社会の急激なIT化に伴い、需要が増し続けているプログラミングスキル。

興味はありつつも、プログラミングスクールに入学すべきか、とりあえず独学で始めるべきかと迷っている方も多いでしょう。

この記事では、プログラミングの学習方法について、スクール入学と独学双方のメリット・デメリットを詳しく解説します。

挫折することなく着実にステップアップするためにも、自分に合った方法を見つけましょう。

プログラミングはスクールと独学どっちを選ぶ？ メリット・デメリットを比較

	独学	スクール
メリット	・受講料がかからない ・自分のペースで学べる ・自己解決する力がつく	・効率よく学べる ・途中で挫折しにくい ・就職・転職支援などが受けられる
デメリット	・途中で挫折しやすい ・分からないことがすぐ解決できない ・学習に時間がかかる	・受講料がかかる ・途中で辞めると損する ・通学型は通うのが面倒

プログラミングを学習する上でスクールと独学、どちらにもメリット・デメリットはそれぞれにありますが、結論としておすすめしたいのはプログラミングスクールへの入学です。

受講料はある程度かかりますが、多くの受講生を育ててきたノウハウによって、挫折しにくく、効率のよい学習カリキュラムで学ぶことができます。

さらに、エンジニアとしての就職や転職を考えている人のために、就職・転職サポートに力を入れているスクールも少なくありません。

特に未経験の方の場合、業界の事情に精通したキャリアコンサルタントがポートフォリオや書類を添削、面接対策をしてくれるといった実践的なサポートは非常に役立つはずです。

プログラミングを独学で学ぶメリット・デメリットを比較して選ぶ

独学で学ぶメリット	・受講料がかからない ・自分のペースで学べる ・自己解決する力がつく
独学で学ぶデメリット	・途中で挫折しやすい ・分からないことがすぐ解決できない ・学習に時間がかかる

独学のメリット：受講料がかからない

独学でのプログラミング学習では、無料の教材を使用するのであれば、もちろん特別な受講料は発生しません。

プログラミングスクールの受講料はスクールやカリキュラム内容によっては100万円近くかかることもあります。

「最初にそこまでの自己投資はできない」という場合は、まずは独学から始めてみるのもいいでしょう。

ただし、どのようなスケジュールで学習を進めるか、どの教材を使用するかなどはすべて自分で決める必要があります。

学習本・学習サイト・YouTubeの解説動画など役立つ情報はあらゆるところに存在しますが、特にまったくの初学者の場合は、自分の学習レベルに適した教材の選定はかなり難しいものとなるでしょう。

独学のメリット：自分のペースで学べる

自分のペースでプログラミング学習を進められるのは独学のメリットです。

受講スケジュールやカリキュラムが決められていないため、生活の多忙度に合わせて自分で学習ペースを調整することが可能です。

「今週は忙しいから勉強は来週に回そう」「今日は余裕があるから少し長めにやろう」など、無理なく勉強を進めることができます。

しかし、自分のペースで確実に目標を達成するには、ゴールを明確にした学習計画と柔軟な管理能力、強い意志、継続力などが必要です。

誰にも注意されないからと学習がどんどん後回しになり、気づけば時間ばかりが経っていた……ということになりかねない点は注意しなければならないでしょう。

独学のメリット：自己解決する力がつく

独学ではプログラミング学習中に発生した不明点を自力で解決する必要があるため、問題を自己解決する力が鍛えられます。

粘り強く疑問点と向き合うことで活きた知識が身につくだけでなく、「自分で解決した」という自信にもなるでしょう。

ただし、「自己解決」で得た知識は正攻法以外の解決策や、遠回りな解決方法になっている可能性があることには注意が必要です。

また、学習レベルが低い状態では「なぜこの方法で解決できたのか」まで理解が深まらないまま、再現性の低い知識になる恐れもあります。

「個人で使う分にはいいけれど、実際の現場では使い物にならなかった」という結果に終わらないようにしましょう。

独学のデメリット：途中で挫折しやすい

プログラミング学習の途中で挫折しやすいことは、独学の大きなデメリットのひとつです。

自分自身で学習スケジュールを管理する必要がある・疑問点の解決が難しい・同じ境遇で学習する仲間が身近にいないなど、モチベーションが続きにくい要因はたくさんあります。

