統計検定とは、統計に関する知識や技能を評価する検定試験です。

統計検定には「4級、3級、2級、準1級、1級、統計調査士、専門統計調査士、データサイエンス (DS) 基礎、データサイエンス (DS) 発展、データサイエンス (DS) エキスパート」の10区分があり、あらゆるレベルのニーズに対応しています。

この記事ではそれぞれの区分について、試験の概要とどういった特徴があるのか、パターンごとにどの検定を受験するのがおすすめかを紹介します。

統計検定とは?

統計検定とは、一般財団法人である統計質保証推進協会が実施している検定です。

統計学とは、一言で説明すると「データを解析し、そのデータがどのようなものかを説明する手法」です。

マーケティングなどの情報調査に用いられるほか、近年注目されているデータサイエンスや、AIを使った分析でも根幹となる知識になります。

企業でも、年々取り扱うデータのスケールが大きくなっていることから、データに基づいた論理的な意思決定はますます重要となっています。

統計検定は、そんな統計についての知識を認定する資格です。

  • 統計検定4級
  • 統計検定3級
  • 統計検定2級
  • 統計検定準1級
  • 統計検定1級
  • 統計調査士
  • 専門統計調査士
  • データサイエンス (DS) 基礎
  • データサイエンス (DS) 発展
  • データサイエンス (DS) エキスパート

の10区分があり、あらゆるレベルに対応しています。

レベルによって、データの正しい読み取り方から実際の業務への活用、より先進的な解析の知識までをカバーする内容となっています。

ですので、データサイエンティストを目指す人をはじめ、データを取り扱うことのある人には非常に有意義な資格といえるでしょう。

統計検定は、いずれの難易度も受験資格が設けられていません。

学歴や実務経験に関わらず、誰でも、どのレベルからでも受験することができるので、自分に合った難易度から受験を目指すと良いでしょう。

統計検定1級以外は、2022年から紙媒体の試験 (PBT) が廃止され、全てCBT方式となりました。

任意の時間と会場を選んでの受験ができるため非常に便利ですが、受験料がCBTと旧来のPBTでは異なるので注意が必要です。

続いて、それぞれの資格の詳細な試験内容について紹介します。

統計検定4級

資格 統計検定4級
受験方法 CBT
試験日 任意
受験料 税込5,000円(一般)
税込3,500円(学割)
科目 ・統計的問題解決の方法
・データの収集統計グラフ
・データの集計データの代表値
・分布の散らばりの尺度とグラフ表現
・クロス集計表
・時系列データの基本的な見方
・確率の基礎
出題形式 4~5肢選択問題
問題数 30問程度
試験時間 60分
合格点 100点満点で70 点以上
受験資格 なし
試験内容 中学程度のデータや表・グラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中での活用力

4級は、統計検定の中でも最も難易度が低い入門者向けの資格です。

所持していることにより、データと表やグラフ、確率についての基礎知識と、それらの具体的な活用法を身につけていることの証明となります。

難しい数学の内容は含まれないので、文系出身者や高校生など、これからデータ活用について学び始めたい人の最初のステップにおすすめです。

統計検定3級

資格統計検定3級
受験方法CBT
試験日任意
受験料税込6,000円(一般)
税込4,000円(学割)
科目4級の内容+
・データの種類
・標本調査と実験
・統計グラフとデータの集計
・時系列データ・データの散らばりの指標
・データの散らばりのグラフ表現
・相関と回帰
・確率
・確率分布
・統計的な推測
出題形式4~5肢選択問題
問題数30問程度
試験時間60分
合格点100点満点で70 点以上
受験資格なし
試験内容高校程度のデータ分析の重要な概念や、身近な問題に活かす力

