電験二種認定とは?難しい?実務経験の条件や免状交付の申請方法を解説
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第二種電気主任技術者(以下、電験二種)を取得するためには、試験に合格する方法と実務経験などの条件をクリアして認定を受ける方法があります。
すでに実務経験を積んでいる場合は、「試験ではなく、実務経験を活かして電験二種を取得したい」と思うのではないでしょうか。
しかし、実際にどうすれば電験二種の認定を受けられるのか、詳しく知っている人は多くありません。
本コラムでは、電験二種認定の概要や条件などについてわかりやすく解説します。
認定に必要な申請方法や対策法についても紹介するため、電験二種の認定を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
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電験二種の認定とは
電験二種の認定とは、所定の条件を満たした場合に電験二種の資格を取得できる制度です。
認定への条件は、「電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令」で定められており、内容は主に学歴や保有資格、実務経験です。
すべての基準を満たし申請を行うと、次に面接が行われます。
面接と審査を通過し、実務経験説明書などの必要書類を提出・受理してもらえると、電験二種免状の交付となります。
電験二種認定は難しい?
電験二種の認定は難しいとされています。
難しいといわれる理由として、電験二種の認定が条件さえ満たせば合格という簡単な制度ではない点が挙げられます。
電験二種の認定は、条件の内容が厳しいうえに面接と審査を通過しなければ認められません。
さらに、面接では実務経験に関する高度な質問もされるため、正確な知識と実力をもっていなければ認定されないでしょう。
認定への条件は、学歴または保有資格、実務経験です。
条件は細かく定められており、業務内容によっては実務経験として認められないケースもあるため注意が必要です。
さらに、提出する必要書類のひとつである実務経歴証明書は、実務経験の内容について細かく書かなければならない部分があり、漏れや記載ミスが少しでもあると受理されないことがあります。
申請が初めての方は苦戦しやすく、経験者の指導のもと添削を受けながら書いてやっと審査が通ったというケースも珍しくありません。
電験二種認定の条件
電験二種の認定を受けるためには、学歴に関する条件と実務経験に関する条件の両方を満たす必要があります。
- 電験二種認定の学歴条件
- 電験二種認定の実務経験条件
それぞれの条件について詳しく解説します。
電験二種認定の学歴条件
電験二種認定の学歴条件は、経済産業省により指定された認定校が対象です。
認定校で指定された学部・学科の単位を取得すると、条件を満たしたと認められます。
なお、認定校は、電気主任技術者の第一種、第二種、第三種で異なります。
電験二種認定条件をクリアする認定校は、以下の参考リンクからご確認ください。
※参考リンク:電気主任技術者認定校一覧
電験二種認定の実務経験条件
次に、電験二種認定の実務経験条件について解説します。
電験二種認定に必要な実務経験年数
以下、電験二種認定に必要な実務経験の年数一覧です。
学歴 | 第一種 | 第二種 | 第三種 |
大学・大学院 | 5年 | 3年 | 1年 |
短大・高専・専門学校 | – | 5年 | 2年 |
高校(工業高校など) | – | – | 3年 |
※参考:電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令
認定校の大学・大学院を卒業した方が電験二種認定されるためには、実務経験が3年以上必要です。
短期大学や高等専門学校、専門学校の認定校を卒業した場合は、実務経験が5年以上だと条件を満たしたことになります。
工業高校などは、第二種の認定校には含まれません。
電験二種認定を希望する場合は、最低でも短大や高等専門学校、専門学校以上に進む必要があるでしょう。
また、実務経験を行った期間が卒業(修了)前にもある場合は、該当する期間の2分の1の年数でカウントが可能です。
