電験三種は、電気技術に関する国家資格「第三種電気主任技術者試験」のことで、電気関係の仕事のスペシャリストに認められるものです。

独占業務を扱うことが可能なため人気が高い資格ですが、資格取得の難易度が高いことでも知られています。

試験科目は「理論」、「電力」、「機械」、「法規」の4科目で、「機械」はこの中でも特に難しい科目と言われています。

本コラムでは、出題科目の「機械」について、試験内容や難易度などを解説していきます。

電験三種の機械とは？試験内容を紹介

電験三種試験の試験科目は、理論・電力・機械・法規の4科目で、電気についての基本理論、計測方法、電気工作物の設計及び運用、電気材料、電気機器及び電力システム、電気法規及び電気施設管理に関する深い理解が求められます。

機械はそのうち、電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するものが問われます。

試験内容	電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するもの
出題分野	・機械分野：電気機械、電力応用・電気機械：変圧器、直流機、誘導機、同期機、パワーエレクトロニクス・電力応用：照明、電気加熱、電動機応用、自動制御、電気化学、情報処理
試験時間	90分
配点	A問題：14問×5点B問題※：3問×各10点（※印については、選択問題を含んだ解答数です）
合格点	60点

電験三種の機械の難易度は？

機械は、主に電動機や発電機と呼ばれる電気機械や照明、自動制御、電動機応用などの幅広い分野を対象とした科目です。

電験三種は科目ごとの合格率が発表されており、機械はその中でもダントツに低い合格率で推移しています。

以下に、2023年上期から2020年の5回分の試験の合格率を表にしました。

年度	法規	理論	電力	機械	全体
2023年下期	32.0％	32.9％	33.8％	30.3％	21.2％
2023年上期	24.6％	26.6％	25.4％	13.9％	16.6％
2022年下期	28.4％	28.8％	24.6％	20.8％	15.7％
2022年上期	14.7％	18.4％	24.2％	11.3％	8.3％
2021年	24.1％	10.4％	32.6％	22.8％	11.5％

