未経験・文系からデータサイエンティストになるには? ロードマップを具体的に解説
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データ駆動型社会が進展する昨今、データサイエンティストの需要は高まっています。
そんなデータサイエンティストという職業に興味を持っているものの、未経験や文系出身からでも目指せるのか、不安に思っている方は多いのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、未経験や文系出身の方がデータサイエンティストになるために必要なロードマップを具体的に解説し、キャリアチェンジや就職活動の道筋を紹介していきます。
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結論から言えば、文系でも理系でも、全くの未経験からデータサイエンティストになるのは難しいです。
特に文系出身者は、数学(微分積分や線形代数)や統計学に触れる機会が少ないため、苦手意識を持つことが多いでしょう。
一方で、理系出身はその点で有利に思えるかもしれませんが、データサイエンティストに求められるスキルはそれだけではありません。
データベースの操作、プログラミング(Pythonなど)、機械学習やディープラーニングの知識も必須です。
さらに、ビジネスの理解やコミュニケーション能力、プレゼンテーションスキルも求められます。
実際には、ビジネス知識やコミュニケーション能力は文系の強みになることがありますので、文系出身者だからといってデータサイエンティストになるのが不可能というわけではありません。
いずれにせよ、データサイエンティストになるには幅広い知識が必要で、IT業界での経験が全くない未経験者にはハードルが高いです。
しかし、未経験からでも計画的にスキルや知識を身につけ、経験を積んでいけば、データサイエンティストとしてキャリアを築くことは可能です。
文系や未経験からデータサイエンティストになるには?ロードマップを解説
文系や未経験からデータサイエンティストになるには、どのようなステップを踏んでいけばよいのでしょうか。
ここでは、未経験の方がデータサイエンティストとして就職・転職を目指すためのロードマップをご紹介します。
STEP1:データサイエンティストという仕事を知る
データサイエンティストの仕事について理解を深めるため、まずはその役割を簡単に知っておきましょう。
データサイエンティストとは、データサイエンス力やデータエンジニアリング力を駆使して、データを分析し、新たな価値を生み出すことでビジネス課題に対処する専門家です。
そして、データサイエンティストの主な業務は、大量の蓄積データ(ビックデータ)を統計やAI技術を用いて分析し、その結果得られた知見を活かしてビジネスの価値を生み出すことです。
例えば、企業の課題を解決するための支援を行ったり、新しい商品やサービスの開発に寄与したり、業務プロセスの革新を実現するなど、多岐に渡ります。
こうしたビックデータの解析により、従来は経験や直感に頼っていた業務の効率化や競争力の向上が図られるほか、これまで実現できなかったことが可能になるケースも多くあります。
STEP2:前提となる知識とスキル身につける
データサイエンティストの仕事について基本的な理解ができたら、次に必要となる前提知識とスキルの習得に取り組みましょう。
これらの知識やスキルが不足している状態では、たとえポテンシャル採用の求人があったとしても、内定を獲得するのは非常に難しいです。
そのため、まずは基礎的な知識とスキルをしっかりと身につけることが重要になります。
具体的に必要となる知識やスキルとしては、以下のものが挙げられます。
- プログラミング言語(Python、Rなど)
- データベースとSQL
- 数学、統計学
- 機械学習
- データ処理、前処理
- ビジネス知識、コミュニケーション能力
など
特に重要なのが、Pythonを使ったプログラミングスキルです。
データサイエンスの分野では、Pythonは非常に広く使われているため、まずはPythonの基礎学習を始めることを強くお勧めします。
ただし、データサイエンティストに求められる知識やスキルは非常に幅広いため、一度にすべてを習得しようとするのは現実的ではありません。
無計画に学習を進めると、どこから手をつけるべきかわからなくなり、最終的には挫折してしまう可能性が高まります。
そこでおすすめなのが、「データサイエンティスト関連の資格取得を目指すこと」です。
資格の勉強を通じて、段階的に必要なスキルを体系的に学んでいくことができ、目標を持って進めやすくなります。