つまり、卒業前の実務経験年数×1/2 +卒業後の実務経験年数の合計が実務経験の年数と認められます。
なお、学歴を満たさなかった場合は、定められた資格を有し実務経験を積むことで条件がクリアできます。
定められた資格とは、電験二種認定の場合は電験三種、電験一種の場合は電験二種認定のことです。
電験二種認定の場合、認定校を卒業していなくても電験三種を保有し、実務経験条件を満たしていれば申請が可能です。
実務経験として認められる実務内容
以下、実務経験として認められる実務内容の詳細をまとめた表です。
免状の種類 | 実務の内容 |
第一種 | 電圧5万V以上の電気工作物の工事、維持または運用業務およびこれらの業務を監督指導する業務 |
第二種 | 電圧1万V以上の電気工作物の工事、維持または運用業務およびこれらの業務を監督指導する業務 |
第三種 | 電圧500V以上の電気工作物の工事、維持または運用業務およびこれらの業務を監督指導する業務 |
※参考:電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令
第二種の実務経験として認められるためには、電圧1万V以上の電気工作物を扱わなければなりません。
電圧以外の大まかな業務内容は、免状の種類による違いはありません。
1万V未満の電気工作物の業務は、電験二種認定の実務経験に含まれないため注意が必要です。
また、業務の内容にある工事、維持、運用の具体的な業務は以下のとおりです。
業務 | 業務の詳細 |
工事 | ・新設、増設、改造、取り換えなどの工事における電気設備、各種電気機械器具、付帯設備の設計(基礎工事を除く)・機器や材料の据え付け、組立工事( 土木工事、製造工場での材料加工・組立・調整を除く)・配線工事・機器調整および性能検査 |
維持 | ・巡視点検、定期点検、修理、試験、測定などの設備の機能を維持するための保守管理業務など |
運用(設備を安定的、経済的に運転するための業務) | ・運転状態の監視、周波数および電圧、電流の調整、電力需給の調整、系統の変更、事故の復旧などおける運転、切り換え操作、給電指令、運用業務・事故の原因究明、報告などの業務・保安管理的業務(工事計画の認可申請書などの作成、電気事故防止対策業務など) |
※参考:実務経歴証明書記載要領
実務経験条件をクリアする業務は、電気主任技術者として、もしくは電気主任技術者指導のもと工事や保守管理のための試験・点検業務、運用業務などが該当します。
条件を満たさない業務だと実務経験として認められないため、実務経験の年数を積んでも条件を満たすことはできません。
電験二種の認定を目指す場合は、仕事選びの段階で実務経験条件を満たしているか確認することが重要です。
電験二種認定の免状交付申請方法
電験二種認定の免状交付申請方法と流れ、交付申請に必要な書類などを解説します。
- 電験二種認定の免状交付申請の流れ
- 電験二種認定の免状交付申請に必要なもの
電験二種認定の免状交付申請の流れ
電験二種の認定を受けるためには、まず自分が条件を満たす学歴と実務経験を積んでいるかと、勤務先に証明書などの手続きができるかの2点を確認しましょう。
すべての条件を満たしていることが確認できたら、免状交付申請の手続きを開始します。
以下、免状交付までの流れです。
- 申請に必要な書類を集める
- 面接を受ける
- 審査に通る
- 免状交付
必要な書類については、次に詳しく解説します。
面接では、免状交付の適格性を確認するため、専門知識を問う質問がされます。
試験をパスできる実力があると証明できるよう、面接では自分の経験と知識に基づいてしっかり回答しましょう。
面接後は審査があります。
審査に通過できると、無事電験二種の免状交付です。
しかし、面接と審査の通過は難関といわれており、実務経歴証明書の内容が認められずに何度も挑戦してやっと認定されたという方も多いです。
対して、一回の面接と実務経歴証明書の簡単な修正のみで免状交付を認められるケースもあります。
なお、面接や審査の具体的な評価の観点などは公表されていません。
実務経歴証明書を含む必要な書類をきちんと作成し、面接では面接官に対して真摯な態度でしっかり回答することが大切でしょう。
電験二種認定の免状交付申請に必要なもの
