データサイエンティストの仕事はなくなる?将来性と今後について解説
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昨今のAI技術の発達により「データサイエンティストの仕事がなくなるのでは?」という意見を目にすることがあります。
こういった意見を聞くと「データサイエンティストに興味があるが、将来性に不安を感じる…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、データサイエンティストの仕事がなくなると言われる理由や、今後の将来性について解説しています。
結論から言うと、データサイエンティストは将来性のあるお仕事です。今後活躍できるデータサイエンティストになるために必要なスキルや資格なども紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
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データサイエンティストの仕事がなくなると言われる理由
データサイエンティストの仕事がなくなると言われる理由は、主に以下の3つであると考えられます。
- AI技術の発達による作業の自動化
- データ分析ツールの普及
- より高度なスキルと知識が必要
それぞれについて、具体的に解説します。
AI技術の発達による作業の自動化
データサイエンティストの仕事がなくなると言われる1つ目の理由は、AI技術の発達による作業の自動化が進んでいることです。
AIの能力は成長を続けており、最近では複雑なデータを即座に分析できるシステムも登場しています。
AIが代行できる作業が増えれば、業務のAI化によってコスト削減を図る企業が増加するかもしれません。
また、人工知能(AI)や機械学習技術の進展により、データの収集や分析、および可視化などのプロセスは自動化されるといわれています。
データサイエンティストによる手作業が不要になれば、需要の減少に繋がる可能性があるでしょう。
データ分析ツールの普及
データサイエンティストの仕事がなくなると言われる2つ目の理由は、データ分析ツールの普及が進んでいることです。
データ分析ツールの例として、下記のようなツールが挙げられます。
- Tableau
- Amazon SageMaker
- Google Cloud AutoML
- Microsoft Power BI
Tableau(タブロー)とは、アメリカのスタンフォード大学で開発されたBIツールの一種であり、ビッグデータの分析や可視化を行えるソフトウェアのことです。
ドラッグアンドドロップなどの簡単な操作によって、データの前処理や可視化分析などを行えるため、購買情報の分析やアクセス状況の把握などを行う際に用いられています。
より高度なスキルと知識が必要
データサイエンティストの仕事がなくなると言われる3つ目の理由は、高度なスキルと知識が必要になるため、なり手不足になると考えられていることです。
データサイエンティストには、高度な知識やスキルが求められます。
統計学や情報工学などについて専門的に学ぶ必要があるため、データサイエンティストになるためには多くの時間が必要です。
また、これらの学問は難易度が高いため、将来的にデータサイエンティストを目指す方は減少していくという見方もあります。
裏を返せば、データサイエンティストになれれば希少性が高い人材となります。
また後述しますが、データサイエンティストの需要は今後もありますので、
必要な知識とスキルを習得すれば、データサイエンティストとして活躍できるでしょう。
これからデータサイエンティストを目指したいと考えている方は、必要な知識とスキルが学べるオンライン講座を利用して効率的に学習することがおすすめです。
【結論】データサイエンティストの将来性・需要は今後もある!
結論から述べると、データサイエンティストの将来性・需要は今後もあると考えられます。
主な理由は、以下の3つです。
- AIだけで仕事を完結させることはできない
- ビッグデータの活用に取り組む企業が増加
- データサイエンティスト協会会員の8割が将来性を感じている
AIだけで仕事を完結させることはできない
データサイエンティストの将来性があると言われている理由として、AIだけですべての仕事を完結させることはできないという点が挙げられます。
前章では、AI技術の発展によってデータサイエンティストの仕事がなくなる可能性について解説しました。
しかし、AIは人間が行うすべての作業を代行できるわけではありません。
物事に対する洞察や創造性が求められる場合、AIが行える範囲には限界があります。
また、倫理的な判断が必要な場面でも、人間による対応が必要になるでしょう。
データサイエンティストのスキルがあれば、専門知識とAIの力を組み合わせて、より深い洞察を提供することができます。
データサイエンティストはAIに仕事を奪われる側ではなく、人間の視点によってAIを活用し、より自身の価値を高められる立場であるといえるでしょう。
ビッグデータの活用に取り組む企業が増加
ビッグデータの活用に取り組む企業が増加していることも、データサイエンティストの将来性や需要があると考えられる理由のひとつです。
現在は、インターネットやIoTデバイスなどの普及によって、さまざまなビッグデータを蓄積できるようになりました。
また、多くの企業が経営企画やマーケティング、および製品やサービスの開発などにビッグデータを活用しています。
これに伴い、データサイエンティストに対する需要は今後も高まっていくと考えられます。
データサイエンティスト協会会員の8割が将来性を感じている
データサイエンティストの将来性や需要があると考えられる3つ目の理由は、データサイエンティスト協会会員の8割が将来性を感じていることです。
