電験三種と二種の違いとは?難易度・試験概要を徹底比較!試験の併願は可能?
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電気主任技術者を目指す方の中で、電験三種(第三種電気主任技術者)と電験二種(第二種電気主任技術者)の違いがよくわからないという方はいらっしゃいませんか。
このコラムでは電験三種と二種の違い、難易度の差、そして、併願が可能かどうかについて徹底的に比較、解説いたします。
電験三種の合格後に二種試験を受けるメリットも紹介しますので、これから電気主任技術者試験を受ける方はぜひ参考にしてください。
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電験三種と二種の違いは?
電験三種と電験二種の違いは、取り扱う電圧とそれに対応する電気設備の種類にあります。
電験三種は、電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物に対応します。
ただし、出力5千キロワット以上の発電所を除きます。
例として、ビルの管理を前提とした受電設備、小規模な発電施設などの保安・監督が挙げられます。
一方、電験二種が取り扱えるのは17万ボルト未満の事業用電気工作物です。
発電所や変電所や配電所、大規模な工場などの保安・監督を担うことができます。
電験三種 | 電験二種 |
---|---|
電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力 5千キロワット以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用の保安の監督が可能。 | 電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督が可能。 |
次に、電験三種と二種の以下の違いについて解説します。
- 電験三種と二種の試験概要の違い
- 電験三種と二種の難易度の違い
電験三種と二種の試験概要の違い
電験三種試験は、理論・電力・機械・法規の4科目に合格すれば良いですが、二種試験は同じ4科目の合格に加えて、二次試験があります。
この2次試験は「電力・管理」、「機械・制御」の2科目で、解答方式は記述式となります。
下表は電験三種と二種の試験概要の違いをまとめたものです。
電験三種 | 電験二種 |
---|---|
4科目の合格(マークシートによる筆記方式又はCBT方式で解答する五肢択一方式)理論・電力・機械・法規 | ・一次試験の合格(4科目・マークシートでの多肢選択方式)理論・電力・機械・法規 ・二次試験の合格(2科目・記述式)電力・管理、機械・制御 |
第二種電気主任技術者試験
電験三種と電験二種の一次試験の科目は同じですが、二種の一次試験では、より深い内容が問われます。
これは、電験二種資格が、より高度な技術者や管理職を対象としており、そのために必要な専門知識やスキルが深いレベルで求められるためです。
また、電験三種試験には科目別合格制度があり、一部の科目に合格すると、申請によって最大で5回までその科目の試験が免除されます。
電験三種の合格には4科目すべての合格が必要ですが、この制度を利用することで、一度合格した科目を次回の試験に活かすことができます。
電験二種試験の一次試験でも科目別合格制度が適用されます。
一次試験の合格には4科目すべての合格が必要ですが、一部の科目のみ合格した場合は、申請により、その科目は次年度、よく翌年度の試験が免除されます。
つまり、3年間に4科目合格すれば二次試験の受験資格が得られます。
なお、二次試験には科目別合格制度はありません。
一次試験合格後に、二次試験で不合格となった場合、翌年度の一次試験が免除となります。
参考:電験三種の科目合格制度とは?科目ごとの難易度と合格率を徹底解説
電験三種と二種の難易度の違い
過去3回の試験の4科目(理論・電力・機械・法規)の合格率を比較すると、電験三種試験の方の合格率が低いです。
電験三種の合格率が15.7%〜21.2%なのに対して、二種の合格率は24.5%〜35.2%でした。
ただし、これは電験三種試験の受験者が初学者や電気の知識に乏しい受験者が多いことも影響しています。
したがってこの合格率だけで難易度を比較するのは適切ではありません。
下表は電験三種、二種それぞれの過去3回分の試験の合格率をまとめたものです。
電験三種
試験年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和5年下期 | 24,567人 | 5,211 人 | 21.2% |
令和5年上期 | 28,168人 | 4,683人 | 16.6% |
令和4年下期 | 28,785人 | 4,514人 | 15.7% |
電験二種
試験年度 | 試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和5年 | 一次試験 | 6,318人 | 1,545人 | 24.5% |
令和4年 | 6,189人 | 2,178人 | 35.2% | |
令和3年 | 5,979人 | 1,539人 | 25.7% | |
令和5年 | 二次試験 | 2,682人 | 474人 | 17.7% |
令和4年 | 2,904人 | 698人 | 24.0% | |
令和3年 | 2,407人 | 413人 | 17.2% |
電験二種の二次試験の過去3回分の合格率は17.2%〜24%ですので、難易度は高めと言えます。
先にも述べた通り、電験三種試験、電験二種の一次試験の4科目の合格率は、電験二種の方が高く、一見すると電験三種の方の難易度が高いように感じるかもしれません。
しかし、これは二種試験の受験者の方が実務経験や学習経験が豊富な場合が多いためと考えられます。
さらに、二種試験は通常、電験三種試験に合格した人が受験するため、電気に関する知識がある受験者が多いです。
その結果、合格率が比較的高くなる傾向があるのです。
電験三種と二種試験の併願はできる?
