第三種電気主任技術者試験(以下、電験三種)は、難易度が高い国家資格の試験です。

就職に有利な資格のため、電験三種の取得を目指す方も多いでしょう。

しかし、電験三種では理系の問題が多く出るため、文系の人にはハードルが高いイメージがあります。

資格を取りたくても、「文系出身の自分は合格できないのではないか」と諦めてしまう方もいるかもしれません。

本コラムでは、電験三種の試験は文系でも合格できるのかについて解説します。

合格に必要な勉強時間や文系出身者が試験に合格するポイントなどにも触れるため、ぜひ今後の参考にご覧ください。

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電験三種試験は文系でも合格できる?

電験三種は文系出身でも合格できる試験です。

電験三種は計算問題が出るため、理系の資格というイメージをもつ方も多いでしょう。

しかし、電験三種では文章問題も多く出題されます。

計算問題も理系だから解けるということはなく、電験三種に使われる計算パターンをしっかり覚えれば文系出身でも点数に繋がります。

そもそも電気に関する知識がゼロからのスタートであれば、理系も文系もあまり関係ないでしょう。

ただし、電験三種は理系に関する内容が多いため、理系出身の方が有利ではあります。

理系出身であれば、電気に関する基礎知識をすでに学習していることが多いため、勉強に多くの時間を費やさなくても試験を突破できるでしょう。

文系出身の方が理系の基礎から勉強する場合は、合格までに多くの勉強時間が必要かもしれません。

しかし、基礎から少しずつ知識を身につけていけば問題なく合格できます。

電験三種試験は科目別合格制度で無理なく合格を目指せる

電験三種では科目別合格制度があります。

1回で全科目合格する必要はないため、文系出身の方も無理なく合格を目指すことが可能です。

電験三種の試験科目は、理論・電力・機械・法規の4科目です。

科目ごとに合否が決定され、4科目すべて合格すれば電験三種が合格となります。

一部の科目だけ合格した場合は科目合格となり、次の試験以降、合格した科目を最大5回まで免除できます。

例えば、上期の試験で2科目、下期の試験で2科目合格できれば、約1年で電験三種の取得が可能です。

科目別合格制度の利用を前提にすれば科目がしぼれるため、基礎からじっくり学習できます。

一発合格を目指すよりもハードルは低く、自分のペースで勉強しながら着実に合格に近づけます。

文系が電験三種試験に合格するための勉強時間は?

電験三種の合格に必要な時間は、約1,000時間です。

毎日3時間学習した場合、約11か月〜1年かかります。

ただし、一般的な初学者を想定しているため、実際の勉強時間は個人差があるでしょう。

例えば、電気に関する知識だけでなく、理系科目の基礎知識がゼロもしくは苦手という場合は、目安の勉強時間よりも時間がかかるかもしれません。

一方で、理系出身の方で電気工学について学習した経験がある、電気関係の仕事をしているという方であれば、約500時間の勉強で合格できるケースもあります。

合格までの勉強時間は個人の能力に左右されるため、約1,000時間という数値は目安として捉えておきましょう。

文系が電験三種に合格するための5つポイント

文系出身者が電験三種に合格するためのポイントをまとめました。

以下の5つのポイントを参考に、合格に向けた学習を進めましょう。

  • 勉強のスケジュールを立てる
  • 理系の苦手意識を取り払う
  • 理論から勉強を始める
  • インプットとアウトプットを繰り返す
  • 過去問をひたすら解く

