電験三種試験（第三種電気主任技術者）を目指している、または受験を検討している皆さん、「過去問だけで合格できるのか？」知りたい方は多いのではないでしょうか。

このコラムでは、その疑問にお答えしつつ、効果的な学習方法をご紹介します。

まずは過去問だけで合格できるかについて考察し、次に過去問対策の効率的な取り組み方を解説いたします。

後半で合格に近づくための3つの具体的な勉強法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

電験三種試験の効率的な学習方法を見つけて、最短合格を目指しましょう。

電験三種試験は過去問だけで合格できる？

結論から申し上げますと、過去問だけの取り組みで、電験三種に合格することはかなり難しいです。

過去問だけで合格することが困難な理由について、以下の点を挙げることができます。

• 計算問題の割合が多い
• 合格率が低い

次に、それぞれの理由について詳しく解説していきます。

計算問題の割合が多い

電験三種試験は計算問題が多いため、暗記学習だけでは合格できません。

電験三種の試験科目は、理論・電力・機械・法規の4科目。

計算問題の出題割合は科目によって異なりますが、理論の試験では例年、8割を超える計算問題が出題されています。

電験三種試験で出題される計算問題を解くには、まず物理や数学に関する基礎知識が必要です。

基礎知識を用いて、問題文を理解し、複雑な計算をしなくてはならないので、単なる暗記だけでは対策を行うことができません。

したがって、過去問に取り組む前に基礎知識のインプットが不可欠です。その上で、その知識を活用した計算演習が必要となります。

過去問からいきなり取り組む学習法では、学習効率は非常に低いと言えるでしょう。

参考：電験三種が難しいと感じる4つの原因！まったくわからないという人へ4つの対策も紹介

合格率が低い

電験三種の試験は、合格率が低いため、過去問だけの対策では合格が難しいです。

2019年（令和元年）〜2023年（令和5年下期）の合格率は9.8%〜21.2%ですので、電験三種試験の難易度の高さがうかがえます。

下表は過去5回分の合格率です。

	受験者	合格者	合格率
令和5年（下期）	24,567人	5,211人	21.2％
令和5年（上期）	28,168人	4,683人	16.6％
令和4年（上期・下期合計）	62,571人	7,307人	11.7％
令和3年	37,765人	4,357人	11.5％
令和2年	39,010人	3,836人	9.8％