さらに、お金があまりかからない点も、実はネックになる人もいます。

初期費用が教材代程度に収まってしまうことで、成果が得られなくても「まあいいか」と投げ出してしまいやすくなるという側面があることも注意しましょう。

独学のデメリット：分からないことがすぐ解決できない

独学では、プログラミング学習中に疑問点が出てきてもすぐに解決できないというデメリットがあります。

プログラミングスクールであれば専任の講師やメンターにすぐ質問できるところを、独学の場合は原因の調査や検索を駆使して解決方法を自力で見つけなければなりません。

特に、学習レベルが浅い段階では疑問点を追っているうちに「何がわからないのかわからない」という状況に陥り、それ以上学習が進まなくなる恐れもあります。

解決策が独りよがりなものになり、自分でも気づかないうちに誤った知識を定着してしまわないように注意しましょう。

独学のデメリット：学習に時間がかかる

独学は学習方法が遠回りなものになり、結果的にスクールに通うより時間がかかることがあります。

独学であればテキストの章を飛ばして好きなところから学び始めることもできますが、結局は前段階の知識が必要だった……といった、非効率な状況に陥る可能性もあるでしょう。

知識には、身につけるべき順番とレベルがあるものです。

現場で通用する知識をもっとも効率よく身につけるには、初心者が理解すべき段階から飛ばさずにしっかりと学習を進めるしかありません。

その点、初心者を想定したカリキュラムが用意されているプログラミングスクールは、効率よく学ぶという点で優れているといえます。

プログラミングスクールで学ぶメリット・デメリットを比較して選ぶ

スクールで学ぶメリット	・効率よく学べる ・途中で挫折しにくい ・就職・転職支援などが受けられる
スクールで学ぶデメリット	・受講料がかかる ・途中で辞めると損する ・通学型は通うのが面倒

スクールのメリット：効率よく学べる

効率よく学習を進められることは、スクールに入学する最大のメリットです。

スクールでは初心者を想定した学習カリキュラムが用意され、プログラミングが初めてという段階からでも効果的に知識を身につけられるように工夫されています。

「何から学習を始めればいいか」に悩む必要がないため、余計なリソースを使うことなくプログラミング学習に集中できる点もスクールならでは。

ひとつの単元を修了するごとに、着実に知識が深まっていることを実感でき、モチベーションが維持しやすいというメリットもあります。

スクールのメリット：途中で挫折しにくい

スクール学習には途中で挫折しにくいというメリットもあります。

プログラミング学習で挫折してしまう大きな理由が「わからないことを放置したことによるモチベーション低下」です。

このプログラミング学習においてネックとなりやすい「疑問点の解消」も、スクールならいつでも質問できるチャットが開放されていたり専任の講師・メンターがついてくれたりと、つまずきを放置しない工夫が用意されています。

スクールによっては講師やメンターと定期的に面談を行い、学習の不安を相談できる制度が利用可能です。

プログラミングスクールはオンラインで実施されることも多くありますが、受講者をひとりにしない工夫によって挫折しにくい環境が整っているといえるでしょう。

スクールのメリット：就職・転職支援などが受けられる

就職・転職支援が受けられることも、スクールの大きなメリットです。

スクールによっては、履歴書や職務経歴書の添削だけでなく、面接の指導やポートフォリオの作成までサポートしてもらえます。

特に、未経験からスキルアップしてIT業界に入りたいと考えている方にとっては重要なサポート制度となるでしょう。

中には、IT業界専門の転職エージェントや人事経験者がキャリアコンサルタントとして在籍しているスクールもあります。

自分のレベルや経験にマッチする求人を紹介してもらうことで、内定獲得できる確率が高くなるはずです。

スクールのデメリット：受講料がかかる

最初に受講料がかかる点はスクールのデメリットです。

しかも、プログラミングスクールの受講料は場合によっては100万円を超えるほど高額になることもあります。

プログラミングは学習の途中で挫折してしまう方も多いため、「流行りのスキルだからなんとなく」と中途半端な気持ちで始めると後悔することにもなりかねません。

しかし、プログラミングスキルは社会のIT化に伴って需要が拡大しているだけでなく、スキルをしっかり身につければエンジニアやクリエイター、デザイナーなど、IT業界の花形職業に挑戦できる可能性があります。