電験三種試験をCBT方式で受ける場合は、電験三種と電験二種の併願が可能です。
令和6年度の試験日は、電験二種の一次試験と電験三種の上期試験はどちらも8月19日(日)ですが、電験三種はCBT方式での受験が選択可能です。
令和6年度のCBT方式の試験日程は7月4日(木)〜7月28日(日)と令和7年2月6日(木)〜3月2日(日)に実施されます。
この期間内であれば、受験日と会場を自分で選ぶことが可能ですので、併願を希望される方はCBT方式で受験しましょう。
電験三種と電験二種の試験問題には似た部分があり、同時受験することで合格する確率は高くなります。
また、電験三種の試験範囲を習得した上で、二種の勉強をすると、理解がより容易になるでしょう。
ただ、併願すると合計10科目の勉強が必要になるので、まずは電験三種試験の合格を目指すことをおすすめします。
電験三種試験に合格したら二種を目指すべき?
結論から言えば、電験三種試験に合格したら、続けて電験二種試験の合格を目指すべきです。
その理由は以下の3つです。
- 収入がアップし安定する
- 電験二種試験は三種試験と似ている
- 独立も目指せる
それぞれの理由について解説していきましょう。
収入がアップし安定する
電験三種試験に合格後、さらに二種試験にも合格することで、資格手当の支給や、取り扱える電圧の幅が広がることで、年収アップが期待できます。
これにより、収入の安定はもちろん、市場価値も向上するので、転職・就職にも有利になります。
電気関連の仕事でキャリアを積む方にとって、電験三種、二種の資格を持つことは大きなメリットと言えるでしょう。
電験二種試験は三種試験と似ている
電験三種と電験二種の試験範囲は共通点が多く、両者の試験内容は密接に関連しているため、電験三種に合格した後に、二種を受験することで、学習の理解がスムーズになるのです。
電験三種の試験は、二種の試験につながる要素を多分に含んでいます。
つまり、電験三種で取得した4科目の専門知識は、そのまま二種の試験に応用することができます。
このことから、電験三種の合格者は、電験二種の試験合格の可能性が高いと言えるでしょう。
独立も目指せる
電気主任技術者として、一定期間の実務経験を積み、法律で定められた条件を満たすことで、電気管理技術者として独立することも可能です。
独立開業した場合は、体力さえあれば生涯仕事を続けることも可能です。
電験二種を取得すると、工場やビル、商業施設など、取り扱う施設の種類が増え、活躍できるフィールドが広がります。
また、電験二種は難易度が高く、取得が難しいため、有資格者の数が企業のニーズに対して足りない状況です。
そのため、電験二種を持っている人の市場価値は非常に高く、転職・就職においても困ることはないでしょう。
定年後も働き口をみつけやすいため、収入を安定させることができます。
まとめ
電験三種と二種の違いは取り扱える電圧にあり、電験三種は5万ボルト未満、二種は17万ボルト未満の電気工作物に対応します。
試験科目は電験三種と電験二種の一次試験は同じ4科目となりますが、二種の方がより深い内容を問われるハイレベルな試験内容となる上、2科目の二次試験もあります。
近年の合格率は、4科目に関しては電験三種の方が低いですが、これは電験三種の方が初学者や電気に関する知識が少ない受験者が多いことも影響しています。
試験内容、受験者のレベルを考えると電験二種の方の難易度が高いと言えます。
電験三種と二種の併願は、三種をCBT方式で受験することで可能です。
ただし、併願すると勉強する科目が10科目になってしまうので、まずは電験三種の合格を目指しましょう。
試験範囲が広く、学習内容が難しい電験三種試験の勉強は、独学が難しいことで知られています。短時間で網羅的に勉強するなら通信講座が良いでしょう。
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