3級では、短時間で正確にグラフや図の内容を理解することが求められます

学習の過程でデータを読み解く上で重要なリテラシーを身につけられるため、初学者もまずはこの級の取得を目標にすると良いと思います。

使われる数学は高校数学 (ⅠA、ⅡB) レベルです。

順列、組合せ、偏差が中心となるので、それらの内容を押さえておきましょう。

統計検定2級

資格 統計検定2級
受験方法 CBT
試験日 任意
受験料 税込7,000円(一般)
税込5,000円(学割)
科目 3級の内容+
・1変数データ
・2変数以上のデータ
・推測のためのデータ収集法確率確率分布
・標本分布
・推定
・仮説検定
・カイ二乗検定
・線形モデル
出題形式 4~5肢選択問題
問題数 35問程度
試験時間 90分
合格点 100点満点で70 点以上
受験資格 なし
試験内容 大学基礎課程(1・2年次学部共通)程度問題を発見し、解決のために収集したデータをもとに、仮説構築と検証を行える統計力新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力について出題

一般的に「仕事で使える」と言われるレベルはこの2級からと言われています。

転職や、業務での活用を考えている人は、まずは2級の取得を目標にするといいでしょう。

本格的に機械学習やデータ分析を行う場合、統計検定2級で学習する範囲は必要不可欠とも言える知識となっています。

難易度も4級、3級より一段上がったものとなっており、大学教養レベルの数学知識が必要となってきます。

数学にブランクがある人はハードルが高く感じるかもしれませんが、各種数式がどのような時に使われるのか、その計算結果で何がわかるのかを意識して学習すると理解が深まります。

統計検定準1級

資格 統計検定準1級
受験方法 CBT
試験日 任意
受験料 税込8,000円(一般)
税込6,000円(学割)
科目 ・確率と確率変数
・種々の確率分布
・統計的推測(推測)
・統計的推測(検定)
・マルコフ連鎖と確立過程の基礎
・回帰分析
・分散分析と実験計画法
・標本調査法
・多変量解析
・時系列解析
・分割表
・欠測値
・モデル選択
・ベイズ法
・シミュレーション、計算多用手法
出題形式 5肢選択問題、数値入力問題
問題数 25問~30問
試験時間 120分
合格点 100点満点で60 点以上
受験資格 なし
試験内容 2級までの基礎知識をもとに、実社会の様々な問題に対して適切な統計学の諸手法を応用できる

統計検定準1級は、CBTで受験ができる中で一番高い難易度の資格となっています。

範囲は非常に広く、統計全般の知識を問われる試験です。

2級から準1級で難易度が大きく上がっており、2級までの知識は完璧に理解した上で、さらに数式の記述レベルでの深い知識を身につける必要があります。

統計検定1級

資格 統計検定1級
(統計数理)
統計検定1級
(統計応用)
受験方法 各試験会場での論述形式
  11月
(申込は例年9月〜10月)
受験料 税込10,000円
一方のみ受験の場合は 税込6,000円
科目 ・確率と確率変数
・種々の確率分布
・統計的推測(推定)
・統計的推測(検定)
・データ解析法の考え方と各種分析手法
・共通した事項+下記の4分野から申込時に1分野を選択
・社会科学
・人文科学
・理工学
・医薬生物学
出題形式 論述式
問題数 5問から3問選択
試験時間 90分(午前) 90分(午後)
合格点 非公開
受験資格 なし
試験内容 大学専門課程(3・4年次)レベル
統計学を支える数理的な理解を問う
大学専門課程(3・4年次)レベル
統計学を実問題に活用する際に考慮すべき事柄に関する理解を問う

