電験三種と行政書士どっちが難しい?合格率から難易度を比較!ダブルライセンスの必要性も解説
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国家資格には第三種電気主任技術者(以下、電験三種)や行政書士など、さまざまな分野の資格が多数あります。
試験に合格するためには時間と労力が必要になるため、どの資格を取るのか慎重に判断したいですよね。
電験三種と行政書士の資格について興味がある方は、どちらの資格のほうが難易度が高いのか知りたい方も多いでしょう。
本コラムでは、電験三種と行政書士の難易度を比較し、どちらが難しいのかを解説します。
各資格の基本的な情報やダブルライセンスの必要性にも触れるため、ぜひ今後の参考にご覧ください。
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電験三種と行政書士について紹介
電験三種の有資格者は、電気主任技術者として工場やビルなどの電気工作物の保安監督業務が行えます。
一方で、行政書士とは8士業のひとつであり、法律の専門家として国や役所に提出する書類の作成・手続きなどの業務が中心です。
電験三種と行政書士は必要な知識や業務の分野が異なるため、活躍できる場も異なります。
電験三種とは?
電験三種とは、第三種電気主任技術者の略称です。
電験三種を取得すれば、工場やビルなどの電気設備の保安業務責任者として活躍できます。
また、電気主任技術者には第一種、第二種、第三種があります。
数字により扱える電圧の範囲が異なり、電験三種は電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物が対象です。
ただし、出力5,000キロワット以上の発電所は含みません。
なお、電験三種の取得には、一般財団法人電気技術者試験センターが実施する第三種電気主任技術者試験に合格する必要があります。
電験三種試験には4科目あり、4科目すべてに合格すると電験三種に合格となります。
電験三種の仕事内容
電験三種の仕事は、電圧5万ボルト未満の電気工作物の保安業務がメインです。
電気工作物の保安監督業務は、電験三種の独占業務になります。
具体的には、担当の電気設備が正常に運転しているかどうかを監視し、運転を調整します。
また、点検や修理が指示通り行われているかどうかを確認する業務も電験三種の仕事です。
必要であれば、自分で点検や修繕工事などを行うこともあります。
行政書士とは?
行政書士とは、法律に関する専門知識を持った行政手続きのエキスパートです。
行政書士になれば、各省庁や市役所などに提出する書類の作成・提出の代理業務や、書類に関する相談業務などが行えます。
行政書士になる方法はいくつかありますが、行政書士試験に合格するのが王道かつ近道のルートです。
行政書士試験は、一般財団法人行政書士試験研究センターが年に1回、例年11月に実施します。
試験科目は法令科目と基礎知識の2つにわかれており、法令科目で122点以上、基礎知識で24点以上かつ合計180点以上で合格です。
合計180点以上であっても、どちらかが合格基準点以下の点数であれば不合格になります。
行政書士の仕事内容
行政書士の仕事は多岐にわたりますが、法人や個人から依頼された行政機関に提出する書類の作成や代行手続きなどが主な業務です。
また、扱う書類に関する相談も受けます。
作成業務を行う書類は、以下の3つにわけられます。
- 官公署に提出する書類:不動産関係、営業許可関係、法人設立関係など
- 権利義務に関する書類:相続関係、契約書関係、各種行政手続きなど
- 事実証明に関する書類:会社関係、会計書類、調査書類など
紹介した書類の作成業務は、行政書士の独占業務です。
独占業務以外には、その他特定業務といわれる業務があります。
特定行政書士法定研修を受け、課程を修了した特定行政書士が行える業務です。
特定業務では、行政書士が作成・提出した許可申請が不許可になった場合に行える、異議申し立て・再審査請求などの手続き業務などができます。
電験三種と行政書士どっちが難しい?
