はじめに

私が所属する株式会社GRIでは、Tableauを用いたデータ利活用の支援を行っています。

GRIでは日頃、講師とともに分析官もしており、講師プロフィルには、Tableauを用いた以下の業務を紹介したりしています。

可視化分析

お客さんのデータの特徴を表現した様々なプロットを作成し、それらを組み合わせたダッシュボードを制作する。ダッシュボードに関して、誰でも見やすく、操作しやすいように機能を設計する。具体的に …マウスでのクリック操作だけで、あらゆる角度からデータを俯瞰し、ビジネスに価値のある知見を抽出しやすいように機能を設計する。

これは主にTableau Desktop というソフトウェアを使って行います。

データコンサルテーション

お客さんと一緒にデータの活用の手段を議論し、そのプロセスを実現する。システムを構想からデータマートの設計、ダッシュボード作成、可視化分析の結果解釈まで幅広いタスクを含む。

スキルトランスファー・研修

ご要望がある場合は、先方が自らTableauを使って自社データを自由自在に操れるようになるまで、Tableauの使い方の基礎から高度な可視化技術まで、お客さんのデータを使って指導とサポートを行う。

データの前処理

ほとんどの場合、企業のシステムからダウロードした生データは、すぐに可視化分析に使えるready状態にはない。データに歯抜けがあったり、Tableauソフトウェアに入力するのに不適切な形状だったり、起こり得る問題は様々。Tableau Prep Builder というツールを用いて、大量なデータを見える化しながら、適切なデータ加工を検討し実行していく。

Tableauとは?

以上、ざっとTableauで行う業務をリストアップしました。

ところで、そもそもTableauは何?をよく聞かれます。ということで、今回は、Tableauで出来ることをわかりやすく説明していきたいと思います。

その前に、可視化とはなんでしょうか?

可視化とは、以下のように解説できると思います。

たくさんの数値を直感的に捉えること

Tableauとは、データを可視化する高機能BI(Business Intelligence; ビジネス・インテリジェンス)ツールです。では、BIとは何かというと、Business(ビジネス) の役に立つ Intelligence(知見)を引き出すことです。大量なデータを集めて一括管理し、多角的な分析を通じて、迅速・的確な経営判断とPDCAを支援くれるソフトウェアのことを指していることが多いです。BIツールを利用すれば、非専門家でもある程度自ら可視化分析する機能を備えています。

様々なBIツールがある中、選定のポイントは、「どの機能を重視しているか」「誰がどう使うのか」にあります。製品の性格をまず理解することが重要となります。参考として、以前執筆した以下の記事をご覧になってください。

https://gri.jp/media/entry/487

いよいよ …本題の「Tableau とは何か」ですね。Tableauは、可視化分析ツールの1種で、ダッシュボードを作るのに使用することができます。ただし、Tableauを使う最終目標はダッシュボードの作成ではなく、作成・閲覧の過程の中でデータをより深く理解することです

さらに、その特徴をいうと

1.誰でも使いやすい・学びやすい :使いやすく、それでいて多様な機能を提供するインターフェイス を特徴としています。「セルフサービスBI」をコンセプトに、ドラッグアンドドロップ操作やマウスクリック操作で大抵の事が行えて、どなたでも自分の手でデータの参照や分析を行い、行動に繋げられます。もちろん、中・上級者向けに、計算式、パラメータ、フィルタ、アクションを活用すると、高度な機能の実装も可能です。

2.インパクトのある可視化・分析:優れたデータ表現力、直感的な操作性、豊富な機能を生かして、使用する側も見る側もインサイトを得られやすくなります。同じデータでも説得力が向上させることができますね。

3.「ビジュアル分析のゴールドスタンダード」 ➡︎ BIツールの中で圧倒的に知名度があるからこそ、 Tableauを用いた技術・サービス、データ分析基盤もは売れやすく、注目されやすくなります。

4. ユーザコミュニティーが大きい :オンライン・チュートリアル、カンファレンス系が多く、検索する習慣を身につけばスキルアップしやすいツールです。

参考:https://www.tableau.com/ja-jp/products/desktop

参考:https://gri.jp/service/tableau

Tableauを用いた可視化分析の例

例1:購買分析

商品A購入者は商品B購入者に比べて、XXXカテゴリへの関心が高い

https://public.tableau.com/profile/griinc6648#!/vizhome/__15792251387220/sheet0

例2:サイトアクセス状況の把握

ウェブアクセスデータ(GA)と売上・商談ログを結びついてから可視化。

従来Excelで都度手作業していた月次レポートを、現状把握用のKPIダッシュボードで置き換えた例です。

https://public.tableau.com/profile/griinc6648#!/vizhome/12296/sheet0

例3:アニメ人気ランキング

このように、動画の埋め込みも可能です。

https://public.tableau.com/profile/griinc6648#!/vizhome/2019_15610874617330/2019

以上、具体例をもって、Tableauでどんなことをしているのかを紹介しました。

GRIでは、Tableauの基礎レベルから実データを用いた導入支援まで、様々な粒度での研修を行っております。需要のある方はお気軽に以下までお問い合わせください。

GRI講座事務局:training@gri.jp

次回の投稿では、データを俯瞰しながらデータの前処理の様々な操作が可能である、Tableau Prep Builder について紹介します。

この記事の著者 ヤン ジャクリン

ヤン ジャクリン (講師紹介はこちら

2015年 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 修了(理学博士)
2015年 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所(博士研究員)
2017年 株式会社GRI(現職) 講師 兼 分析官
2019年 Tableau Desktop Certified Associate 資格取得

・英検1級
・TOEFL IBT試験満点

北京生まれ、米国東海岸出身(米国籍)、小学高学年より茨城県育ち。

万物の質量の源となるヒッグス粒子の性質を解明し、加速器実験による新粒子発見に関する研究を行い、国際・国内学会発表20件以上、査読論文5件以上。
10年以上に渡り、幅広い年齢層の学習指導を学習塾や大学などで実施(5科目、英会話、受験指導、素粒子物理など)。
現在は、株式会社GRIにて、データ分析官(データ前処理、可視化分析、マーケティング施策の分析 他)
公開講座および法人研修を多数開設。

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