1級は「統計数理」と「統計応用」という2つの試験が実施されるのが特徴です。

それぞれ個別に合否が認定され、2つの合格証によって「統計検定1級」の資格を得ることができます。

合格の有効期間は 10 年間なので、その間にそれぞれの試験に合格する必要があります。

また、1級のみ試験の形式が論述形式になっています。

受験日程も年に1回とチャンスが限られているため、計画的に試験の準備を進める必要があります。

点数は非公開となっており、合格ならS、 A、またはランク無し、不合格なら不合格者上位何10%、という形でレポートが送付されます。

統計検定1級は知名度も非常に高く、統計学の能力を証明する上で申し分ない資格です。

統計学を業務に活かす方は、最終的にこの資格の取得を目指すことになると思います。

統計調査士

資格統計調査士
受験方法CBT
試験日任意
受験料税込7,000円(一般)
税込5,000円(学割)
科目・統計の基本
・統計調査の実際
・公的統計の見方と利用
出題形式5肢選択問題
問題数30問程度
試験時間60分
合格点100点満点で70 点以上
受験資格なし
試験内容3級合格程度の基礎知識に加えて、社会人に求められる公的統計の理解とその活用力

統計調査士は、公的統計に関する正確な知識とそれを適切に活用する能力を認定する資格です。

マーケティングや適切なデータの見せ方など、統計学を実際のビジネスに活かす視点の内容となっています。

数学的な難易度は低めで、統計検定3級と同等となっています。

試験に数式があまり出てこないのも統計調査士試験の特徴で、「数学に苦手意識があるけれど、統計に関する資格を取得してみたい」といった場合にも、統計調査士はおすすめの資格です。

専門統計調査士

資格 専門統計調査士
受験方法 CBT
試験日 任意
受験料 税込10,000円(一般)
税込8,000円(学割)
科目 ・調査の企画・運営
・調査の実施と指導
・調査データの利活用の手法
出題形式 5肢選択問題
問題数 40問程度
試験時間 90分
合格点 100点満点で65 点以上
受験資格 なし
試験内容 2級合格程度の専門知識に加えて、社会・経済で広く利用される統計や各種の調査データの作成過程、および利用上の留意点などに関する総合的な知識

前述した統計調査士の上位資格です。

専門統計調査士の資格を取得することにより、「調査の企画から実施、結果の解釈までを通した専門的な知識を有している」ことを客観的に証明できます。

マーケティングなどの公的統計や独自の調査データを活用する業務において、その能力をアピールすることができる資格です。

注意が必要なのが、「専門統計調査士」の認定証発行の条件です。

受験には制限がありませんが、認定証を得るためには上位資格である「専門統計調査士」のみではなく、下位資格である「統計調査士」の資格をあわせて取得する必要があります。

合格の有効期限は5年間なので、その間に忘れずに統計調査士を取得するようにしましょう。

データサイエンス (DS) 基礎

資格DS基礎
受験方法CBT
試験日任意
受験料税込7,000円(一般)
税込5,000円(学割)
科目・データベース・データマネジメント
・データの可視化
・質的データの分析
・量的データの分析
・確率による意思決定
・時系列データの分析
・テキストマイニング
出題形式多肢選択、数値・文字入力
問題数45問程度
試験時間90分
合格点100点満点で60点以上
受験資格なし
試験内容大学入試レベルAI・デジタル社会の共通スキル「データサイエンス基礎」力を評価

統計検定のDS基礎は、2021年から試験が開始された新設の資格です。

近年注目度の高まっているデータサイエンスについて、その基礎となる統計の部分を中心に能力を証明することができます。

ExcelやPythonなどのスキルも問われるのが特徴で、DS基礎ではピボットテーブルや各種関数 (AVERAGE, VARなど) といったExcel操作の知識が必要です。

データサイエンスの技能と思考力を評価する試験の中では最も難易度が低いため、データ分析の初学者にもおすすめの資格です。

関連記事:データサイエンス基礎(DS基礎)とは?基本情報・試験内容、難易度、勉強法まで紹介!