データサイエンティスト協会が2023年11月9日~12月4日に実施したアンケートによると、 「あなたはデータサイエンティストという仕事に将来性を感じていますか」という質問に対して、「将来性を感じている」と回答した一般(個人)会員の割合は80%にものぼります。
また、データ分析・解析業務への業務満足度は47%であり、昨年よりも10ポイント増加しています。
アンケートの結果からは、データ分析業務への理解が深まることでデータサイエンティストの業務満足度が高まり、多くのデータサイエンティストが自分の職業に将来性を感じていることがわかります。
引用:「2023年データサイエンティストの就労意識アンケート」一般社団法人データサイエンティスト協会
データサイエンティストとして活躍するために必要なスキルや知識
一般社団法人データサイエンティスト協会によると、データサイエンティストには「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」という3つのスキルが求められると言われています。
引用:一般社団法人 データサイエンティスト協会 スキル定義委員会活動報告
- データサイエンス力
- データエンジニア力
- ビジネス力
具体的にどんなスキルや知識が求められるのか一例を見てみましょう。
データサイエンス力
数学
データサイエンティストとして活躍するためには、数学に関する知識が不可欠です。
特に、データ分析の根幹にかかわる確率・統計および微分積分や行列の分野に関しては、最低でも高校卒業 (数ⅢC)レベルまでの知識を習得しておきましょう。
また、解析モデルやアルゴリズムに関する理解を深めるためには、大学レベルの解析学や線形代数の知識も必要です。
数学に関しては、統計検定2級で問われる知識と同等のレベルが求められると考えましょう。
データ分析手法
データサイエンティストには、データ分析手法に関する知識が求められます。
データ分析においては、統計処理や数理モデルの作成などを行う必要がありますが、必要な情報を得るための手法を正しく選択する能力が必要になります。
重回帰分析・決定木・クラスタリング分析といった手法を目的に応じて適切に使い分けられるよう、各手法の特性や適用条件などを把握しておきましょう。
データエンジニア力
プログラミング言語
データサイエンスでは、膨大なデータを処理するためのプログラミングスキルが必要です。
データの収集および成形や分析に加え、結果の可視化に至るまで、さまざまな場面でプログラムを書く機会があるでしょう。
なお、データサイエンスには、一般的にPythonやRなどの言語が用いられます。
初学者がプログラミング言語を学ぶ際は、汎用言語であるPythonから習得すると良いでしょう。
データベース
データ分析の環境構築やデータ活用を行う際は、データベースに関する知識が必要になるでしょう。
一般的に、データ分析に用いられる大規模データはデータベースに格納されるため、データベースに関する技術を理解したうえで、構築を行わなければなりません。
また、データベースは社内で共有化されているケースが多いため、不適切な処理を行うと、すべての社内データに影響が及ぶ恐れがあります。
そのため、セキュリティ要件やスケーラビリティなどの要素を考慮し、適切なデータベースを選択することが求められます。
ビッグデータ処理
データサイエンティストにとって、ビッグデータ処理に関する専門知識は欠かせません。
データサイエンスでは、非常に容量が大きいデータを扱う場合があります。
このようなビッグデータを取り扱う際は、データ容量に応じた管理体制の構築や、データの並列処理および列指向データベースの活用による処理の高速化を行うための知識が必要になります。
また、ビッグデータ処理技術は常に発展を続けているため、最新の動向をチェックしておくことも重要です。
ビジネス力
データビジュアライゼーション
データサイエンティストとして活躍するためには、解析したデータを可視化するデータビジュアライゼーションのスキルが必要です。
統計技術やデータが優れていても、内容が相手に伝わらなければ意味がありません。
そのため、分析したデータを資料という形でアウトプットし、見やすいビジュアルに整えるスキルが求められるでしょう。
関連する分野への理解
データ分析を行う際は、解析前の仮説設定を行うための周辺知識が必要です。
データの分野に関する理解が不足していると、前提となる仮説設定の判断を誤ってしまう場合があります。
関連分野への理解を深めれば、適切な仮説設定を行えるでしょう。
将来性の高いデータサイエンティストになるために取得したい資格
将来性の高いデータサイエンティストになるためには、以下のような資格を取得することがおすすめです。
- Python 3 エンジニア認定基礎試験
- AWS 認定クラウドプラクティショナー(初級)
- 統計検定(準1級)
- G検定
- データサイエンティスト検定(DS検定)
Python 3 エンジニア認定基礎試験
将来性の高いデータサイエンティストを目指したい方は、Python3エンジニア認定基礎試験を取得しましょう。
Pythonは幅広い用途で使われており、R言語と並んで、データサイエンティストにとって必須のプログラミング言語であると言われています。
Python3エンジニア認定基礎試験では、主に市販教材の基礎的な文法に関する問題が出題されます。
試験の難易度はそれほど高くないため、Python言語の雰囲気を掴みたいという初学者の方におすすめです。
資格名 | Python 3 エンジニア認定基礎試験 |
運営団体 | 一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会 |
資格種別 | 民間資格 |
試験時間・内容 | 60分(文法文法基礎を問う試験 40問) |
試験方式 | コンピュータベーストテスト(CBT) |
試験日 | 通年開催 |
受検料(税別) | 一般:10,000円 学生:5,000円 |
合格基準 | 正答率70% |
AWS 認定クラウドプラクティショナー(初級)
