AI関連の知識を試す検定として2017年に始まったG検定は、「意味ない」「役に立たない」と言われることがあります。

受検を検討しつつも、「合格のメリットはないのかな？」「どうして意味ないと言われる？」などと気になっている方もいるでしょう。

当コラムでは、G検定が「意味ない」と評価されやすい理由や5つの取得メリットについて詳しく解説。

G検定の知識を役立てられる具体的な仕事も併せて紹介します。

AI業界に興味がある方はぜひ参考にしてください。

G検定が意味ないと言われる3つの理由　

G検定の受検は意味がないと言われる理由としては、以下の3つが挙げられます。

• 実務での活用が難しい
• 資格の認知度が低い
• 取得者が増え希少価値が下がっている

実務での活用が難しい

G検定が「意味ない」と言われる最大の理由として、実務での活用が難しいことが挙げられます。

G検定は、あくまで受検者がAIの知識を有しているかどうかを問うことを目的として実施されるもの。

プログラミングやAI実装の実践的なスキルを身につけるためのものではないため、実務の現場では「意味ない」と評価されやすいことは事実です。

しかしAIを活用してプログラミングを行うためには、AIやディープラーニングに関する基礎知識は必須。

未経験者では理解の難しい専門用語なども必要です。

G検定自体は特別なスキルを習得するためのものではありませんが、受検を通して得た知識はスムーズに業務を行う際に必ず役に立つでしょう。

資格の認知度が低い

資格としての世間的な認知度が低いことは、「G検定は意味ない」と言われやすい理由のひとつといえます。

そもそも、G検定は2017年に受検がスタートした比較的新しい検定です。

一般社会や各企業内に十分浸透しておらず認知度が低いため、現状では必然的に「需要が低い」状態にあるといえるでしょう。

一方で、社会の急速なDX化やAI技術の発展への期待の高まりに伴い、G検定の知名度も年々上昇の傾向にあることも確かです。

今のところは期待ほどの評価の対象ではないかもしれませんが、今後は「G検定」が就職や転職、昇進などにおける重要なカードとなる可能性もあります。

AIの分野に関心があるのであれば、今のうちから取得を検討しておいて損はないでしょう。

取得者が増え希少価値が下がっている

取得者の増加によって希少価値が下がっていることは、G検定が「意味ない」と言われやすい理由のひとつです。

世間的な知名度はまださほど高くない一方でIT業界からの注目度は高く、受検者も増えているG検定。

今後も取得者が増え続けることで希少価値が徐々に薄れてしまう可能性はゼロではありません。

G検定自体は合格しても独占業務などはないため、他者との差別化要素として活用したいのであれば「珍しい検定」であるうちが狙い目です。

将来的に「IT業界の必須検定」のような位置づけになる可能性もあるため、早い段階で合格しておくことには一定の価値があるでしょう。

G検定を取得するメリット5選　

G検定を取得するメリットとしては、以下の5つが挙げられます。

• AIを体系的に学べる
• AIの基礎知識があることを証明できる
• 転職・就職時にアピールできる
• 様々な分野で活用できる
• 資格合格者コミュニティに参加できる

