年々認知度が高まっているG検定（ジェネラリスト検定）は、AI関連の基礎知識があることを証明できる資格です。

IT分野のエントリー資格として受験を検討しており、「転職や就職には有利かな？」「どんな仕事に活かせるのかな？」など、詳細が気になっている方もいるでしょう。

当コラムでは、G検定が転職・就職で有利に使える理由や相性のよい仕事などについて解説します。

IT業界に興味がある方はぜひ参考にしてください。

G検定は転職・就職で有利になる4つの理由

G検定は、合格することで転職・就職を有利に進めることができます。

主な理由として、以下の4つが挙げられるでしょう。

• AI・機械学習の基礎知識を証明できる
• IT・AI関連企業で評価されやすい
• 文系や未経験でもAI分野へのキャリア転換しやすい
• 新卒の就職活動で差別化できる

AI・機械学習の基礎知識を証明できる

G検定の合格はAI・機械学習に関する基礎知識を有することの証明になります。

G検定取得の過程では、技術面だけでなくAIのビジネス活用事例や関連法についてなど、幅広い知識を体系的に習得します。

近年ではAI技術の発展に伴い、エンジニア以外の職種においても「AIが適切に使える」ことが強みと認識される機会も増加。

技術職はもちろん、AIを業務に利用している企業であればG検定合格者の肩書きが優遇される可能性はあります。

IT・AI関連企業で評価されやすい

G検定に合格すると、特にIT・AI関連企業で評価されやすくなります。

昨今ではAIを導入する企業は増加の一途を辿っており、特にDXに意欲的な企業ではAIの基礎知識を備えた人材への需要が高まっています。

G検定を取得しておけば、AIを活用したビジネス戦略に一定以上の理解や知識があることを自然に証明可能。

採用の段階で「即戦力」として高く評価されることに繋がるでしょう。

文系や未経験でもAI分野へのキャリア転換しやすい

G検定を取得すると、文系や業界未経験の方でもAI分野へのキャリア転換がしやすくなります。

AIエンジニアやデータサイエンティストなどAI関連の職業を目指す場合、G検定は入門資格として最適です。

特に、文系出身の方・業界未経験者などがAI業界を志望する場合は有効。

採用担当者に対して学習意欲や基礎知識があることを証明しつつ、AIに高い関心があることをアピールできます。

「畑違いの分野から知識をつけてキャリア転換を志望している」姿勢によって、未経験者であることを「本気度の高さ」として演出することも可能でしょう。

新卒の就職活動で差別化できる

G検定を取得することで、新卒の就職活動において他学生との差別化ができます。

就職活動の際に将来的なキャリアを考慮して資格取得をする学生は多いですが、G検定は創設から日が浅いこともあって取得者は少なめ。

希少な資格として他の就活生と差別化しやすく、IT業界志望であれば関心や意欲を効果的にアピールできます。

学生時代の専攻が文系の分野だったとしても、理系のG検定を取得すればスキルのポテンシャルが評価される可能性もあるでしょう。

G検定が活用できる仕事5選

G検定が活用できる仕事としては、主に以下の5職種が挙げられます。

• データサイエンティスト
• AI・機械学習エンジニア
• IT・AIコンサルタント
• マーケティングアナリスト
• IT・AI関連企業の営業

データサイエンティスト

データサイエンティストはデータ分析業務を専門的に行うエンジニアです。

AIを適切に動作させて効果的なデータマイニングを行うことがデータサイエンティストの主な業務のため、AIに関する知識は必須といえます。

G検定を取得していればAI関連の基礎知識をもっていることが証明でき、業務内容と親和性の高い人材であることをアピールできるでしょう。

経歴によっては、「即戦力」としての採用を狙える可能性もあります。

AI・機械学習エンジニア

AI・機械学習エンジニアは、機械学習全般を担当する技術職です。

AIを活用することで膨大なデータから特定のパターンや法則を分析し、予測・判断を適切に行うモデル開発などを主に担当します。

G検定では機械学習やディープラーニングに関する知識も身につけられるため、取得しておけば志望時に適性を証明できるでしょう。

IT・AIコンサルタント

IT・AIコンサルタントは、AIやITを用いて企業の課題解決を支援する専門家です。

DXを検討している企業にツールの導入サポートを行なう・ITを活かした経営戦略を提案するなどが主な業務内容となります。

G検定はAIの技術面以外にもビジネス面での活用方法や関連法などもカバーするため、コンサルタントを目指す際にも非常に役立ちます。

クライアントの状況に応じた柔軟な提案力などを磨けば、優秀なコンサルタントとして活躍できるでしょう。

マーケティングアナリスト

マーケティングアナリストは、マーケティング分野を専門にデータ分析を行うエンジニアです。

AIを用いて市場動向や消費者行動、販売データを解析し、ターゲティング精度の向上や広告の最適化など、よりよいマーケティングプランの提案などを行います。

適切なデータ解析を行うためには、AIの仕組みを理解したうえで最適なプロンプトを与える必要があります。

