今後も高まると予測されるでしょう。

将来独立も目指せる

電験三種を取得し、実務経験を積むことで、将来、独立することも可能です。

独立するメリットは、年収アップ、自分に合った働き方の選択、そして定年の概念がないため、長期間にわたって働くことができる点です。

独立開業すると、企業で勤めている時よりも働き方が自由になります。自分のスケジュールや仕事の内容を自ら決めることができるでしょう。

実務経験を積んで顧客との信頼関係を築き、実務スキルを上げることが、年収アップにつながります。

また、独立すれば定年がないため、生涯働き続けることも可能です。

他資格の取得でキャリアアップ

電験三種を取得後に、電験二種、一種や、電験三種と相性の良い資格を取得することで、対応できる業務の幅が広がり、独立やキャリアアップがしやすくなります。

電験三種と相性の良い資格は以下の通り。

  • 電気工事士
  • 電気工事施工管理技士
  • 消防設備士
  • 冷凍機械責任者

参考:電験三種はコスパが悪くて意味がない?3つのメリットと年収を上げるコツを紹介

電験三種の難易度は大学レベルで言うと?

電験三種試験の難易度は、大学入試に例えるとMARCH(マーチ)と同程度であり、偏差値60以上に該当します。

ただし、電験三種試験と大学入試の試験は全く異なる試験ですので、正確な比較はできません。難易度の理解のための参考程度としてご理解ください。

下表は資格試験の難易度を大学の偏差値と照らし合わせたものです。

大学偏差値試験
東大、京大68~司法試験・予備試験
早慶上智65~67不動産鑑定士・司法書士・弁理士
マーチ60~64電験三種・土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネジャー
日東駒専55~56技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者・社会福祉士・インテリアコーディネーター

※上記の偏差値は、資格試験の合格に必要な勉強時間と、大学受験での偏差値の数値を照らし合わせてアガルートが独自に作成しています。第三種電気主任技術者の難易度をわかりやすく知っていただくためのイメージとして参考にしていただけましたら幸いです。

電験三種は、社労士や中小企業診断士などと同程度の難易度に分類されます。

宅建や測量士よりも難易度が高いとされ、数ある資格試験の中でも難関と言えるでしょう。

関連コラム:電験三種の難易度は大学でいうと?試験の難易度と合格に必要な勉強時間を紹介!

電験三種の合格率は?

近年の合格率は上昇傾向にあります。

次の表は電験三種試験の過去5回分の合格率をまとめたものです。

試験日受験者合格者合格率
令和5年(下期)24,567人5,211人21.2%
令和5年(上期)28,168人4,683人16.6%
令和4年(上期・下期合計)62,571人7,307人11.7%
令和3年37,765人4,357人11.5%
令和2年39,010人3,836人9.8%
参考:試験実施状況の推移(第三種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター                                 

2022年(令和4年)から2023年(令和5年)の合格率アップの背景には、2022年(令和4年)の試験制度変更による試験回数の増加(1回→2回)と、2023年(令和5年)のCBT方式導入によって、受験者が試験日時と試験会場を選択できるようになったことが挙げられます。

試験の難易度自体は変わっていません。

電験三種の過去5回分の合格率は9.8%〜21.2%と低く、国家試験の中でも難易度が高め。

また、2020年(令和2年)〜2022年(令和4年)にかけての合格率は9.8〜11.7%とさらに低く、合格には相当な勉強が必要でしょう。

最短で合格を目指すなら通信講座がおすすめ!

電験三種は大学生でも取得可能な資格であり、就活や将来の独立に有利な、需要が高い資格です。

ただし、試験範囲が広く、学習内容も難しいため、過去5回の試験の合格率は9.8%〜21.2%にとどまっています。

そのため、電験三種の試験対策には、まとまった勉強時間や効率的に学べるカリキュラムが必要となります。

独学での取得は難しく、最短で合格するには通信講座の利用をおすすめします。

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参考:第三種電気主任技術者|アガルートアカデミー

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