電験二種の難易度・合格率・合格点を徹底解説!合格に必要な勉強時間も紹介
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電気設備に不可欠な存在である第二種電気主任技術者(以下、電験二種)。
電験三種を取得している方の中には、電験二種を検討中の方も多いのではないでしょうか。
受験する際にまず気になることは、電験二種試験の難易度です。
「電験二種は三種と比べてどれくらい難しいのか」、「合格率はどれくらいなのか」などの疑問にお答えするため、本コラムでは電験二種の難易度について解説します。
電験二種試験の合格基準点や合格に必要な勉強時間についても紹介するため、受験を検討している方はぜひ今後の参考にしてください。
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電験二種の難易度と合格率は?
以下の項目で電験二種を取得する難易度を解説します。
- 電験二種の難易度
- 電験二種の合格率の推移
- 合格率で見る電験二種の難易度ランキング
- 電験二種と電験三種の難易度の違い
電験二種の難易度
電験二種試験は科目数が多く、各科目の出題範囲が広い試験です。
例年合格率が低い傾向があり、難易度が高いといわれています。
以下、電験二種の試験概要です。
試験 | 解答方式 | 科目名 | 科目の内容 |
一次試験 | 多肢選択式(マークシート) | 理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測 |
電力 | 発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用並びに電気材料 | ||
機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理 | ||
法規 | 電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理 | ||
二次試験 | 記述式 | 電力・管理 | 発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用並びに電気施設管理 |
機械・制御 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクス |
※出典:第二種電気主任技術者試験 | 電気主任技術者 | 一般財団法人 電気技術者試験センター
一次試験は4科目ありますが、多肢選択式でマークシートへの記入となります。
対して、二次試験は科目数が2科目になりますが、記述式です。
さらに、論述問題や計算問題が出題されるため、正確な知識とスキルを身につける必要があるでしょう。
電験二種の合格率の推移
電験二種試験の合格率の推移について、以下の表にまとめました。
年度 | 一次試験 | 二次試験 |
令和6年度 | 29% | 19% |
令和5年度 | 24% | 18% |
令和4年度 | 35% | 24% |
令和3年度 | 26% | 17% |
令和2年度 | 27% | 28% |
令和元年度 | 24% | 23% |
平成30年度 | 24% | 15% |
平成29年度 | 26% | 14% |
平成28年度 | 22% | 19% |
平成27年度 | 24% | 12% |
※参考:第二種電気主任技術者試験の試験結果と推移 | 第二種電気主任技術者試験 | 電気主任技術者 | 一般財団法人 電気技術者試験センター
過去10回の電験二種試験の平均合格率を計算すると、一次試験が約26.1%、二次試験が約18.9%でした。
例年の合格率が約20%のため、電験二種の試験はかなり難易度の高い試験だといえます。
また、令和6年度の一次試験における科目別合格率は、理論22.6%、電力31.3%、機械36.8%、法規28.4%でした。
※出典:令和6年度第一種・第二種電気主任技術者一次試験及び第三種電気主任技術者上期試験の結果について
合格率で見る電験二種の難易度ランキング
主な資格試験の合格率ランキングを紹介します。
順位 | 試験名称 | 合格率 |
1位 | 司法書士試験 | 3~4% |
2位 | 社会保険労務士試験 | 6~7% |
3位 | 行政書士試験 | 11~15% |
4位 | 宅建試験 | 15~17% |