電験三種と行政書士の難易度は、同じくらいのレベルだといわれています。
そもそも、電験三種は理系科目の試験であり、行政書士は文系科目の試験のため、勉強する知識の分野が大きく異なります。
試験の難易度は同じくらいといわれつつも、個人の得意なもの、不得意なものによって難しさの感じ方は変わるでしょう。
例えば、理系出身で物理や数学が好きな方は電験三種の方が簡単に感じやすいです。
一方で、文系出身の方で理系が苦手な方は、計算問題が多い電験三種は難しいと感じる可能性が高いでしょう。
では、なぜ難易度が同じくらいといわれるのか、以下の3点を比較して解説します。
- 合格率から比較
- 勉強時間から比較
- 試験内容から比較
合格率から比較
電験三種と行政書士を比較すると、合格率の平均は同じくらいです。
以下、過去5回分の試験の合格率です。
電験三種 | |||
---|---|---|---|
試験日 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
令和6年度上期 | 25,416人 | 4,064人 | 16.0% |
令和5年度下期 | 24,567人 | 5,211人 | 21.2% |
令和5年度上期 | 28,168人 | 4,683人 | 16.6% |
令和4年度下期 | 28,785人 | 4,514人 | 15.6% |
令和4年度上期 | 33,786人 | 2,793人 | 8.3% |
行政書士 | |||
---|---|---|---|
試験日 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
2023年(令和5年度) | 46,991人 | 6,571人 | 13.98% |
2022年(令和4年度) | 47,850人 | 5,802人 | 12.13% |
2021年(令和3年度) | 47,870人 | 5,353人 | 11.2% |
2020年(令和2年度) | 41,681人 | 4,470人 | 10.7% |
2019年(令和1年度) | 39,821人 | 4,571人 | 11.5% |
電験三種の過去5回分の合格率は、約8%〜21%でした。
近年、合格率は上昇傾向ですが、過去5回分の合格率の平均は約14.6%。
電験三種は比較的難易度の高い試験だといえます。
一方、行政書士試験の過去5回分の合格率は、約10〜13%。
平均合格率を計算すると、約12%です。
両試験の平均合格率はどちらも10%前半になり、試験難易度はおおよそ一緒だと考えられるでしょう。
勉強時間から比較
電験三種と行政書士の合格に必要な勉強時間は、約1,000時間だといわれています。
- 電験三種:約1,000時間
- 行政書士:約600〜1,000時間
どちらも約1,000時間の勉強が必要だとされているため、勉強の難易度も同程度だと考えられます。
ただし、合格に必要な勉強時間は初学者を想定しており、あくまで目安の数字です。
個人の知識量によっては、短い勉強時間で合格するケースもあるでしょう。
また、両資格が理系と文系にわかれているため、合格までの勉強時間も個人の得意、不得意によって左右されます。
不得意な科目がある、科目の基礎から学ばなければならないという方は、合格までに1,000時間以上勉強することもあるでしょう。
試験内容から比較
電験三種と行政書士試験は、どちらも受験資格は特にありません。
年齢・性別・学歴など関係なく誰でも受験できるため、どちらも受験のハードルは高くない試験です。
また、試験問題数も電験三種が52問、行政書士が60問と大きな差はありません。
ただし、試験の解答方式は電験三種が五肢択一に対して、行政書士は五肢択一、多肢選択、記述式といくつか種類があります。
そのため、行政書士の方が正確に知識を覚えていないと解答しづらい問題が多いでしょう。
試験内容に関しては、行政書士試験の方がわずかに難易度が高いと考えられます。
電験三種と行政書士のダブルライセンスの必要性は?
電験三種と行政書士は仕事内容の関連性が低く、ダブルライセンスの必要性はありません。
収入アップに直接繋がらないため、時間や労力を使って両方の資格を取ることはもったいないでしょう。
それでも両資格に興味があり取得したい方だけ、電験三種と行政書士のダブル合格を目指してみても良いでしょう。
電験三種と相性がいい資格
電験三種と相性がいい資格は、電気工事士や電気工事施工管理技士など、電気主任技術者が扱う電気設備の工事ができる資格です。
電験三種と相性が良く、ダブルライセンスにおすすめな資格を紹介します。
- 電気工事士
- 電気工事施工管理技士
- 消防設備士
- 冷凍機械責任者
電験三種の仕事内容と関連性の高い資格を取得すれば、さらに知識が身に付き業務の幅が広がります。
電験三種と共に取得すれば、電気設備の工事と保安業務ができるスペシャリストとして重宝されます。
また、消防設備士や冷凍機械責任者は、担当するビルや工場などの施設にかかわる資格です。
そのため、電験三種の有資格者ができるビルメンテナンス業務などと相性が良いでしょう。
まとめ
本コラムでは、電験三種と行政書士のどちらの試験が難しいのかについて解説しました。
以下、コラムの要点をまとめます。
- 電験三種と行政書士は合格率や勉強時間、試験問題数が同等レベルのため、難易度はおおよそ一緒だと考えられる
- 電験三種は理系の試験、行政書士は文系の試験のため、難しさの感じ方は個人の感覚に左右される可能性が高い
- 電験三種と行政書士の業務の関連性は低く、ダブルライセンスのメリットはない
電験三種と行政書士試験は、両資格とも難易度の高い試験です。
しかし、就職活動に有利な国家資格のため、取得すれば将来大いに役立つでしょう。
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