IT業界で活躍したいという明確な目標を持って努力する気持ちが固まっているのなら、受講料に見合ったリターンが得られるでしょう。

スクールのデメリット：途中で辞めると損する

途中で辞めると損をするのはスクールのデメリットです。

最初にまとまった受講料が必要になるため、途中で挫折すると「払い損」のまま終わってしまいます。

スクールによってはリスキリングのための専門実践教育訓練給付金制度が適用され、通常よりも安く受講することができます。

しかし、教育訓練給付制度はカリキュラムを修了したあとで受講料の一部に相当する金額が給付されるという制度であるため、挫折した場合はお金は戻ってきません。

とはいえ、高い費用をかけると、その分のリターンを得たい、諦めたくないという心理がはたらくもの。

最初に高額な受講料を払うことで「やり遂げよう」という気持ちが生まれ、結果的に挫折しにくくなるという側面はあるでしょう。

スクールのデメリット：通学型は通うのが面倒

スクールのデメリットとして、通学型の場合は通う手間がかかるというものがあります。

特に、本業や学業の合間を縫って学習したいと考えている方にとっては通学が面倒に感じられるでしょう。

最近は完全オンラインで受講が可能なプログラミングスクールも増えています。

パソコンが一台あればいつでもどこでも受講が可能なため、在宅で学習したい場合はスクール選びの参考にするといいでしょう。

なお、通学型スクールは講師と同じ空間で授業が受けられるため、パソコンの操作に不安がある・疑問はその場ですぐに質問したいといった場合にはおすすめです。

プログラミングは独学が向いている人の特徴2選

• 独学でも問題ない主体性のある人
• すでに案件を受注できている人

プログラミング学習が独学でも十分な学習が可能な人には特徴があります。

例えば、特別なカリキュラムがなくても学習を深められる人や、すでにある程度知識がある人であれば、スクールで基礎から学ぶ必要性はそこまで高くないといえます。

独学でも問題ない主体性のある人

主体性のある人は、独学でも問題なくプログラミングを習得できる可能性が高いです。

初学者でも自分でしっかり計画を立てて取り組めるタイプの人や、自分のペースが守れないとモチベーションが維持できないタイプの人は、スクールのカリキュラムに頼らずとも問題ないでしょう。

さらに、すでにある程度プログラミングの知識を持っている人であれば、自分に合った教材を選んで必要な知識を集中的に身につける方が効率がよい場合もあります。

プログラミングスクールのカリキュラムは初心者を想定していることが多いため、せっかく入学しても「物足りない」と感じられる可能性もあるでしょう。

一方で、高度なスキルを効率よく習得したいという方は、スクールを検討してもよいかもしれません。

すでに案件を受注できている人

すでにWebデザインやアプリ開発などの案件を請け負っている場合は、独学でも問題ない可能性があります。

実際にクライアントを相手に実務経験を積んでいるのであれば、改めてスクールに通わなくても基礎知識は十分に身についているでしょう。

さらにスキルアップしたい場合も、自分で選んだ教材でピンポイントに知識を得た方が効率がいいかもしれません。

一方、プログラミングスクールは就職や転職のサポートが充実しています。

フリーランスから企業に就職したいといった場合は、スクールでポートフォリオの添削やキャリアアドバイザーにおすすめの求人を紹介してもらうという手もあります。

プログラミングスクールが向いている人の特徴6選

• 未経験で何から始めてよいか分からない人
• 独学で挫折した経験がある人
• 短期間で効率的に学習を進めたい人
• 困った時にすぐ解決できる環境がほしい人
• 未経験なので転職のサポートが必要な人
• 同じ目標を持った仲間がほしい人