STEP3:データサイエンティストにおすすめの資格を取得する
データサイエンティストになるための知識やスキルを習得するには、関連する資格取得を目指すことがおすすめです。
データサイエンティストとして職に就く際、必須となる資格はありませんが、資格取得を目指すことで、学習の途中で挫折しにくくなり、モチベーションを保ちやすくなります。
資格取得という明確な目標があることで、学びを継続的に進められ、目指す方向性も明確になるでしょう。
さらに、資格を取得することでデータサイエンティストとして必要な知識やスキルを身につけていることを証明できるため、就職や転職の際に未経験者でも有利になることがあります。
ここでは、未経験者でも比較的取得しやすく、データサイエンティストに必要な知識やスキルを学べる資格を5つご紹介します。
以下の資格は、それぞれデータサイエンスの基礎や関連する技術を学ぶのに適しており、スキルアップに大いに役立ちます。
- Python 3 エンジニア認定基礎試験
- 統計検定(2級)
- DS検定
- G検定
- データサイエンス数学ストラテジスト(中級・上級)
上記の資格を目指して学習することで、データサイエンティストに必要な知識を体系的に身につけられるだけではなく、就職・転職市場においてもアピールポイントになります。
ただし、資格取得を目指す過程において、学習の範囲が広いため、独学だけでは途中で飽きてしまったり、挫折してしまったりすることもあるかもしれません。
試験範囲を網羅的に自分で学ぶことは、モチベーションを保ち続けるのが難しい場合もあります。
そのため、効率的に学習を進めたい方には、通信講座の活用をおすすめします。
通信講座では、専門家が監修したカリキュラムを通して、体系的に学べるため、独学ではカバーしきれない内容もスムーズに進めることができます。
通信講座を利用することで、資格取得までの勉強時間を短縮したり、学習の負担を軽減したりすることが可能です。
Python 3 エンジニア認定基礎試験
運営団体 | 一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会 |
資格種別 | 民間資格 |
試験時間・内容 | 60分 (文法文法基礎を問う試験 40問) |
試験方式 | コンピュータベーストテスト(CBT) |
試験日 | 通年開催 |
受検料(税別) | 一般 10,000円 学生 5,000円 |
合格基準 | 正答率70% |
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基本的な文法知識を問う試験で、経済産業省のITスキル標準のレベル1に位置づけられています。
Pythonはデータ整形や分析など、幅広い用途に利用されるため、データサイエンティストが学ぶべき重要な言語です。
試験は初学者向けで、難易度はそれほど高くありません。
市販されている教材(オライリー・ジャパン「Pythonチュートリアル」)を使用して、基礎的な文法を学ぶことで、Python言語の雰囲気とスタイルに慣れることができます。
統計検定(2級)
運営団体 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
資格種別 | 公的資格 |
試験時間 | 90分 |
内容 | 4~5肢選択問題 (35問程度) |
試験方式 | コンピュータベーストテスト(CBT) ※統計検定1級以外の紙媒体を利用した従来の試験(PBT方式試験)は2021年をもって終了し、CBT方式試験に移行。 |
試験日 | 受験希望会場が実施していれば通年受験可能 |
受検料(税別) | 一般価格:7,000円 学割価格:5,000円 |
合格基準または合格率 | 100点満点で 60点以上 |
統計検定は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験で、データに基づいて問題解決する能力が求められます。
データサイエンティストを目指す人には、データの読み解きと説明力が重要であり、統計学はデータマイニングやニューラルネットワークなどの複雑な計算モデルの理解にも役立ちます。
統計検定には、「4級」「3級」「2級」「準1級」「1級」の5段階あり、2級は大学基礎課程(1・2年次学部共通)レベルの統計学の知識を問う内容です。
この試験を通じて、データサイエンティストに必要な統計的な思考力と問題解決能力を養うことができます。
DS検定
運営団体 | 一般社団法人データサイエンティスト協会 |
資格種別 | 民間資格 |
