第三種電気主任技術者（以下、電験三種）は、電気設備の保安監督を行うための国家資格。

電験三種はさまざまな業界で重宝され、キャリアに役立つ資格ですが、試験の難易度が高いことでも知られています。

これから電験三種の合格を目指す方は、どれくらいの勉強時間が必要なのかを把握しておきたいですよね。

本コラムでは、電験三種試験の合格に必要な勉強時間について解説します。

電験三種試験の特徴や、合格するためのポイントについても触れているため、ぜひ参考になさってください。

電験三種試験の合格に必要な勉強時間は？

電験三種試験の合格に必要な勉強時間は、約1,000時間です。

毎日3時間の勉強を継続した場合、約11か月〜1年かかる計算です。

初学者の方は基礎的な部分でつまずいてしまうことも多く、1年以上かかる可能性もあると考えておきましょう。

ただし、1日あたりの勉強時間が3時間を下回ってしまったり、勉強できない日があったりした場合は、この限りではありません。

対して、平日3時間・週末に5時間を確保できた場合は、約9か月で1,000時間に到達します。

学習レベルや、確保できる勉強時間によっては、1年以内での合格を狙える場合もあるでしょう。

電験三種の試験では、4つの科目が出題されます。

また、各科目における出題範囲が広いため、十分な勉強時間を確保しておくことが重要です。

1,000時間はあくまで目安と考え、時間的な余裕をもって試験勉強に取り組みましょう。

理系出身なら500時間で合格できる？

理系出身者の方や電気工学について学んだ経験がある、電気関係の実務経験がある方なら、約500時間の勉強で合格を目指せることもあります。

電験三種の試験では理系の内容が多く出題されるため、理系出身者は有利です。

また、応用的な計算問題が出題されるため、数学が得意な方にも向いているでしょう。

ただし、どの程度勉強時間を短縮できるかは、人によって異なります。

試験問題のレベルを知りたい方は、過去問を確認してみましょう。

電験三種試験の特徴を紹介

電験三種の試験は、年2回開催されます。

受験できるタイミングが限られているため、勉強を始める前に試験の特徴を把握し、適切な対策を行いましょう。

電験三種試験の主な特徴は、以下の3つです。

• 電験三種試験は4科目
• 2種類の試験方式から選べる
• 科目別合格制度がある

電験三種試験は4科目

電験三種の試験では、理論、電力、機械、法規の4科目が出題されます。

4科目の詳細は以下の通りです。

科目	出題範囲	問題数	試験時間
理論	電気理論・電子理論・電気計測および電子計測	18問（選択2問）	90分
電力	発電所・蓄電所・変電所の設計および運転 電線路および配電線路（屋内配線を含む）の設計・運用・電気材料	17問	90分
機械	電気機器・パワーエレクトロニクス・電動機応用・照明・電熱・電気化学・電気加工・自動制御・メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送および処理	18問（選択2問）	90分
法規	電気法規（保安に関するものに限る）および電気施設管理	13問	65分

電験三種の試験は、五肢択一のマークシート方式で出題されます。

また、試験に合格するためには、4科目のすべてにおいて、100点満点中60点以上の得点が必要です。

2種類の試験方式から選べる

電験三種の試験は、CBT方式と筆記方式のいずれかを選択できます。

それぞれ特徴が異なるため、自分が受験しやすい方式のものを選びましょう。

以下に、各試験方式の特徴を紹介します。

CBT方式の特徴

CBT方式の特徴は、マウスを使ってパソコンで回答できることです。

また、全国200か所以上の試験会場の中から、自分が受験する会場を選択できます。

さらに、科目ごとに受験日時を選択したり、受験期間の中から好きな日時を選択したりできるため、柔軟なスケジュール設定が可能です。

ただし、問題用紙を受け取れないという点に注意しましょう。

筆記方式の特徴

筆記方式の試験では、従来のマークシートと同様に、問題用紙に手書きで回答を記入します。

試験終了後は問題用紙が手元に残るため、回答内容の見直しや、自己採点を行えるでしょう。

対して、筆記方式の試験では、試験会場や受験日時を選択できません。

また、全科目を1日で受験する必要があります。

科目別合格制度がある

電験三種試験には、科目別合格制度が設けられています。

科目別合格制度とは、一部の科目に合格した場合、最大5回まで該当科目の試験が免除される制度のことです。

1科目ずつ勉強を進められるため、勉強時間が限られている方は、科目別合格制度の活用がおすすめ。

合格は2年間有効であるため、一度の試験ですべての科目に合格できなくても、段階的に合格を目指せるでしょう。

参考：第三種電気主任技術者試験

電験三種試験に合格するための5つのポイント

電験三種試験に合格するためには、以下の5つのポイントを踏まえた対策を行いましょう。

• 勉強のスケジュールを立てる
• 各科目絞って勉強する
• インプットとアウトプットを繰り返す
• 過去100年分の過去問を解く
• 科目別合格制度を利用して合格を目指す

