データサイエンス数学ストラテジスト(上級)の前半の問題は、大学レベルの数学の中でも特に計算量の多い、解くのにひとコツ必要なものが多いですね。その中から、解法自体はさほど難易度が高くはないものの、計算を工夫しないと正しく正解にたどりつけられない問37を解説します!

先に言いますと、解答は公式問題集で与えられたものとは異なりました。

私自身は実は、高度なアルゴリズムを操ることも図形(特に空間図形!)がとても好きとはいえません。その代わりに、微積分の計算(乱雑であればあるほどアドレナリンが湧いてきます)その他ゴリゴリ計算するタイプの問題が好きです。高校生の時は、クラスメイトと昼休みに因数分解の大会をやっていたほどです。本当に好き嫌いは性格そのものを反映しますね。

さて、今回は2パターンの計算法を示します。2通りでやって答えを検証したかったのと、相性のよいやり方は人ぞれぞれだからです。

自宅では、私は解法1で解いた→夫は解法2で解いた→私も解法2で解いて実感してみた、という流れで二人で認め合いました(笑)

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問題37はどんな感じ?

出典:データサイエンス数学ストラテジスト(上級)公式問題集 (日経BP)

ここでは、以下の式のマクローリン展開における x4 の係数を求めたいわけです。

マクローリン展開とは簡単にいうと、テイラー展開のx=0としたバージョンであり、の公式は以下の通りです。

よって、求めたい、x4 の係数は f(4)(0)/4! です。

f(4)(0) はf(x) をxで4回微分した後にx=0とした値であり、分母の4! は「4の階乗」つまり、4!= 4・3・2・1 = 24 です。

解法1: ややスマートな置き換えをしようとした(果たして楽になったかどうかは…)

1回目の微分f'(x) までは真面目にやって、その結果をf(x) で表現し直したのがポイントです。この結果をさらに残りの計算に適用し、残り一連の計算を常に結果をf(x)で表そうとします。

ただ、今回の計算量では、この置き換えテクニックの有り難さを十分に感じることができていないかもしれません。とはいえ、知っておくとよいテクニックです。

このプロセスの中で、f(x) をあたかも変数のように扱っているので、実際f(x)をその都度微分することを忘れないように注意しましょう。

f(4)(x) まできたら、あとは0をあらゆる場所にあるxに代入し、一気に結果を簡略化します。ここでも計算間違い(特に符号)が発生しやすいので注意しましょう。

最終的に得られた答えは、x4 の係数は f(4)(0)/4! = -21/128 です。

解法2:真面目に「普通」に計算

ここでは、f'(x) をf(x) で置き換えるようなことをせずに、普通に見た目の数式のままで微分を繰り返していきます。

6行目のあたりで中括弧の中を展開すると、案外スッキリしましたね。

解法1と解法2は同じ答え、f(4)(0)/4! = -21/128 が得られました。

公式本の解答解説との違い

公式本の解答と解説を拝見させていただきました。pg87の解説で下から3行目でしょうか … おそらくそちらで微分の後半において、誤植ではないかと思われる箇所があります。そのため、与えられた選択肢1〜5の中に今回の回答 -21/128 がありませんでした。

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この記事の著者 ヤン ジャクリン

ヤン ジャクリン (講師紹介はこちら

2015年 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 修了(理学博士)
2015年 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所(博士研究員)
2017年 株式会社GRI(現職) 講師 兼 分析官
2019年 Tableau Desktop Certified Associate 資格取得

・英検1級
・TOEFL IBT試験満点

北京生まれ、米国東海岸出身(米国籍)、小学高学年より茨城県育ち。

万物の質量の源となるヒッグス粒子の性質を解明し、加速器実験による新粒子発見に関する研究を行い、国際・国内学会発表20件以上、査読論文5件以上。
10年以上に渡り、幅広い年齢層の学習指導を学習塾や大学などで実施(5科目、英会話、受験指導、素粒子物理など)。
現在は、株式会社GRIにて、データ分析官(データ前処理、可視化分析、マーケティング施策の分析 他)
公開講座および法人研修を多数開設。

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