第三種電気主任技術者(以下、電験三種)は、キャリアアップに役立つ国家資格として知られています。

電験三種について調べた経験がある方は、「電験三種はすごい」という意見を見かけたことがあるのではないでしょうか。

しかし、電験三種試験は難易度が高いため、資格を取得するメリットが気になりますよね。

本コラムでは、電験三種がすごいと言われる理由や、電験三種の資格が役立つ場面について解説します。

電験三種試験の概要も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

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電験三種はすごい資格?

結論から述べると、電験三種はすごい資格であると言えます。

すごいと言われる理由は、主に以下の2つ。

  • 電験三種は業務独占資格だからすごい!
  • 電験三種の試験は難関だからすごい!

電験三種は業務独占資格だからすごい!

電験三種がすごいと言われる理由のひとつとして、電気設備の保安・管理業務を独占する「業務独占資格」であることがあげられます。

業務独占資格とは国家資格の分類のひとつであり、資格保有者だけが独占的に当該業務に携われる資格のことです。

資格を持っていない方が独占業務を行うことは法律によって制限されており、違反した場合は罰則が科せられます。

業務独占資格には高度な専門知識が求められ、社会的な信用も高いため、「電験三種はすごい」という印象に繋がっていると考えられます。

参考:電験三種とは?仕事内容試験概要合格率取得するメリットを徹底解説!

電験三種の試験は難関だからすごい!

電験三種がすごいと言われる2つ目の理由は、電験三種の試験が難関試験であることです。

電験三種試験の過去5回分の合格率は、以下の通り。

年度受験者数合格者数合格率
令和6年上期25,4164,06416.0%
令和5年下期24,5675,21121.21%
令和5年上期28,1684,68316.63%
令和4年下期28,7854,51415.68%
令和4年上期33,7862,7938.27%
参考:試験実施状況の推移(第三種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

近年の合格率はやや上昇傾向にあるものの、電験三種試験の合格率は例年約8〜10%で推移しています。

電験三種試験の難易度を大学入試に例えると、MARCH(マーチ)と同レベルであると言われており、難易度の高さが伺えます。

電験三種資格の保有者は、このような難関試験に合格しているという点で、「すごい」という評価を得られるでしょう。

参考:電験三種の難易度は大学でいうと?試験の難易度と合格に必要な勉強時間を紹介!

電験三種試験の合格に必要な勉強時間は?

電験三種試験に合格するために必要な勉強時間は、約1,000時間であると言われています。

電験三種試験では4科目の試験が行われますが、いずれも出題範囲が広く、応用的な知識が求められます。

また、計算問題が出題されるため、電気や数学が苦手な方は、さらに長時間の勉強が必要になる可能性があるでしょう。

対して、実務経験がある方や、理系大学出身者は、約500時間で合格できる場合もあります。

必要な勉強時間は個人の学習レベルによって異なるため、十分な勉強時間を確保しておきましょう。

参考:電験三種の勉強時間は?試験の特徴や合格する5つのポイントを紹介

電験二種や一種との違いは?

電験三種と、電験二種や一種との違いは、取り扱える電気工作物の電圧です。

電気主任技術者資格は一種から三種までの三種類に分かれており、それぞれ取り扱い可能な電気工作物の電圧が定められています。

電験三種の資格保有者が取り扱える事業用電気工作物は、電圧5万ボルト未満です。

対して、二種では電圧17万ボルト未満・一種ではすべての電圧の事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安監督に携わることが可能です。

