今では、データ分析官、データコンサルなどの専門家だけではなく、幅広い職業分野において、ビジネススキル・基本教養の1つとしてデータリテラシーが求められています

個人だけではなく、経営層および社員一人ひとりのデータリテラシーの高さが企業組織のデータドリブン文化の成功、ならびに企業価値を左右します。IT部門やデータセンターに所属する社員だけではなく、データと少しでも接触がある人は、データをもとに正しい判断をできることが重要です。近年、企業内や部署内のデータリテラシーのレベルを引き上げるために、すべての社員にデータサイエンス研修の受講を推奨する動きが出ています。

本記事では、データリテラシーに必要な能力、データリテラシーがもたらすメリットを解説します。

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データリテラシーに含まれる要素

データリテラシーは広義的に、データから価値のある情報を抽出し活用する能力と捉えることができます。以下のようなことを実行するスキルを持つことと解釈することができます。

  • データを的確に理解する(可視化、探索、洞察、パターンなど)
  • データに潜在しうる問題を発見し、それを解決するためのデータ処理技術
  • 分析に必要なデータを洗い出す
  • 使えるデータと使えないデータの判別(データの質、権限、プライバシー)
  • 分析の手がかりとなる特徴量を見出す
  • 適切な手法を用いてデータを分析する
  • データからインサイト(価値のある情報)を抽出する
  • 分析の結果をわかりやすく、正しく説明する

データリテラシーを持つと何が嬉しい?

データリテラシーは、業務に様々なメリットをもたらします。

  • データから得られる客観的な根拠に基づいたて、課題と目標の設定、意思決定ができる
  • 論理的思考に基づいたPDCAサイクルにしたがってプロジェクトを進められる
  • データから得られた知見をビジネスや社会貢献に活用できる

データが行動の論理的な裏付けになります。行動を打ち出すためには、その行動を選択すべき理由を説明しなければいけません。「経験則」や「勘」のような曖昧なものに比べて、データに基づいて論理的に、客観的に説明できると、説得力が圧倒的に上がり、信頼性のある決断ができるようになります。

また、データを根拠とした判断や施策は、無駄なコストを減らし、生産性を向上させることが期待できます。そのため、社内に蓄積されるデータ(例えば、売上の履歴)がどのように活用されているのかを具体的に把握し、日常の業務の中で意識することが重要です。

(例)データを分析し、注目の自社商品がどの顧客層に一番アピールするのかを把握できるようになると、効果的な販促ルートの確立や同じ購入層の中での併売作戦を考案することができます。

(例)ウェブサイトへのアクセス解析を通じて、どのようなキーワードを含む記事に、どの時間帯にアクセスがどの程度集中するのかを分析できるようになると、アクセス数を伸ばすための施策につながります。

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この記事の著者 ヤン ジャクリン

ヤン ジャクリン

2015年 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 修了(理学博士)
2015年 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所(博士研究員)
2017年 株式会社GRI(現職) 講師 兼 分析官
2019年 Tableau Desktop Certified Associate 資格取得

・英検1級
・TOEFL IBT試験満点

北京生まれ、米国東海岸出身(米国籍)、小学高学年より茨城県育ち。

万物の質量の源となるヒッグス粒子の性質を解明し、加速器実験による新粒子発見に関する研究を行い、国際・国内学会発表20件以上、査読論文5件以上。
10年以上に渡り、幅広い年齢層の学習指導を学習塾や大学などで実施(5科目、英会話、受験指導、素粒子物理など)。
現在は、株式会社GRIにて、データ分析官(データ前処理、可視化分析、マーケティング施策の分析 他)
公開講座および法人研修を多数開設。

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