免状交付申請に必要な書類は、申請者の学歴もしくは保有資格によって異なります。
以下、交付申請の対象者と、免状交付申請を行う際に必要な書類です。
交付申請の対象者 |
①経済産業大臣が認定した教育施設(認定校)で、所定の科目を収めて卒業した者②旧電気主任技術者資格認定規則による認定学校卒業者③現に免状を交付されている者(旧規則による国家試験合格者および銓衡(せんこう)検定合格者を含む) |
必要書類 | 対象者 |
主任技術者免状交付申請書 | すべての申請者 |
卒業証明書 | ①または②に該当する者 |
単位取得証明書またはこれに代わるもの | ①に該当する者 |
電気主任技術者免状または合格書の写し | ③に該当する者 |
実務経歴証明書 | すべての申請者 |
戸籍抄本または住民票の写し(本籍記載) | すべての申請者 |
免状送付用宛先用紙 | すべての申請者 |
※参考:電気主任技術者免状の交付申請に必要な書類の作り方|中部近畿産業保安監督部北陸産業保安監督署
必要な書類の中でも、実務経歴証明書は実務経験の詳細を記載する重要なものです。
作成するためには勤める事業所や企業先の代表に証明人となってもらい、印鑑を押してもらうなどの手続きも発生します。
勤め先に「実務経歴証明書の作成は可能か」「証明人を依頼できるか」などの確認は早めに行っておきましょう。
電験二種認定の面接内容と3つの対策法
電験二種認定の面接内容と対策法について解説します。
面接では、主に実務経歴証明書に記載されている実務経験の内容や、資格認定に必要な知識を身につけているか確認する質問が聞かれます。
しっかり回答するためにも、以下のような対策が必要でしょう。
- 実務経験について説明できるようにする
- 資格試験の内容を学習する
- 提出書類に記載した内容を確認する
実務経験について説明できるようにする
自分が経験してきた業務について詳しく説明できるように、面接前には準備をしておきましょう。
面接では、実務経歴証明書の業務内容についてさらに突っ込んだ内容を聞かれることが多いです。
過去にかかわった業務について、どのような内容の業務をなぜ行ったのか、どういった流れで業務を行ったのかなど細かく話せるようにしておく必要があるでしょう。
特に実務経験の年数が長い方、業務の種類が多い方などは、各業務の内容や流れを紙やパソコンソフトなどで整理・まとめておくと、面接で聞かれた際に答えやすいでしょう。
資格試験の内容を学習する
面接では試験をパスできる知識力を備えているかどうかを判断されるため、試験で問われるレベルの質問もされます。
知識力が求められる質問が来ても答えられるよう、面接前には電験二種について十分に学習しておきましょう。
なお、学習に必要な時間は、個人の実力によって異なります。
ただし、電験二種試験の合格基準は各科目6割以上といわれているため、過去問などを解いて6〜7割以上の得点が取れるくらいの知識を身につけておくと安心でしょう。
提出書類に記載した内容を確認する
面接を受ける前には、交付申請時に提出した書類に記載した内容を再度確認しましょう。
電験二種認定の面接は、提出した実務経歴証明書に書かれた業務内容に関する質問がメインです。
そのため、書類の記載内容を確認しないまま面接を受けてしまうと、回答する内容が曖昧になり、焦ってうまく話せない可能性もあるでしょう。
自信を持って面接に望むためにも、実務経歴証明書をはじめとする提出書類一式を確認しておくことが重要です。
提出前に各書類のコピーを取って手元に残しておけば、面接までに何度も見返せます。
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電験二種の認定を受けるためには、まず学歴や実務経験の条件を満たさなければなりません。
また、条件を満たせても、面接や面接後の審査を通過しなければならず、認定での取得は難易度がかなり高いといえるでしょう。
そのため、実務経験が少ない、短期間で電験二種を習得したいという方は、電験二種を試験で取得する方法がおすすめです。
しかし、電験二種は社会人の方が目指す場合が多く、忙しくてまとまった勉強時間を確保できないという方は少なくありません。
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