私は自分の職業をきかれる際に、よく使うのは「データ分析官」という言葉です。あとから、「講師として、機械学習、Python、Tableauなどを教えています」も付け加えることもあります。

あえて、仰々しい「データサイエンティスト」をいう言葉を使いません。なぜならどうしても「サイエンティスト」は日常からかけ離れているわかりにくいモノの雰囲気を出してしまっている気がします。主観的ですが…白衣を着たMad Scientist みたいな感じでしょうか(笑)?

もっと身近な言葉を使うと「データ活用人材」は私の中で、大きく2つのグループに分けられる気がします。1つは「データ分析官」、もう1つは「AIエンジニア」です。どちらも私が使っている表現以外の表現が存在します。例えば「データ分析館」は「(データ)アナリスト」とも呼ばれます。

「データ分析官」の方は業務系寄り、フロント寄りで、「AIエンジニア」の方は開発系寄りと言えます。

簡単にいうと、データ分析官の仕事としては…

お客さんから課題(先方が知りたいこと)をヒアリング→受領されたデータまたは自ら収集したデータを分析→分析から得られた結果を、お客さんのビジネスにとって有益な情報として提供→提供する際に先方が納得するように経緯と結果と解釈の仕方を説明する

ちなみに、以前書いたこの記事には、BIツールを使った可視化分析の業務が詳細に描写されているので、合わせてご参照ください。

AIエンジニアの方は … ラフにいうと、黙々とPythonやSQLのスクリプトをたくさん書いてAIの仕組みやデータ分析基盤を実現するためのシステムを実装したり、データを格納・抽出・管理するためのデータベースを構築したり、分析の環境(例えばクラウドなど)を整えたりします。

では、データ分析とは具体的にどのような業務でしょうか。

以下では、データ分析の具体的なイメージとデータ活用のメリットをお伝えしていきたいと思います。

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データ分析を行う意義

データ分析とは何か、ですが、様々な表現がありますね。例えば…

決まった目的のためにデータを収集し、そのデータに対して、取捨選択、分類、整理、形を整える、観察、測定、計算などの操作を加えることで、価値のある情報を発見すること

ちなみに、価値のある意味を「インサイト」とも呼びます。

2000年以降にインターネットが普及し、膨大なデータが高速に自動的に蓄積されるようになってきました。この「ビッグデータ時代」とIT技術の進化のシナジーによって、データ利活用への注目度が加速しています。

この膨大なデータには、ビジネスや日常生活に非常に有用な知識が潜んでいます。しかし、データはどんなに蓄積しても、活用しなければ意味がありません。ということで、データを賢明にビジネスに活用し、データから価値を生み出すことが、企業間で競争優位が築くための手段であることが明らかとなっています。
データ分析が多くの組織で重要視されるようになってきた今、「データサイエンス人材」のデマンドも年々右肩上がりであり、その育成が喫緊な課題になっています。

世の中に蓄積されているデータは、数えきれないほどの種類があります。最近では、企業内に蓄積された商業データ(購買履歴、顧客情報、在庫状況など)だけではなく、ソーシャルデータ(ソーシャルプラットホームから取得できる個人のデータ)も急速に増加しています。これらは、個々の消費者の声をあらわにしてくれるので、データ分析担当を通じて、企業の中で利用されるとより良いサービスや商品を提供できるようになります。

データ利活用のメリット

自社に溜めている何年分もの販売履歴データをただ眺めているだけでは、売上向上やシェアの拡大に繋がる施策を提案できません。経験則や勘に頼りながら提案したとしても、周りからは「納得できる根拠が見えないと行動を取れません」と言われるはずです。

乱雑な状態で散らばっていた情報から、使えそうな情報だけをとり出す、系統的に集約・整理する、分析にふさわしい形に加工する、各データの関連性や因果関係を調べることで、不確実性を減らせる、十分に研究されている手法を用いて分析する、という一連の業務をこなしてはじめて、ビジネス施策に検討することができます。

これらが出来ると以下の効果を期待できます。

  • 意思決定に有用な洞察を取り出し、組織の「資産」にする
  • 現場の理解や高精度な将来予測を高い確度で実現する
  • 企業が抱える課題に対して、スピーディーな意思決定をサポートしてくれる
  • 物事を客観的な数値(分析結果)に基づいて、客観的かつ正しい判断ができる
  • 客観的な数値を見ると、これまで見落としていた問題点を発見しやすくなる
  • ビジネスの新たなチャンス(opportunity)に気づきやすくなる

今日の投稿はここまでにしようと思っています。

最近朝晩がぐっと冷え込んできましたので、皆さんは温かくして、ポカポカする飲み物を摂取して風邪にお気をつけてください。風邪っぽいと思ったら私は葛根湯を飲みます(3年以上風邪を引いたことがないですが)。

それでは、次回もお会いしましょう。

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この記事の著者 ヤン ジャクリン

ヤン ジャクリン

2015年 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 修了(理学博士)
2015年 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所(博士研究員)
2017年 株式会社GRI(現職) 講師 兼 分析官
2019年 Tableau Desktop Certified Associate 資格取得

・英検1級
・TOEFL IBT試験満点

北京生まれ、米国東海岸出身(米国籍)、小学高学年より茨城県育ち。

万物の質量の源となるヒッグス粒子の性質を解明し、加速器実験による新粒子発見に関する研究を行い、国際・国内学会発表20件以上、査読論文5件以上。
10年以上に渡り、幅広い年齢層の学習指導を学習塾や大学などで実施(5科目、英会話、受験指導、素粒子物理など)。
現在は、株式会社GRIにて、データ分析官(データ前処理、可視化分析、マーケティング施策の分析 他)
公開講座および法人研修を多数開設。

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