第三種電気主任技術者試験(以下、電験三種試験)は、2023年(令和5年)より、CBT方式による受験が可能になりました。

近年では、さまざまな資格試験がCBT方式によって行われていますが、CBT方式についてよくわからないと感じている方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、電験三種試験のCBT方式について詳しく解説します。

電験三種試験をCBT方式で受験するメリットや、注意が必要な点についても触れているため、ぜひ参考になさってください。

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電験三種試験のCBT方式とは?

CBT方式とは、テストセンターのコンピュータを使って受験する試験方式のことです。

電験三種試験では、2023年(令和5年)の上期試験より、CBT方式が導入されました。

2024年(令和6年度)におけるCBT方式の電験三種試験の日程は、以下の通りです。

日程上期:2024年7月4日(木)~7月28日(日)
下期:2025年2月6日(木)~3月2日(日)
申込期限上期:2024年5月20日(月)~6月6日(木)
下期:2024年11月11日(月)~11月28日(木)
参考:令和6年度電気主任技術者試験の実施日程等のご案内

ここでは、CBT方式の電験三種試験に関する詳しい情報を紹介します。

  • CBT方式の申込方法は?
  • CBT方式の試験会場はどこ?
  • CBT方式の試験時間は?
  • CBT方式の試験当日の持ち物は?
  • CBT方式の受験票はいつ届く?
  • CBT方式と筆記方式は併用できる?

CBT方式の申込方法は?

電験三種試験をCBT方式で受験する際は、インターネットによる受験申込が必要です。

インターネット申込の期限は、申込期限開始日の10時から最終日の17時までとなっています。

CBT方式における電験三種試験の受験申し込みの流れは、以下の通りです。

  1. 受験者ポータルサイトのマイページを作成する
  2. インターネットで電験三種試験の受験申込を行い、受験手数料を支払う
  3. マイページよりCBT方式への変更申請を行う

電験三種試験は、受験を申し込むタイミングでCBT方式の選択ができません。

申し込みを行った時点では筆記方式による受験として受付されるため、申請が完了してから、マイページ上で受験方式を変更する必要があります。

CBT方式への変更を行う際は、変更期限を確認のうえ、期限内に手続きを行いましょう。

参考:第三種電気主任技術者の資格取得フロー 

CBT方式の試験会場はどこ?

CBT方式における電験三種試験の試験会場は、全国の試験会場の中から自由に選択できます。

試験会場の選択は、マイページから行いましょう。

2024年(令和6年)上期における電験三種試験の試験会場は、こちらのページから確認できます。

CBT方式の試験時間は?

CBT方式による電験三種試験は、マイページから予約した日時に行われます。

科目ごとの試験時間は、理論・電力・機械の3科目が各90分・法規の科目は65分です。

令和6年上期試験の試験時間は、以下の通りです。

科目試験時間
理論90分
電力90分
機械90分
法規65分
参考:令和6年度第三種電気主任技術者試験上期試験受験案内

CBT方式の試験当日の持ち物は?

CBT方式による電験三種試験当日の持ち物は、本人確認証と電卓です。

電験三種試験では、開平計算(ルート計算)が必要であるため、開平機能付きの電卓を使用しましょう。

ただし、以下の電卓は使用できません。

  • 数式が記憶できる電卓
  • 関数電卓
  • 印字機能を備えた電卓

上記の電卓を使用した際は、不正行為となるため注意しましょう。

また、音のなる電卓の使用も禁止されています。

参考:第三種電気主任技術者試験

CBT方式の受験票はいつ届く?

CBT方式で電験三種試験を受験する場合、受験票は発送されません。

試験日程・試験会場などの情報や、受験に関する注意事項は、マイページまたは予約完了時に送付される確認メールで確認しましょう。

CBT方式と筆記方式は併用できる?

電験三種試験は、CBT方式と筆記方式の併用ができません。

CBT方式による受験を希望する場合は、受験申し込みを行ったすべての科目について、CBT方式への変更が必要です。

例えば、一度の試験で2科目を受験する場合、片方の科目をCBT方式・もう片方の科目を筆記方式で受験することはできないため、注意しましょう。

ただし、CBT方式で受験する場合は、科目ごとの受験日や受験会場を個別に選択できます。

参考:令和6年度第三種電気主任技術者上期試験(CBT方式)

電験三種試験のCBT方式の難易度は?