5位 | 税理士試験 | 18~20% |
6位 | 電験二種 | 14~24% |
7位 | 簿記2級試験 | 15~25% |
8位 | FP2級試験 | 20~60% |
9位 | 第一種電気工事士(技能) | 約50% |
10位 | 第二種電気工事士(技能) | 約60% |
電験二種は、6番目に低い合格率でした。
司法書士や行政書士などの士業の合格率と比較しても、それほど差はありません。
合格率に注目すると、資格試験の中でも電験二種は難易度が高い部類になることがわかります。
ただし、ランキングはあくまでも合格率だけを比較したものです。
受験資格や試験の内容、制度によって、実際の難易度は大きく左右されることがあるため注意が必要です。
電験二種と電験三種の難易度の違い
電験三種に比べて電験二種は、扱える電圧範囲が広がり専門性が高くなるため、問題の難易度が高くなります。
電験三種と電験二種が扱える電気工作物の違いは、以下のとおりです。
- 電験二種:電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持および運用の保安・監督が行える
- 電験三種:電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)の工事、維持および運用の保安・監督が行える
※参考:電気主任技術者の資格概要 | 電気主任技術者 | 一般財団法人 電気技術者試験センター
なお、電験二種試験は三種よりも高度な知識が求められますが、電験三種のほうが合格率が低い傾向があります。
令和5年電験三種の上期試験の合格率は16.6%、下期試験は21.2%でした
対して、電験二種は一次試験が24%、二次試験が18%です。
※参考:第三種電気主任技術者試験の試験結果と推移 | 第三種電気主任技術者試験 | 電気主任技術者 | 一般財団法人 電気技術者試験センター
電験三種のほうが合格率が低くなる要因として、受験者層の特徴が考えられます。
電験三種は電気主任技術者の中でもレベルが低いため、電気主任技術者試験が初めての方が多く受験します。
対して、電験二種は、電験三種を取得している方や実務経験・学習経験が豊富な受験者が多いです。
それでも合格率が低いため、試験難易度は大変高い試験だと考えられるでしょう。
電験二種の合格点・合格基準
電験二種試験の合格点、合格基準は、毎年試験を実施する一般社団法人電気技術者試験センターが決定します。
合格基準の詳細は、毎回試験の合格発表時に文書で発表されます。
文書では、受験者数と合格者数、全体・各科目の合格率、合格基準点まで知ることが可能です。
また、電験二種試験の目安となる合格基準点は、各科目60%以上が基本といわれています。
試験勉強を行う際には、過去問演習や模擬試験で各科目最低でも60%以上点数を取れるようにしておくと合格する可能性が高まるでしょう。
ただし、目安の点数であり、問題の難易度や受験生の状況によって変わることがあるため、毎回確認が必要です。
例えば、令和5年度の試験の合格基準点は、一次試験が全科目60%以上でしたが、二次試験が「100点満点換算で60点以上、かつ各科目ともに平均点以上」とされています。
※出典:令和6年度第一種及び第二種電気主任技術者二次試験の結果について
電験二種の合格に必要な勉強時間
電験二種試験に合格するためには、約400〜600時間の勉強時間が必要だといわれています。
例えば、平日2時間、土日7時間の勉強時間が確保できる場合、1週間で24時間勉強が可能となります。
約400時間勉強する場合、400時間÷24時間(1週間あたりの勉強時間)=約16.6(週)となり、約4か月かかる計算です。
約600時間の場合は、600時間÷24時間(1週間あたりの勉強時間)=25(週)となり、約6か月で実力が身につくと考えられます。
「休日も忙しく、7時間も勉強できない」という方は、期間がさらに必要になるため、早めに受験勉強を始めましょう。
ただし、紹介した勉強時間の目安はあくまでも参考であり、個人差が大きいです。
理数系が苦手もしくは初学者の方の場合、合格できるまでに1,000時間以上の勉強が必要になるケースもあります。
また、電験二種試験は高度な知識が求められる難易度の高い問題が出されます。
電験三種を取得している方や実務経験がある方でも、600時間ほど勉強しておくと安心でしょう。
