データサイエンティストは、ビッグデータをはじめとしたさまざまなデータを集めて分析し、企業の課題解決、戦略、意思決定につなげていく職種です。

データサイエンティストになるためには数学の知識が必要と言われていますが、

数学が苦手な方は、データサイエンティストになるのが難しいのでしょうか。

本コラムでは、そんな方のために数学が苦手でもデータサイエンティストになれるのか解説します。

また、数学が苦手でもデータサイエンスを学ぶ方法や、データサイエンスに必要な数学のレベルや範囲も解説しているので参考にしてください。

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数学が苦手でもデータサイエンティストになれる?

結論から言うと、数学が苦手でもデータサイエンティストになることは可能です。

ただし、データサイエンティストになるためには数学の知識が必須です。

「データサイエンスに数学がいらない」ということは決してありません。

現時点で数学が苦手であること自体は何の問題もありませんが、これから数学を勉強して苦手を克服する意欲や、データサイエンティストになった後も継続して数学を学び続ける姿勢が求められます。

もし、データサイエンティストに転職したらもう数学を勉強したくないと思う方や、数式を見るのが苦痛だと感じる方は、そもそもデータサイエンティストには向いていないかもしれません。

データサイエンスに数学が必須な理由

最近では、文系出身の方がデータサイエンティストに転職したり、文系大学でデータサイエンス学部を新設する大学も増えています。

そのため、「数学は、いらない」と考える人も多いようです。

前章でも説明したようにデータサイエンティストにとって、数学は必須の学問です。

なぜ、データサイエンティストは数学の知識が必須なのでしょうか?

その理由は、数学はデータサイエンスの基盤ともいえる重要な学問だからです。

数学の知識がなければ、データの性質や仕組みを正しく理解することができません。

数学を理解していないことが原因で、モデルの精度を上げられなかったり、正確な分析結果を出せなかったりする可能性もあります。

また、ツールを使ってデータを抽出することができたとしても、その結果を的確に説明することができません。

したがって、数学の知識がない状態ですと、データサイエンティストとして活躍することが難しくなります。

もちろん、データサイエンスに必要な数学をすべて理解する必要はありませんが、最低限、高校レベルの数学(数Ⅲまで)や統計学の基礎は押さえておくべきです。

数学が苦手でもデータサイエンスを学ぶ方法

数学が苦手であってもデータサイエンスを学ぶ方法・ポイントを紹介します。

  • 数学を学ぶ理由や目標を明確にする
  • データサイエンスの全体像を理解する
  • データサイエンスに必要な分野に学習を絞る
  • 苦手な分野は高校数学から学び直す
  • 実際にデータ分析して数学を活用する

数学を学ぶ理由や目標を明確にする

このコラムをご覧いただいているということは、数学は苦手だけれどもデータサイエンティストになりたい方だと思います。

なぜデータサイエンティストになりたいのか、改めて考えてみましょう。

目標が明確になることで、数学が苦手という障壁があったとしても、乗り越えられる可能性が高くなるはずです。

もし、苦手というだけで諦めてしまうようであれば、そもそもデータサイエンティストになりたいという想いがそれほどなかったのかもしれません。

データサイエンスの全体像を理解する

数学を学ぶ前にデータサイエンスの全体像を理解しておくのがおすすめです。

データサイエンスでどのように数学が活用されるのか知らずに学習を進めると、学習の優先順位がつけられず、数学が苦手な方は高確率で挫折します。

データサイエンティストを目指す上で、数学を学んでいけそうか判断するためにも、

まずはどのように数学が活用されるのか全体像を理解しておきましょう。

データサイエンスに必要な分野に学習を絞る

後述しますが、データサイエンスに必要な数学の範囲はある程度限られています。

具体的には、「確率・統計」「線形代数」「微分積分」の分野です。

特に「確率・統計」の分野は、基本的なデータ分析から必要になりますので、優先的に学習を進めましょう。

数学の全範囲を学び直そうとするのではなく、データサイエンスに必要な分野に絞って学習を進めるのがおすすめです。

苦手な分野は高校数学から学び直す

数学が苦手な方や、大学受験以降数学から離れて忘れてしまった方には、高校数学の範囲からやり直すことをおすすめします。

なぜなら、「確率・統計」「線形代数」「微分積分」など、いずれも高校数学の知識が基礎となっているためです。

高校数学のレベルがしっかりと身についていれば、これらの分野を効率的に学習でき、理解もスムーズに進むでしょう。

ただし、高校数学を一通り学び直すのは時間がかかるため、「確率・統計」「線形代数」「微分積分」でつまずいた部分があれば、その都度高校数学に戻って学習する方法がおすすめです。

実際にデータ分析して数学を活用する

実際にデータ分析をする中で、数学(統計学)の知識を活用してみましょう。

学んだ数学がどのように活用できるのか体感することで、苦手な数学でも面白く感じるようになりますし、理解も深まります。

データサイエンスで必要な数学の分野と必要レベル

データ分析をするうえで特に学んでおきたい数学の分野は、「確率・統計」「線形代数」「微分積分」です。

そして、いずれも大学教養課程レベルの知識が必要になります。

確率・統計

データサイエンスにおいて、確率・統計の知識は不可欠です。

確率は、膨大なデータの中で、特定の事象が発生する割合を数値で示すことができ、統計を活用することで、データの性質を把握したり分類したりすることが可能になります。

統計学では、平均、分散、標準偏差、中央値などを用いてデータを要約・整理する「記述統計学」や、仮説検定、信頼区間、回帰分析などを使って

標本データから母集団の特性を推測する「推測統計学」を学ぶ必要があります。

また、確率論では、ベイズの定理、確率分布、期待値などを用いて、不確実な事象の発生確率を分析する理論を学びます。

これらの知識は、大学1年~2年レベルの確率・統計の内容がベースとなっています。

線形代数

線形代数学は、行列やベクトル空間の性質を研究する学問です。線形代数を活用することで、膨大なデータを分析しやすい形に変換することができます。

具体的には、行列演算、逆行列、固有値・固有ベクトルなどを使ってデータの表現や変換を行う「行列とベクトル」について学ぶ必要があります。

これらの内容は、大学1年~2年レベルの線形代数の知識が求められます。

微分積分

微分積分は、データ分析において、変化の速度や累積的な影響を理解し、最適な結果を得るために欠かせない学問です。

微分では、偏微分や勾配降下法を用いて変化率や傾きを計算する手法を学びます。

積分では、面積や体積の計算、確率分布の積分を通じて、データの累積量を計算する手法を学ぶ必要があります。

これらの知識は、大学1年レベルの微分積分が基礎となります。

まとめ

本コラムでは、そんな方のために数学が苦手でもデータサイエンティストになれるのか解説しました。

データサイエンティストになるためには数学が必須ですが、現時点で苦手意識を持っていたとしても、これから克服していこうと意識して学習を進めれば問題ありません。

ただ、データサイエンティストとして学ぶ範囲は数学以外にも多岐にわたるので、目的意識を持って効率よく学習していくのがおすすめです。

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