試験時間・内容 | 90分 ・スキルチェックリストの3カテゴリ(データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力)の★1(見習いレベル)相当 ・ 数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラム |
試験会場 | 全国の試験会場で開催(CBT) |
試験日 | 年2回(春・秋) |
受検料 | 一般:10,000円(税抜) 学生:5,000円(税抜) |
合格基準 | 非公開 |
DS検定の正式名称は「データサイエンティスト検定リテラシーレベル(DS検定★)」。
データサイエンティストに必要なデータサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力を見習いレベルで証明できる資格です。
数理やデータサイエンス、AI教育におけるリテラシーも評価されるため、基礎的な実務能力や知識を持つことを示す証明としても有効となります。
DS検定に合格するためには、データサイエンスに関する体系的な学習が不可欠です。
そこで、おすすめなのが、アガルートのDS検定対策講座です。
プロの講師による丁寧な解説と、充実した模擬試験を通じて、基礎から実践的なスキルまで幅広くカバーしています。
文系の方でも安心して学べる内容で、効率的に合格を目指せるでしょう。
G検定
運営団体 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
資格種別 | 公的資格 |
試験時間・内容 | 120分 (多肢選択式の知識問題、220問程度) |
試験会場 | コンピュータベーストテスト(CBT) |
試験日 | 年6回 (1月・3月・5月・7月・9月・11月) |
受検料(税別) | 一般13,200円 学生5,500円 |
合格率 | 60~70%前後 |
G検定は、ディープラーニングの基礎知識を持ち、ビジネスでの適切な活用方針を決定する能力を評価する試験です。
AIやディープラーニングの知識とそのビジネス応用力を客観的に測ります。G検定合格には、体系的な学習が重要です。
最短合格を狙うならアガルートのG検定対策講座がおすすめ。
この講座は、基礎からしっかり学べる内容ですので、初学者でも安心して学習できます。
基礎知識からG検定合格に必要なレベルまで段階的に学べるので、無理なく効率的に合格を目指せるでしょう。
データサイエンス数学ストラテジスト(中級・上級)
運営団体 | 日本数学検定協会 | |
資格種別 | 民間資格 | |
中級 | 上級 | |
試験時間 | 90分 | 120分 |
内容 | AI・データサイエンスを支える計算能力と数学的理論の理解 50% 機械学習・深層学習の数学的理論の理解 16.7% アルゴリズム・プログラミングに必要な数学リテラシー 16.7% ビジネスにおいて数学技能を活用する能力 16.7% | AI・データサイエンスを支える計算能力と数学的理論の理解 50% 機械学習・深層学習の数学的理論の理解 25% アルゴリズム・プログラミングに必要な数学リテラシー 12.5% ビジネスにおいて数学技能を活用する能力 12.5% |
試験会場 | オンライン受験 | |
試験日 | 通年開催 | |
受検料 | 7,000円 | 9,000円 |
合格基準 | 60%(30問中18問)以上 | 70%(40問中28問)以上 |
データサイエンス数学ストラテジストは、データサイエンティストに必須の数学スキルを評価し認定する資格です。
試験には中級(高校1年生レベル)と上級(大学初学年レベル)の2つの階級があり、受験者のレベルに応じて選択できます。
数学の苦手な方は、基礎から再学習する必要があります。
基礎から数学を学ぶなら、アガルートのデータサイエンス数学ストラテジスト資格試験(中級・上級)対策講座が最適です。
この講座では、数学に苦手意識のある方や学習経験の少ない方を対象に、中級と上級の公式問題集(日経BP刊)を用いてデータサイエンスに必要な数学を徹底的に学習します。
分かりやすいインプット講義と問題解説講義を通じて、複雑な問題も理解しやすく説明します。
STEP4:実務の中でデータに触れる、分析経験を積む
最低限の知識を習得したら、次に重要なのは実践的な経験を積むことです。
このステップでは、資格の合格を待つ必要はありません。ある程度の知識が身についたら、積極的に実践に取り組みましょう。
英単語を覚えただけでは英語が話せるようにならないのと同様に、統計学やPythonの知識を習得しただけでは、実社会で通用するレベルのデータ分析はできません。
また、本業に関連するデータ分析の経験を積み、その成果をアピールすることで、未経験でも内定を得やすくなります。
実務でデータ分析できる環境にある場合