三種類の電気主任技術者資格のうち、もっとも幅広い業務に対応できるのは一種であると言えるでしょう。

参考:電気主任技術者の資格と範囲 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

電験三種を取得する3つのメリット

電験三種を取得する主なメリットは、以下の3つ。

  • 独占業務があり将来性が高い
  • 就職や転職に有利
  • 実務経験を積めば独立も可能

それぞれについて、詳しく解説します。

独占業務があり将来性が高い

将来性が高い業界で働けることは、電験三種を取得するメリットのひとつです。

電験三種は独占業務を有する国家資格であるため、常に一定の需要があります。

また、電験三種の資格保有者による監督が必要な設備は、将来的にますます増加していくと考えられています。

経済産業省の資料によると、再生可能エネルギーに関する設備は、1年に約2,000件のペースで増加していく見込みです。

しかし、外部委託業界で働く電験三種資格保有者は高齢化が進んでいるため、将来的な人手不足が予想されています。

電験三種の資格を取得すれば、将来的に仕事を得られやすくなるでしょう。

参考:電気保安人材の現状分析と 取組の方向性について

就職や転職に有利

電験三種は、就職や転職に有利になると言われています。

電験三種の資格を取得していれば、電気設備に関する専門的な知識をアピールできるため、関連業界への転職・就職において、一定の評価を得られやすくなります。

電験三種の資格手当が支給される会社に転職すれば、収入アップも期待できるでしょう。

また、電験三種は試験の難易度が高いため、難関資格に合格していることを評価される可能性もあります。

実務経験を積めば独立も可能

独立を目指せることも、電験三種を取得するメリットのひとつです。

電験三種は専門性が高いため、実務経験を積めば、独立開業を目指せます。

独立すれば、定年に関係なく働けるため、生涯年収を増やせるでしょう。

自分のペースで働きたい方や、サラリーマンとして働く以外の選択肢を得たい方にとって、電験三種は特におすすめの資格であると言えます。

電験三種が役に立つ仕事は? 

電験三種の資格が役に立つ主な仕事は、以下の5つ。

  • ビル施設管理(ビルメンテナンス)
  • 電気工事士
  • 電気技術者
  • 太陽光発電の設計施工メンテナンス
  • 発電所運転管理

それぞれについて、詳しく解説します。

ビル施設管理(ビルメンテナンス)

電験三種の資格は、ビル施設管理(以下、ビルメンテナンス)の仕事で役立つ可能性があります。

ビルメンテナンスの主な仕事は、オフィスビルや商業施設などの電力設備・空調設備・給排水設備を管理し、運転や調整を行うことです。

ビルメンテナンスの仕事の具体例は、以下の通り。

  • エレベーターなどの機器に必要な電力を供給するための配電盤の操作
  • 電流計・電圧計・電力計などの計器の監視および動作確認
  • 冷暖房用機器の操作
  • ポンプや水槽をはじめとする給排水設備の点検
  • 排水処理設備の維持管理
  • 施設利用者への対応や定期点検の結果報告など

参考:ビル施設管理 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

電気工事士

電験三種の資格は、電気工事士の仕事にも役立つと言われています。

電気工事士の仕事は、電気を利用するための設備工事を行うことです。

具体的な仕事の例は、以下の通り。

  • 変電設備の設置や建物内の電気配線
  • 分電盤の据え付け
  • コンセントや照明器具の取り付け
  • 放送通信施設やインターホンなどの設備工事
  • 防災・防犯設備工事
  • 避雷針工事

参考:電気工事士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

電気技術者

電験三種の資格は、電気技術者の仕事にも役立つと考えられます。

電気技術者の仕事は、電気設備や機器の技術開発・改良・管理・更新工事など、多岐にわたります。

代表的な仕事の例は、以下の通り。

  • 発電所における発電機や発電施設などの設計および運転管理・発電機の材料に関する分析や試験など
  • 工場における発電機の組み立て
  • 発電施設の建設現場における工程確認および技術指導
  • 発電施設の稼動時における技術的調整や作業員に対する指導など
  • 鉄道会社における鉄道用設備の新設・改修計画や保守計画の策定、および施設の補修や設備の故障への対応
  • 老朽化した電気設備の改修
  • 鉄道会社の変電区もしくは変電部門における、特別高圧電力の変圧および供給
  • 変電所内の電気設備の保守管理および修繕など

参考:電気技術者 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

太陽光発電の設計施工メンテナンス

電験三種は、太陽光発電の設計施工メンテナンスにも役立つ資格です。

太陽光発電の設計施工メンテナンスの主な仕事は、以下の通り。

  • 太陽光発電システムの電気設計および構造設計
  • 発電所の建設における工程・予算・安全管理
  • 太陽光発電設備の定期点検や監視
  • 遠隔監視
  • トラブル対応