勉強のスケジュールを立てる

文系出身の方が電験三種に合格するためには、勉強のスケジュールを立てることが大切です。

電験三種は4科目あり、出題範囲も広いです。

試験日までの期間を考えず、スケジュールを立てずにやみくもに勉強することはおすすめしません。

まずはテキストや過去問題集に目を通し、試験の全体像や現在の自分のレベルを確認しましょう。

どの科目のどこの分野から勉強すべきか把握できれば、スケジュールが立てやすくなります。

勉強する具体的な範囲が決まったら試験日から逆算し、1日何時間勉強するかスケジュールを立てて学習を進めていきましょう。

理系の苦手意識を取り払う

「理系科目は苦手」という意識は取り払って勉強をしましょう。

苦手意識を持ったままだとやる気が出ず、電験三種の勉強もはかどりません。

確かに、電験三種は理系に関する問題が多く出題されます。しかし、試験に出る問題のほとんどは過去問中心です。

過去問の計算問題のパターンや専門用語を反復して勉強すれば、文系出身でも試験を突破する実力が身につきます。

また、電験三種は一度に全科目合格する必要はないため、工夫次第で勉強する期間を長く確保できます。

理系科目が苦手でも少しずつ勉強して知識が定着すれば、問題なく電験三種に合格できるでしょう。

理論から勉強を始める

文系出身の方は、まず理論の科目から勉強を始めるのがおすすめです。

理論は、電験三種の科目の中でも電気に関する基礎的な知識が出題されます。

最初に理論を学習すれば基礎が身につくため、ほかの科目が理解しやすくなります。

理論のあとは、電力→機械→法規の順番で学ぶのがおすすめです。

最後の法規は、法律に関する知識が問われる科目です。

ほかの科目とは内容が異なってくるため、電力や機械よりも先に勉強することはおすすめしません。

また、法規の計算問題は電力の科目と関連する問題が出るため、電力よりもあとに学ぶと効率的です。

インプットとアウトプットを繰り返す

文系出身の方が電験三種の合格を目指すなら、インプットとアウトプットを繰り返す学習が効果的です。

電験三種では、過去問からの出題や計算問題がメインです。

テキストの内容を暗記するだけでは、電験三種の試験突破は難しいでしょう。

また、過去問や計算問題を繰り返し解くことで、知識も定着しやすくなります。

テキストや参考書でのインプットと、問題演習のアウトプットを繰り返して、試験合格に必要な実力を身につけましょう。

過去問をひたすら解く

文系出身の方が電験三種に合格するためには、過去問をひたすら解きましょう。

目安として、過去5年分の過去問を10回繰り返すのをおすすめします。

さまざまな形式の問題を解きながら繰り返すことで、試験に必要な知識が定着するでしょう。

また、電験三種の試験対策は、過去問で対応できるともいわれています。

過去問をメインに何度も問題を解けば、試験を突破できる可能性は高くなるでしょう。

電験三種の合格率は上がっている!

過去の合格率に比べると、近年の電験三種の合格率は上がっています。

以下、過去5回分の合格率です。

試験日受験者合格者合格率
令和5年度下期24,567人5,211人21.2%
令和5年度上期28,168人4,683人16.6%
令和4年度下期28,785人4,514人15.6%
令和4年度上期33,786人2,793人8.3%
令和3年度37,765人4,357人11.5%
参考:試験実施状況の推移(第三種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

令和3年度〜令和4年度上期は合格率が約10%だったのに比べ、令和5年度下期の合格率は21%を超えています。

合格率が約2倍になった要因として、考えられることは以下の2つです。

  • 試験が年2回実施されるようになった
  • CBT方式が導入された

試験が年2回実施されるようになった

電験三種は令和4年度の試験から、年2回実施されるようになりました。

受験できるタイミングが増え、それに伴って合格者も増えています。

年1回の実施の場合、受験しないと1年待つことになるため、自分の勉強が進んでなくても試験を受けてしまうという方も多いでしょう。

試験日が増えたことで、自分が合格できる実力が身についたタイミングで受験しやすくなり、合格者が増加したと考えられます。

文系出身で多くの勉強時間が必要でも、年2回実施であれば挑戦しやすいでしょう。

CBT方式が導入された

電験三種では、令和5年度上期試験よりCBT方式が導入されました。

CBT方式の導入により試験の受け方が変わったため、従来の電験三種より合格しやすい環境になっています。

CBT方式とは、テストセンターのパソコンを使用して受験する試験方式のことです。

電験三種では、従来の筆記方式とCBT方式から受験方法を選択できます。

CBT方式を選択すれば、試験日・試験会場・試験時間を受験生が選択できます。

CBT方式の導入前は、受験生は試験地しか選択できず、試験日近くまで会場がわかりませんでした。

また、4科目すべてを試験日の1日で行います。

対して、CBT方式では、受験期間の中から好きな試験日を選択でき、試験会場も選べます。

また、全4科目を1日で行う必要はなく、自分のスケジュールに合わせて1科目ずつ別日に受けることも可能です。

受験生の自由度が増した点も、合格率上昇に繋がっていると考えられるでしょう。

最短で合格を目指すなら通信講座がおすすめ!

本コラムでは、文系出身の方が電験三種に合格できるのかについて解説しました。

以下、要点をまとめます。

  • 電験三種は文系出身でも合格できる
  • 電験三種の合格に必要な勉強時間は約1,000時間だが、個人差がある
  • 電験三種は理系出身者が有利ではあるが、文系出身でも効率良く勉強すれば問題ない
  • 電験三種の合格率は上がっており、文系出身者も挑戦しやすい

結論、文系出身の方でも必要な知識を身につければ、電験三種に合格できます。

ただし、電気の基礎からスタートする場合は、多くの勉強時間が必要になるでしょう。

文系でも短期間で合格を目指したい、効率的に勉強をしたいという方は、通信講座の利用がおすすめです。

アガルートの第三種電気主任技術者講座では、短期間でも実力が身につくカリキュラムが充実しています。

初学者でもわかりやすい講義、質問制度を含むサポートなどがあるため、文系出身の方も安心して勉強を始められます。

アガルートは、無料で資料請求や相談が可能です。

気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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