データサイエンス (DS) 発展

資格DS発展
受験方法CBT
試験日任意
受験料税込6,000円(一般)
税込4,000円(学割)
科目・社会におけるデータ、AI 利活用
・データ、AI 利活用における留意事項
・数理基礎
・デジタル情報とコンピュータの仕組み
・アルゴリズム基礎
・データ構造とプログラミング基礎
・データハンドリング
・データ取得とオープンデータ
・確率と確率分布
・統計的推測
・種々のデータ解析
・データ活用実践
出題形式多肢選択、数値・文字入力
問題数30問程度
試験時間60分
合格点100点満点で60点以上
受験資格なし
試験内容数理、計算、統計、倫理に関する大学教養レベルの内容

DS発展もDS基礎と同様に、2021年から試験が開始されました。

内容はDS基礎よりさらに踏み込んだ内容となっており、統計検定2級相当の知識と、Pythonの実践的な操作が求められます。

データサイエンス (DS) エキスパート

資格DSエキスパート
受験方法CBT
試験日2022年9月〜開始
受験料未定
科目・統計基礎
・数学基礎
・計算基礎
・モデリング、AIと評価
出題形式多肢選択、数値・文字入力
問題数40問程度
試験時間90分
合格点100点満点で60点以上
受験資格なし
試験内容計算、統計、モデリング、領域知識に関する大学専門レベルの内容

DS基礎・DS発展に加え、2022年9月より試験が開始される新設の資格です。

DS発展のさらに上位の資格として設定されているため、より難易度の高い試験になることが予想されます。

試験範囲の内容の幅広さに加え、理論を重視した内容となっているため、基礎・発展の実務的な知識に加え、本質的な理解が必要となるでしょう。

統計検定、統計調査士、データサイエンス(DS)資格の違い

同じ統計検定の資格の中でも、統計検定、統計調査士、データサイエンスと、大きくの3種類に分かれていて、それぞれカバーしている内容が異なります。

状況ごとに分けると、それぞれ以下のような場合におすすめです。

統計についての全般的な知識を得たい
→統計検定 (4級〜1級)

適切な図表の作成やマーケティングの調査など、統計をビジネスに活かしたい
→統計調査士、専門統計調査士

ExcelやPythonの操作やモデル選択など、実際のデータ分析業務に活かしたい
データサイエンス(基礎〜エキスパート)

資格としての知名度が高く、統計学についての深い知識を認定するのが統計検定、実務能力にも焦点を当てているのが統計調査士やデータサイエンスの区分になります。

自分の目的・用途にあった資格の取得を目指しましょう

統計検定の難易度

それぞれの資格の難易度は、大きく分けて以下のようになっています。

資格難易度求められる数学知識
統計検定4級易しい中学数学レベル
統計検定3級易しい高校数学(ⅠA、ⅡB)レベル
統計検定2級普通大学基礎課程レベル
統計検定準1級難しい大学専門課程レベル
統計検定1級難しい大学専門課程レベル
統計調査士普通高校数学(ⅠA、ⅡB)レベル
専門統計調査士難しい大学基礎課程レベル
DS基礎易しい大学入試レベル
DS発展普通大学基礎課程レベル
DSエキスパート難しい?大学専門課程レベル

統計検定3級、4級は入門資格、統計検定2級、統計調査士、DS基礎がそれぞれ仕事に活用するボーダーラインと言えるでしょう。

統計調査士・DSについては、数学的には一段下の内容となっていますが、より実践的な知識の内容が含まれるため、統計検定と比較してやや難易度が高めの設定となっています。

各種統計検定の合格率

2021年の各試験の合格率は以下の通りです。

(DS基礎・発展・エキスパートはデータなし)

資格申込者数受験者数合格者数合格率
統計検定4級17214710772.8%
統計検定3級38032024275.6%
統計検定2級97973124934.1%
統計検定準1級1,06170416623.6%
統計検定1級(統計数理)1,18587222525.8%
統計検定1級(統計応用)1,11378918924.0%
統計調査士1481283728.9%
専門統計調査士87741925.7%