AWS 認定クラウドプラクティショナー(初級)は、将来性の高いデータサイエンティストを目指す方におすすめの資格のひとつです。
AWSの認定試験は、基礎・アソシエイト・プロフェッショナルなどをはじめとする10種類に分かれています。
AWS認定クラウドプラクティショナーは基礎レベルに該当するため、クラウドサーバーに関する全体的な理解を深めたいという方にとって最適な資格であると言えるでしょう。
なお、受験にあたっては、最低6か月のAWSクラウド使用経験があることが望ましいとされています。
資格名 | AWS 認定クラウドプラクティショナー(初級) |
運営団体 | Amazon Web Services, Inc. |
資格種別 | 民間資格 |
試験時間・内容 | 90分(複数の選択肢と複数の答えがある問題) |
試験方式 | テストセンターにて受験 |
試験日 | 公式サイトより、日時と場所を選択して予約 |
受検料(税別) | 11,000円 |
合格率 | 50%程度(非公表) |
統計検定 準1級
統計検定準1級を取得すれば、データサイエンティストとして将来役立つ知識が身に付くでしょう。
データサイエンティストとして活躍するためには、データを読み取り、客観的に判断する力が必要です。
統計学を学ぶことで、データマイニングやニューラルネットワークなどの構造を理解し、結果を正しく解釈するスキルを習得できます。
統計検定は4級から1級までの5段階に分かれており、準1級では、大学レベルの統計学の基礎的講義および応用的な統計学の諸手法について問われます。
初めて統計学を学ぶ方は、まず3級から受験すると良いでしょう。
参考:統計検定準1級
資格名 | 統計検定 準1級 |
運営団体 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
資格種別 | 公的資格 |
試験時間・内容 | 120分(4~5肢選択問題20~30問、部分記述問題5~10問、論述問題3問中1問選択) |
試験方式 | コンピュータベースドテスト(CBT) |
試験日 | 試験会場によって異なる |
受検料(税別) | 8,000円 |
合格基準または合格率 | 29.70% |
G検定
将来性の高いデータサイエンティストになるためには、ジェネラリスト検定(以下、G検定)を取得しておくことが望ましいでしょう。
G検定とは、ディープラーニングに関する知識やスキルを確認するための検定試験です。
試験では、ディープラーニングやAIに関する幅広い内容が出題されるため、AIに関する技術的手法や、ビジネスにおけるAIの活用方法などを体系的に習得できるでしょう。
G検定の運営団体である一般社団法人日本ディープラーニング協会の公式サイトでは、公式テキストや問題集などが紹介されているため、参考にしてみましょう。
資格名 | G検定 |
運営団体 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
資格種別 | 公的資格 |
試験時間・内容 | 120分(多肢選択式の知識問題、220問程度) |
試験会場 | コンピュータベースドテスト(CBT) |
試験日 | 年6回(1月・3月・5月・7月・9月・11月) |
受検料(税別) | 一般:13,200円 学生:5,500円 |
合格率 | 60~70%前後 |
データサイエンティスト検定(DS検定)
将来活躍できるデータサイエンティストを目指したい方には、データサイエンティスト検定リテラシーレベル(DS検定★)(以下、データサイエンティスト検定)の取得がおすすめです。
データサイエンティスト検定は、2021年9月に第1回目が実施された比較的新しい検定です。
検定試験では、データサイエンスに関する実務能力と知識を有することを証明するための問題が出題されます。
データサイエンティスト検定を取得すれば、データサイエンティストに必要な、データサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力の3つのスキルを証明できるでしょう。
参考:DS検定® ★とは|一般社団法人データサイエンティスト協会
資格名 | データサイエンティスト検定(DS検定) |
運営団体 | 一般社団法人データサイエンティスト協会 |
資格種別 | 民間資格 |
試験時間・内容 | 90分 ・スキルチェックリストの3カテゴリ(データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力)の★1(見習いレベル)相当 ・数理 ・データサイエンス ・AI(リテラシーレベル) におけるモデルカリキュラム |
試験会場 | 全国の試験会場で開催(CBT) |
試験日 | 年3回(3月・6月・11月) |
受検料(税別) | 一般:10,000円 学生:5,000円 |
合格基準 | 非公開 |
まとめ
本コラムでは、データサイエンティストの仕事がなくなるという噂の真偽や、今後の需要について解説しました。
本コラムのまとめは、以下の通りです。
- データサイエンティストは将来性があり、今後も需要が見込まれる資格である
- AI技術が発達しても、AIだけでデータサイエンティストの仕事を完結することは難しい
- データサイエンティストとして活躍するためには、統計学・情報工学・ビジネスに関する知識が必要
- 将来活躍できるデータサイエンティストを目指すなら、関連資格を取得することがおすすめ
ビッグデータの活用に取り組む企業が増加を続ける中、データサイエンティストの需要は今後もますます高まると考えられます。
本コラムを参考に、データサイエンティストを目指してみてはいかがでしょうか。
AI・データサイエンス、機械学習の
実践力を高めたい方へ
- AI・データサイエンス・LLMアプリについて知りたい
- AIエンジニア、データサイエンティストになりたい
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