勉強のスケジュールを立てる

試験日から逆算し、勉強時間の目安である1,000時間を達成するためには1日あたり何時間の勉強が必要なのか・いつ頃から勉強を開始すればいいのかを算出しましょう。

電験三種試験に合格するためには、勉強のスケジュール設定が不可欠です。

ただし、1,000時間はあくまで目安であるため、初学者の方や文系出身の方は勉強時間を多めに見積もっておくことがおすすめ。

自分の学習レベルを考慮し、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

各科目絞って勉強する

電験三種試験のスムーズな合格を目指すなら、1科目ずつ勉強しましょう。

電験三種試験は出題範囲が広いため、一度にすべての科目に取り組むことはおすすめできません。

初めて電験三種の試験を受ける方は、理論→電力→機械→法規の順番に勉強を進めましょう。

理論の科目では、電気に関する基礎的な知識が出題されます。

そのため、最初に理論の範囲を勉強することで、電力および機械の科目を理解しやすくなるでしょう。

ほかの科目の勉強にも役立つため、理論の科目には多めの勉強時間を確保し、しっかりと理解を深めることが重要です。

また、法規の科目では電気に関する法律を取り扱うため、ほかの3科目とは内容が異なります。

先に理論・電力・機械の勉強を終わらせておけば、落ち着いて法規の科目に取り組めるでしょう。

インプットとアウトプットを繰り返す

電験三種の試験勉強においては、インプットとアウトプットの繰り返しが効果的です。

電験三種の試験では、応用的な計算問題が多く出題されるため、知識を暗記するだけでは合格できません。

テキストを理解するだけでなく、実際に計算問題を解けるようにするための対策が必要です。

テキストでインプットした知識を問題集や過去問でアウトプットし、交互に学習を進めることで、確実に知識を定着できるでしょう。

過去10年分の過去問を解く

電験三種試験に合格するためには、過去10年分の過去問を解くことがおすすめです。

過去問を解くことで、試験で問われるポイントや出題の傾向などを把握し、実践的な知識を習得できます。

過去10年分の過去問を繰り返し解いて、合格点である60点を取得できるようにしておきましょう。

可能であれば、各試験の問題を5回ずつ解いておくことが望ましいでしょう。

科目別合格制度を利用して合格を目指す

電験三種試験の合格を目指すなら、科目別合格制度を活用しましょう。

1回の試験で全科目の合格を目指すのではなく、数回の試験に分けて合格を目指すことがおすすめ。

例えば、1年目は理論と電力の科目に専念し、2年目で機械と法規の科目を受験すれば、無理なく勉強を進められます。

余裕をもって勉強に取り組むことで、仕事や学校生活と試験勉強を両立しやすくなり、モチベーションの維持にも役立ちます。

電験三種試験は独学でも合格できる？

電験三種試験は、独学での合格は難しいでしょう。

以下に、独学で電験三種試験に合格することが難しい理由を解説します。

• 専門性が高く勉強範囲が広い
• わからないところを調べる必要がある
• モチベーションの管理が難しい

専門性が高く勉強範囲が広い

電験三種試験に独学で合格することが難しいとされている理由のひとつは、出題範囲の広さと、求められる知識の専門性の高さにあります。

電験三種の試験では応用的な内容が出題されるため、網羅的な学習が必要です。

電気工学や数学などに苦手意識がある方は、ストレスを感じてしまう場合があるでしょう。

また、出題範囲が広いため、優先順位の判断が難しく、日々の勉強が行き当たりばったりになってしまうことも。

加えて、日常生活にかかわりのない内容が多く出題されるため、根気よく勉強を進めなければなりません。

膨大な出題範囲に対して十分な勉強時間を確保し、適切な優先順位の設定やスケジュールの作成などを行う必要があるため、独学の難易度は高いといえます。

わからないところを調べる必要がある

独学で電験三種の試験に取り組む場合、不明点を自力で解決しなければなりません。

わからないことがあっても質問できないため、問題を解決するために多くの時間がかかるでしょう。

独学の場合、基礎的な部分で躓いてしまうと、それ以降の勉強を進められず、勉強のスケジュールが狂ってしまう場合があります。

また、問題の解決に時間がかかりすぎると、精神的に追い詰められてしまうことも。

限られた時間の中で疑問点をスムーズに解決したい方は、講師への質問が可能な通信講座や予備校などの利用を検討してみましょう。

モチベーションの維持が難しい

電験三種試験は、独学でモチベーションを維持することが難しいと言われています。

一般的に、電験三種試験に合格するためには約1,000時間の勉強が必要。

しかし、学習レベルや基礎知識の有無によっては、それ以上の時間がかかる可能性を考慮しておきましょう。

また、単に1,000時間を確保すれば良いという訳ではなく、4科目のすべてにおいて60点を取れるよう、着実に理解を深める必要があります。

不合格となった場合は、同じ科目を複数回受験しなければならないため、長期間モチベーションを維持できるかどうかが課題となるでしょう。

モチベーションの維持に不安がある方は、不安や疑問を相談しながら勉強を進められる通信講座を活用してみましょう。

電験三種の勉強時間を確保し合格する方法とは？

電験三種試験の勉強時間を確保し、最短距離での合格を目指すためには、通信講座の利用がおすすめ。

電験三種試験は難易度が高く、合格するためには長期間の勉強が必要です。

また、モチベーションの維持が難しいため、独学に挫折してしまう方も多く見受けられます。

仕事や学校生活と電験三種の試験勉強を両立させるためには、短い時間で効率的に学習できる通信講座を選びましょう。

アガルートの第三種電気主任技術者講座は、経験豊富な講師によるわかりやすい講義が強みです。

合格に必要な知識を基礎から学べるため、初学者の方や学習にブランクがある方でも安心。

また、最新のeラーニングシステムにより、講義動画の視聴や条文の暗記などをスマホで行えます。

スキマ時間を使って効率的に勉強できるため、勉強時間を短縮したい方に最適です。

加えて、アガルートの講座は、受講生のモチベーションを維持するためのサポート制度が充実しています。

電験三種試験の勉強に不安を感じている方は、無料の資料請求からはじめてみてはいかがでしょうか。