電気のスペシャリストとして活躍できる第三種電気主任技術者試験(以下、電験三種)の資格。

しかし、インターネットで電験三種を調べようとすると、「電験三種はやめとけ」という口コミも目立ちます。

難易度の高い試験ゆえ、ネガティブな検索結果を見てしまうと本当に電験三種の資格を取るべきか悩んでしまいますよね。

本コラムでは「電験三種の取得をやめるべきだ」と言われてしまう理由について解説し、本当に取得を断念すべきか検証します。

電験三種の需要や仕事のやりがい、就職先と年収についても触れるため、取得を悩んでいる方はぜひ参考にご覧ください。

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電験三種はやめとけ?5つの理由を解説

「電験三種はやめとけ」と言われてしまう理由は5つあります。

  • 試験の難易度が高く合格が難しい
  • 電気主任技術者の責任が重い
  • 電気主任技術者は人手不足
  • 勤務形態が不規則なことが多い
  • コスパが悪い

試験の難易度が高く合格が難しい

電験三種は資格の中でも難易度が高く、合格率が低い試験であることからやめとけと言われています。

以下、過去4年分の合格率を紹介します。

受験者合格者合格率
令和5年度下期24,567人5,211人21.2%
令和5年度上期28,168人4,683人16.6%
令和4年度下期28,785人4,514人15.6%
令和4年度上期33,786人2,793人8.3%
令和3年度37,765人4,357人11.5%
令和2年度39,010人3,836人9.8%
※参考:試験実施状況の推移(第三種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

過去4年分のデータを見ると、電験三種の合格率は約8%〜21%と高くはありません。

合格率の低さから、「電験三種の試験を受けても落ちる」というイメージがついてしまったのかもしれません。

しかし、近年合格率は上昇しており、令和5年度下期では21.2%でした。

合格率上昇の背景には、試験体制の変化があります。

2023年からCBT方式が導入され、受験者が試験会場や試験日時を選択できるようになりました。

試験も年に2回実施されるようになったため、短期間での合格も目指せます。

電気主任技術者の責任が重い

第3種電気主任技術者(以下、電気主任技術者)は高圧電気設備の管理を任されるため、責任が伴う仕事です。

例えば、担当している電気設備で事故を発生させてしまうと、原因によっては電気主任技術者が責任を追うことになります。

高圧電気を扱うため、作業中に同僚や部下が感電すると命にかかわる危険性も考えられます。

保安管理が仕事であるため、感電事故も電気主任技術者の責任です。

リスクが伴う電気主任技術者は、「責任が重すぎるからやめたほうがいい」と考える人もいるかもしれません。

電気主任技術者は人手不足

電気主任技術者は人手不足が問題になっています。

新規の資格取得者は毎年約4000人増えていますが、すべての人が電気主任技術者として働いているとは限りません。

有資格者の高齢化により退職者数も多いため、全体の従事者数は増えていない状況です。

そのため、人によっては一人あたりの仕事量を多く感じる可能性があるでしょう。

参考:電気保安人材の現状分析と 取組の方向性について

勤務形態が不規則なことが多い

主な業務の電気設備の点検、保守は、日によって作業時間や場所が異なります。

状況によっては夜間に行われる場合もあるでしょう。

また、設備の異常や事故が発生すれば、すぐに確認に向かわなければなりません。

夜間や休日でも呼び出される可能性があります。

規則正しい勤務形態が希望の方には、電験三種は取らないほうが良い資格と受け取られるでしょう。

コスパが悪い

電験三種試験に合格するために必要な勉強時間の目安は1,000時間であり、コスパが悪いと感じる人が中にはいます。

覚える知識が多いため、「勉強が大変すぎるから電験三種はやめたほうがいい」と思う方が多いかもしれません。

しかし、電験三種の需要は高く、転職のしやすさや将来性の面でのメリットが多くあります。

合格のあとを考えるとコスパは良く、勉強が大変でも取得する価値はあるでしょう。

電験三種は需要が高くて必要性がある?

