第三種電気主任技術者(以下、電験三種)は、試験に合格すると電気工作物の保安監督業務ができる国家資格です。

電験三種に合格した方の中には、次なる資格取得を検討している方も多いでしょう。

電験三種と相性の良い資格はいくつかあるため、どの資格を目指せばよいか迷ってしまいますよね。

電験三種の次は、相性がいい電気関連の資格を取得すると効果的にキャリアアップが目指せます。

本コラムでは、電験三種の次に取るべき資格を5つ紹介します。

電験三種の取得者が免除対象になっている資格についても触れるため、今後の参考にぜひご覧ください。

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電験三種の次に目指したい資格5選!

電験三種の取得後に目指すべきおすすめの資格は、以下の5つです。

  • 第二種電気主任技術者(以下、電験二種)
  • 電気工事士
  • 電気工事施工管理技士
  • 消防設備士
  • エネルギー管理士

電験二種

電験二種は、電験三種と同じく電気工作物の管理や保全を行う主任技術者になれる国家資格です。

国内で事業用電気工作物を設置した場合は、電気事業法第43条において維持・保安のために主任技術者の選任が義務づけられています。

電験三種と電験二種の両方を持っていると、小規模な住宅や店舗、発電所、工場、大型の商業施設まで幅広い施設で業務が可能です。

各施設にとって電気設備はなくてはならないものであり、電験三種と電験二種を保有していれば将来就職で困ることはないでしょう。

電験二種を取得するメリット

電験二種は電験三種の上位の資格であり、電圧17万ボルト未満の電気設備の保守や監督業務が可能です。

電験三種よりも取り扱える電圧が高くなり、従事できる仕事の幅が広がります。

電気主任技術者の資格は、取り扱いが可能な電圧によって第一種、第二種、第三種とわかれています。

電気主任技術者の資格によって取り扱える電圧は、以下のとおりです。

第一種すべての事業用電気工作物
第二種電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
第三種電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5000キロワット以上の発電所を除く)
参考:一般財団法人電気技術者試験センター

電験二種まで取得すると資格手当や昇進に繋がるケースが多く、独立開業が目指しやすくなります。

未経験でも電験二種まで保有すれば、将来を見据えて即採用されることも多いでしょう。

電気工事士

電気工事士は、ビルや工場、一般住宅などにある電気設備の工事を行う業務ができる国家資格です。

電気工事法により各施設の電気設備の工事は、内容によって電気工事士の資格保有者でなければ行ってはならないと定められています。

また、電気工事士の資格には第一種と第二種の2種類があり、扱える規模が異なります。

以下、電気工事士資格の種類一覧です。

第一種第二種の範囲+最大出力500キロワット未満の工場やビルなどの工事に従事可能
第二種一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事可能
参考:一般財団法人電気技術者試験センター

なお、電気工事士は建築関係の電気工事と鉄道にかかわる電気工事の仕事を主に行います。

建築関係の電気工事には、工場やビル、病院、住宅などのあらゆる建物の屋内・屋外の電気設備の施工が含まれます。

一般住宅においてのエアコンやコンセントの取付け工事も、安全性を確保する観点から電気工事士資格がないと行うことはできません。

電気工事士を取得するメリット

電気工事士資格を取得すれば、電験三種の業務に加えて電気工事や施工関連の業務もできるようになります。

電験三種が行う電気設備の保安監督業務の中には、電気工事が必要な場面が出てきます。

電気工事士を持っていると自分で電気工事ができ、第三者に施工を依頼する必要がありません。

急な設備トラブルなどにもスピーディーに対応できるため、各施設で電気設備のスペシャリストとして重宝されるでしょう。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は、電気工事の管理業務を行うことができる国家資格です。