合格率が年々上昇している背景には、2022年度の試験制度の変更と、2023年度のCBT方式導入があります。

試験回数が従来の1回から2回に増加し、試験日時と試験会場の選択の幅が広がったことが、合格率上昇につながっています。

とは言え、広範な専門知識と数学・物理の知識と十分な計算演習が必須である、難易度の高い試験であることは変わりません。

合格率の低さから見て、過去問だけで合格を狙うのは厳しいでしょう。

参考：電験三種の難易度は？他資格の合格率と比較！合格に必要な勉強時間も解説

電験三種試験は学習したうえで過去問対策

電験三種試験は、試験範囲が広く、電気の幅広い知識を求められる試験のため、過去問を解くだけでは対策として不十分です。

数学や物理の基礎の理解、さらには計算力も重要な要素となります。

まずは、基礎知識をインプットし、その上で過去問に取り組むことで、高い学習効果が得られます。

過去問対策の際には、時間が許す限り、繰り返し過去問を解きましょう。

目安としては、過去5年間の問題を10回以上繰り返して解くことをおすすめします。

これにより、出題される問題の形式や傾向を把握できるだけではなく、解答力も向上します。

さらに、問題を解く際は、ただ答えを求めるのではなく、間違えた問題や理解が不十分な部分を分析することも大切です。

このプロセスを通じて、自分の弱点を明確にし、効率的な学習を進めることができるでしょう。

また、繰り返し問題を解くことで、知識の定着度を客観的に測ることができ、今後の学習方針を見直すための貴重なデータにもなります。

試験日が近づいてきたら、実際の試験に近い環境で過去問を解くことも重要です。時間を計測し、解答にかかる時間を意識しましょう。

試験当日に向けての緊張感や時間配分の感覚を養うことで、実際の試験でも落ち着いて臨むことができます。

参考：電験三種を独学で合格する方法を紹介！5つの勉強法とスケジュールを徹底解説

電験三種試験に合格するための3つの勉強法

電験三種試験は電気に関する広範な知識、数学・物理の理解が求められるため、合格するには効果的な勉強法が不可欠。

また、試験範囲も広いため、どこから手をつけるか悩む方も多いでしょう。

ここでは電験三種試験に合格するための3つの勉強法を紹介します。

• 電験三種の勉強は理論から始める
• インプットとアウトプットを繰り返す
• 通信講座を利用する

電験三種の勉強は理論から始める

電験三種の試験勉強は、最初に理論の科目から取り組むことが最も効率的です。

理論は電気に関する基礎的な知識が出題されますので、理論の学習を最初にしておくことで、電力・機械・法規の基礎となる部分も習得できます。

理論から学習をスタートすることで、他の3科目の理解がスムーズになるので、全体的な学習効率が向上するでしょう。

理論以外の3科目については電力→機械→法規の順に勉強することをおすすめします。

なお、法規は法律に関する知識を問われるため、他の科目とは内容が異なり、独自の理解が必要です。

また、法規の計算問題には電力に関連する内容が含まれているため、電力を先に学んでおくことで、法規の理解がさらに深まります。

インプットとアウトプットを繰り返す

電験三種の試験では、インプットとアウトプットを交互に行うことが非常に重要。

この試験では多くの計算問題が出題されるため、参考書の内容を単に暗記したり、公式を覚えたりするだけでは不十分です。学んだ知識を実際の問題に応用することが必要になります。

最初に、参考書やテキスト、講義を通じて知識を吸収し、その後は学習した範囲に関連する問題を解くと良いでしょう。知識を実践に活かすことで理解が深まり、記憶も定着しやすくなります。

インプットとアウトプットを繰り返すことで、学習効果を高めることができます。

通信講座を利用する

電験三種試験は合格率が低く、試験範囲も広いため、効率的に学べる通信講座を利用することも一つの手です。

通信講座では、講師やスタッフからのサポートが充実しており、学習の進捗をチェックしてもらいながら、効率的に試験対策を行うことができます。これにより、最短で合格を目指すことが可能です。

また、何から学べばよいのか、自分の弱点はどこなのかを把握しながら学習を進めることができるため、初学者の方でも無理なく理解できるでしょう。

講師の質の高さ、テキストのわかりやすさで群を抜いているのが、アガルートの第三種電気主任技術者講座。

フルカラーのテキストとプロ講師によるわかりやすい講義動画が受講生から高評です。

1つの講義動画が約10分〜20分で構成されているので、隙間時間を利用して学習を進めることができます。

さらに最新のeラーニングシステムにより、スマホやタブレットを使って学習進捗の管理、問題演習も可能です。

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電験三種試験の学習方法に迷いやお悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

参考：電験三種の勉強方法のポイントは4つ！独学でも合格できるのか徹底解説

まとめ

電験三種試験は過去問に取り組むだけでは合格が厳しいでしょう。

その理由は、計算問題の割合が多いことと、試験の合格率が低いためです。過去問をひたすら解くだけでは、広範な試験範囲に対応しきれません。

近年の合格率は9.8％〜21.2％と低く、基礎知識と各科目の理解の土台がしっかりしていないと合格は難しいです。

電験三種試験に合格するための有効な勉強法として、以下の3つが挙げられます。

• 電験三種の勉強は理論から始める
• インプットとアウトプットを繰り返す
• 通信講座を利用する

数ある通信講座の中で、特におすすめなのが、第三種電気主任技術者講座です。

4科目の講義を1人の講師が担当するため、科目間の連携を取りながらスムーズに理解できます。

専任講師が電験三種試験に必要な数学や電気の理論を基礎から丁寧に教えるので、計算問題に自信のない方も安心です。

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