電験三種は建設業界や不動産業界で認知度が高く、実務経験がなくても資格を持っているだけで評価されるため、需要が高く必要性がある資格です。

電気主任技術者の担当は主に小規模な発電設備、ビルや工場、コンビニなどの電気工作物です。

現状、約9割が外部委託承認制度による選任となり、1人あたり約40〜65件の設備を受託しています。

ライフラインに欠かせない施設が多いため、電験三種を持っていれば将来的に仕事が無くなる心配はないでしょう。

また、エネルギー基本計画により試算すると、今後再エネ設備は年に約2000件増加する見込みです。

さらに電験三種の外部委託従事者の約半数が60代以上と高齢化が進んでいます。

将来退職者数が増えるため、新規人材の必要性が高まっているのです。

参考:電気保安人材の現状分析と 取組の方向性について

電験三種に向いている人の特徴3選

電験三種に向いている人の特徴を3つ紹介します。

  • 責任感を持って仕事に取り組める人
  • コミニケション能力が高い人
  • 理系出身の人

自分は資格を取るべきか、電験三種に向いているのか迷っている方は該当するのかどうかみてみましょう。

責任感を持って仕事に取り組める人

責任感を持って仕事に取り組める人は電験三種に向いています。

前述の通り、電気主任技術者は電気を扱う業務となり、責任が伴います。

点検や保守が主な使命であり、間違った方法で取り扱えば爆発や火災事故に繋がることもあるでしょう。

担当箇所を責任を持って管理し、人々の生活を守っているという自覚を持って働ける人が向いています。

コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人は電験三種に向いています。

電気主任技術者は各施設にある電気設備の最高責任者となるため、人と話す機会が多い職業です。

例えば、担当する施設の所有者や設備担当者に点検結果の報告や更新が必要な機器の提案などを行います。

工事などが発生すれば、電気工事業者とのすり合わせも必要です。

点検や工事は仲間と連携を取らないと事故やトラブルが起きる可能性があるため、コミュニケーション能力は必須です。

理系出身の人

理系出身の方は電験三種に向いています。

電気は数学や物理と密接な関係があり、電験三種の試験勉強でも大いに役立ちます。

特に電験三種における学科科目の理論では、計算問題の割合が多いです。

中学・高校までの数学、理科の知識が求められます。

そのため、理系出身ではない場合は数学や理科の基礎から学ばなければなりません。

反対に理系科目が得意な方は知識があるため、目安の1000時間よりも短い勉強時間で合格できる可能性もあるでしょう。

電験三種の3つのやりがいと魅力を紹介

電験三種を取得する魅力と仕事のやりがいに関する3つのポイントを紹介します。

責任感のある仕事ができる

独占業務だから価値が高い

責任感のある仕事ができる

高圧電気設備の最高責任者として業務を行うため、責任感のある仕事ができます。

責任感のあるポジションは大変な面もあるでしょう。しかし、責任を伴う仕事はやりがいやモチベーションアップに繋がります。

さらに責任感を持って業務を積極的に行うと、覚える知識や身につける技術が増えます。

「誰かがやってくれる」という他力本願な気持ちは楽かもしれませんが、スキルはなかなか身につきません。

また、責任を持って仕事をやり遂げる姿は周りからの信頼度や社会的評価も上がりやすいです。実績が残せれば、年収アップも目指せます。

独占業務だから価値が高い

電気主任技術者の職務は独占業務のため、価値が高い仕事です。

専門知識を持っていても電験三種を有していない人は、電気主任技術者として働けません。また、高圧電気設備は電気事業法により、電気主任技術者の選任が義務づけられています。

つまり、世の中にビルやコンビニなどがなくならない限り、電気主任技術者の仕事はなくなりません。

電験三種を有する人材の需要は高く、一度取得すれば就職で困ることはないでしょう。

独立により高収入を目指せる

電験三種は実務経験を積めば、独立して高収入を目指せます。

個人事業主になるには条件がありますが、独立後は自分の裁量で業務を進められます。

稼ぎたければ受託する物件数を増やすなど、業務量も調整可能です。幅はありますが、うまくいけば年収1000万円も超えられるでしょう。

独立をしない場合でも、会社によっては電験三種を持っていると資格手当がもらえます。

年収アップや独立を目指せる電験三種は、人生を変えられるきっかけになるでしょう。

電験三種の就職先と年収は?