ご覧の通り、機械は11.3％～32.0％で推移しており4科目の中で最も合格率が低い科目です。

いかに難易度が高いのかがわかるでしょう。

電験三種の機械が難しい4つの理由

電験三種の機械が難しいと言われる理由として、主に以下の4点が挙げられます。

• 試験範囲が広く覚える公式が多い
• 計算問題が主体で暗記だけでは合格できない
• 日常生活で馴染みのない内容が多い
• 解説が複雑で独学で理解するのが難しい

試験範囲が広く覚える公式が多い

電験三種の機械は試験範囲が広く覚える公式が多いことから、合格率が低くなっていると予想できます。

機械の出題範囲は電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理です。

出題範囲が広く、複数の電気機械や多岐に渡る電気の応用事例など、様々な知識が求められます。

計算問題が主体で暗記だけでは合格できない

機械分野は計算問題が多く出題されます。そのため、暗記だけで合格するのは困難です。

公式を覚えるだけでもかなりの量になる上に、90分以内に問題を解かなければならないため計算力も必要です。

そのため、学習期間が長くなり試験までに全範囲を網羅することが難しく、準備が間に合わない人が多いようです。

日常生活で馴染みのない内容が多い

機械で出題される電気機器は、日常生活に馴染みがないのでイメージしづらいことから、難易度が高くなっています。

実際に機械に触れたことがない受験生にとっては、電気の理論的な動きだけでなく、機械の物理的な動きの想像ができないため、理解することが難しいようです。

解説が複雑で独学で理解するのが難しい

機械は問題に対しての解説が複雑なので、独学で理解するのはハードルが高いでしょう。

さらに、「理論」の修得を前提とした問題が多いため、電磁気や電気回路を理解していなければ機械の問題を解くことができません。

市販の参考書の解説を読んだだけでは完全に理解するのは困難といえます。

1回の試験で機械を捨てる手段もあり

電験三種には「科目別合格制度」があります。

それぞれの科目が合格基準点に到達すれば「科目合格」となり、合格は2年間有効になります。

これを利用して、まずは機械科目を捨てるのを見越して勉強するのも良いでしょう。

先述の通り、理論を修得してからでないと機械の理解が難しいため、まずは理論の合格を目指すのもオススメです。

実際に、多くの人がこの制度を利用して電験三種の取得を目指しています。

難易度の高い機械を後回しにして、戦略的に合格を勝ち取ることをオススメします。

電験三種の機械の勉強法4選！

電験三種試験の合格に必要な勉強時間は、およそ1,000時間と言われています。

機械は難易度が高いため、戦略的に学習していきたいところです。

ここでは、機械の勉強法を4つ紹介します。

• インプットとアウトプットを繰り返す
• スキマ時間はアプリを使って復習
• 科目別合格制度で機械の勉強に専念する
• 効率よく勉強するなら通信講座を利用

インプットとアウトプットを繰り返す

機械は計算問題が多い科目のため、インプットとアウトプットを繰り返すことをオススメします。

テキストで理解するだけでなく、実際に問題を解いて勉強しましょう。

過去問をひたすら解く

公式を覚えたり、テキストを読んだりするだけでなく、問題に慣れて解く力を身につけましょう。

目安として、過去問10年分を5回解くことをオススメします。

過去問は、ECEE一般財団法人電気技術者試験センターのホームページに掲載されているので、参考にしてください。

参考：試験の問題と解答 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

スキマ時間はアプリを使って復習

機械の勉強分野は広いため、アプリを使って時間を有効活用しましょう。

ここでは、おすすめのアプリを2つを紹介します。

「電験三種 機械科目 暗記アプリ」

電験三種の機械科目をテンポ良く効率的に学習するためアプリケーションです。

おまかせ出題機能により最適な出題設定がされ、おさらい出題により苦手な問題をまとめて復習できます。

知らない単語をタップすると、すぐに検索できる便利な機能もあります。

アプリで学習の進捗状況を確認できたり、学習完了予想日を確認できます。

参考：「電験三種 機械科目 暗記アプリ」をApp Storeで

「第三種電気主任技術者 ｜試験問題演習アプリ」

間違えた問題だけを復習できる機能や、気になった問題をブックマークする機能があるため、効率的に学習できます。

演習問題は、項目別とレベル別があり、追加問題を購入することでより多くの問題を学習できます。

ブックマークボタンを押した問題だけを復習できたり、間違えた問題だけを復習できる機能や、設問数を選んでランダムで出題してくれるテスト機能もあります。

参考：「第三種電気主任技術者 ｜試験問題演習アプリ」

科目別合格制度で機械の勉強に専念する

科目別合格制度を使って、1回の試験で機械だけの合格を目指すと良いでしょう。

上記でも触れましたが電験三種は「科目合格制度」があります。

試験は科目ごとに合否が決定され、４科目すべてに合格すれば第三種電気主任技術者試験が合格となります。

また、４科目中、一部の科目だけ合格した場合は、「科目合格」となり、最初に合格した試験以降、その申請により最大で連続して５回まで当該科目の試験が免除されます。

参考：一般財団法人電気技術者試験センター

機械に絞って勉強することができるため、集中して効率的に勉強できます。

効率よく勉強するなら通信講座を利用

効率よく勉強するためには通信講座を使うことをオススメします。

電験三種の機械は難易度が高く、独学で取得するのは限界があるでしょう。

アガルートの講座は全科目を学べる「一括セット」だけでなく、科目ごとに学べる「機械編」という講座があります。

自分の学習ペースに合わせて通信講座を利用すると良いでしょう。

まとめ

機械の試験内容は、電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するものが問われます。

合格率は11.3％～22.8％と、他の科目より低く難易度の高い科目です。

それだけに、独学で合格することはかなり難しいでしょう。

効率よく勉強したい人は、アガルートの通信講座がオススメです。

アガルートの「第三種電気主任技術者講座」は講師の質に自信があります。数学が苦手な方もわかりやすく解説しているため、中学レベルの数学から始められます。

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