プログラミングスクールに通った方は良い人には特徴があります。

特に、プログラミング初心者で学習サポートが必要な人や、業界未経験で就職や転職を支援してほしい人にスクール通学はおすすめです。

また、同じ目標に向かって頑張る仲間の存在も、モチベーションの維持に一役買ってくれます。

未経験で何から始めてよいか分からない人

プログラミング未経験で何から始めるべきか分からない人は、スクールが向いています。

プログラミングスクールでは初心者を想定したカリキュラムが組まれていることが多く、知識が全くない段階からでも基礎からしっかり学習できます。

スクールでは必要な学習教材を用意してもらえるだけでなく、専任のメンターがレベルに合わせた学習計画を一緒に作成してくれるなどのサポートもあります。

学習レベルを客観的に見ながら伴走してくれる人がいることで、初心者でも無理なく知識を深められるでしょう。

独学で挫折した経験がある人

独学で挫折した経験がある人には、スクールがおすすめです。

計画的に学習できなかった・疑問点が解決できなかった・どこから始めたらいいか分からなかったなど、独学には挫折しやすいポイントがたくさんあります。

プログラミングスクールは受講者が挫折しやすいポイントを熟知しているため、最後まで諦めずにスキルアップできるようカリキュラムや制度が工夫されています。

現役のエンジニアが専任のメンターになってくれる・疑問点をすぐ質問できるシステムが実装されているなどスクールの特徴はさまざまです。

いずれも独学で挫折してしまった方が欲しかったであろうサポートが、スクールでは用意されています。

短期間で効率的に学習を進めたい人

短期間で効率的に学習を進めたい人には、スクールが向いています。

多くの受講生を育成してきたカリキュラムによって、初心者でもプログラミングの基礎から応用までを効率よく身につけることができるでしょう。

スクールのカリキュラムは、必要な学習を短時間で学習できるように十分に効率化されています。

「仕事が忙しくてまとまった時間が取れないから…」と入学を躊躇っている人にこそ、スクールはおすすめの選択肢です。

困ったときにすぐ解決できる環境がほしい人

困った時にすぐ解決できる環境で学習したい人には、スクールがおすすめです。

プログラミング学習の過程では、プログラムが思った通りに動作しない・デザインがうまく反映されない・どう記述すればよいかわからないといったトラブルはつきもの。

スクールであれば、一人で数日悩んでいたエラーが、講師に聞けば数分で解決することもあります。

このように疑問点をすぐ解決できる環境が整っているため、ひとつの疑問に時間を取られすぎず学習を進めることができます。

「なぜこの解決策が必要か」「なぜこの記述でこの挙動になるか」など、講師の解説によって疑問点から理解を深められるのもスクールのメリットです。

未経験なので転職のサポートが必要な人

IT業界が未経験で、就職・転職にサポートが必要な人はスクールに向いています。

多くのスクールが就職や転職サポートに力を入れており、身につけたスキルを実際の現場で活かせるように支援してくれます。

求人の選定から履歴書・職務経歴書の添削、模擬面接など、採用試験を突破するための支援が用意されているスクールは多いです。

中には、カリキュラムの中で実際にサイトやアプリを作成し、「開発実績」が作れるスクールもあります。

未経験の場合ネックとなる実務経験やポートフォリオもしっかりカバーしてくれるのが嬉しいポイントです。

実際にどのようなスキルを持っているかを積極的にアピールできるようになるため、自信を持って採用試験に臨めるようになるでしょう。

同じ目標を持った仲間がほしい人

同じ目標を持った仲間がほしい人には、スクールが向いています。

似た境遇・同じ業界に向かって一緒に頑張れる仲間が身近にいることは、モチベーション維持の重要な要素です。

学習につまずいて諦めたくなった時でも、仲間同士で励まし合うことで挫折を思いとどまれる可能性もあるでしょう。

同じ教室に通学するスクールはもちろん、オンラインスクールの場合も受講生同士で交流できる掲示板などが用意されていることが多く、卒業後も意見交換などに利用されるケースもあります。

同じ業界を目指す仲間同士であるため、長く続く人脈作りという意味もあるといえるでしょう。

まとめ

この記事では、スクール・独学それぞれにおけるプログラミング学習のメリットとデメリットを以下の内容で解説しました。

• スクール学習は受講料がかかるが、効率化されたカリキュラムで挫折せず学習できるよう工夫されている。就職・転職支援が充実しているため、未経験の初心者には特におすすめ。
• 独学は教材代のみで始められるが、疑問の解決が難しいなどの理由で挫折しやすい。身につく知識に偏りが出る恐れもある。ある程度知識がある・すでに案件を受注できる実力があるなど、中〜上級者向けの学習方法。

スクールと独学の双方にメリット・デメリットはありますが、知識のない状態から始めるのであればスクールが断然おすすめです。

多くの受講生を育ててきた洗練されたカリキュラムによって、基礎からしっかり知識を身につけられるでしょう。

一方、すでにある程度知識を備えている場合や、とりあえず少しだけプログラミングに触れてみたいという場合は独学でもいいでしょう。

教材に触れてみて、「おもしろい」「続けられそう」と思えたら改めてスクールを検討してみてください。

短期間で効率よく確実なスキルアップができるだけでなく、同じ境遇の仲間にたくさん出会えるはずです。