参考:太陽光発電の設計施工 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

発電所運転管理

電験三種資格は、発電所運転管理の仕事に役立ちます。

発電所運転管理の主な仕事は、発電設備の運転および保守管理を行い、安定した電力供給を維持することです。

具体的な仕事の例は、以下の通り。

  • 中央制御室内における発電出力の調整
  • 各種計器類の監視および制御
  • 機器の動作確認
  • 発電所の設備点検
  • 消耗品および部品の交換
  • 点検結果および対応内容の記録
  • 運転責任者への報告

参考:発電所運転管理 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

電験三種の試験概要

電験三種試験には受験資格が設けられていないため、実務経験・学歴・年齢を問わず、誰でも受験できます。

電験三種試験の概要は、以下の通り。

出題科目理論・電力・機械・法規
試験方式筆記方式、またはCBT方式
解答方式五肢択一方式

電験三種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目で構成されており、筆記方式またはCBT方式のいずれかを選択可能です。

CBT方式とは、令和5年(2023年)の試験から新たに導入された試験方式であり、受験者が試験会場や試験日を自由に選択できることが特徴です。

CBT方式での受験を希望する場合は、受験申し込み後に変更申請が必要であるため注意しましょう。

電験三種の試験問題は五肢択一方式で出題され、筆記方式の試験はマークシート形式となっています。

また、電験三種試験には科目合格制度が設けられており、一度合格した科目は3年間有効です。

以下に、電験三種試験について項目ごとに解説します。

  • 電験三種の試験日について
  • 電験三種の出題科目について
  • 科目の試験時間と配点について

電験三種の試験日について

直近の電験三種の試験日は、CBT方式の場合7月4日~7月28日・筆記方式の場合8月18日です。

電験三種試験は上期と下期に分けて実施され、それぞれ申込期間が異なります。

また、CBT方式と筆記方式では試験日が異なるため、注意しましょう。

令和6年(2024年)における電験三種試験の日程は、以下の通り。

試験方式試験実施日申込期間
CBT方式上期:2024年7月4日~7月28日
下期:2025年2月6日~3月2日
上期:5月20日~6月6日
下期:11月11日~11月28日
筆記方式上期:2024年8月18日
下期:2025年3月23日
参考:令和6年度電気主任技術者試験の実施日程等のご案内

電験三種の出題科目について

電験三種試験では、理論・電力・機械・法規の4科目が出題されます。

各科目における専門的な知識と応用力が求められるため、すべての試験に合格するためには、計画的に学習に取り組む必要があるでしょう。

各科目の出題内容は、以下の通り。

科目名科目の内容
理 論・電気理論
・電子理論
・電気計測および電子計測
電 力・発電所・蓄電所および変電所の設計および運転
・送電線路および配電線路(屋内配線を含む)の設計・運用並びに電気材料
機 械・電気機器・パワーエレクトロニクス・電動機応用・照明・電熱・電気化学・電気加工・自動制御・メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送および処理
法 規・電気法規(保安に関するものに限る)
・電気施設管理
参考:第三種電気主任技術者試験

科目の試験時間と配点について

電験三種の試験時間や配点は、科目によって異なります。

理論・電力・機械の試験時間は90分・法規の試験時間は65分です。また、各科目は100点満点であり、A問題とB問題に分かれています。

合格点はいずれも60点ですが、平均点が著しく低い科目については、合格点が調整される場合があります。

電験三種試験における各科目の試験時間および配点は、以下の通り。

科目試験時間問題数・配点
理論90分A問題:14問×5点
B問題:3問×10点(選択問題含む)
電力90分A問題:14問×5点
B問題:3問×10点
機械90分A問題:14問×5点
B問題:3問×10点(選択問題含む)
法規65分A問題:10問×6点
B問題:3問×各13~14点
参考:第三種電気主任技術者試験

まとめ

本コラムでは、電験三種がすごいと言われる理由や、電験三種を取得するメリットについて解説しました。

電験三種は取得難易度が高い国家資格であり、試験に合格するためには、長時間の勉強が必要です。

一方で、電験三種資格を取得すれば、さまざまなメリットが得られます。

将来性が高く、キャリアに役立つ資格を取得したいと考えている方や、独立開業を目指している方には、特におすすめの資格であると言えるでしょう。

最短距離で電験三種資格を取得するためには、自分に合った通信講座や予備校を見つけることが重要です。

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