G検定取得の過程ではAIについて一から学習できるため、現場に出たあとも知識を役立てられるでしょう。

IT・AI関連企業の営業

IT・AI関連企業で営業職に就く場合は、G検定の知識を活かせるでしょう。

説得力のあるセールストークを展開するためには、商材やサービスに対する深い理解が必須です。

G検定は取得の過程でAIソリューションの仕組みなどをしっかり学習できるため、顧客に対してわかりやすい説明ができるでしょう。

営業する商材やサービスの例としては、AIを活用したサービスの導入支援プランなどが挙げられます。

「どのような使い方が効果的か」「導入によってどのようなメリットがあるか」を詳しく解説できれば、頼れるセールスマンとして顧客の信頼を得られるはずです。

G検定と合わせて取得すると転職・就職に有利な資格

G検定はAIの基礎知識があることを証明できますが、実務スキルや高度な専門性の証明としてはやや物足りないと評価されることもあります。

転職・就職でさらに有利に立ち回りたい場合は、現場で役立つ実務系のスキルやより専門性の高い知識を証明できる資格とのダブルライセンスがおすすめです。

G検定と特に相性のよい資格としては、以下の3資格が挙げられます。

• Pythonエンジニア認定データ分析試験
• E資格
• データベーススペシャリスト試験

Pythonエンジニア認定データ分析試験

運営団体	一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会
資格種別	民間資格
試験時間・内容	60分（文法基礎を問う試験 40問）
試験方式	コンピュータベースドテスティング（CBT）
試験日	通念開催
受験料（税込）	一般：10,000円 学生：5,000円
合格基準	正答率70%

Pythonエンジニア認定データ分析試験は、プログラミング言語「Python（パイソン）」を用いたプログラミングスキルを証明する民間資格です。

実践的なプログラミングスキルを測定できるため、理論中心のG検定との相性は抜群。

両方を取得することで、データ分析系の業種やAI関連職への就業に有利になります。

Pythonは構造がシンプルで初心者でも比較的習得しやすい言語です。

Pythonエンジニア認定データ分析試験も難易度が手頃で、プログラミング初学者でも挑戦しやすい点が魅力といえます。

E資格

運営団体	一般社団法人 日本ディープラーニング協会（JDLA）
資格種別	民間資格
試験時間・内容	120分
試験方式	全国の試験会場、CBT方式
試験日	年に2回（2月中旬、8月下旬）
受験料（税込）	一般：33,000円 学生：22,000円 協会会員：27,500円
合格率	70%前後

E（エンジニア）資格はAIエンジニア向けの資格で、ディープラーニングへの理解度と実装スキルを問います。

試験内容がディープラーニング分野に特化しているため、G検定でAI全般の知識をつけたあとで受験すればスムーズに専門性を上げられるでしょう。

ある程度専門的な知識とスキルが必要で、難易度は中級レベルです。

合格できればAIへの深い理解やシステム開発・実装スキルを証明できるため、特に実践的なスキルが必要なエンジニア職への転職に有利です。

データベーススペシャリスト試験

運営団体	IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
資格種別	国家資格
試験時間・内容	午前Ⅰ：50分 午前Ⅱ：40分 午後Ⅰ：90分 午後Ⅱ：120分 計300分
試験方式	午前：多肢選択式（四肢択一） 午後：記述式
試験日	年1回、秋季（10月）
受験料（税込）	7,500円
合格基準	各試験で100点満点中60点以上

データベーススペシャリスト試験は情報処理技術者試験群の高度区分に属する国家試験。

合格の場合はAIやデータ分析の基盤となるデータベース管理スキルを証明できますが、非常に難易度の高い試験としても有名です。

特に午後試験で出題される長文記述形式の問題は難関とされ、独学での対策はかなり難しいという声も。

しかし、難易度の高い国家資格である分、取得できれば非常に有用なカードとして活用できるでしょう。

まとめ

当コラムでは、G検定の取得が転職・就職にもたらすメリットや役立つ仕事、相性のよい資格について以下の内容で解説しました。

【G検定取得が転職・就職で有利になる4つの理由】

• AI・機械学習の基礎知識を証明できる
• IT・AI関連企業で評価されやすい
• 文系や未経験でもAI分野へのキャリア転換がしやすい
• 新卒の就職活動で差別化できる

【G検定が役立てられる仕事】

• データサイエンティスト
• AI・機械学習エンジニア
• IT・AIコンサルタント
• マーケティングアナリスト
• IT・AI関連企業の営業

【G検定と相性のよい資格】

• Pythonエンジニア認定データ分析試験
• E資格
• データベーススペシャリスト試験

G検定は比較的新しい検定ですが、AI・IT分野のエントリー資格として注目を集めつつあります。

さらに効果的に活かしたい場合は、より実務的・専門性の高い資格を組み合わせることを検討してもよいでしょう。

独学では対策の難しい試験もあるため、状況に応じて通信講座などを上手に活用してみてください。