具体的には、建造物の建築や増築などで行う電気工事の施工計画の作成や工事現場における工程・安全・品質・原価などの管理業務などを行います。

電気工事施工管理技士には1級と2級があり、仕事内容はほぼ同じです。

ただし、1級と2級では、施工管理業務ができる建築現場の規模の大きさや配置される立場などが異なります。

1級電気工事施工管理技士を取得すれば、専任技術者や監理技術者、主任技術者として大規模な工事現場での統括業務も可能です。

電気工事施工管理技士を取得するメリット

電験三種と電気施工管理技士を取得していると、電気設備の保安監督と電気工事の監督の両方の業務ができます。

どちらも電気設備に関する高度な知識と技術が必要な資格のため、ダブルライセンスになると電気設備の専門家として高い評価を受けるでしょう。

また、電気は人々が生活するうえで欠かせないライフラインのひとつです。

電気設備の仕事ができれば、将来仕事で困ることはなくなるでしょう。

さらに、企業によっては2つの資格が資格手当や昇格・昇給の対象になっているケースも多くあります。

消防設備士

消防設備士は、各施設に設置されている消防設備の点検や整備などを行う国家資格です。

消防設備士には甲種と乙種の2種類があり、甲種資格の保有者は消防設備の点検・整備に加えて設置や交換作業も行えます。

消防設備士があつかう消防設備とは、ビルやホテル、病院などの建物内にある消防に関する設備や機材全般のことです。

消防設備は第7類〜第1類と特類にわかれており、各分類の取り扱いにはそれぞれ資格が必要です。

例えば、消防設備士の甲種7類を取得した場合、第7類に分類される消防設備の点検や整備、設置や交換作業が行えます。

消防設備士を取得するメリット

電験三種のほかに消防設備士の資格を取得すると、ビルメンテナンスなどの仕事に従事する際に幅広い業務が可能になります。

日本では、消防法に基づき公共の建物や商業施設、工場、ビルなどは規模に応じて消防設備の設置が義務づけられています。

なお、消防設備には必ず管理者として消防設備士が選任されるため、建物に消防設備がある限り消防設備士の仕事はなくなることはないでしょう。

電験三種と消防設備士の両方を持っていれば、電気設備の監督業務と一緒に施設内の消防設備も管理業務ができる人材になれます。

エネルギー管理士

エネルギー管理士とは、電力や燃料などのエネルギーを使う施設での省エネにかかわるマネジメント業務などができる国家資格です。

石油や電力を多く消費する製造工場などがエネルギーを消費しすぎないよう、消費エネルギーの数値管理やエネルギー使用量の削減を推進する業務を行います。

日本では省エネ法に基づき、エネルギーの使用量が多い工場はエネルギー管理指定工場に指定されます。

指定された工場は1人以上のエネルギー管理者を選任しなければなりません。

エネルギー管理者はエネルギー管理士の有資格者しかなれない職種であり、 SDGsを推進する日本では重要度が高い仕事です。

エネルギー管理士を取得するメリット

電験三種の知識を活かせば合格しやすいエネルギー管理士は、電験三種の次に目指す資格にピッタリです。

エネルギー管理士試験は、電験三種の出題範囲と重複している部分が多くあります。

そのため、電験三種の試験に合格している方は、すでにエネルギー管理士試験の知識が身に付いているといえます。

多くの時間や労力をかけずに2つ目の資格取得が目指せるため、ダブルライセンスへのハードルがほかの資格よりも低いでしょう。

さらに、電験三種はエネルギー消費にかかわる電気設備の監督業務を行う職業であり、エネルギー管理士とも相性が良い資格です。

ダブルライセンスを取得すれば、省エネのマネジメント業務もできる電気主任技術者として活躍できるでしょう。

電験三種を取得していると免除になる資格は?

電験三種を取得していると、試験の一部免除や受験可能な試験・検定が増えるなどのメリットがあります。

電験三種保有者が免除対象になる資格について、以下の表にまとめました。

資格名免除条件免除内容免除を行う方法
第一種電気工事士電験三種の免状取得後、5年以上の実務経験資格の取得都道府県知事へ免状交付申請を行う
電験三種の免状取得者学科試験の免除電気主任技術者免状のコピーを提出し申請する
第二種電気工事士電験三種の免状取得者学科試験の免除電気主任技術者免状のコピーを提出し申請する
1級電気工事施工管理技士電験三種の免状取得かつ6年以上の実務経験(1年以上の指導監督的実務経験を含む)第二次検定が受験できる電気主任技術者免状のコピーを提出し申請する
2級電気工事施工管理技士電験三種の免状取得かつ通算1年以上の実務経験第二次検定が受験できる電気主任技術者免状のコピーを提出し申請する
建築設備士電験三種の免状取得かつ通算2年以上の実務経験受検ができる電気主任技術者免状の電子データを添付し、インターネットで受験申込みを行う
消防設備点検資格者電験三種の免状取得者講習が受講できる電気主任技術者免状のコピーを用意し受講申請を行う

電験三種を取得し実務経験を積むことで、ほかの資格取得が目指しやすくなります。

また、電験三種の免状取得者だと受けられる試験や検定もあり、上手に選択すればさまざまな資格を取ることが可能です。

なお、第一種電気工事士は電験三種の取得後に5年以上実務経験を積めば、試験を受けずに資格を取得することができます。

電気主任技術者として長く仕事に従事している方は、ぜひ資格取得の申請を行ってみてください。

まとめ

本コラムでは、電験三種の次に取るべき資格を5つ紹介しました。

電験三種の次の資格として、電験二種・電気工事士・電気工事施工管理技士・消防設備士・エネルギー管理士のいずれかを目指すのがおすすめです。

ダブルライセンスになると多くの専門知識や技術が身に付き、できる業務も多くなります。

収入アップや昇進に繋がるため、電験三種を持っている方はぜひ次の資格取得に挑戦してみましょう。

また、電験三種の取得者が対象の免除制度や受験条件の資格があります。

中には電験三種の仕事と相性の良い資格も多いため、免除制度を利用して効率的に新たな資格を取得してみても良いでしょう。

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