内容が易しい統計検定4級、3級、の合格率は7割を超えており、しっかりと準備をして挑むことで問題なく合格できる試験だと言えるでしょう。

もっとも難易度の低い4級ですが、受験者は少なく、より上位の資格から取得を始める受験者が多いことが伺えます。

統計的な能力を証明する目安となる統計検定2級は3割程度となっており、実質的にここからが本番の資格だといえそうです。

数学的にも深い知識が問われる統計検定準1級、1級は合格率も2割と低く、難易度の高さが窺えます。

統計調査士、専門統計調査士については受験者が少なく偏りがある可能性もありますが、おおむね統計検定2級、準1級と同程度の合格率になっています。

統計検定はどの資格を取得すればよい?目的別に解説!

この項では、さまざまなパターンごとにどの資格の取得がおすすめかを解説します。

まず、簡単な目的別に分けると以下の資格が目安になります。

データの見方や読み解き方など、統計の基礎を学びたい
→統計検定3級

履歴書に資格を記載したい
→統計検定2級

専門職へのキャリアアップが目標
→統計検定準1級以上、専門統計調査士、DS発展以上

それぞれの資格でどんなスキルが証明できるのかについては、以下の表を参考にしてください。

資格 どんなスキルを証明できるか
統計検定4級 データや表・グラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中での活用力
統計検定3級 データの分析において重要な概念を身に付け、身近な問題に活かす力
統計検定2級 大学基礎統計学の知識と問題解決力
統計検定準1級 統計学の活用力 ─ データサイエンスの基礎
統計検定1級 実社会の様々な分野でのデータ解析を遂行する統計専門力
統計調査士 統計に関する基本的知識と利活用
専門統計調査士 調査全般に関わる高度な専門的知識と利活用手法
DS基礎 実際のデータセットを目的に応じてハンドリングし、その結果を問う能力
DS発展 数理、情報、統計、倫理・AIに関する大学教養レベルの能力
DSエキスパート 計算、統計、モデリング、領域知識に関する大学専門レベルの能力
(統計検定公式サイトから引用)

統計学全般についてのスキルを証明したい場合は統計検定4級〜1級、ビジネスに活かせる知識能力を証明したい場合は統計調査・専門統計調査士。

解析スキルを含めたデータサイエンスについてのスキルを証明したい場合はDS基礎〜エキスパートが主な対象になります。

統計の基礎を学びたい場合は3級の取得がおすすめ

統計学やデータの活用方法についてこれから学び始める場合は、まずは統計検定3級の取得を目指すといいでしょう。

統計検定3級の内容を学習することにより、統計学の基盤となるデータの正確な読み解き方を身につけることができます。

使われる数学の難易度も低く、高校数学の内容でカバーできるため、難しい数学の勉強に取られる時間も少なく、効率的にデータリテラシーを学ぶことができます。

また、さらに上の資格を目指す場合の学習の足がかりにもなるので、統計学に馴染みのない人が統計の勉強を始める第一歩として統計検定3級からの受験がおすすめです。

業務や転職で活かせるレベルは2級以上が目安

一般に、「仕事で使える」とみなせるレベルは統計検定2級からと言われています。

統計検定の資格取得を推奨している企業も、目安を2級としている場合が多いようです。

統計検定2級以上があれば、データを読み解き、ビジネス上の問題解決に活かすことができる能力があると客観的に証明してくれます。

履歴書に記載する場合は、まずは2級の取得を目標にすると良いでしょう。

今の仕事に統計の知識を活かしたいなら統計調査士やDS基礎がおすすめ

ビジネスに統計学の知識を活かしたい場合は、統計調査士やDS基礎といった実務的な内容をカバーしている資格がおすすめです。

たとえば、統計調査士の内容では、アンケート調査の注意点や、資料を作る際の適切な図表作り方、データの読み取り方が身につきます。

また、DS基礎の内容ではExcelを使ったデータのクリーニングや集計、結果の解釈を学ぶことができ、業務に直接活用できる知識を習得できます。

学生のうちに統計の資格を可能な限りとっておきたいなら、まずは統計検定3級から上位資格へ

大学生など、就活を見越し資格を取得しておきたい場合は多いと思います。

そういった場合は、まずは高校数学の範囲でカバー可能な統計検定3級を取得し、その基礎知識を活かして、より実務的な統計調査士やDS基礎の資格を取得することをおすすめします。