CBT方式による電験三種試験の難易度は、筆記方式と同じです。

参考として、CBT方式が導入された2023年上期からの合格率を記載します。

受験者数合格者数合格率
2023年下期28,1684,68316.63%
2023年上期24,5675,21121.21%
参考:試験実施状況の推移(第三種電気主任技術者試験)

電験三種試験の問題は、CBT方式・筆記方式のいずれも過去問からの出題が多いと言われています。

受験方式にかかわらず、十分な過去問対策を行いましょう。

電験三種のCBT方式の合格ラインは?

電験三種試験の合格ラインは、各科目60点です。

ただし、平均点が著しく低い場合は、合格点が調整される場合があります。

受験方式によって合格点は変わらないため、60点を目標に取り組みましょう。

以下のコラムでは、電験三種試験の合格点を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

関連コラム:電験三種試験の合格点は?推移と合格点に到達するための4つのポイントを紹介!

電験三種試験のCBT方式を選ぶ3つのメリット

電験三種試験をCBT方式で受験するメリットは、以下の3つです。

  • 試験日・試験会場・試験時間が選べる
  • 科目ごとに試験日が選べる
  • 試験当日に点数がわかる

それぞれについて、詳しく解説します。

試験日・試験会場・試験時間が選べる

電験三種試験をCBT方式で受験する最大のメリットは、試験日・試験会場・試験時間を自由に選択できることです。

筆記方式による試験の場合、受験者は試験会場を指定できません。

そのため、場合によっては、自宅から離れた会場へ足を運ぶ必要があります。

また、試験日や試験時間があらかじめ決まっているため、試験に合わせて予定を立てなければなりません。

対して、CBT方式の場合は、全国約200か所の試験会場の中から、好きな会場を選べます。

また、受験期間の中から試験日を自由に選択できるため、予定を立てやすいでしょう。

さらに、変更可能な期間内であれば、試験日や試験会場の変更も可能です。

科目ごとに試験日が選べる

科目ごとに試験日が選べることも、電験三種試験をCBT方式で受験するメリットのひとつです。

筆記方式の場合は、1日にすべての科目を受験しなければなりません。

CBT方式では、試験日を科目ごとに設定できるため、1科目ずつ何日かに分けて受験したり、複数の科目をまとめて受験したりと、自分のペースに合わせて受験できます。

試験当日に点数がわかる

CBT方式で電験三種試験を受験すると、試験当日に自分の点数がわかります。

筆記方式の場合、合格発表日になるまで合否の結果がわかりません。

CBT方式の場合は、試験当日に自分の点数を確認できるため、合格発表日よりも早いタイミングで合否結果を予測できるでしょう。

電験三種試験のCBT方式のデメリットはある?

電験三種試験をCBT方式で受験するとさまざまなメリットが得られる一方、注意が必要なデメリットも存在します。

電験三種試験をCBT方式で受験するデメリットは、以下の3つです。

  • パソコンの操作に慣れておく必要がある
  • 画面を見続けるので目が疲れる
  • 試験問題が見渡しにくい

CBT方式の試験では、パソコンを使って問題に回答します。

そのため、パソコン操作に不慣れな方は、回答に時間がかかってしまう恐れがあります。

また、長時間画面を見つめることで、目が疲れてしまうかもしれません。

スムーズに試験を受けるためには、日頃からパソコン操作に慣れておくことが望ましいでしょう。

加えて、CBT方式の試験問題はパソコンの画面上に表示されるため、一度に表示できる範囲が限られています。

筆記方式の受験に慣れている方は、違和感を感じる可能性があるでしょう。

電験三種試験の過去問をパソコンで閲覧し、本番のイメージを掴んでみましょう。

電験三種試験の実施団体である電気技術者試験センターは、CBT方式での受験を推奨しています。

特別な事情がない限りは、CBT方式による受験が望ましいでしょう。

まとめ

本コラムでは、電験三種試験のCBT方式について解説しました。

電験三種試験は、筆記方式またはCBT方式によって受験できます。

CBT方式で電験三種試験を受験する際は、インターネットによる受験申し込みを行い、マイページからCBT方式への変更を行う必要があります。

変更には期日が定められているため、期日内に手続きを行いましょう。

CBT方式の試験では、試験日や試験会場などを自由に選択できます。

また、試験当日に点数がわかるため、合否結果をいち早く確認できるでしょう。

これから電験三種試験を受験する方は、CBT方式による受験がおすすめです。

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