電験三種の主な就職先を紹介します。

  • ビル施設管理(ビルメンテナンス)
  • 電気工事士
  • 電気技術者
  • 太陽光発電の設計・施工

ビル施設管理(ビルメンテナンス)

商業用やオフィス用のビルにおいて、電力設備、空調設備、給排水設備などの運転や調整、管理を行う仕事です。

電力設備の保守では、エレベーターや照明器具、空調設備などが正常に動くよう、配電盤などのスイッチやボタンなどを操作します。ま

た、電圧計、電力計、電流計などの監視、管理も行います。

変電室内にある機器の点検や、年1回実施する停電作業の計画、更新が必要な機器の確認なども電気主任技術者の仕事です。

また、ビル施設管理では電力の仕事だけではなく、ビル管理の業務も任されます。

例えば、室内の温度や湿度を一定に保つための空調設備の操作やトイレのつまりの除去などの業務です。

全国を対象にした統計データによると、ビル施設管理の平均年収は432,9万円になります。

参考:ビル施設管理 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

電気工事士

電気工事士は変電機器や分電盤の添えつけ、配線、コンセントや照明器具の取り付けなど、各電気設備の工事を行う仕事です。

そのほか、インターホンや防犯設備、電話やインターネット回線、避雷針などの工事も行います。

基本的な作業内容は機器の添えつけ、器具の取り付け、配線などです。

作業は建築工事と並行して行われることが多く、図面に基づいた指示に沿ってグループで進めます。

電気工事の班長や責任者になれば、工事の指示を与える側として仕事ができるでしょう。

全国を対象にした統計データによると、電気工事士の平均年収は506.8万円です。

参考:電気工事士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

電気技術者

電気技術者は電気設備や機器の保守や管理、更新工事などを行う仕事で、技術開発や改良に携わる場合もあります。

電気技術者はさまざま場所で活躍できますが、中でも代表的な職場は発電所です。

発電所では、発電機や発電施設の設計、運転の管理、発電機に関する分析や試験などを行います。

発電機の組み立てや発電施設の建設現場でも電気技術者は必要とされ、工程や建設状況の確認、作業員への技術的な指導、高度な技術が伴う調整などを任されます。

そのほか、鉄道関係の電気設備などの管理も電気技術者の業務範囲です。

全国を対象にした統計データによると、電気技術者の平均年収は644.5万円です。

参考:電気技術者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

太陽光発電の設計・施工

太陽光発電の設計・施工では、発電性能の高いシステムになるよう、お客様のニーズや予算に合わせて電気設計や構造設計を行います。

施工においては、施工管理が主な業務です。

発電所の設計を進めるための日程や工程、安全性、予算などを管理します。

設計、施工のいずれにおいても電験三種の専門的な知識を活かして取り組める仕事です。

全国を対象にした統計データによると、電気技術者の平均年収は573.2万円です。

参考:太陽光発電の設計・施工 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

まとめ

本コラムでは「電験三種はやめとけ」という口コミが多い理由について解説してきました。

最後に要点をまとめます。

  • 電験三種試験の難易度の高さと業務の責任の重さ、不規則な勤務形態などによりネガティブなイメージがついた
  • 電気主任技術者は独占業務であり、需要も高い。電験三種は就職先で困ることはなく、年収アップや独立も目指せる
  • 時間や労力をかけても電験三種取得はメリットが多く、コスパも良い

結論として、電験三種を取得することは人生のプラスになるでしょう。

しかし、試験の難しさから独学での合格は難しく感じるかもしれません。

短期間での合格を目指すのなら、通信講座などを利用して効率的に学ぶのがおすすめです。

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