AIを体系的に学べる

G検定に向けた学習を通して、AI技術の基礎から応用までを体系的に学ぶことができます。

特に専門性の高い機械学習やディープラーニングの概念は、未学習者が自力で理解を深めることはなかなか難しいもの。

各分野の知識を深いレベルで習得できる点は、検定合格を目指して専門的に学習を経験することの大きなメリットといえるでしょう。

AIの基礎知識があることを証明できる

G検定に合格すると、AIやディープラーニングの基礎知識を所有していることを対外的に証明できます。

例えばAI関連のプロジェクトに参加したい時、「興味があるから」「個人でAIを使ったことがあるから」といった理由ではアピール力はイマイチ。

ライバルが多い場合は特に、「G検定合格」のようなわかりやすい経歴は武器になるでしょう。

「検定合格者」であることで、プロジェクト参加を表明した段階からある程度の信頼性を獲得できる点もメリットです。

転職・就職時にアピールできる

G検定に合格することで、転職・就職時のアピールポイントとして役立てられます。

近年、社会の急速なIT化に伴い、AIを業務に導入している企業は増加傾向にあります。

企業によっては、就職・転職の際にG検定合格者を優遇する場合もあるでしょう。

AIをはじめとするIT分野は、技術の発展に対して人材の供給が追いついていない側面があります。

特別な実務経験などがなくてもG検定を取得していることで「AIに詳しい人材」と評価され、採用に繋がりやすくなる可能性は高いです。

様々な分野で活用できる

G検定に合格することで、AI活用の知識をさまざまな分野で活用できます。

現代社会においてAI技術はすでに広く普及しつつあり、IT業界以外でも積極的に活用されるようになってきました。

今後G検定自体の知名度が上がってくれば、さまざまな業界で「AI人材」として活躍できるチャンスに恵まれやすくなるでしょう。

AI知識が活かせる可能性の高い業界の例としては、製造業や医療、金融などが挙げられます。

より身近なところでは、小売業などでも活用されています。

将来的に多くの分野にキャリアパスが開かれる可能性が得られるだけでも、G検定に挑戦する価値はあるでしょう。

資格合格者コミュニティに参加できる

G検定に合格すると、合格者だけが参加できるコミュニティに参加できます。

参加可能なコミュニティは、所属会員9万人を超える「CDLE」。

G検定・E資格といった、AI関連の検定合格者が集う日本最大のAIコミュニティです。

CDLEには、IT業界の第一線で活躍するエンジニアが多く集まっています。

交流イベントなどでは情報交換もでき、今後に役立つ人脈作りの場として貴重な機会となるでしょう。

G検定が役立つ仕事・業種4選　

G検定が特に役立つ仕事・業種は、以下の4つです。

• データサイエンティスト
• システムエンジニア
• AI・DXコンサルタント
• AIプランナー

データサイエンティスト

データサイエンティストはエンジニアの一種で、AIや機械学習の知識を活用してデータ分析を専門的に行う仕事です。

G検定の受検を通してAIについて体系的に学習しておくことで、実務の現場でAIモデルの理解やビジネス課題への適用を行う際に役立つでしょう。

最初にある程度知識をもっておくことで、即戦力として採用される可能性も上がります。

システムエンジニア

システムエンジニアは、企業などで用いられるシステムの開発や維持、効果的な運用などを担当する仕事です。

近年はAIを組み込んだシステム開発の事例が増えており、G検定で得た知識を活かす機会も多くなっています。

AIは便利ですが、適切な運用には「どのような仕組みで作動しているか」まで正確に把握している必要があります。

G検定合格者がシステムエンジニアになった場合、メインに組み込むAIのアルゴリズムから破綻しにくいシステムを設計するといったことも可能でしょう。

AI・DXコンサルタント

AI・DXコンサルタントは、AIの導入やDXの推進を検討している企業などに戦略立案や運用サポートなどを包括的に行う仕事です。

IT技術を用いたビジネスの最適化や課題解決などを指導し、ひとつのクライアントを中〜長期的に支援することもあります。

効果的なコンサルティングのためには、「AIをどのように使えばよいか」を理解している必要があります。

AIの基礎から深層部にまでいたるG検定の知識があれば、クライアントの状況に応じた柔軟で最適な提案ができるでしょう。

AIプランナー

AIプランナーは、AIを活用したプロジェクトの企画や業務設計などを行う仕事です。

実務的な運用よりディレクション寄りの職種で、データサイエンティストやシステムエンジニアと連携しながら業務を進めることもあります。

プロジェクトの統括的な立場になることも多いため、エンジニアと同等以上の深いAI知識が求められます。

G検定を通して習得した正確な知識があれば、現場エンジニアに信頼されるプランナーとして活躍できるでしょう。

まとめ

当コラムでは、G検定が「意味ない」「役に立たない」と言われる理由や受検のメリットについて以下の内容で解説しました。

• G検定が意味ないと評価されやすい理由は、「実務で活かしにくい」「認知度が低い」「希少価値が下がりつつある」の3つ。
• G検定を取得するメリットは、「AIを体系的に学べる」「AIの基礎知識があることを証明できる」「転職・就職時のアピールに使える」「さまざまな分野で役立つ」「合格者限定のコミュニティに参加できる」の5つ。
• G検定が役立つ具体的な仕事は、「データサイエンティスト」「システムエンジニア」「AI・DXコンサルタント」「AIプランナー」の4業種。

G検定は現状での知名度が低く、「意味ない」と言われることもあります。

一方で受検を通してAI関連の現場に必須の知識を得られる検定であることも事実。

資格自体は強力なカードになりにくいかもしれませんが、AIを仕事にしたい人にとっては挑戦しておいて損のない検定です。

現状では、肩書きではなく知識を手に入れることを目的として受検すべき検定といえるでしょう。