世界遺産検定を実施されている、世界遺産検定事務局にインタビューを行いました。

世界遺産検定の概要や受験するメリットなどについて、詳しくご回答いただいています。

世界遺産検定に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

世界遺産検定とはどのような検定なのでしょうか?

世界遺産検定は、人類共通の財産・宝物である世界遺産を通して、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指した検定です。

2006年に始まって以来、約40万人が受検し20万人以上が認定されています。

2014年からは、文部科学省の後援事業となりました。

世界遺産検定は全6級の構成となっており、級が上がるにつれて試験範囲となる遺産が増えていきます。

また、1級までは選択式の解答形式ですが、最上級のマイスターは論述形式となります。

各級の試験範囲は以下の通りです。

  • 4級:日本の全遺産+世界の有名な遺産36件
  • 3級:日本の全遺産+世界の代表的な遺産100件
  • 2級:日本の全遺産+世界の代表的な遺産300件
  • 準1級:日本の全遺産+世界の遺産700件
  • 1級:世界遺産全件
  • マイスター:世界遺産全件

どのような方が受検されることが多いのでしょうか?

小学生から90代まで幅広い年代の方々が挑戦していますが、20代までの受検者の割合が7割を占めています。

学生の受検者が約6割です。

お勤めの方が従事されている業種はさまざまです。

高校生以下は4級、大学生以上は3級や2級から挑戦される方が多くなっています。

世界遺産検定を受けるメリットを教えてください

受検者の方々からは、以下のような声があがっています。

  • 世界遺産検定の勉強をしたら旅行に行きたくなった
  • 勉強をしてから現地に行ったらより楽しめた
  • 海外の方とコミュニケーションツールとして世界遺産の知識が役立った

より具体的なメリットとしては、大きく以下の3つがあげられます。

①認定者特典

世界遺産検定の認定証カードを提示すると、記念品の贈呈や料金の割引が受けられる施設・サービスが全国に25カ所ほどあり、今後も増えていく予定です。

旅行の際は認定証カードを忘れずにお持ちいただきたいです。

②入試優遇

世界遺産検定は全国300近い大学・短大の入試で優遇措置が受けられます。

また、歴史と地理を横断して学ぶことのできる世界遺産は入試でも注目されており、世界遺産に関連する歴史・地理の問題は増加傾向にあります。

世界遺産を通じて世界中の国の歴史や文化、地理を学習することは、さまざまな学部において学びの基礎教養となります。

世界遺産検定を取得しておくと、スムーズに大学での学びに入っていくことができます。

③就職・転職活動やビジネスでの活用

世界遺産検定の取得は、就職活動において、エントリーシートや履歴書の資格欄に記入できるだけではなく、面接などにおいてグローバルな観点を持っていることのアピール材料となります。

グローバル化が進むなか、世界遺産の知識や学習を通して得た歴史等の知識や異文化への理解は、日々世界で起きる出来事を理解し対処するために必要な“一般教養”として、さまざまな業界で役立つものになっています。

世界遺産検定の試験概要について教えてください

試験は年に4回、6〜7月、8〜9月、11〜12月、2〜3月に開催しています。

2025年度の実施予定は以下の通りです。

■第60回検定

【PBT試験】

  • 実施日:2025年7月13日(日)
  • 申込期間:2025年3月24日(月)~2025年5月28日(水)

【CBT試験】

  • 実施期間:2025年6月29日(日)~2025年7月13日(日)
  • 申込期間:2025年3月24日(月)~2025年7月9日(水)

■第61回検定
【PBT試験】

  • 実施無し

【CBT試験】

  • 実施期間:2025年8月31日(日)~2025年9月14日(日)
  • 申込期間:2025年6月17日(火)~2025年9月10日(水)

■第62回検定
【PBT試験】

  • 実施日:2025年12月14日(日)
  • 申込期間:2025年8月21日(木)~2025年10月27日(月)

【CBT試験】

  • 実施期間:2025年11月30日(日)~2025年12月14日(日)
  • 申込期間:2025年8月21日(木)~2025年12月10日(水)

■第63回検定
【PBT試験】

  • 実施日:2026年3月8日(日)
  • 申込期間:2025年12月11日(木)~2026年1月21日(水)

【CBT試験】

  • 実施期間:2026年2月22日(日)~2026年3月15日(日)
  • 申込期間:2025年12月11日(木)~2026年3月11日(水)

※第61回検定と第63回検定は2・3・4級のみの実施です。

全国約20カ所に設ける公開会場で受けるマークシート記入式のPBT試験と、実施期間中好きな日時を選んでテストセンターでパソコンを使って受検するCBT試験が選べます。

もちろん認定の効力などに差異はありません。

お申込みはインターネットを使って世界遺産検定の公式HPより行っていただきます。

各級の実施概要は以下の通りです。

受検資格解答形式問題数試験時間合格基準*3
マイスター1級認定*1論述3題120分20点満点中12点以上*4
1級2級認定*2選択式90題90分200点満点中140点以上
準1級2級認定*2選択式60題60分100点満点中60点以上
2級どなたでも受験できます選択式60題60分100点満点中60点以上
3級どなたでも受験できます選択式60題50分100点満点中60点以上
4級どなたでも受験できます選択式50題50分100点満点中60点以上
*1:’08年までの中級試験における「プラチナ」認定者も含む。
*2:’07年までの初級試験における「シルバー」認定者も含む。
*3:合格基準は調整される場合があります。
*4:12点に達していても、問1、2で6点、問3で6点にそれぞれ達していなければ、合格基準を満たしていないものとする。

世界遺産検定は今後どうなる?

世界遺産学習を座学で終わりにしてしまうのではなく、実際に世界遺産を訪れ、テキストで勉強しただけではわからないその場のリアルな空気を感じ取ってほしいと思っています。

そのときの感動を周りに伝えてくれる方が増えるとうれしいですね。

それが世界遺産の保全や多様性の理解にもつながっていくと思います。

認定者特典もそうですが、受検者の方が現地に足を運びたくなるような仕組み作りには力を入れていきたいと思います。

そのためには、まず世界遺産検定という入り口がしっかりとしたものである必要があるので、さらに多くの方に受検していただけるよう、検定とサービスの質の向上に努めていきたいと考えています。

世界遺産検定事務局より一言

世界遺産検定の公式HPには、検定情報のほかにも、独自に集計した世界遺産ランキングや世界遺産研究員のブログ、世界遺産クイズなど、世界遺産に関する面白いコンテンツをたくさん掲載しています。

すぐには検定を受けようとは思っていない方もぜひ見に来てください!

<2025年度の世界遺産検定試験>

2025年に実施される世界遺産検定について詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。