その後、さらに上位の資格にステップアップすると良いでしょう。

統計調査士、DS基礎のどちらを優先するかについてですが、ビジネス的なデータの取り扱い能力をアピールしたい場合は統計調査士を、データサイエンスの知識を活かした実際の解析スキルをアピールしたい場合はDS基礎を優先すると良いでしょう。

データサイエンティストを志望しているならまずは統計検定2級から上位資格へ

データ分析や機械学習に対するニーズは年々高まり続けています。

膨大なデータを分析し解釈する上で、統計学は非常に重要な基礎知識です。

データサイエンティストとして業務にあたる上では、統計検定2級程度の知識は最低限理解しておきたいところです。

データサイエンティスト・データアナリストといったデータ分析関連の職業の募集要項としても、統計検定2級は最低ラインとして挙げられていることが多く、まずは2級の取得が登竜門となります。

これからデータサイエンティストを目指す人は、まずは統計検定2級を取得し、そこから統計の知識を増やすため統計検定準1級や1級を、実務能力を証明するためにDS発展やエキスパートの取得を目指すといいでしょう。

SEから領域を広げたいなら統計検定2級からDS発展、DSエキスパートへ

エンジニアとしてのキャリアの幅を広げる上でも、統計学の知識は重要になってきています。

前述の機械学習エンジニアやデータサイエンティストなどはSEのスキルとも相性が良く、年々需要も高まっている職種です。

SEからそのような分野へ知識の幅を広げたい場合は、以下のような流れで資格取得を進めることをおすすめします。

まずは統計学の知識をカバーするため、履歴書的にも価値の出る統計検定2級の取得を目指します。

その後、実務能力を活かせるDS発展、DSエキスパートを取得し、データサイエンスの領域にスキルを広げていきましょう。

まとめ

統計検定とは?

  • 一般財団法人 統計質保証推進協会が実施
  • 統計についての知識を認定する資格

統計検定の種類

  • 統計検定4級
  • 統計検定3級
  • 統計検定2級
  • 統計検定準1級
  • 統計検定1級
  • 統計調査士
  • 専門統計調査士
  • データサイエンス (DS) 基礎
  • データサイエンス (DS) 発展
  • データサイエンス (DS) エキスパート

統計検定、統計調査士、データサイエンス(DS)資格の違い

  • 統計についての全般的な知識を得たい→統計検定 (4級〜1級)
  • 適切な図表の作成やマーケティングの調査など、統計をビジネスに活かしたい→統計調査士、専門統計調査士
  • ExcelやPythonの操作やモデル選択など、実際のデータ分析業務に活かしたい→データサイエンス(基礎〜エキスパート)

統計検定はどの資格を取得すればよい?

  • データの見方や読み解き方など、統計の基礎を学びたい→統計検定3級
  • 履歴書に資格を記載したい→統計検定2級
  • 専門職へのキャリアアップが目標→統計検定準1級以上、専門統計調査士、DS発展以上

この記事の著者 アオミ ソウ

アオミ ソウ

薬学系大学院の修士課程を主席卒業後、大手製薬企業で有機合成・データサイエンス関連業務に従事(専門は生物有機化学)。

現在は研究の傍ら、ライターとして記事の執筆・イラストの制作を行っている。

主な執筆分野はサイエンス(医療、生化学、情報科学)をはじめ、ガジェット、資格など。

保有資格
2018年 危険物取扱者甲種
2021年 データサイエンス数学ストラテジスト(上級)
2021年 応用情報技術者

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