電験二種の勉強をする3つのポイント
電験二種試験に合格するためには、効率的に実力を身につけることが大切です。
試験勉強における3つのポイントを紹介します。
- 無理のないスケジュールを立てる
- 過去問を活用する
- 自分に合った教材を選ぶ
無理のないスケジュールを立てる
電験二種試験に合格するためには、多くの勉強時間が必要です。
また、働きながら合格を目指す方も多いため、無理のない学習スケジュールを立てて、計画的に勉強していくと合格に繋がるでしょう。
学習スケジュールを計画する際には、まず自分が確保できる勉強時間を確認します。
平日は1〜2時間、休日は4〜5時間であれば、1週間で約13〜20時間勉強が可能です。
そして、自分の実力から合格に必要な勉強時間を判断し、試験日までに必要な期間を計算します。
以下、レベル別で必要とされる勉強時間一覧です。
レベル | 必要な勉強時間(目安) |
理数系の科目が苦手な人、初学者 | 約1,000〜1,200時間 |
電験三種取得者、実務経験はあるがしっかり対策したい人 | 約600時間 |
電験三種が簡単に取得できた人、実務経験が豊富な人 | 約400時間 |
※参考:合格のための勉強法|第二種電気主任技術者の講座案内ー短期間合格はSAT
初学者の場合、1年間以上の勉強が必要になる可能性が高いです。
また、中級レベルの方でも約9か月前からコツコツ勉強を進めていけば、無理のないスケジュールで受験勉強が継続できます。
なお、電験二種の一次試験には、科目別合格制度があります。
科目別合格制度とは、科目ごとに合否が決定される制度です。
合格した科目は、以降2年間の受験が免除されます。
つまり、1回の試験で4科目合格できなくても、3年以内に4科目合格すれば二次試験の受験資格が得られます。
各試験で2科目ずつ合格し、2年間で一次試験に合格するという方法で取得を目指すことも可能です。
「合格には膨大な勉強時間が必要。だけど忙しい」という方は、年単位で学習計画を立てることも選択肢に入れましょう。
過去問を活用する
電験二種試験の勉強には、過去問を活用しましょう。
過去問演習は、なるべく早い段階で始めることがおすすめです。
複数年の過去問を解くと、問題のパターンや出題傾向を把握することができます。
試験勉強において、問題形式や傾向を把握することは、合格への実力を身につけるためには大変重要です。
傾向を把握すれば、テキストなどを使った学習においてどの分野を重点的に勉強すればよいかの目安になります。
過去問演習を繰り返して問題形式に慣れておけば、試験本番に活かせる実践力にもなるでしょう。
また、過去問を解くと現在の自分の実力がどれくらいなのかを知ることができます。
自分の得意・不得意な分野を把握し、どの分野を中心に勉強するのかを決めて対策を進めていきましょう。
さらに「過去問を解く→間違った問題を復習する」ということを繰り返していけば、苦手の克服にも繋がります。
自分に合った教材を選ぶ
効率的に受験対策を行うためには、自分のレベルや学習スタイルに合ったテキストや問題集を選ぶことも重要です。
電験二種のテキスト・問題集は、書店などで多くの種類が販売されています。
初学者用や専門性の高いものなど、教材によってレベルが異なるため、自分の実力に合ったテキストを選ぶようにしましょう。
また、テキストには文章が中心のものや、色彩豊かなもの、絵や図がメインのものなど、それぞれ特徴があります。
自分が見て理解しやすい、読み進めやすいテキストを選ぶと、スムーズに学習が進むでしょう。
効率的に勉強したい、スキマ時間を活用して対策したいという方は、予備校や通信講座の活用がおすすめです。
予備校や通信講座を利用すれば、合格を目指せるカリキュラムが整えられており、テキストや問題集を自分で探す手間が省けます。
通学する時間が確保できない場合は、スマホだけで学習が進められる通信講座などを利用すると効率的に実力が身につくでしょう。
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本コラムでは、電験二種の試験難易度について解説しました。
電験二種試験は、電験三種よりも求められる知識が高度になり、難易度もかなり高くなります。
実務経験がある方もしっかり対策しなければ、合格に繋がらないでしょう。
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