現在データサイエンティストでなくても、現職で収集可能なデータを使って仮説を検証したり、問題を解決したりする経験をつんでいくことが大切です。
実務でデータ分析を行い、どのような課題を発見して、どのように解決したかのプロセスは、面接時に強力なアピールポイントになります。
実務で触れるデータがなければコンペに参加してみる
データ分析に必要なデータを準備するのが難しい場合は、KaggleやSIGNATEなどのデータ分析コンペティションに参加して実績を積むのも1つの手です。
さらに、一般社団法人データサイエンティスト協会の会員であれば、協会主催の「ビジネススキル向上のための課題解決型人材コンテスト」に参加し、実践的な分析スキルやビジネススキルを磨くのもおすすめです。
これらの活動を通じて、企業や政府の実データを分析し、課題解決に取り組む実践的な経験が得られます。
Kaggle | Kaggle(カグル)は、世界中で約100万人以上が利用する最大のデータサイエンスコンペティションプラットフォームです。企業などが課題を投稿し、参加者がその課題に対して最適なモデルを構築して、精度を競い合います。ランキング1位になった場合は課題を投稿した企業から賞金が贈られます。 |
SIGNATE | SIGNATE(シグネイト)は、2018年4月に解説されたAI開発コンペティションサイトです。データ分析に関するコンペティションを開催しており、好成績を残したデータサイエンティストには賞金や実績が授与されます。 Kaggleとは異なり、SIGNATEは日本語で提供されているため、英語が苦手な方でも参加しやすいのが特徴です。 |
ビジネススキル向上のための課題解決型人材コンテスト | 一般社団法人データサイエンティスト協会主催のコンテストです。 参加者は他業界から集まったメンバーとチームを組み、3か月間、メンターのサポートを受けながら分析プロジェクトを進めることで、ビジネススキルを習得できます。 応募資格は、データサイエンティスト協会 法人会員企業に所属しているか、一般(個人)会員の方です。 |
参考:Kaggle、SIGNATE、ビジネススキル向上のための課題解決型人材コンテスト
STEP5:データサイエンティストの内定を勝ち取る
実務の中でデータに触れ、分析経験を積みながらポートフォリオを作成しましょう。
また、データサイエンスのコンペで賞を獲得すれば、さらに信頼性のある実績になります。
これらの準備が整ったら、データサイエンティストの求人へ応募しましょう。
未経験でも、プログラミング言語や統計学の知識・スキルを示し、データ分析を通じてどのように課題に取り組み、解決したかを具体的にアピールすれば、内定を得る可能性が高まります。
もし、知識やスキルを身につけ、実践を積んでも内定が得られない場合は、一旦、SEやマーケターなど、データサイエンティストに関連する職種に就職・転職し、データ処理や分析業務を通じて、より実践的な経験を積むのも一つの方法です。
その後、スキルや知見を深めた上で、再度データサイエンティストを目指すことも有効な戦略と言えます。
STEP6:常に情報をアップデートし学習を継続する
データサイエンティストとして内定を得ることは確かに大きな成果ですが、それはキャリアのスタート地点にすぎません。
データサイエンティストが扱う分野では、新しい技術や手法が次々と登場しており、常に最新の情報をキャッチアップし、知識やスキルを更新するために継続的な学習が求められます。
例えば、ディープラーニングなどの分野では、新しいアルゴリズムやフレームワークが続々と開発されています。
こうした最新技術を理解し、適切に活用することで、より高度なデータ分析や予測が可能になります。
まとめ
- データサイエンティストはデータから価値を創出し、ビジネス課題に応えるプロフェッショナル
- 文系・未経験からの就職・転職は難しいが、計画的にスキルを身につければ可能
- 文系・未経験からデータサイエンティストになるためのロードマップは以下の通り
- データサイエンティストの仕事を理解する
- 必要な知識とスキルを習得(Python、R、SQL、統計学など)
- データサイエンティストにおすすめの資格を取得する(Python 3 エンジニア認定基礎試験、統計検定2級など)
- 実務やコンペでデータ分析経験を積む
- データサイエンティストの内定を獲得する
- 継続的に情報をアップデートし学習を続ける
- 資格取得には通信講座が有効。おすすめの通信講座はアガルートのデータサイエンス(G検定・AI・機械学習・データ分析)講座
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